「デッドストック ~未知への挑戦~」第5話

テレビ東京の「ドラマ25」の「デッドストック ~未知への挑戦~」の第5話を見ました。

旧社屋の未確認素材センターで、古いビデオテープのチェックをしていたADの常田大陸(つねたりく、村上虹郎さん)は、落ち武者の祟りと噂された、古い旅館で鎧を移動させたスタッフが日本刀で斬り殺されるという事件を番組にする許可を上司の佐山暁(さやまさとる、田中哲司さん)にもらうと、落ち武者に興味のない先輩ディレクターの二階堂早織(にかいどうさおり、早見あかりさん)を連れてその旅館へ出かけました。

鎧など無いと言う社長(山口香緒里さん)に、早織さんは、旅館の宣伝を兼ねた取材をしたいと切り出し、受け入れてもらうことができたのですが、早織さんが温泉へ行っている間、古いビデオの映像を見返していた大陸さんは、そこに映っていた男性従業員が今でも旅館で働いていることに気付きました。

従業員の等々力さん(有薗芳記さん)が向かった倉庫の奥には、鎧甲が安置されていました。鎧甲に手を合わせていた等々力さんは、落ち武者となり村人たちに裏切られて家臣共々殺された「つづらぬきさま」の話をし始めました。村では、人々が斬り殺されるという事件が相次ぎ、殺されて無念の思いで死んでいった落ち武者の怨念をお札で封印し、鎧を祭ることにしたようでした。その鎧を旅館が代々受け継いでいたのですが、次第に言い伝えは忘れられるようになり、鎧が大切に扱われなくなっていったということでした。

その時、倉庫の前に社長が現れ、鎧があるとは知らなかったと、大陸さんに取材を頼んだのですが、大陸さんがカメラを撮りに行ために倉庫の前を離れると、捨ててと言ったのにどうして捨てていないのかと激怒し、鎧を突き飛ばしました。社長は、捨てておいてと等々力さんに念を押して出ていったのですが、倒れた鎧のお札が破れていました。

等々力さんは、迷っていながらも、社長の言いつけ通りに鎧を捨て、手を合わせてごみ捨て場から立ち去ろうとした時、無念だと呟く声を聞きました。振り返ると、そこに落ち武者が立っていました。

早織さんと大陸さんが倉庫へ向かうと、倉庫の入り口は閉まっていて、等々力さんの姿も見えなくなっていました。不思議がっている二人に社長は、食事の支度をするといって調理場へ向かいました。秋にリニューアルするという旅館には、従業員が他にはいないようでした。その支度中、社長は、帰ってきた等々力さんに食事を運んでほしいと頼んだのですが、帰ってきたのは等々力さんではありませんでした。社長は斬り殺され、倒れた身体はどこかへ引きずられていきました。

部屋で待っていた早織さんと大陸さんは、物音を聴いて暗い廊下に出て、何者かに襲われました。何者かは大陸さんの構えていたカメラを斬り、逃げていく二人を追いかけました。

その頃、佐山さんは、未確認素材センターで出て、三枝照代(筒井真理子さん)の居酒屋でお酒を飲んでいました。佐山さんには、後輩の早織さんや大陸さんよりも先に見つけ出さなければいけない映像があるようでした。佐山さんから二人が取材に出かけた先の資料を見せられた三枝さんは、これは危ないと教えました。三枝さんには霊能力のようなものがあるようでした。

旅館の納屋に隠れていた二人は、戸を開けた瞬間、立っていた落ち武者に襲われたのですが、斬られそうになった時、誰かが落ち武者にお札を貼ったのですが、それは佐山さんでした。大陸さんが見ると、落ち武者は等々力さんに変わっていました。

その後、旅館は閉鎖されたということでした。社長は行方不明ということなので、落ち武者の霊に取り憑かれていた等々力さんの罪にはならなかったようでした。

最後、早織さんと大陸さんと佐山さんは、お札を作ったらしい三枝さんの居酒屋に来ていたのですが、大陸さんを見た三枝さんは、大陸さんのことが何か気にかかったようでした。

脚本は継田淳さんと三宅隆太さん、監督は三宅隆太さんでした。

第5話は、落ち武者の祟りということで、その祟りの経緯は何となく横溝正史の『八つ墓村』のような話のようにも思えました。でも、今回も面白かったです。大陸さんが鎧の祟りの取材に積極的になっていたところも良かったように思います。

このドラマに限らず「怖い話」の時に使われることの多い緑色の暗視カメラの映像は、怖いというよりは見え辛いというか、見ていて意外と冷静になってしまうような気もするのですが、社長が落ち武者の霊に斬られるスピード感と血の量と遺体がどこかへ引きずられていく謎が、怖さを出していたのだと思います。

旅館の等々力さんは、あれほど鎧甲の言い伝えを信じていたのに、しかも昔の事件現場にも立ち会っていたベテラン従業員なのに、落ち武者の祟りよりも、鎧を捨てろと命令する新社長のほうが怖かったのでしょうか。その後の等々力さんと、鎧の行方も少し気になりました。

大陸さんに何があるのか、次回の物語も楽しみにしたいと思います。

「愛してたって、秘密はある。」第6話

日本テレビの日曜ドラマ「愛してたって、秘密はある。」の第6話を見ました。

司法修習生の奥森黎(福士蒼汰さん)は、教会で婚約者の立花爽(川口春奈さん)に渡そうとしていたダイヤモンドの婚約指輪が11年前に自分が殺した父親の皓介(堀部圭亮さん)と母親の晶子(鈴木保奈美さん)の結婚指輪にすり替えられていたことに唖然とするのですが、指輪のことを母親に尋ね、母親が結婚指輪を捨てていたことを知りました。

黎さんと晶子さんは刑事の一ノ瀬義男(矢柴俊博さん)に呼び出され、車のことが通報された時の音声を確認したのですが、誰の声かは分かりませんでした。一ノ瀬刑事は、黎さんと晶子さんが失踪届を出した以外に奥森皓介を探そうとしていないということからも、二人を疑い始めていました。その夜、黎さんと晶子さんが帰宅すると、家のドアの前に「殺人現場につき立ち入り禁止」との看板と共に黄色のテープが巻かれていました。

爽さんの兄で、政治家と港北医科大学附属病院の贈収賄疑惑を追っているジャーナリストの暁人(賀来賢人さん)は、妹の婚約者の母親の晶子さんが港北医科大学附属病院の看護師と知り、晶子さんに政治家の写真を見せて、関係者を紹介してほしいと頼んだのですが、何も知らないと断られてしまいました。

黎さんは、恩師の香坂いずみ(山本未來さん)に紹介された人権派の海老原弁護士のいる海老原・中川弁護士事務所へ面接に行きました。爽さんからの励ましの電話で気持ちを落ち着かせることができた黎さんは、素直に話をすることができたようでした。
暁人さんは、贈収賄疑惑のことで、消化器内科の准教授の風見忠行(鈴木浩介さん)に会いに行ったのですが、情報を得ることはできませんでした。暁人さんとすれ違うように、奥森皓介が勤務していた港北医科大学附属病院へ向かった一ノ瀬刑事たちは、病院長から、奥森皓介のことは奥森教授を慕っていた風見准教授に訊いてみてほしいと言われていました。その頃、風見教授は、風見家のお墓参りをしていたのですが、そこに黄色のバラを置いて、「父さん」と呟いて手を合わせていました。

爽さんは、黎さんに、「奥森黎の秘密は手帳の中」というメールが送られてきたことを黎さんに教えました。黎さんは、爽さんにもメールが送られていたことに驚いていたのですが、その夜、弁護士事務所から内定の連絡が入りました。家に来ていた爽さんも一緒に喜んだのですが、その時黎さんは庭に人影を見たような気がしました。

翌日、風見さんに挨拶に行った黎さんは、風見さんから、父親が失踪人となった後結婚指輪を母親から預かったと聞かされました。風見さんは、その結婚指輪を机の引き出しに入れて持っていて、それを見た黎さんは、指輪を借りて急いで帰宅し、部屋の引き出しを開けたのですが、そこに入っていたはずの父親の事件に関する品が全てなくなっていました。激怒した黎さんは、部屋を荒らすようにどこかにあるらしい盗聴器を探し、棚の後ろから落ちてきた盗聴器を見つけると、すぐに叩き壊しました。その時、爽さんからメールが入り、黎さんは爽さんとウェディングドレスを見に行くことになりました。

夜、庭に出た黎さんは、何者かのメールにあなたは誰ですかと返信をしました。するとすぐに、君が一番よく知っている人だと書かれたメールが帰ってきたのですが、その直後にもう一度送ろうとすると、そのメールアドレスは使用不可になっていました。

翌日、爽さんとその母親の立花茜(岡江久美子さん)とドレスを見に行った黎さんは、改めて、本当の自分でいることのできる爽さんと一緒にいる幸せを感じていたのですが、その後、結婚式の打合せのために病院の風見さんを爽さんに紹介しようとすると、風見さんを一目見た爽さんは、顔を伏せて震えながら風見さんを指し、あの人が犯人だと黎さんに伝えました。

第6話の脚本は松本美弥子さん、演出は山田信義さんでした。

黎さんは気付いていないのですが、司法修習生の安達虎太郎(白洲迅爽さん)は、黎さんが爽さんのために買った婚約指輪を隠し持っていました。虎太郎さんが指輪をすり替えたのかどうかはまだ不明です。また、爽さんの高校生時代の秘密というのは、風見さんによる犯罪のことのようでした。

政治家への贈収賄疑惑の病院が黎さんの両親の勤務する病院であったことは、偶然なのでしょうか。それとも、そのことも、黎さんの父親の遺体が庭の下から盗まれたことと何か関係があるのでしょうか。

分からないことは多いのですが、謎の風見さんの場面が増えるなど、話は少しずつ進んでいます。

ただ、爽さんにもしも事件の被害者になった過去があるとするのなら、そのような爽さんが、加害者を擁護するような黎さんの発言を聞いた時にどのように思ったのかということも、少し気になりました。ドラマに盛り込まれているいろいろなことが、つながっているような、散漫としているような、そのような感じでもあるのですが、次回の物語も楽しみにしていようと思います。

「ごめん、愛してる」第6話

TBSの日曜劇場のドラマ「ごめん、愛してる」の第6話を見ました。

NHKの「戦後ゼロ年・東京ブラックホール」という番組とも重なっていたのですが、放送時間にはこちらのドラマを見ることにしました。

第6話は、ジャーナリストの加賀美修平(六角精児さん)が公表した隠し子騒動でマスコミ対応に追われ、記者会見を開いたピアニストの日向麗子(大竹しのぶさん)の口から、不倫をしていたのは事実だが子供は死産だった、しかし今はサトルという宝物を授かった、過去のことは忘れたいからこの話は終わりにしてほしいと言われるのを聞いた岡崎律(長瀬智也さん)が、三田凜華(吉岡里帆さん)に誘われて館山の海へ遊びに行った帰りに、再び激しい吐き気と手の震えに襲われる、という話でした。

一方で、サックス奏者の古沢塔子(大西礼芳さん)と婚約した日向サトル(坂口健太郎さん)は、母親の騒動のことを心配していたのですが、塔子さんに頼まれて、塔子さんの入院中の父親に会いに行きました。塔子さんは、寝たきり状態の父親に、サトルと結婚して幸せになると自慢し、パーティーの動画を見せました。塔子さんは、長い間家族を顧みずに病気になって寝たきりになった父親には今は意識がないと思っていたようなのですが、塔子さんを幸せにしますというサトルさんの言葉に、父親は涙を流しました。それからすぐに息を引き取ったのですが、父親の涙を見た塔子さんはショックを受け、サトルさんを置き去りにして車で先に帰ってしまいました。

サトルさんは、レンタカーを借りて塔子さんを探す途中、薬を落としてしまいました。塔子さんの家に行くと、中から見知らぬ男性が出てきました。塔子さんは、戸惑うサトルさんに、自分が幸せなことを父親に見せつけたかっただけだから父親が亡くなった今結婚する必要はなくなった、あなたのことを好きになったことは一度もない、と言いました。ショックを受けたサトルさんは、車で森の道を猛スピードで走り、工事現場への追突事故を起こしてしまうのでした。

脚本は浅野妙子さん、演出は植田尚さんでした。

このドラマは韓国ドラマのリメイク作品ということなのですが、今回はまさに「韓流」(まだ見たことがないので、イメージです。あるいは、昔の日本のドラマのようでもあるのかもしれません)という感じの展開だったようにも思います。

海のバス停の場面も、ドラマらしくて良かったです。翌朝、自分よりも先に目を覚ました凜華さんから、最終の夜10時のバスに乗らなかった理由を訊かれた律さんが、本当は凜華さんがよく眠っていたからだったのですが(普通の場合ならそれでも起こしてすぐに家に帰ったほうが良いようにも思えてしまうのですが)、それを言わずに、自分が眠っていたからだと答えていて、優しいなと思いました。

本当のことはまだ分かりませんが(そもそもDNA鑑定などもしていません)、麗子さんが本当に死産だと思っているとするなら、律さんに「律」という名前を付けたのも、青い石の指輪を持たせたのも、律さんを児童養護施設の前に置いた麗子さんのマネージャーの三田恒夫(中村梅雀さん)ということになるのかなと思います。

律さんの症状が悪化し、心臓病のサトルさんが事故を起こして病院へ運ばれるという場面を見ていて、勝手なことなのですが、もしかしたら、死にゆく律さんが弟のサトルさんに心臓移植をするというような展開の話になるのかもしれないと思いました。

何となく続きも気になりますし、次回の物語もそれなりに楽しみにして見てみようと思います。

「おんな城主 直虎」第33回

NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第33回を見ました。

井伊谷三人衆が先導役を務める徳川の軍勢を次郎法師の井伊直虎(柴咲コウさん)と家老の小野但馬守政次(高橋一生さん)が井伊谷城へ受け入れようとした時、徳川の軍勢に向かって突然矢が放たれました。罠だと気付いた直虎は、政次を逃がし、政次の裏切りだとを主張する近藤康用(橋本じゅんさん)に政次の無実を訴え、井伊家の再興の約束を果たしてほしいと徳川方の酒井忠次(みのすけさん)に願い出たのですが、聞き入れられず、政次の代わりに牢に入れられてしまいました。徳川方に矢を放った下手人を追い詰めた中野直之(矢本悠馬さん)は、近藤康用の家臣かと思われた人物に自害されてしまいました。直虎から逃げるよう言われた政次は、家臣たちに指示を出し、川名の隠し里へ急ぎました。

井伊谷城へ入った徳川家康(阿部サダヲさん)はその状況を不審に思っていたものの、駿府を落としたという武田から掛川を攻めるようにとの指示を受け、直虎と政次のことはそのまま近藤康用に任せて出立しました。

牢の直虎が面会に来た龍潭寺の南渓和尚(小林薫さん)から渡された手紙には、今夜龍雲党の頭の龍雲丸(柳楽優弥さん)が助けに行くから政次と二人で気賀へ逃げるようにという趣旨のことが短く書かれていたのですが、しかし夜になると、牢の前に負傷した政次が現れました。近藤康用の寝所を襲って康用に怪我を負わせ、その場で捕まったということでした。直虎は牢を出され、代わりに政次が入れられました。

龍雲丸は、牢の中の政次を助けに行ったのですが、政次は、井伊の仇となることは本懐であり、自分はそのために生まれて来たのだと龍雲丸に話し、牢から出ることを拒みました。龍潭寺で待っていた直虎は、逃げようとしない政次を説得しに行こうとしたのですが、政次は好きでそうしているのだと龍雲丸に止められました。政次から託された白い碁石を直虎に渡した龍雲丸は、政次が守ろうとしている井伊とは直虎のことだと言いました。

龍潭寺を飛び出した直虎は、井戸の前で政次から渡された碁石を見ながら、次の一手を考えろということかと悩んでいました。一晩中考えていた直虎は、朝になって迎えに来た南渓和尚から、政次が磔の刑に処されることになったから引導を渡しに行くと言われ、私も行くと答えました。

水辺に用意された刑場には処刑の準備が整っていました。龍潭寺の僧たちと直虎が待っていると、そこに近藤康用が現れ、牢を出された政次が現れました。直虎は政次の目を見ました。政次も直虎の目を見ました。政次は用意されていた十字の木に磔にされ、近藤康用の家臣たちが両側から政次へ向けて槍を構えました。その時、閉じていた目を開けて顔を挙げた直虎が、近くの家臣が持っていた槍を奪って政次の前に進み、磔の台の上の政次を見据えたまま刃を胸部に突き刺しました。地獄へ落ちろ小野但馬!遠江一、日の本一の卑怯者と未来永劫語り伝えてやると直虎が力強く言うと、少し笑った政次は、吐血しながら、笑止!元より女子頼りの井伊に未来などあると思うているのか、やれるものならやってみよ!と言い返し、地獄の底から見守って、と言いかけて、直虎を見下ろしたまま、落命しました。直虎は政次から槍を抜き、刑場を立ち去りました。

直虎が囲碁の置かれている部屋に戻ると、そこには政次が待っていたのですが、それは幻でした。少し前まで政次がいた牢には、「白黒をつけむと君をひとり待つ 天つたふ日そ 楽しからすや」という辞世の句が残されていました。

作(脚本)は森下佳子さん、演出は渡辺一貴さんでした。

第33回は、「嫌われ政次の一生」ということで、政次の最期の回だったのですが、直虎を守るために近藤康用にわざと捕まって磔にされることになった政次を、まさか直虎が槍で突き刺すという衝撃的な展開になるとは思いませんでした。

最近に見た大河ドラマの中で今回の政次の死ほど壮絶な死が描かれたことはなかったように思えるほど、ドラマチックな、見事な政次の最期でした。

近藤康用に捕まる直前の、隠し里の家での政次となつ(山口紗弥加さん)の穏やかな場面も、とても良かったです。白い碁石が直虎と政次をつなぐものだと知りながらそれを政次に渡し、石を見ながら直虎のことを考える政次の視線を遮るなつさんが優しかったですし、なつさんといる時の政次の笑顔も良かったです。

まだ「おんな城主 直虎」の物語は続きますが、これからどこかで小野但馬守政次と聞いた時には、きっとこの大河ドラマの高橋一生さんの政次を思い出すのだろうと思います。

井伊家の仇として直虎に殺された政次の、本懐を遂げた、というのは、直虎への愛が成就した、ということでもあったのだろうと思うのですが、直虎を守りきった政次と、政次に守られる覚悟をした直虎の、愛というか絆というか、そのような感情の描かれ方が、やはり、すごい回だったなと思います。

直虎は、政次がかつての許婚の井伊直親(三浦春馬さん)のようにいなくなってしまうことを恐れていたのですが、幼馴染のおとわと鶴松だった次郎法師の直虎と政次の運命は、劇的な結末を迎えました。

南渓和尚は、政次を直虎の片方の翼だと話していたのですが、政次は、直虎には南渓和尚もいるし、龍雲丸もいると考えていました。直虎はこれからどのように進んでいくのでしょうか。

本編の後の「直虎紀行」によると、龍潭寺は小野家の菩提寺でもあるそうで、小野家の代々のお墓が並んでいるそうなのですが、そこに小野但馬守政次のものはないそうです。政次が処刑された川辺に、地元の人々による政次を弔う仏像が祭られているということでした。

政次がいなくなってしまったことは少し寂しいですが、龍雲丸の話になるらしい次回の直虎の物語もまた楽しみにしていようと思います。

「描き続けた“くらし” 戦争中の庶民の記録」

昨夜、Eテレの「ETV特集」の「描き続けた“くらし” 戦争中の庶民の記録」を見ました。

冒頭に登場していた、昨年のアニメーション映画「この世界の片隅に」(とても良い映画でした。原作のこうの史代さんの漫画は未読です)の監督の片渕須直さんが見ていたのは、勝矢武男さんという方の描いた、敗戦までの3年間の戦時中の家族の日常を記した絵日記のようなスケッチ画でした。

勝矢武男さんには、時々病に伏していた妻の勝世さんと、元気な3人の男の子と2人の女の子がいました。勝矢家は7人家族で、東京の北区の辺りで暮らしていたそうです。

78歳だという三男の輝夫さんが当時のことを話していました。輝夫さんの家には、武男さんの描いた絵が飾られていたのですが、とても上手で驚きました。画家だったのでしょうか。私は勝矢武男さんのことを知りませんでした。

終戦から12年ほど経った昭和42年、雑誌「暮しの手帖」は「戦争中の暮しの記録募ります」と募集をかけ、翌年の夏に「戦争中の暮しの記録」の特集号を出版したそうです。番組のナレーションでは「ある出版社」と言っていて、なぜか「暮しの手帖社」だとは言わなかったのですが、その「暮しの手帖」の募集には1763通の応募があり、勝矢武男さんのスケッチもそこから世に出たということのようでした。

スケッチには、母親が元気になったことや、子供たちが相撲をして遊んだこと、野菜を買ったこと、お肉をすき焼きにしていっぺんに食べたこと、玄米を瓶に入れて白米に精米したこと、野草を食べたこと、楠公飯を作ったけれどおいしくなかったこと、ネズミがかじった飛行機の模型を長男が泣きそうになりながら作り直していたこと、みんなで防空壕を掘ったこと、その防空壕の中で子供たちが遊んでいたこと、長女が集団学童疎開へ行ったこと、勝世さんが長女を心配していたこと、疎開先で衰弱した長女を家に連れて帰ってきたこと、空襲を避けるために雨の入った防空壕にいなければいけなかったこと、昭和20年5月24日の夜の大空襲のこと、東京の街が焼け野原になったこと、家族で生き抜こうという思いなどが描かれていました。

佐賀県の田中仁吉さんという農家の方の日記も少し紹介されていました。田中さんは、生活は厳しかったそうなのですが、畑仕事が好きだったそうです。暮しの手帖社へ日記を送ったのは“百姓”の生活を残しておきたかったからなのではないかと、家族の方が話していました。

勝矢さんの家族は、空襲でも無事で、家族7人で揃って8月15日の終戦を迎えることができたそうです。その後、妻の勝世さんは77歳で亡くなり、夫の武男さんはその翌年に81歳で亡くなったのだそうです。そして、武男さんと勝世さんの子供たちは、長男の幸夫さん以外は、今でもご健在なのだそうです。

勝矢武男さんのスケッチのカラフルな絵と綴られていた文章が繊細で良かったということもあると思うのですが、とても良い特集でした。三男の輝夫さんが話していたように、確かにそのような時代があったという証拠であり、戦争をしてはいけないというメッセージが武男さんの絵には込められているように思いました。

戦況が悪化する前の、戦時中の普通の家族の普通の暮らしが絵には描かれていたのだと思います。勝矢さんの家族は大空襲の中にあっても助かりましたが、その一方で、勝矢家の家族のように暮らしていた別の家族の日常は、大空襲によって壊されてしまいました。

映画「この世界の片隅に」の主人公の広島の呉のすずさんも、絵を描くのが好きな人で、生きて終戦を迎えることができましたが、大切な家族の一人と共に右手を失ってしまい、原爆によって実家のある広島の街も破壊されてしまいました。

映画を見た時にも思ったことなのですが、武男さんの穏やかな絵の向こう側にある、ごく普通の日常の中に戦争の気配が少しずつ入り込んでくる感じを、怖く思いました。映画と同じように、武男さんの絵にも、戦争を直接批判するような言葉はないようでした。それもその「時代」ということなのかもしれませんが、批判がはっきりとしていない分、今の私の暮らしにも置き換えて見ることができるように思えて、何でもない、楽しかったりつまらなかったりする普通の日常生活が、戦争の本性である暴力によって突然破壊されて一変するということを、恐ろしく、悲しく思いました。

家族には様々な形があると思いますが、約72年前の家族の暮らしと今の家族の暮らしとに、それほど大きな違いはないのだろうと思います。戦争だから、という訳の分からない理由で壊されていいような暮らしはないです。

武男さんの絵や田中さんの日記などが残されていて良かったです。雑誌「暮しの手帖」が戦時中の庶民の暮らしを残しておこうという特集を組んでいて良かったです。ドラマを見た後に何気なく見始めたのですが、この特集を私も見ることができて良かったです。
プロフィール

Author:カンナ
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