「黒革の手帖」第2話と、蓮舫さんの辞任、江戸川乱歩の命日のことなど

テレビ朝日の木曜ドラマ「黒革の手帖」の第2話を見ました。今回も15分拡大版で放送されていました。

銀座の高級クラブ「カルネ」の経営のため、銀行の契約社員時代の同僚の山田波子(仲里依紗さん)を新人ホステスとしてスカウトした原口元子(武井咲さん)は、クラブ「燭台」のママの岩村叡子(真矢ミキさん)がその品の無い接客態度を銀座に相応しくないと危惧していた、楢林クリニックの院長の楢林謙治(奥田瑛二さん)に気に入られてマンションを買ってもらったという噂のある波子さんが、実はマンションではなく銀座に店舗を買ってもらったということを美容室の店長の牧野さん(和田正人さん)からの情報で知りました。しかも、その店舗の場所は「カルネ」の2階上でした。

元子さんは、自分のやり方でのし上がっていくとして「銀座の掟」を平気で破る波子さんに復讐をするため、黒革の手帖を開いて、楢林院長のために借名口座を作って不正預金を繰り返していた楢林クリニックの看護師長で楢林院長の内縁の妻のような立場の中岡市子(高畑淳子さん)を利用することを思い付きました。

楢林院長が買ったという波子さんのマンションの部屋に乗り込んだ市子さんは、あなたは楢林院長からとっくに飽きられているのだと言う若い波子さんと乱闘になりました。仲裁に入った楢林院長は、市子さんを叩いて別れを告げ、30年間楢林院長の病院を大きくするために無認可の化粧品販売やエステや不正預金に手を染めて来た市子さんを自宅からも病院からも追い出しました。

市子さんと会った元子さんは、男を見る目がなかったのだと諦めている市子さんに、父親の借金に苦しめられて亡くなった母親と自分の過去のことを市子さんに話しました。そして、市子さんが楢林院長から退職金さえもらっていないということを知った元子さんは、退職金を払うよう自分が交渉すると市子さんに言い、その代わりにあるものを病院から持ち出してほしいと頼みました。それは裏帳簿でした。市子さんは私物を取りに行くふりをして病院の院長室に入り、金庫の中からその帳簿を取り出しました。

楢林院長を呼び出し、二人でホテルの一室へ向かった元子さんは、楢林院長に裏帳簿を見せて5千万円を貸してほしいと頼み、お金がないと言う楢林院長に、波子さんのお店の権利を手放せばいいと詰め寄りました。なかなか承諾しない楢林院長の様子を見た元子さんは、着物の袖を破って刃物で腕を切って血を流して見せました。楢林院長を傷害事件の犯人に仕立てようとするような突然の元子さんの行動に唖然とする楢林院長は、その後、元子さんにお金を渡したようでした。元子さんは、市子さんに一千万円を手渡し、このお金を元手に商売を始めてはどうかと提案していました。

一方、楢林院長から、お金が無くなったのでお店を出すことができなくなったと告げられ、買ってもらったと思っていたマンションが実は賃貸だったと知って動揺した波子さんは、全ては「カルネ」のママのせいだと聞いて内装を新しくしたばかりの「カルネ」に乗り込むと、元子さんにグラスを投げつけていました。

脚本は羽原大介さん、監督は本橋圭太さんでした。

主題歌の福山雅治さんの「聖域」という曲がこのドラマに合っているかどうかは今回にもまだよく分からないように思えたのですが、ドラマ自体は面白かったです。

銀行員時代の地味さから豹変するホステスの山田波子さんを演じる仲里依紗さんや、長年尽くしてきた楢林院長に見限られる看護師長の中岡市子さんを演じていた高畑淳子さんの迫力も良かったのだと思います。

新病院建設のために国有地を払い下げてもらおうとしていた楢林院長の計画は、結局頓挫したのでしょうか。元子さんは、波子さんへの復讐のために市子さんを利用したのですが、悪い楢林院長に捨てられた市子さんのことを助けてもいました。

楢林院長から暴力を振るわれたように見せかけるために腕を切って血を流すという場面は、見ていて痛そうでした。ただ少し古い感じにも思えたのですが、楢林院長の気持ちを引かせるためのものとしては効果があったようでした。

元子さん自身も銀行員時代に借名口座の不正預金を横領した人なので、そのような元子さんが楢林院長や市子さんの不正を警察に届け出るようなことはしないという点では、元子さんには、悪が悪を倒すというような、“必殺仕事人”のようなところがあるのかなと思いました。次回も見てみようと思います。


ところで、昨日には、メディアでは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)がミサイルを撃つのではないかとも伝えていましたが、民進党の蓮舫参議院議員が代表を辞任し、国連平和維持活動(PKO)のために南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の施設部隊の「日報」の隠蔽疑惑問題に伴う防衛省の黒江事務次官と陸上自衛隊の岡部陸上幕僚長の引責辞任に次いで、稲田朋美防衛大臣も、特別防衛監察の結果の公表の前に大臣職を引責辞任したという報道がありました。二人の女性議員が同じ日に辞任をするということも、何か意味のあることのような気がしました。

黒江事務次官と岡部幕僚長は「日報」の存在を稲田防衛大臣に報告したとし、稲田防衛大臣は報告を受けていないとして意見がすれ違っているので、「引責辞任」の責任というのは、混乱させた責任、ということのようです。稲田議員は防衛大臣を辞任をした後にも記者たちの質問には答えるのでしょうか。事務次官や幕僚長も、表に出て来ることはあるのでしょうか。それとも、辞任をした後は(体調不良などと言って)しばらく隠れるのでしょうか。防衛に詳しくない稲田議員を防衛大臣に任命したことについては安倍首相の任命責任が当然問われるものと思いますが、今の自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣である安倍首相なので、公文書である「日報」の破棄や隠蔽(非公表)の問題を、安倍首相を飛ばして稲田議員や自衛隊員だけの責任にするというのも、間違っているように思いました。

民進党の蓮舫さんは、頑張っていたと思います。ただ、蓮舫さんは、同じ政党の他の議員を使うのがあまり上手くないのかなと思いました。自民党の議員たちが自民党総裁の安倍首相を守ろうとし過ぎているのも何だか気持ち悪いように思えるのですが、民進党の議員たちが代表の蓮舫さんを助けようとしていなかった(あるいはそのように見えていた)ところも、良くなかったように思います。

この「黒革の手帖」のドラマの直後の「報道ステーション」では、近畿財務局に約8億円値引きしてもらった1億3千万円ほどの値段で買い取った大阪航空局の管理する大阪府豊中市の国有地に府の私学課の認可の下りた「安倍晋三記念小学校」を建設しようとしていた際の補助金や系列の幼稚園の補助金の“不正受給”の問題で大阪地検特捜部の取り調べを受けた、学校法人・森友学園の籠池泰典前理事長の様子が伝えられていたのですが、近畿財務局の担当者と会った日のこと?がボールペンで記されていた籠池さんの手帳の表紙が黒かったので、これも「黒革の手帖」なのかなと思いました。大阪地検特捜部は、松井大阪府知事や国会で虚偽答弁をしたかもしれない財務省の佐川理財局長(現国税庁長官)のことも取り調べるのでしょうか。

昨日の7月27日が田中角栄元総理大臣がロッキード事件で逮捕された日だということを、籠池さんがマスコミの記者さんたちに話していたので、ああそうなのかと思い出したのですが、籠池さんは自身の関わっているアッキード事件(内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんが関与しているということを山本太郎議員がこのように表現していました)にロッキード事件をかけたのでしょうか。日本弁護士連合会が出している「被疑者ノート」というものの存在も、私は昨日の報道で初めて知りました。担当者名や、訊かれたことや、答えたことなどを、そのノートに書き留めておくのかもしれません。

映像の中にいた、北斎という名前の籠池さんの愛犬(柴犬でしょうか)が、かわいかったです。「国策捜査」で大阪地検へ向かう前の籠池さんは、なぜか「ちびまる子ちゃん」の「友蔵 心の俳句」のような、「泰典 心の俳句」?を詠んでいました。

籠池夫妻は、夫婦としては良い夫婦のように見えますし、11月22日に毎年開催されているという、「いい夫婦の日」の今年の「パートナー・オブ・ザ・イヤー」なるものに選ばれてほしいような気もするのですが、国有地払い下げ事件の発覚後に「手のひら返し」や「トカゲの尻尾切り」に遭ったことで安倍首相を尊敬しているとして園児たちにまで応援させていたお二人の安倍政権や日本会議的なるものへの信仰心のような洗脳?は解けたのだとしても、当初報道されていたような、外国の人や障害のある人に対する差別意識や大日本帝国憲法賛美の戦前回帰的な思想(例えば、「教育勅語」を子供たちに暗唱させることを道徳的に良いと思っているような思想)がなくなったのか、あるいはまだ持ち続けているのかどうかは分かりません。今は、籠池さんに対するそのような点がメディアでは報道されなくなっているからです。報道番組で流れる籠池夫妻の仲の良さそうな様子は面白いと思いますし、籠池夫妻の人権もちゃんと守られてほしいと思いますが、一方で、そのような点があったことも忘れてはいけないような気がします。森友学園の事件は、思想の事件です。安倍首相側の思想と当時の籠池夫妻の思想が一致していたからこそ、森友学園には密かに日本初の神道の?小学校の設置認可が下り、国有地が8億円値引きされ、分割払いの約1億3千万円で売られたのではないかと思います。


それから、これはドラマとも政治とも関係のないことなのですが、今日の7月28日は、探偵小説家の江戸川乱歩の亡くなった日です。没後52年目の日です。私は江戸川乱歩の作品をとても好きなのですが、忌日が「石榴忌」と呼ばれていることは知っていたものの、「乱歩の日」と呼ばれていることは全く知りませんでした。ミステリー作家でもあった山田風太郎の命日でもあるそうなのですが、他の作家の方の忌日の中にも「名前+の日」で呼ばれているものはあるのでしょうか。今日は明治時代・大正時代のジャーナリストの宮武外骨(随筆のような著作を数冊読んだくらいなのですが、反骨精神と自由な発想が面白くて好きです)の命日でもありますが、「外骨の日」とは聞いたことがありません。

「過保護のカホコ」第3話

日本テレビの水曜ドラマ「過保護のカホコ」の第3話を見ました。

第3話は、同じ大学に通う画家志望の麦野初(竹内涼真さん)を好きになり、母親の泉(黒木瞳さん)に麦野さんと会うことを禁止された後も嘘をついて密かに麦野さんと会っていた大学生の根本加穂子(カホコ、高畑充希さん)が、娘の嘘に気付いて怒る母親から麦野さんを罵倒されて怒り、生まれて初めて母親と対立してしまい、混乱した勢いで麦野さんに告白をする、という話でした。

麦野さんは、両親から自分と会うことを禁止されているカホコさんを気遣って、大学内でも電話で話す(電話料金がかかるため必ずカホコさんから電話をする)ことにしていました。カホコさんは、電話で聞いた麦野さんの好きな女性のタイプが自分とは反対だと知りました。麦野さんの好きなタイプは、夢を持って生きている人でした。

再び富田糸(久保田紗友さん)のお見舞いに行くことになったカホコさんは、糸さんと直接会うことを避け、麦野さんに同行してもらい、自分の代わりに糸さんを元気付けてもらうことにしました。糸さんは、画家志望だという麦野さんにスケッチブックを見せてもらい、眠っている女性の絵のモデルがカホコさんだと気付いたのですが、そのページをめくると、そこにはチェロを弾いている自分の姿が描かれていました。アルバイトでコンクールの会場にいた麦野さんは、演奏する糸さんの絵を描いていたようでした。

廊下から病室の中の様子を窺っていたカホコさんは、絵に見入っている糸さんと麦野さんの邪魔をしてはいけないように感じ、薬をもらいに来ていた叔母の国村環(中島ひろ子さん)と一緒に病院を出て行きました。それからカホコさんは、環さんやその夫の衛(佐藤二朗さん)など、結婚している親戚の人たちに、どうして二人は結婚したのかと尋ね続けていました。

麦野さんを好きになったカホコさんは、告白の仕方をインターネットで調べ、様々な意見に翻弄されていたのですが、自分が魅力的に見える洋服で告白しましょうという意見を読み、父親の根本正高(時任三郎さん)と一緒に新しい洋服を買いに行くことにしました。父親の正高さんは、母親の泉さんとは反対に、麦野さんを好きになった娘のカホコさんのことを応援しようとしていました。カホコさんは、母親には秘密にしておいてほしいと父親に頼み、グリーンのワンピースドレスを買って帰りました。

母親の実家の並木家では、退院した糸さんの快気祝いを開くために親戚が集合したのですが、カホコさんの予想通り、糸さんは来ませんでした。糸さんがチェリストになることを応援していた母親の、泉さんの二番目の妹の富田節(西尾まりさん)は、娘の糸が怪我にどうしてもっと早く気付かなかったのかと嘆き、糸が入院してから姉の泉がなぜか張り切っていると指摘していました。

三姉妹がもめていた並木家にピザの配達の麦野さんが来て、麦野さんを見た節さんが糸さんのお見舞いに来ていたカホコさんの友人だと気付いたことで、泉さんは娘のカホコが自分に嘘をついて麦野さんと会っていたということに気付き、不安を感じて苛立っていました。グリーンのワンピースにも気付いていた泉さんは、カホコさんに、俳優とミュージシャンと画家の卵の男は女を騙すだけのろくでなしだというようなことを言って、麦野さんと付き合ってはいけないということを改めて注意したのですが、自分の意見を持ち始めていたカホコさんは、カホコのことを悪く言うのはいいけど麦野君のことを悪く言うのはやめてと怒り、母親の言葉を遮って、猛スピードで家を出て行き、夜道を走って、走って、目に見えない赤いラインを越えて、大学の美術室で絵を描いている麦野さんに会いに行きました。

麦野さんを「ハジメ君」と下の名前で呼び、好きな人のことで母親とケンカになって怒鳴ってしまったと混乱した様子で話したカホコさんは、その勢いで好きな人に告白すればと麦野さんに言われてはっとして、ハジメ君が好きと告白し、戸惑う様子の麦野さんを見てまた動揺して、大学の美術室を飛び出すと、猛スピードで街を走って来た道を戻り、自宅マンションの前にたどり着きました。マンションの前では、娘を心配した母親が帰りを待っていたのですが、泉さんも初めての娘との喧嘩に動揺していたらしく、カホコさんが帰ってきたのを見て隠れていました。

脚本は遊川和彦さん、演出は日暮謙さんでした。

オープニングの梱包用のプチプチのウェディングドレスのカホコさんは、前回では0歳児になっていたのですが、今回では幼稚園児になっていました。成長しています。

面倒見の良い麦野さんと、麦野さんを好きになったカホコさんの会話が、何だかかわいかったです。カホコさんのいとこの糸さんのほうが麦野さんと話が合うということだったのですが、麦野さんに絵をもらった糸さんも、これからのカホコさんと麦野さんとの関係性の中に入って来るのかもしれません。

主人公は過保護に育ったために?少し現実離れしているカホコさんなのですが、カホコさんを過保護に育てた母親の泉さんと父親の正高さん、その家族である親戚の人たちの問題も描かれています。散漫になってしまいそうな印象でもあるのですが、第3話では、そのバランスは悪くないように思えました。

あと、カホコさんが走って大学へ行くことができていたことからすると、実はカホコさんの通っている大学は、カホコさんの自宅から近かったようです。母親がいつも車で駅まで送っていたようだったので、大学は電車で通う距離にあるのだと思っていたのですが、あるいは電車で通う距離にあるとしても、二駅くらいだったのかもしれません。

現実的なホームドラマかどうかというようなところはともかく、少しファンタジーの雰囲気のあるカホコさんの個性は面白いと思いますし、麦野さんも良い人ですし、今のところ単純に楽しく見ることができているので、予告によると次回には父親の正高さんが家族に何かを言いたくなるようでしたが、次回の物語もそれなりに楽しみにして見てみようと思います。


ところで、これはドラマのこととは全く関係のないことなのですが、ドラマの後に見たTBSの「NEWS23」では、学校法人・加計学園の岡山理科大学の学校説明会の様子が報道されていました。その大学のホームページには(まだ文部科学省の設置認可が下りていないのに)獣医学部の新設がすでに明記されているそうなのですが、説明会の中で、岡山理科大学は「受験し易い」(入学し易い?)大学で、受験生は最大3日間、同じ場所、同じ時間に同じ傾向の内容の試験を受けることができるというようなことが言われていました。1年に1回の入試の内容が難しくないというのならまだ分かるのですが、同じ傾向の入試を数日の内に3回も受けることができるというのは、他の大学にもある入試方式なのでしょうか。私は今までこのような大学入試の話を聞いたことがなかったので、少し奇妙に思いました。

あと、これもドラマとは全く関係のないことなのですが、「NEWS23」などと同じ23時台のニュース番組の、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」では、日本政府の計画しているロシア政府との北方領土での経済協力について伝えられていました。26日には、元島民の方たちが「ビザなし交流」の「自由訪問」で国後島へお墓参りに行ったそうなのですが、日本政府が経済協力を十分に行ってからロシア政府側に北方領土の返還について切り出すということでは、北方領土が日本の領土として戻ってくる可能性はますます低くなるのではないかなとも思いました。

昨日のNHKの報道によると、安倍昭恵内閣総理大臣夫人を名誉校長とした日本初の神道の小学校を建設する予定だった大阪府の学校法人・森友学園に豊中市の国有地が約8億円値引きされて売却されていた問題で、森友学園側の弁護士と近畿財務局の担当者が値引額を協議し、近畿財務局がゴミの撤去費用の見積もりを民間業者ではなく国有地を管理している大阪航空局に依頼するという異例の対応を取って約8億円の値引きをしたということが、関係者への取材で初めて明らかになったのだそうです。報道によると、森友学園の籠池前理事長の補助金不正受給の件で大阪地検特捜部が27日に事情聴取を行うそうです。大阪地検特捜部は、財務省の担当者への事情聴取も行うことになるでしょうか。

今朝の報道では、公表を求められた防衛省が破棄したと答えていた、「戦闘」の文言の書かれている南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加していた陸上自衛隊の施設部隊の活動記録の「日報」が、実際には電子データとして保管されていたことが分かったのに、防衛省の事務方である自衛隊の統合幕僚監部が稲田大臣にすぐに報告しなかったという問題(あるいは稲田大臣か官邸が「日報」の隠蔽を指示していたかもしれない問題)で、防衛省の黒江事務次官と陸上自衛隊のトップの岡部陸上幕僚長が共に「引責辞任」をすることが分かったということが伝えられていました。自主的な退任なのか、辞任させられるということなのか、辞任ということにして隠れるということなのか、事情はよく分かりません。そのニュースでは、安倍首相のお気に入りの稲田防衛大臣について、内閣改造時に閣僚から外されれば「事実上の更迭」になるという風に言っていたのですが、“事実上の”ということは、やはり「更迭」にはならないのだろうと思います。

「津久井やまゆり園」の事件から一年と、二日間の国会の加計学園問題など

今日は、神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害され27人が重軽傷を負わされた殺傷事件から一年の日です。

この事件は「戦後最悪の大量殺傷事件」と言われていますが、「テロ事件」とは言われていません。でも、この事件は「テロ事件」なのではないかと思います。

テロ(テロリズム)の定義は、例えば「警察庁組織令第39条」では「広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動」であり、「特定秘密の保護に関する法律第12条第2項では「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」です。

誰かが暴力行為によって政治上その他の主義主張を押し通そうとして社会に不安や恐怖を与えることをテロと呼び、そうする人のことをテロリストと呼ぶのなら、「津久井やまゆり園」で46人を殺傷した植松聖被告はテロリストと呼ばれる種類の人であり、津久井やまゆり園で起きた事件はテロ事件と呼ばれる種類の事件だと思うのです。

最近はほとんど報道されなくなっているように思いますが、植松被告は犯行前の2016年の2月に、日本国と世界のためとして、安倍晋三首相に協力を依頼する自民党の大島理森衆院議長宛ての手紙を出して、安倍政権に犯行計画を伝えていました。「私は障害者総勢470名を抹殺することができます。」と始まるこの手紙には、被告本人の名前と連絡先も書かれていたそうです。

犯人の手紙が抹殺されずにメディアに公開されたことから一般市民の私もこの手紙の存在知ることができたのですが、この手紙のことを報道番組などで知った時には、このような具体的な犯行予告的手紙が政府に届いていても、その後実際に犯行が行われるまでの約5か月の間に、政府は殺傷事件を防ぐことができなかった(警察には連絡をしたそうですが)ということにとても驚きました。

事件後、政府は事件の再発防止に向けて措置入院の制度や運用が適切であったか再検証し必要な対策を検討していく、というようなことが発表されていましたが、報道されていた手紙を見た私には、被告の手紙に書かれている主張内容が正しくないとしても手紙の文章そのものがおかしいというほどではなく、被告は精神疾患の人ではないように思えましたし、この事件の問題を措置入院の問題にしようとしていた政府の方針は何かずれているように思えました。

昨夜のNHKの「ニュースウォッチ9」の後の「クローズアップ現代+」では、「シリーズ障害者殺傷事件の真実 被告の手紙・遺族の声」という特集が放送されていたのですが、NHKは被告と手紙のやり取りをしていたようでした。日本テレビや神奈川新聞などにも手紙が送られていたそうなので、複数のメディアと手紙のやり取りをしていたのかもしれません。同じもののコピーなのか、一社一社に別の手紙を送っていたのかは分かりません。

NHKでは被告からの、比較的きれいな字で書かれた新しい手紙の一部を抜き出して紹介していました。全文を公開してほしいようにも思えたのですが、そうはできない何かの事情があるのかもしれません。NHKのスタッフの方に選ばれて紹介される文章の一節以外の箇所は、視聴者には読むことができないように影のような色で消されていました。日本テレビや神奈川新聞への手紙には、魚の絵?が同封されていたようなのですが、NHKのニュースでは絵のことは言われていませんでした。

Eテレの「ハートネットTV」という番組でも、この障害者福祉施設で起きた殺傷事件に関する特集がシリーズで放送されていますが、この恐ろしい事件は、被告の意図したものとは別に、社会に大きな影響を与え続けているように思います。少なくとも私は、この事件が起きてから、「障害者」の特集をそれまでよりもよく見るようになりましたし、考えるようにもなりました。それまでも全く考えなかったというわけではありませんが、あまり深く気にするということはなかったのかもしれないと思います。小学校の頃、私の同じクラスに少し知的障害のある子がいて(当時は「知恵遅れ」という言葉が使われていたのですが、今ではこの言葉は差別用語となっているそうです)、授業中に歩き出したり、急に騒いだり、泣き出したりするようなこともあったのですが、そのことに呆れることはあったとしても、同じクラスの人は誰も、きっと少しもこの同級生のことを嫌いではなかったように思います。その人の性格が良かったということもあるのかもしれませんが、みんなで家に遊びに行ったり、ごく普通に仲良くしていました。誰かに好かれたり嫌われたりするということに、「障害」の有無はほとんど関係ないのだろうと思います。

でも、テレビ番組などで福祉施設の職員の方たちの仕事の様子を見ていると、私は、大変そうだなと思ってしまいます。それは障害者福祉施設に限ったことではなく、病院や保育園や学校などの場合もそうなのかもしれないのですが、そのような施設の仕事というのは、対人関係を適切に構築するのが得意な人というか、コミュニケーション能力の高い人でなければできない仕事なのではないかなと思います。

安倍首相は、事件に関して「犠牲者に心からのお見舞いとご冥福をお祈りする」と述べたそうなのですが、菅義偉官房長官と同じく、真相究明や再発防止や安全確保というような言葉以外の、殺傷事件そのものや偏った思想に基づく主義主張を暴力で押し通そうとした犯人への嫌悪感を示すような言葉はありませんでした。安倍首相のコメントは事件報道後もすぐには出されず、事件から2日後の昨年の7月28日、安倍首相は「総理大臣官邸で障害者施設における殺傷事件への対応に関する関係閣僚会議を開催」したということなのですが、記者会見は行われたのでしょうか。もしかしたら私の記憶から抜け落ちているだけなのかもしれませんが、当時、この「戦後最悪の大量殺傷事件」についての安倍首相の記者会見は行われていなかったような気がします。もしもそうだとしたら、それはなぜなのでしょうか。

昨日のNHKの番組の中でも言われていましたが、作家の辺見庸さんやドキュメンタリー映画監督の森達也さんは、この「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件やその背景にあった植松被告の思想や実行に至る動機などを、特異なものとしてではなく、普遍的な社会問題として考えなければいけないという趣旨のことを話していました。本当にそうだと思います。

戦後70年の頃、「ハートネットTV」の「障害者と戦争」という特集を見て、第二次世界大戦中のナチス・ドイツではヒトラーの信奉する「優生思想」に基づいた「T4作戦」という政策とそれを支持する人々によって障害者や傷病者が虐殺され、そのことが後のユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)にまでつながったのだということや、戦時中の日本でも障害者や傷病者の差別が行われていたことなどを知ることができたように思いますが、70年以上前の時代に起きた、その頃の人々が社会の中で行った悲惨な出来事が、その後反省と共に終わったように見えても、その思想は息を潜めて隠れていただけで、現代の社会を生きる人々の中に静かに浸み込んでくるように現れる可能性があるということなのかもしれないと思います。


ところで、一昨日と昨日には、「加計学園問題」の渦中の安倍首相の出席する国会予算委員会の閉会中審査が衆議院と参議院で開かれていました。前川喜平前文部科学省事務次官が再び参考人招致されていたのですが、愛媛県今治市での獣医学部の新設が学校法人・加計学園の岡山理科大学の一校と決められる選考過程において行政が歪められたと主張する側の参考人は前川さんだけで、前川さんはまた“たった一人の戦い”になっていました。

加戸前愛媛県知事(何かというとアメリカを持ち出す?加戸前知事の話の内容に納得することはできませんでしたが、流暢な日本語を使う演技派で話の上手な方だということは分かりました)は、時々前川さんのことを悪く言いながら獣医学部を創設する大学を誘致した理由を熱心に話していて、加戸さんと同じく、参考人招致されていた和泉首相補佐官や柳瀬首相秘書官などは全て官邸の加計学園への便宜供与疑惑を否定する側の参考人なので、「記憶にない」と繰り返すばかりでした。安倍首相を守りたい自民党の側は、加計学園の大学が獣医学部を新設する大学に相応しいということを示す具体的な資料や文書を提示することはありませんでした。

安倍首相は、安倍昭恵夫人や加計孝太郎理事長などの参考人招致についても、国会が決めること、と答えるばかりなのですが、加計学園への便宜疑惑の当事者である安倍首相が「行政府の長」であり「自民党総裁」であるのなら、早く招致を決めたほうがいいと思いますし、具体的な資料や官邸訪問者のデータを出すように指示をしたほうがいいと思います。森友学園問題や加計学園問題などで国会の時間や税金を無駄にしているのは、野党というよりは、与党のほうだと思います。

「丁寧な説明」を行いたいと話していた安倍首相たちは、一昨日と昨日の国会閉会中審査の質疑中には、確かにニヤニヤしたり野党議員ヤジを飛ばしたりはしませんでしたが、それは「丁寧な説明」ということではないですし、安倍首相の部下のような山本幸三地方創生担当大臣はこれまでと同じように(自民党の山本一太委員長に指名されて)、野党議員の少ない質問時間をさらに減らしていました。民進党の櫻井議員の苛立って激昂する態度もあまり良くなかったように思いますし、政治家の質の低下ということを思いましたが、落ち着いた前川さんの話し方が、より際立つものになっていたような気がします。

前川さんは、一昨日の国会の途中で(民進党の大串議員の質問の頃だったように思います)、長崎県の軍艦島(端島)の徴用工の話を出していて、録画しておいたものをぼんやりと聴いていた私は、どうして今軍艦島の話なのだろうと思ったのですが、当時の前川さんが和泉首相補佐官に呼び出されて話す用事は、獣医学部の新設の問題と、明治日本の産業革命遺産をユネスコの世界文化遺産にしようという件で軍艦島などでの外国人の徴用工の実態を展示する情報センター?を新国立美術館の中に作るかどうかという問題だった、という話だったようでした。

その後、和泉首相補佐官もその明治日本の産業革命遺産の話をしようとしていたのですが、途中で委員長に遮られていました。私は、ユネスコの「世界遺産」にそれほど興味を持っているわけではないので(最初はすごいのかなと思っていたのですが、増え過ぎてよく分からなくなりました)、富士山が登録された時にも、沖ノ島が登録された時にも、地元の人々の暮らしにユネスコが介入したり、観光客が急に増えて自然が荒らされたりしなければいいなということを思いました。

ともかく、そうして安倍内閣は、2015年に、自分たちが推していた明治日本の産業革命遺産の登録を実現させたのですが、交渉の段階では、韓国の反発を抑えるために従軍慰安婦問題で譲歩し、登録の際には、ユネスコ代表大使が1940年代に意思に反して連れて来られて厳しい環境で働かされた多くの韓国人たちがいたと発言し、情報センターを設置する意向を表明したのだそうです。つまり、日本政府は、明治日本の産業革命遺産を世界遺産にするために、強制的な徴用があったことを認めたということでした(名前は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」となっているのですが、なぜか吉田松陰が講義をした松下村塾も入っています)。強制的な徴用があったということを政府が元から認めているというのなら分かりますが、もしもなかったというのなら、世界遺産登録のために認めるというのはおかしいです。

昨日の国会では、松沢議員が、加計学園の英数学館岡山校の中に加計孝太郎理事長が代表を務める自由民主党岡山県自治振興支部が作られているとか、英数学館岡山校は並木学院の岡山キャンパスでもあるということを話していました。松野文部科学大臣は、広島県の調査では教育基本法に反する活動はないと判断されているという風に答えていたのですが、調査した広島の団体は実体のない架空の団体?の可能性もあるのだそうです。自民党総裁の安倍首相は、友人が理事長を務める加計学園の教育基本法違反、政治資金規正法違反の疑いについて、調査を行うのでしょうか。

元文部科学副大臣の自由党の森裕子議員は、構造改革特区の頃には今治と言えば加計学園で、今治市と加計学園はセットで話されていたが、安倍首相を議長とする国家戦略特区になって急に加計学園の名前が伏せられるようになった、公募としたのは加計学園に決まっていることを隠すためで、京都産業大学は初めから門前払いだった、というようなことを言っていましたが、そうなのかもしれないなと思いました(今治市は、加計学園関連の資料を急に非公開にしたそうです)。

私はこの政治問題が表に出て来るまで、大阪府の森友学園のことも岡山県の加計学園のことも全く知らなかったのですが、森友学園以上の大きい組織だった加計学園という学校法人は、安倍首相と何度も食事をしたりゴルフをしたりしている“腹心の友”の加計孝太郎理事長(「国家公務員倫理規程」には利害関係者との付き合いの禁止事項が細かく書かれています)の父親の加計勉さんの時代からずっと、自民党の議員と深い付き合いがあるということなのかもしれません。

「李下に冠を正さず」(疑われるような行為をしてはいけないという意味の故事成語だそうです)と安倍首相は言っていましたが、李(スモモ)の実を取って食べてしまったかもしれないという疑いを晴らすためには、国家戦略特区諮問会議の議長の安倍首相が、関係資料を全て出すように指示をし、今治市に建設中(まだ新設の認可は下りていません)の加計学園の大学への獣医学部新設を一度白紙に戻し、獣医学部のある既存の大学に対応できるかどうか確認をしてもらったり、畜産の獣医師の待遇改善を行ったりして、それでも獣医学部を新設して獣医師の数を増やしたほうが日本のためになるということになったなら、もう一度公募するところから大学の選考をやり直せばいいのではないかなと思います。「国家公務員法」やそれを踏まえて2001年に作られたという「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」に抵触する可能性が高いと言われている安倍政権ですが、加計学園に無関係の自民党の他の議員の方たちがいたとしても、その方たちにはどうすることもできない事態になっているのでしょうか。

今回の国会閉会中審査では、稲田朋美防衛大臣の自衛隊の「日報」隠蔽指示疑惑のことも結局よく分かりませんでしたが、防衛省の幹部もいつか参考人招致、あるいは証人喚問されることになるのでしょうか。安倍首相のお気に入り(安倍首相と稲田大臣は、日本会議だけではなく、生長の家という宗教団体の思想を持つ者としてもつながっているそうです)の稲田防衛大臣が防衛大臣に向いていないということや、稲田だんを防衛大臣にした安倍首相の任命責任はあるとしても、これまで稲田大臣を擁護してきた読売新聞や産経新聞のような安倍政権寄りの新聞が急に稲田さんを批判し始めるというのも、また「手のひら返し」(政治家関与の事件としてはまだ終わっていない学校法人・森友学園の籠池前理事長がよく使っていました)なのかなと思いました。


また、報道によると、沖縄の翁長知事は、24日、辺野古への米軍新基地建設の工事の中止、辺野古の海の岩礁破砕の差し止め求めを求めて、那覇地裁に国を提訴したそうですが、その間にも護岸工事は着々と進んでいるのだそうです。安倍政権寄りの新聞記事には、翁長知事の求心力が低下しているのを防ぐためだろうなどとと書かれていますが、翁長知事は亡くなった大田昌秀元沖縄県知事の平和への思いを受け継いでいるということなので、そうではないと思います。以前の翁長知事の訴訟の時には、沖縄が訴えを取り下げるようなことをしなければ、沖縄県が勝訴したのではないかとも言われていました。今日には、大田元知事の県民葬が開かれるそうです。安倍首相も参列するそうです。普天間基地返還の唯一の解決策は辺野古基地移設だと安倍首相や菅官房長官は繰り返しますが、それでは沖縄から米軍基地の数が減ることにはならないですし、仮にもしも辺野古の海辺に基地が完成することになったとしても、普天間基地が完全になくなるかどうかは分からないように思えます。沖縄に軍事基地が一つ増えるだけになってしまうということもあるような気がします。

昨日には、安倍政権が沖縄県と新潟県新潟市を国家戦略特区から外そうとしている、という報道がありました。まさか「反基地」と「反原発」のためではないと思いますが(安倍政権を追及する森裕子議員も新潟市の方でした)、もしもそうだとしたら露骨なことだなと思います。基本的人権や個人の尊重を蔑ろにしているあのぞっとするような2012年の自民党の憲法改正草案を今も撤回していない安倍政権を支持することは、難しいように思えます。

あと、先日には、2019年に開催予定のラグビーのワールドカップや2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックへ向けての新国立競技場の工事を請け負う建設会社の新入社員だった23歳の現場監督の方が超過労働の苦しさから自殺をしてしまったという報道もありましたが、怖いなと思いました。新国立競技場を最初にデザインしたイギリスの建築家のザハ・ハディドさんは、莫大な建設費への批判などから政府が白紙撤回した数か月後に急逝しました。(報道によると、政府は、新国立競技場を陸上競技場としては使うことのできない球技専用の競技場にする方針なのだそうです。残念なことです。歴史のある旧国立競技場を壊さずに改修したほうが良かったのではないかと思います。)

社員の高橋まつりさんという方が過労自殺をした後、電通には労働基準法違反や不正取引などのことで様々な調査が入っているようなのですが、オリンピック・パラリンピックを東京に招致する際の電通の賄賂の問題についての調査は行われているのでしょうか。電通と聞く度に、オリンピックの賄賂の件はどうなったのかなと、いつも少し思い出します。


それから、TBSの朝の情報番組「白熱情報ライブ ビビット」(4月からは「Nスタ」のキャスターだった堀尾正明さんが入り、政治報道の要素も増えたそうです)に、上西小百合衆議院議員と公設秘書の方が生出演していた映像を少しだけ見ました。私は、上西議員が埼玉県のプロサッカーチームの浦和レッズの親善試合の内容をSNS(ツイッター)で批判して「炎上」するという事件?のことを知らなかったのですが、そもそも上西議員が試合内容や選手の戦う姿勢への批判をしなければ良かったということがあったとしても、少しでも試合内容の批判をした人に殺害や誘拐をほのめかすメッセージを送るようなサポーターの方たちがいるということのほうが、ずっと問題であるように思えました。もしも上西議員がSNS上で批判したのが例えばサッカー日本男子代表の試合内容だったなら、もっと「炎上」したのか、あるいはそれほど「炎上」しなかったのか、どちらだろうかと思いました。

(それにしても、また長くなってしまいました。要領を得ない拙い文章ですが、読んでくださった方がいましたら、ありがとうございます。)

「SHERLOCK(シャーロック)4」第3回(最終回)

NHKのBSプレミアムの海外ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)4」の第3回(最終回)「最後の問題」を見ました。

前回の最後には、シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチさん)に“秘密の妹”がいることが分かり、今回の最初のほうでは、兄のマイクロフト・ホームズ(マーク・ゲイティスさん)を怖がらせたシャーロックとジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマンさん)が、マイクロフトからユーラス・ホームズというシャーロックとは1歳違いの妹が実在することを引き出しました。

マイクロフトによると、東の風の神という意味を名前に持つユーラスは、兄妹以上の天才でした。しかし、でたらめなお墓のある先祖の館で暮らしていた子供の頃のシャーロックは、赤ひげという名前の飼い犬をユーラスにさらわれ、行方不明となった赤ひげが溺れ死んだらしいという事実がトラウマとなり、豊かだった感情を次第に失っていったということでした。その後、ユーラスは館に放火をするという事件を起こして政府に保護されたようでした。

政府の要人となったマイクロフトは、両親には娘のユーラスは再び起こした火事によって焼け死んだと報告したそうなのですが、深く病んだ心と並外れた頭脳を持つユーラスを、犯罪者たちを隔離するために建てられた絶海の孤島にあるシェリンフォードの要塞の中に閉じ込めていました。

ベイカー街の221Bの部屋に来たマイクロフトは、弟のシャーロックと、シャーロックが家族のように思っている親友のジョンにそのことを話しました。天国は騙されやすい人や怯えた人が抱く幻想だが地獄は確実に存在する、君たちが会ったのは幻想だとマイクロフトは言いました。

その時、センサー付きの爆弾を積んだドローンが部屋の中に入ってきました。階下の部屋で掃除機をかけているハドソン夫人(ユナ・スタッブスさん)を助けなくてはいけない3人は、ハドソン夫人の動きを読んで、掃除機を片付けに行ったところを見計らって一気に動き、ドアに近いマイクロフトはハドソン夫人を助けに向かい、シャーロックとジョンは爆炎や爆風に押し出されるように部屋の窓から飛び降りました。

それからシャーロックとジョンは、濃霧の中を航行する船を海賊のように乗っ取ってシェリンフォードの孤島へ上陸しました。船員のおじいさんとジョンが警備員に捕まり、二人は所長に取り調べられることになったのですが、所長が変装だと見抜いたおじいさんはマイクロフトでした。不審な船員に気を取られている所長からユーラスの見張りを頼まれていた男がシャーロックでした。シャーロックはユーラスが監禁されている部屋へ向かい、1メートル以上近付いてはいけないと注意書きの書かれたガラスの部屋に中でヴァイオリンを弾くユーラスに話しかけました。ユーラスもシャーロックに話しかけました。

ユーラスには、小さい頃から他人をマインドコントロールしたり、その人の精神構造をプログラムし直したりする才能があったようでした。ユーラスは会った人たちを次々と“奴隷”にしていたようで、所長もその一人でした。ジョンとマイクロフトは所長に捕まってしまいました。近付いてガラスに触れてとユーラスに言われ、その通りにしたシャーロックは、あると思っていたガラスがなかったことに気付くのですが、その直後ユーラスに捕まり、ユーラスを脱走させてしまいました。所内のテレビ画面には、「会いたかった?」のジム・モリアーティ(アンドリュー・スコットさん)の姿が現れていました。

その頃、サングラスをかけた変な男がヘリコプターで孤島に上陸していたのですが、それは、5年前にマイクロフトを訪ねて来てユーラスと会ったモリアーティだったようでした。

そうして、ユーラスに監禁されたシャーロックとジョンとマイクロフトと所長は、モリアーティとユーラスの始めた「ゲーム」に参加させられることになりました。所長はユーラスに捕まった妻を助けようとして自殺し、妻はユーラスに射殺されました。

ドラマの冒頭では、旅客機に乗っていた少女が目を覚ますと、自分以外の乗客たちや客室乗務員やパイロットが意識不明になっていることに気付き、電話で助けを求めていました。電話に出たのはモリアーティで、その後、ユーラスがつなぎ、シャーロックたちと話をさせました。シャーロックたちは、墜落するかもしれない飛行機の中で一人で怯える名前を教えてくれない少女を助ける方法を考えながら、自分たちは兵士なのだと言い聞かせて、モリアーティとユーラスの「ゲーム」を続けました。

「ゲーム」の中でモリー・フーパ―の部屋に爆弾が仕掛けられていると知ったシャーロックは、棺を用意していたユーラスの指示に従ってモリーに電話をかけ、愛していると言ってくれとモリーに頼みました。それは、愛しているという言葉を時間内にモリーに言わせる「ゲーム」でした。モリーは、本当のことだから言えないと戸惑いながら、あなたが先に言ってとシャーロックに頼み、シャーロックはモリーを助けるために、愛していると言いました。それを聞いてモリーは愛していると言い、シャーロックは爆弾のタイマーが止まったことにほっとしました。しかし、ユーラスは、爆弾など仕掛けていませんでした。ユーラスとモリアーティの目的は、モリーをシャーロックに傷つけさせ、シャーロック自身をも傷つけることでした。

ショックを受けたシャーロックは、棺を叩き壊して落ち込んでいたのですが、ジョンから自分たちは兵士なのだと励まされて、飛行機の少女を助けるため、次の「ゲーム」へ向かいました。しかし、次の「ゲーム」は、シャーロックが親友のジョンか兄のマイクロフトのどちらかを射殺するというものでした。悩んだシャーロックは、所長と同じように拳銃自殺をしようとしました。すると、ユーラスは、やめて!と叫び、壁から飛び出してきた吹き矢で3人を眠らせました。シャーロックは、黒い闇の底へ沈んでいきました。

3人はそれぞれ別の部屋へ送られていたようでした。シャーロックは、電話のつながったジョンから、床に水が溜まっている、鎖でつながれている、と教えられたのですが、さらに「赤ひげ」と書かれた犬用のお皿と、小さな骨を見つけたことを教えられ、ジョンがいるのはユーラスが火を放った館の庭の井戸だと気付きました。

館に仕掛けられたテレビ画面の映像の中のユーラスは、井戸に水を入れ始めたことをシャーロックに教えました。ジョンは、水の中で拾った骨が犬の骨ではなく、人間の骨だと気付きました。

飛行機の少女を助ける方法を考えながらユーラスと話をしていたシャーロックは、犬アレルギーの父親が犬を飼うことを許すはずはなかったこと、「赤ひげ」は犬ではなく、海賊ごっこをして遊ぶシャーロックの親友のヴィクター少年だったことを思い出しました。

天才であるがゆえに孤独な少女だったユーラスは、兄のシャーロックが親友とばかり遊んで自分を仲間に入れてくれないことを寂しく思い、兄の親友の少年を井戸に落として殺したようでした。ショックを受けたシャーロックは、親友がいなくなったという事実の記憶を、いつの間にか、飼っていた犬がいなくなったという偽の記憶に書き換えていたのでした。

館の庭にあったでたらめなお墓に刻まれていた「ネモ」という名前には、ラテン語で誰もいない、誰でもないという意味がありました。飛行機の少女と話しながら、お墓に刻まれた数字をユーラスの歌の歌詞に当てはめて並べ替えたシャーロックは、私の部屋を探して、という言葉にたどり着きました。ユーラスの魂は、兄に助けを求めていました。

館の中のある部屋の前にたどり着いたシャーロックが怯える少女の乗った飛行機のドアを開けると、そこには膝を抱えて座る孤独なユーラスがいました。飛行機の少女は、高いところを飛んでいて着地の仕方の分からない、周囲の普通の人々と交流することのできないユーラス自身でした。シャーロックはユーラスを救い、井戸の中で殺されかけていた親友のジョンを助けることができました。

ユーラスは、スコットランドヤードのレストレード警部(ルパート・グレイヴスさん)に逮捕され、再び孤島の施設へ移送されることになったようでした。シャーロックは、ユーラスを自由にすることができなかったことを少し残念そうにしていたのですが、レストレード警部の名前を思い出していました。レストレード警部は、シャーロックのことを偉大な名探偵だと褒めるファンの後輩に、偉大という以上にいい奴だと言っていました。

家族は、死んだと聞かされていた娘のユーラスが実は生きていたということを知って、ユーラスの存在を隠していたマイクロフトを怒っていました。娘に会いたいと話していたのですが、直接会うことができたのはシャーロックだけでした。孤島の施設へ向かったシャーロックは、言葉を失ったというユーラスと一緒にヴァイオリンを演奏して、二人の魂を共鳴させることができたようでした。

シャーロックは、ジョンと一緒に爆破した221Bの部屋を片付け、それからワトソン家の娘のロザムンド(ロージー)をジョンと一緒にあやしていました。新しい日々の中で、「踊る人形」の推理もしていたようでした。最後は、「MISS YOU?」と書かれたCD(DVD)の、ジョンの妻のメアリー・ワトソン(アマンダ・アビントンさん)のメッセージでした。新しく届いたものなのかどうかはよく分からないのですが、メアリーは続きのメッセージの中で、賢くて善良なシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの二人のこれからも続くであろう冒険の人生を応援していました。

脚本はスティーブン・モファットさんとマーク・ゲイティスさん、演出はベンジャミン・カロンさんでした。

メアリーがまとめる最終回になるとは思いませんでしたが、「シーズン4」の最終回も良かったです。

孤独だったユーラスの記憶とシャーロックの記憶が思い出された事実によって修正されていく場面が悲しくて、上手く伝えることができないのですが、私も少し泣きそうになりました。

ユーラスの孤独は一部ではまだ続いていくのかもしれませんが、“ユーラスの記憶”によって作られていたシャーロックは、ユーラスの孤独の魂を理解して兄として助けたことで、自身の孤独からも解放されたようでした。これまで自称していた「高機能社会不適合者」ではなくなったということでしょうか。シャーロックは、親友のジョンの子供と楽しく遊ぶような、人間味のある人物に変わっていました。

しつこい雰囲気のモリアーティの再登場(5年前のクリスマスの場面など)も、しつこいながら良かったように思います。ユーラスが“天才”であるなら、訪ねて来たモリアーティの精神構造もプログラムし直していた可能性がありますが、ユーラスとモリアーティのどちらがより類稀な頭脳の持ち主であるかということは分かりませんでした。二人に共通していることがあるとすれば、犯罪志向があるということと、シャーロック・ホームズの存在を気にしていたということなのかもしれません。

深層心理としての「水」のイメージが貫かれていたところも良かったです。

全3話の「SHERLOCK4」のドラマの最終回を見終わって、温かくて良い終わり方であったようにも思えましたし、少し寂しい終わり方であったようにも思えました。次回作があるのかどうかはまだ分かりませんが、あるとするなら、次作のシャーロックはこれまでのシャーロック、特に最初の「シーズン1」の頃のシャーロックとは別人のようになっているのかもしれないなとも思いました。続編がないとしても、サー・アーサー・コナン・ドイル原作の、現代版「シャーロック・ホームズ」の物語の完結編として、ベネディクト・カンバーバッチさんの演じるシャーロックがマーティン・フリーマンさんの演じるジョンに支えられて少しずつ人間性を取り戻していく物語として、良い作品になっていたように思います。私がコナン・ドイルの探偵小説『シャーロック・ホームズ』のシリーズを読んだのは中学校の頃なので、物語の記憶が曖昧になっているところも多いのですが、それでも、このドラマシリーズを見ていて、好きだったシャーロック・ホームズのことを改めて好きになりました。最後まで見ることができて良かったです。

「サチのお寺ごはん」第1話

BS12という局で放送されていた「サチのお寺ごはん」という30分ドラマの第1話を見ました。何となく気になって録画をしておいたものです。

原作は、私は未読なのですが、かねもりあやみさんの漫画『サチのお寺ごはん』です。漫画の原案協力は、『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯』などの漫画の原作者の久住昌之さんと僧侶の青江覚峰さんのレシピ集『お寺ごはん』だそうです。

27歳の会社員の臼井幸(うすいさち、谷村美月さん)は、子供の頃から名前の通りの「さちうすい(幸薄い)」地味な人生を送っていました。朝の星占いで天秤座のラッキーアイテムとして紹介されたアメリカンドッグをコンビニエンスストアで買いそびれ、仕方なく買ったチキンを食べながら歩いていてお寺の前で転んでしまった幸さんは、その後、エアコンの効き過ぎた寒い社内で先輩社員に押し付けられた仕事を一人真面目に残業し終えた帰りの夜のコンビニで、おつまみと一緒に買ったビールを飲みながら歩こうとしていた時、ドアの前に座っていた唐丸篤(田村侑久さん)にぶつかって躓いてしまいました。

幸さんに謝った唐丸さんは、幸さんがチキンを食べていた女性だと気付き、コンビニのお菓子で夕食を済ませようとしている幸さんを、縁泉寺へ連れて行きました。実家のお寺を継ぐために僧侶の見習いをしているという軽い青年の唐丸さんは、精進料理を習うためにお寺にいる小木武徳(清水天規さん)を幸さんに紹介し、それから料理上手な僧侶の源導(水野勝さん)を紹介しました。

源導さんは、幸さんの服装や顔色や手などを見て、幸さんが冷え症に悩んでいるということを理解すると、利休汁という胡麻と茄子のお味噌汁を作って、幸さんに出しました。利休汁というのは、千利休が胡麻を好んで使っていたことから付けられた名前なのだそうです。お味噌汁の出汁が実は炒った大豆であるということを明かした源導さんは、要領が悪いと悩む幸さんに、精進料理は要領の良い料理ではないと説明し、今できることを着実に頑張ることの大切さを話して、幸さんを元気付けていました。

脚本は松井香奈さん、監督は古厩智之さんでした。

NHKのEテレでは「やまと尼寺 精進日記」という番組が放送されていますが、このドラマも、精進料理を紹介するドラマのようでした。お寺のお坊さんたちと出会い、手間暇をかけて丁寧に作られたシンプルな精進料理を知った“サチウス”の幸さんは、楽しいことのなかった毎日の生活を少しずつ楽しむことができるようになっていくのかもしれません。

お寺の話らしく「説法」があるところも良かったように思います。源導さんのお寺が何宗のお寺なのか、私にははっきりとは分からなかったのですが、髪があったので、浅い知識からですが、浄土真宗のお寺なのかななどとと思いました。ただ、原作の漫画では(表紙だけを見ました)、源導さんは剃髪になっているようでした。

30分ドラマというところも、ちょうど良いように思えました。毎回の感想を書くことはできないかもしれないのですが、次回も見てみようかなと思います。
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