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「あまんじゃく 元外科医の殺し屋が医療の闇に挑む!」

テレビ東京の開局55周年特別企画のドラマスペシャル「あまんじゃく 元外科医の殺し屋が医療の闇に挑む!」を見ました。

弁護士の横倉義實(橋爪功さん)からの仕事の依頼を受けた元外科医の殺し屋の折壁嵩男(唐沢寿明さん)が法で裁けない悪人たちを医学の知識を活かして闇へ葬り去っていくという物語でした。

脚本は泉澤陽子さん、監督は木村ひさしさんでした。ドラマの原作は、藤村いずみさんの小説『あまんじゃく』だそうです。私は未読です。

殺し屋が外科医というのは怖いなと思っていたのですが、ドラマ自体は、怖い作風のドラマではなかったように思います。物語は、母親(鈴木杏樹さん)の再婚相手の法医学者・浦野玲哉(岡田浩暉さん)を半殺しにして弟を殺した理由を聞き出してほしいという中学生の浦野美鈴(桜田ひよりさん)からの依頼を雨の夜に引き受けるところから始まっていたのですが、その法医学者以外にも折壁さんが依頼を受けて殺害していたのは、お金次第で診断結果を捏造する法医学者やゴルフへ行くために妊婦に出産を早める薬を投与して殺害する産科医や手術ミスを隠すために助手を殺害する執刀医などの悪い医者たちでした。

その点では、現代劇版の“必殺仕事人”のような印象でした。ただ、折壁さんの殺害方法は、外科医ではなくてもできそうというか、特に「外科」にはこだわっていないようでもありました。

夜9時からの約2時間のドラマだったのですが、夜10時半頃からの臓器売買や人身売買の話が中心の話だったような気がします。

メディアにも頻繁に取り上げられ、世間では天使のようだと評判の良い花井環(伊藤蘭さん)が運営する児童養護施設で子供たちの健康診断を担当していた、折壁さんの元交際相手の内科医の梶睦子(木村多江さん)は、勤務先の病院で心臓移植を希望する「ボンベイブラッド」という珍しい血液型の少年のカルテを見つけ、施設にいた「ボンベイブラッド」の少年がある日里子に出されたことを知り、環さんの児童養護施設で臓器移植のための人身売買が行われているのではないかと疑うようになりました。

一人息子を「タイガーアイ」を名乗る人物に人質に取られてしまった睦子さんは、命令に従って殺し屋になっていた折壁さんを隠し持っていた拳銃で殺そうとするのですが、睦子さんが殺し切れなかった折壁さんの命を睦子さんのジャーナリストの夫(神尾佑さん)も狙っていました。

折壁さんと睦子さんに国際的な人身売買組織の「タイガーアイ」について追及された環さんは、施設の地下室に二人を案内しながら、子供は良い商品だ、クジラと同じで捨てるところがないと人身売買の事実を認めました。ブラジルの貧民街で育ち、努力して成り上がったという環さんは、世の中はお金が全てであり貧しい者は人間ではない、この世に愛があるのならなぜあの時私は誰からも助けられなかったのかと、折壁さんと睦子さんに銃口を向けました。二人を助けに来た横倉さんは環さんに撃たれて怪我をしました。

ドラマの物語そのものが面白かったというのとは少し違うかもしれないのですが、伊藤蘭さんや木村多江さんのアクションシーンは意外と良かったと思います。私が知らないだけなのかもしれませんが、伊藤蘭さんが悪役を演じていたり、木村多江さんが格闘技で闘ったりするのは珍しいような気がしました。

現在の場面が突然過去(折壁さんの記憶)の場面に切り替わるなど、構成に少し戸惑うところもありましたし、環さんが呼んだ部下たちが外科医に扮装した殺し屋?だったところなど、ところどころコントかのようにも見えてしまう場面もありました。

すごく悪いということではないのですが、何というか、殺し屋が暗躍するサスペンスとしては、一つ一つの殺し屋としての物語が散漫としていて、エンターテインメント性を重視するあまりに?細部の作りが雑になっていたドラマだったようにも思えました。

患者に隠されている医療業界の悪事、臓器移植のための人身売買という社会性のある不穏なテーマを扱うドラマとして、もう少し重厚な作りのドラマになっていたほうが良かったのではないかなとも思いました。

睦子さんと結婚したジャーナリストの夫は、環さんの施設の出身者だったのかもしれません。自ら施設を爆破し、そのどさくさに紛れて警察官たちから逃げた環さんは、空港のカフェにいたところを「悪性のガンを切除する」ために現れた折壁さんに素早く殺されました。私にはよく分からなかったのですが、折壁さんは環さんの頭部に何か細工をしたようです。撃たれた折壁さんや横倉さんの怪我は、いつ治ったのでしょうか。

「あまんじゃく」は、「あまのじゃく(天邪鬼)」のことだそうです。このドラマを見るまで、「あまんじゃく」という言葉を私は聞いたことがありませんでした。方言でしょうか。睦子さんは、雨が好きな折壁さんを、「雨が好きな変わり者」だと言い、「あまんじゃく」と呼んでいたようでした。「天邪鬼」は、「天の邪魔をする鬼」ということだそうで、国語辞典には「わざと他人の言うことやすることに逆らう人」などの意味が書かれていますが、私には何となく「素直じゃない人」というような印象があります。雨や雨の風景を好きな人は意外と多いのではないかなと思うのですが、最近の各地の豪雨災害を思うと、雨が好きと簡単には言えないような気もしてきます。

「雨が好きな変わり者」の折壁さんを好きなままジャーナリストと結婚していた睦子さんは、一人息子を「優雨」と名付けていたようでした。環さんの児童養護施設の地下室に閉じ込められていた優雨さんや美鈴さんなどの施設の子供たちは、事件の後PTSD(心的外傷後ストレス障害)になっていないのでしょうか。そのようなところも少し気になりました。

「世界を変えた書物」展

先日、東京の上野の森美術館で開催されている「世界を変えた書物」展を見に行きました。

K.I.T.金沢工業大学主催の入場無料の展覧会でした。人気の展覧会らしくお客さんが多くて展覧会場をスムーズに見るのは意外と難しかったのですが、「写真撮影可」だったためになかなか進まずに混雑していたということもあったのかなと思います。

デカルトの『方法序説』やゲーテの『色彩論』やコペルニクスの『天球の回転について』など有名な本の初版本を見ることができて、面白かったです。金沢工業大学のライブラリーセンターにある「工学の曙文庫」というコレクション(約2000点所蔵されているそうです)の中のいくつかの稀覯本が、「建築書」から「書簡」、「古代の知の伝承」、「ニュートン宇宙」、「解析幾何」、「力・重さ」、「光」、「物質・元素」、「電気・磁気」、「無線・電話」、「飛行」、「電磁場」、「原子・核」、「非ユークリッド幾何学」、「アインシュタイン宇宙」などに分けられて展示されていました。本や書類の一つ一つが丁重にガラスケースに収められていました。短い解説文もあり、ケースの中の本の下には鏡が置かれていて、本の表紙を少し見ることができるようになっていました。

「世界を変えた書物」ということなのですが、工業大学の所蔵している本ということで、科学系の本が多かったです(文学系の本はありませんでした)。アメリカ合衆国戦略調査団の「広島、長崎に対する原子爆弾の効果」という地図の付いた書もありました。私の知らない作者(学者)の本もたくさんありましたし、外国語で書かれているため、内容を読むことはほとんどできませんでした。でも、やはり「本」は良いなと思える展覧会だったように思います。

“世界を変えた書物”というものは、世の中にたくさんあるのだろうと思いますが、それだけに現代でも有名な本が多いのかもしれません。「世界を変えた本」というような本を書店で見たことがあるのですが、近年の本を選ぶのは難しいような気もしました。例えば今なら、どのような本が世界を変える本になるのでしょうか。現代は主に書物から情報を得るという時代ではないのかもしれませんが、書物が主な情報源だった時代は、遠い昔のことではないような気もします。これからもきっと、後世にも伝えられる紙の本は、大切なものになると思います。

展覧会場の入り口を入って少し歩いたところの、「知の壁」という、壁が天井付近まで本棚になっている博士の書斎のような部屋(最初の展示室)がとても良かったです。私も美しい装丁の本で埋まっている本棚に囲まれた図書館のような部屋に暮らしたいと思うのですが、現実的には難しそうです(それに重そうでもありますし、今となっては地震などの災害時には危険かなとも思います)。

美術館の受付には学校法人金沢工業大学案内のパンフレットも置かれていたので、この入場無料の「世界を変えた書物」の展覧会は、学校案内も兼ねていたのかなと思いました。混雑していてガラスケースの中の稀覯本を見るのが少し大変ではあったのですが、私も見に行くことができて良かったです。

ドラマ「指定弁護士」

テレビ朝日のドラマスペシャル「指定弁護士」を見ました。

京都を舞台にした物語でした。2018年7月、京都選出の衆議院議員で失言の多い田金清造(石橋蓮司さん)に、法務大臣を務めていた2010年の頃、京都の国有地を自身が名誉顧問を務める社会福祉法人・辰波福祉会に売却した際に不当に格安に払い下げて売却したのではないかという不正疑惑が持ち上がりました。告発したのは、国有地に公園を作る計画の中で偶然知った、公園の隣に建設予定の福祉施設のための除染の必要な国有地の格安払い下げの謎を調査していた京都市会議員の津山悟(正名僕蔵さん)でした。マスコミは連日田金議員の問題を報道し、市民からも不満の声が上がっていました。捜査を行った大阪地検特捜部は、田金議員とその秘書の斎藤益道(伊東孝明さん)を逮捕するのですが、なぜか二人は不起訴処分になりました。京都地検の特別刑事部の部長の白井逸雄(相島一之さん)と橘慎二(北村一輝さん)は、京都で起きた事件なのに京都地検には特捜部がないから大阪地検に任せるしかないことを苦々しく思っていました。

三塚法律事務所には、所長の三塚文則(中村梅雀さん)と弁護士の箭内光太郎(矢柴俊博さん)と弁護士の一ツ木唯(北川景子さん)とその夫でパラリーガルの一ツ木隆司(えなりかずきさん)がいました。一ツ木さんは、三塚所長のパートナー弁護士になるべく頑張っていたある日、先輩弁護士の神林京子(羽田美智子さん)から、「指定弁護士」をやってみないかと声をかけられました。大阪地検で不起訴となった田金議員がその後の検察審査会で起訴相当となり、さらにもう一度行われる検察審査会で再び起訴相当となれば指定弁護士に強制起訴されるということでした。

負ける可能性が高いけれど、今“日本国民の敵”となっている田金議員を起訴できればヒロインになれる、弁護士として名が売れて事務所も儲かる、成功すればパートナー弁護士にすると三塚所長にも勧められた一ツ木さんは、その気になって「指定弁護士」を引き受けることにしました。

一ツ木さんには、検察官の橘さんが付くことになりました。正義感の強い橘さんは、検察が不起訴にした人物を強制起訴する指定弁護士制度を快く思っていなかったのですが、白井部長に頼まれて仕方なく指定弁護士付きの検察官の仕事を引き受け、田金議員の不正の捜査を始めました。

一ツ木さんは、田金議員の秘書だった斎藤さんに話を聞きに行こうとした時、記者たちに囲まれて決意表明をした一ツ木さんの背後に、人が落ちてきました。地面に落ちて頭から血を流していたのは、秘書の斎藤さんでした。警察は、斎藤さんが落ちる前、部屋には斎藤さんと妻の里美(真飛聖さん)しかいなかったことから、その死を自殺と判断しました。

その矢先、指定弁護士になることを喜んでいてくれたはずの三塚所長の態度は一変し、指定弁護士を辞めて田金議員の弁護士になるよう一ツ木さんに言いました。否定弁護士を辞めようかと考えていた一ツ木さんは、事務所を訪ねてきた里美さんから、夫は殺された、田金議員に自殺するよう仕向けられたのだと言われました。斎藤さんは、辰波栄泉会長(山田明郷さん)から田金議員への「献金」は「ほとんど賄賂」だと苦しんでいたということでした。行きつけのバーのマスターの筧田吾郎(松重豊さん)と話した一ツ木さんは、死亡した秘書の遺族を救うため、正義の味方をするために、指定弁護士を辞めない決意をしました。

一ツ木さんの「正義」は、三塚法律事務所の方針に沿わないものになってしまいました。事務所を辞めた一ツ木さんは、三塚所長の側について田金議員の弁護に関わることになった夫と別居し、橘さんとその事務官で官公庁に知り合いの多い安部忠一(生瀬勝久さん)、協力者の津山市議と共に、国土交通省と関西財務局(近畿財務局?)、法務省と元法務大臣が関わっていた辰波福祉会への国有地格安払い下げ問題の「真実」を国民に公表するべく、不正の証拠を集めて裁判に挑み、巨大な国家権力に立ち向かっていくのでした。

脚本は櫻井武晴さん、監督は竹園元さんでした。音楽は、fox capture planでした。

「指定弁護士」というのは、検察審査会による強制起訴制度に基づいて、検察官の仕事をする弁護士のことでした。橘さんは、検察弁護士とも呼んでいました。

専門用語が多かったのですが、一応字幕で解説されていました。ドラマの中のワイドショー番組には、安東弘樹アナウンサーや経済学者の森永卓郎さんが出演していました。

ドラマの物語に描かれていた、自殺者も出た国有地格安払い下げ問題は、安倍晋三内閣総理大臣の妻の安倍昭恵内閣総理大臣夫人(その後「公人」ではなく「私人」だと“閣議決定”されていました)が名誉校長を務めていた、日本初の神道の小学校にする予定だったという学校法人・森友学園の「瑞穂の国記念小学院」を建設予定の大阪府豊中市の国有地が森友学園側に格安で払い下げられていたという国の便宜供与疑惑問題(森友学園問題)を彷彿とさせるものでした。大きく異なるのは、被告となった議員が現職の大臣ではなかったこと(2010年頃に法務大臣を務めていたということは与党議員ではなく野党議員だったのでしょうか)や「大臣夫人」が関わっていなかったこと、政治家や実業家が多く信奉しているという宗教団体のような謎の組織が登場しなかったことなどでしょうか。

大阪地検が不起訴処分にし、指定弁護士に強制起訴された田金衆議院議員は、2009年に裁判員制度が始まる時の法務大臣であったのですが、裁判員制度を始めるための調査費や宣伝費や人件費に内閣官房機密費を当てていたということのようでした。田金議員が中心となって、内閣官房機密費から出たお金を、辰波福祉会に経由させ、辰波福祉会にはその見返りとして口利きを行い、かつての仲間で現在は大学教授などになっている人々をつなぎ役にして、京都地検を含む全国の検察庁に配っていたのではないかということでした。不正を認めた田金議員は、日本の正義のために行ったことだと主張し、その後、無罪となって釈放されました。

指定弁護士制度を市民のための大切な制度だと考えるようになっていた橘さんは、裁判には負けたが真実を公にすることはできたのだから目的は十分に果たせた、よくやった、さすが正義の味方の指定弁護士だと、一ツ木さんを励ましていました。

田金議員は、政治家には国民を不安にさせないための嘘も必要だと詭弁を言い、田金議員に怒っていたはずの市民たちは、最初からそう言えばいいのにどうして嘘をついたのだろうと、田金議員を許す方向に変わっていきました。そして田金議員は、自身の不正を忘れたかのように、次の選挙に出馬していました。夫と再び一緒に暮らすようになった一ツ木さんに、田金議員に関する報道を見ていた夫は、市民は難しいことを考えるのが嫌いだからみんなすぐに忘れるのだろうと話していました。

自殺した秘書の妻は、田金議員の公設秘書に言われたことを信じて、夫は悪いことをしていなかった、私が夫の名誉を守るのだと裁判で「賄賂」について証言することを拒んでいたのですが、お墓参りに来ていた妻は、まだそのことを信じていて、あなたがそれを証明してくれたと、一ツ木さんに感謝していました。

辰波福祉会の福祉施設の建設がその後どうなったのかは分かりませんでしたが、結局、田金議員の不正は裁判所の判断で無罪となり、うやむやになって終わったということなのかもしれません。

指定弁護士を依頼された弁護士と指定弁護士制度を嫌っていた検察官が、市民のための「正義の味方」であろうと、国家権力が隠し続ける不正の裏に隠された真実を暴いていく話でした。巨大な国家権力に負けずに正義を貫いてほしいと、弁護士や検察官の方々を応援するドラマだったのかなと思います。

盛り込み過ぎになってしまうかもしれませんが、死者も出た国家ぐるみの事件ということですし、弁護士や検察官の「正義」に、警察官や裁判所の裁判長の「正義」も巻き込んで描いてほしかったような気もします。

一ツ木さんがどうして隆司さんと結婚したのかというような部分は、描かれていなかったので不明です。

桜井武晴さんはドラマ「相棒」を時々担当している方でもありますが、北村一輝さんが出演している桜井武晴さんの脚本のドラマということで、私としては何となくTBSのドラマ「ATARU」のことを少し思い出し、もしも北川景子さんの演じる弁護士の一ツ木さんを栗山千明さんが演じていたらどうだったのだろうということも何となく思ってしまいました。

ドラマの事件が少し複雑だったような印象もあるのですが、“森友学園事件風”の事件でもあったので、それは仕方がないことなのかもしれません。現実の事件は(まだ解決されてはいませんが)、もっと奇妙なものかもしれないなと思います。指定弁護士を描く新しいドラマの事件が複雑な“森友学園事件風”ではなくても良かったかもしれませんし、あるいは、似せるのならもっと似せても良かったのかもしれません。少し中途半端な感じもしてしまいました。テレビ朝日のスペシャルドラマなので、「相棒」などのように、いつかシリーズ化する予定のある作品なのかなとも思いました。

先日のテレビ東京のスペシャルドラマ「Aではない君と」やテレビ朝日で放送されたメ~テレ(名古屋テレビ)のスペシャルドラマ「乱反射」は、良いドラマだったのですが、少し重い物語でもあったので、今回のスペシャルドラマ「指定弁護士」の軽さというか、気軽に見ることができる雰囲気も、これはこれで良かったような気がします。

ドラマ「乱反射」

テレビ朝日で放送された、メ~テレ開局55周年記念のスペシャルドラマ「乱反射」を見ました。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、貫井徳郎さんの小説『乱反射』です。

夕方、地方都市の総合病院を出た加山光恵(井上真央さん)は、なかなか来ないタクシーを諦め、幼い息子の翔太(小岸洸琉さん)をベビーカーに乗せて、歩いて帰ることにしたのですが、その日は強風でした。ベビーカーを押しながら人通りの少ない歩道を歩いていた光恵さんは、風に押された一本の街路樹が自分たちのほうに倒れてくることに気付いたのですが、次の瞬間、自分は助かったものの、ベビーカーが大木の下敷きになっていることに気付き、姿の見えない翔太さんの赤い血が道路に流れ出してくるのを見てパニックになりました。

東都新聞社会部の記者の加山聡(妻夫木聡さん)は、事故の一報を受けて取材に向かいました。その頃には、辺りは暗くなっていました。聡さんは、車の中から事故を見ていた男女の証言から、被害者が自分の家族であることを知りました。翔太さんが搬送された病院は、事故現場の近くの総合病院ではありませんでした。搬送された別の病院に聡さんが到着した頃には、翔太さんはすでに死亡していました。

倒れた街路樹は、他の街路樹と共に、道路の拡張工事のために伐採するという市の都市整備計画の中にありました。

事故の一週間前には、近所の主婦の粕谷静江(筒井真理子さん)や田丸ハナ(梅沢昌代さん)たちによる街路樹伐採反対のデモ活動が行われていました。市役所の道路管理課の職員の上村育夫(光石研さん)や小林麟太郎(芹澤興人さん)は、面倒臭そうに応対していました。三隅幸造(田山涼成さん)は、腰が悪いことを理由に、散歩途中の愛犬が街路樹の根元に落とした糞を片付けようとしませんでした。近隣住民から犬の糞を片付けるようにとの苦情を受け付けた小林さんは、こんなことのために公務員試験を受けて役所に入ったのではないと文句を言いながら片付けようとしていたのですが、小学生たちに馬鹿にされると、怒って片付けるのをやめて帰ってしまいました。市の委託を受けている小さな造園会社・石橋造園の社長の石橋忠行(鶴見辰吾さん)と足達道洋(萩原聖人さん)は、樹木医として街路樹の状態を調べていたのですが、街路樹伐採のデモ隊に仕事を妨害されました。

妻の泰代(前田亜季さん)と幼い息子と3人で暮らしている足立さんは、ある頃から極度の潔癖症となっていました。事故の前日、石橋社長が別の仕事をしている間、一人で街路樹を検査することになった足立さんは、街路樹の根元の大量の犬の糞の臭いに吐き気を催し、検査の仕事を断念しました。

加山家の聡さんと光恵さんと息子の翔太さんは、赤い車に乗って、海の近くの公園に遊びに行きました。車のトランクに、朝光恵さんが捨てるはずだった家庭ごみが積まれたままになっているのを見た聡さんは、「家庭ごみは捨てないでください」と貼り紙のある公園のごみ箱にごみの袋を押し込みました。

加山家の嫁の光恵さんは、子育てをしながら総合病院に入院中の義父の加山彰(大鷹明良さん)の介護をするのは無理だと考えていました。夫の聡さんにもそう伝えたのですが、明るい聡さんは、大丈夫だろうと考えていました。そして、義父のお見舞いに来た日、光恵さんにも介護を手伝ってもらいたいと考える義母の加山路子(原日出子さん)から病院の食堂での食事に誘われた光恵さんは、食事を終えて、翔太さんと病院を出ました。その数十分後、翔太さんは街路樹の下敷きとなって死亡しました。

救急車が到着し、目撃者を含むやじ馬たちが写真撮影を行う中、光恵さんは翔太さんを搬送する救急車に一緒に乗ったのですが、すぐ近くにある総合病院にすぐに搬送されることはありませんでした。看護師の羽鳥恵美(堀内敬子さん)から緊急搬送されてくる頭から血を流した子供の連絡を受けた当直の医師の久米川治昭(三浦貴大さん)は、風邪の患者の診察の手を止めて話を聞くと、外科医はいないし、自分は内科医でしかも非常勤だから決められないという理由で、外科医を呼ぶこともなく、搬送を断りました。その間にも時間は過ぎていました。翔太さんは、他の病院にも搬送を断られ続け、記者の聡さんが救急車の中の光恵さんに連絡をした頃には、事故から2時間が経っていたようでした。

事故から一週間後、新聞記者の聡さんは、これは人災だ、市の業務上過失致死だと考え、息子の死の責任者を探し出そうとしていたのですが、地元の警察官は、倒れた街路樹の根元に生えたキノコが倒れた原因だと結論付けたらしく、市に責任はないとしました。そのため、市の職員たちも、自分たちのせいではないと、翔太さんの死の責任を感じていませんでした。

聡さんの父親は自分が病気にならなければと言い、母親は私が光恵さんを引き留めなければと言い、それぞれ責任を感じていたのですが、聡さんは少し笑いながら、違う違うと否定し、悪いのは翔太を殺した奴だよと両親に言いました。

聡さんの上司の海老沢一也(北村有起哉さん)や同僚の大塚かなえ(相楽樹さん)は、聡さんを心配していたのですが、暗い家の中で、聡さんは少しずつ病んでいきました。公園でお酒を飲み、幸せそうな家族の姿を見て、お酒の瓶を叩き割りました。

責任を認めようとしない市役所の小林さんは、委託先の造園会社のことも聡さんに教えようとしなかったのですが、聡さんは石橋造園を突き止め、待ってくださいとだけ言う石橋社長に、あんたたちがちゃんと仕事をしなかったから子供が死んだんだと激怒しました。帰宅した聡さんが台所の換気扇の下でタバコを吸い、それを見た光恵さんも聡さんにもらってタバコを吸うという場面も、何か辛い感じがしました。

石橋造園の石橋社長と足立さんは、後日、聡さんに謝罪しました。足立さんは、手袋を外し、これをしていないと何も触ることができないのだと、ある時から急に極度の潔癖症になってしまった事実を打ち明けました。潔癖症だから街路樹の下の犬の糞に近付くことができずに検査できなかったという事実に唖然としつつ、足立さんの言葉が事実であることを確かめると、市役所の道路交通課の小林さんに会いに行き、その上司の上村さんの「市としましては」の繰り返しに怒りました。そして、犬の糞を片付けなかったことを責められた小林さんは、そんなことのために公務員試験に合格したわけではないと、市民からバカにされる日々に怒りながら、犬の飼い主が悪いと言いました。聡さんは、怒りながら騒ぐ小林さんを見て、分かりました、と立ち去りました。

総合病院の内科医の久米川さんの上司の外科医は、死んだ子供の父親が来ている、訴えられたらどうするのかと久米川さんの肩を叩きました。病院を出て駐車場へ向かう頃、外は雨が降っていました。車に乗ろうとした久米川さんの前に現れた聡さんは、お酒を飲みながら、あなたが夜間の当直だったことは調べがついていると言い、持っていた瓶を地面に叩きつけて割りました。久米川さんは、自分は非常勤の内科医だと言い、風邪を引いただけで病院に来る患者が悪い、夜間は空いているからとやって来る大学生が悪いと、事故のあった日の夜の自分の行動を正当化しました。俺の息子は誰に殺されたんだ、俺は誰を殺せばいいんだと訴える聡さんに、久米川さんは、あなたの息子さんを殺したのは無数のバカどもですよと言って、面倒なことから逃げるように車を走らせました。

その頃、街路樹の根元に置かれていた翔太さんへの慰霊の花束は枯れ、おもちゃは泥だらけになっていました。雨の上がった翌日、光恵さんがスーパーマーケットでパートの仕事をしていると、汚れたスーツを着た聡さんが現れました。聡さんは、自分に任せてほしいと言ったけれど無理だったと釈明していたのですが、光恵さんから、ずっと一緒にいてと言われ、俺のこと好きなのと笑っていました。

聡さんと帰宅した光恵さんは、スーパーでもらったという売れ残りの花束を飾っていたのですが、そこへ、突然、レジ係の斉木さん(竹内都子さん)が訪ねて来ました。斉木さんは、花より団子ということでお団子をくれたのだとしたら二人は食いしん坊夫婦だと思って、とにこやかに言いながら、光恵さんに、これを食べてとサンドウィッチを渡し、大丈夫だからと帰っていきました。聡さんと光恵さんは、翔太さんの祭壇の前でそのサンドウィッチを食べました。

2か月後、49日を過ぎたから大丈夫だと同僚の大塚さんに話していた聡さんは、光恵さんと二人で、翔太さんと家族3人で遊びに来た海辺の公園へ向かいました。赤い車の後部座席には、翔太さんのチャイルドシートが設置してありました。車を降りた聡さんは、トランクから家庭ごみの入った袋を取り出し、翔太さんと3人で遊びに来た日と同じように、また公園のごみ箱に押し込みました。聡さんの目の前には「家庭ごみは捨てないでください」との張り紙があり、聡さんはごみを捨てた後、その貼り紙を見つめていました。

誰が小さな子供を殺したのか、判然としないまま、それぞれの日常が続いていきました。犬の飼い主は散歩中に糞を片付けず、街路樹伐採反対のデモ隊は解散し、妻子と暮らす潔癖症の樹木医の症状も改善されてはいないようでした。内科医は、夜間にやってくる風邪の患者たちを診ていました。

脚本は成瀬活雄さんと石井裕也さん、撮影は藤澤順一さん、音楽は河野丈洋さん、監督は石井裕也さんという作品でした。

夜の10時15分からの2時間ミステリーという、遅い時間のドラマだったのですが、何というか、すごい作品だったように思います。脚本も、映像も、演出も、音楽も、俳優さんたちも、とても良かったです。

映画のような雰囲気のドラマだなと思えていたのですが、映画監督の方の作品でした。

最後、内科医に背中を向けた患者の大学生?の不思議な笑顔でドラマは終わっていたのですが、その少し奇妙な終わり方も良かったです。

街路樹が倒れてくるという突然の事故で幼い子供を失った親の、虚し過ぎて笑いたくなるほどのやり場のない怒りと悲しみが、よく伝わってくるように思いました。

街路樹が倒れてその下敷きになるという事故は実際にも起きていますし、ドラマを見ていて、今年の6月の大阪北部の6弱の地震で小学校のブロック塀が倒壊し、通学途中の小学4年生の児童がその下敷きになって亡くなったという事故のことも思い出しました。

ドラマの翔太さんの悲劇は、様々な立場の人たちの日常の中の些細な出来事や行為が小さな「罪」として連鎖し、重なり合って起きたものでした。もしかしたら私の何かの言動も、見知らぬ誰かの幸や不幸につながっているかもしれないということを自省することのできる物語でもあったような気がします。

風が吹けば桶屋が儲かる、という諺がありますが、ドラマ「乱反射」で描かれていたことは、それよりももっと連鎖の経緯が明確であったように思います。ドラマの連鎖は、小さな「罪」の連鎖でしたが、良かれと思って行ったことも誰かにとっては小さな「罪」になってしまう可能性はあります。その反対もあるかもしれません。

光恵さんのパート仲間の斉木さんは光恵さんにとって良い人だったのかなと思うのですが、子供を突然の出来事で亡くした加山夫妻の中で乱反射する光の中には、優しい光もあるのかもしれないなと思いました。

少し気になったところもあります。私には、倒れた街路樹が市の管理下にあるのなら、市民が倒れた街路樹の下敷きとなって死亡した(大怪我をした)ことの責任は市にあるのではないかと思えるのですが、警察はどうして市の責任ではなく街路樹の根元のキノコのせいということにしたのでしょうか。警察には、市の責任と判断することはできないかもしれませんが、市に責任はないという風にしなければ、市の職員たちが自分には責任はないと街路樹倒木事故の被害者の父親である聡さんに対して無責任で横柄な態度を取り続けることはなかったような気もするのです。聡さんに事故のことを謝ったのは、市の委託を受けて樹木の検査をしていた小さな造園会社の石橋社長と足立さんだけでした。

自分の息子を殺した人物を突き止めようとしていた聡さん自身にも、公共のマナーを守らない側面があるということが描かれていたところも、良かったのだと思います。

物語を簡単に解釈させない感じが最後まで貫かれていたところも、見事でした。

一昨日のテレビ東京の「Aではない君と」も、昨日のテレビ朝日で放送されたメ~テレ(名古屋テレビ)の「乱反射」も、ミステリー作品であり、放送局の開局55周年記念のスペシャルドラマでした。社会派の少し重い物語ではありましたが、良いドラマを見ることができて良かったです。

「Aではない君と」

テレビ東京の開局55周年特別企画のスペシャルドラマ「Aではない君と」を見ました。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、薬丸岳さんの小説『Aではない君と』です。

大手建設会社に勤める吉永圭一(佐藤浩市さん)は、ある日、離婚した元妻の青葉純子(戸田菜穂さん)からの突然の電話連絡で、元妻と暮らしている中学2年生の14歳の息子の翼(杉田雷麟さん)が同級生の藤井優斗(中川翼さん)を殺害した容疑で逮捕されたということを知りました。刃物で複数か所を刺されていたという優斗さんの遺体が、公園の池に浮かんでいました。吉永さんの印象では、息子の翼さんは動物好きの優しい少年でした。週刊誌の記者の中尾俊樹(山本耕史さん)からの情報によると、翼さんがかつて万引きで捕まった時に盗もうとしたものはハムスターの餌で、被害者の優斗さんの父親の弁護士の藤井智康(仲村トオルさん)のおかげで大事にならなかったということでした。

“恩人”の息子を殺したということなのかと疑問を感じていた吉永さんは、翼さんの黙秘に戸惑う弁護士の長戸光孝(八嶋智人さん)から、「お母さん弁護士」の神崎京子(天海祐希さん)を紹介されました。神崎さんと会った吉永さんは、「弁護士」を嫌って父親と二人で話がしたいと、殺人の事実を一度は認めながら1か月以上も黙秘を続ける息子から事件の真相を聞き出すため、そして、家庭裁判所から“逆送”されて公開の法廷で刑事審判を受けることを避けるため、神崎さんの提案で、被告の保護者が「付添人」になる制度を活用することにし、家庭裁判所の瀬戸調査官(安田顕さん)の計らいでその許可を得て翼さんの付添人となり、事件の真相を探っていくのでした。

脚本は山本むつみさん、演出は塚原あゆ子さんでした。

その他の主な登場人物は、吉永さんの部下で恋人だった野依美咲(市川実日子さん)、出所した翼さんを引き受けた居酒屋の店主の井川さん(寺島進さん)、吉永さんの父親の克彦(山崎努さん)でした。

翼さんが小さい頃に父親と拾った猫のペロの死を知らせる翼さんからの年賀状の文面が、翼さんが父親に隠そうとしていた事件の問題を解き明かす一つになっていました。

殺人の罪を犯した愛する未成年の息子の翼さんを更生させようとする父親の吉永さんを主人公にした物語でしたし、翼さんが刺殺した優斗さんの父親の藤井さんの葛藤も描かれていました。翼さんの母親の純子さんは、インターネットで家族のプライバシーが暴かれて不特定多数の人たちから一方的に悪口を言われるということにも苦しんでいたのですが、翼さんの事件としっかりと向き合おうとしていたのは父親の吉永さんの方でした。

つまり、父親の側から見た話でした。殺人の加害者の父親の吉永さんは、いじめの被害者の父親でもありました。殺人の被害者の父親の藤井さんは、いじめの加害者の父親でもありました。藤井さんは、加害者は世間から守られるが被害者は守られないということを理由に、殺された優斗さんが生前に翼さんに対して行ったいじめの事実を公表しないことと、翼さんが更生した時自分の前に連れてくるようにということを吉永さんに約束させていました。

翼さんと優斗さんの小学校時代の同級生によると、優斗さんは「嫌な奴」でみんなから嫌われているという人でした。翼さんは、父親に不満があるという共通点で優斗さんと親しくなって、友達になったのですが、昨年の5月に父親と遊園地に遊びに行ったところを優斗さんに見られてしまいました。親友の翼さんに裏切られたとショックを受けた優斗さんが自殺をしようとしていると知った翼さんは、優斗が一番好きだと言って自殺を止めようとしたそうなのですが、すると優斗さんは、それを証明してほしいと翼さんに言い、動物好きの翼さんにペットショップで買ったハムスターを殺させ、仲間と共に「裁判ごっこ」を始めました。

「裁判ごっこ」の中でハムスター殺しの“被告”となった翼さんは、弁護士役の優斗さんから「親に捨てられたかわいそうな子」として裁判長役の生徒に情状酌量を求められるのですが、結局毎回「有罪」となりました。翼さんが優斗さんからの動物殺しの命令に抵抗できなかったのは、翼さんが動物を殺している動画を翼さんが信頼している父親(吉永さん)に送ると脅されていたからだということでした。翼さんは、父親に自分の犯罪の動画が送られること、そして父親に嫌われることを恐れて、優斗さんからのハムスターを殺して埋める命令に従い続け、ついには大切な猫のペロまで命令に従って殺して埋めてしまったようでした。その時の動画を収めた優斗さんのスマートフォンが、殺した動物を埋葬した現場でもある優斗さんの殺害現場の公園で発見されました。

猫のペロを殺した翼さんは、そこで我に返ったようでした。殺害の実行を命じた優斗さんを恨み、ある日の夕方、もっと面白いものをみせると優斗さんを公園に呼び出した翼さんは、優斗さんのスマートフォンを奪うという意図もあって、ナイフで刺して殺害したということでした。吉永さんは、翼さんが返り血を浴びた制服を着替えるために近所のアパートの誰かの洗濯物を盗んでいたことから、計画的な犯行ではなかったと考えていたのですが、少年院を出た後に働いていた居酒屋で殺人の過去を打ち明けて拒絶されてお店を飛び出した翼さんは、殺すために優斗さんをハムスターや猫の死体を埋めた公園に呼び出したということを、父親に打ち明けていました。

翼さんが一番父親に知られたくなかったという事実(知られたら父親に嫌われると考えていた事実)は、いじめの首謀者だった元親友の優斗さんへの殺意だったということなのでしょうか。

ドラマでは具体的な描写はなかったので、翼さんと優斗さんがどのような気持ちで「いじめ」の世界にいたのかが、私にはよく分かりませんでした。

翼さんを「裁判ごっこ」(小動物を殺させてその罪を裁くというもの)でいじめ続けていた優斗さんは、仲間とゲームセンターで遊んでいた最中に、もっと面白いものを見せるとメールで翼さんに公園に呼び出された時、なぜ仲間と別れて一人でその公園へ行くことにしたのでしょうか。翼さんは、翼さん自身に父親のことで優斗さんを裏切ったという負い目があったとしても、なぜ愛する猫のペロを殺すまで優斗さんの犯行命令に従い続けていたのでしょうか。

翼さんと優斗さんのことは二人にしか分からないということを、ドラマを見ていて思いました。藤井さんが息子の優斗さんの机の引き出しの一番上に置かれているのを見つけたという翼さんと優斗さんが笑顔で写っている写真(遠足や修学旅行の時のような写真でした)を見て、また、それを藤井さんに見せられた翼さんが藤井さんから奪い取るほどに掴んで号泣する様子を見て、親友だった二人は本当にお互いを好きだったというか、このように考えるのはもしかしたら間違っているのかもしれないのですが、何か友情以上の感情が二人の間にはあったのかもしれないという気がしました。

ドラマは、ある日未成年の息子が殺人者として逮捕されることになった父親の話であり、父親が息子を更生させようとする話であり、殺人の加害者の父親を主人公とした父と息子の絆の話だったのですが、もしも、殺人の加害者でありいじめの被害者でもあった翼さんを主人公にした物語だったなら“青春ミステリー”ということにもなっていたのかもしれないなと、何となく思いました。

神崎弁護士が「お母さん弁護士」と呼ばれていたり自分でもそう呼んでいたりしたことに私は少し違和感があったのですが(「お父さん弁護士」と呼ばれている人はいませんでした)、親の離婚や再婚などで親に振り回される子供たちもまた被害者だということなのかもしれません。

心を殺すことと身体を殺すこととではどちらが悪いのかと、翼さんは父親の吉永さんに話していたのですが、吉永さんと神崎弁護士の結論は、どちらも悪いけれどどちらかと言うと身体を殺すほうが悪いというものでした。

「贖罪には終わりがない」ということも、物語のテーマになっていたのかもしれないと思います。そして、「少年A」になってしまった翼さんの更生とその先の幸せを、父親の吉永さんが願い続けるというところで、ドラマは終わっていました。

ゆっくりとした展開だったということもあり、ドラマを見ながら少し眠いような気持ちになってしまうところもあったのですが、良いドラマだったように思います。
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