「君は空を見てるか」

先日の深夜にフジテレビで放送されていた「第23回 フジテレビヤングシナリオ大賞受賞作品」のドラマ「君は空を見てるか」を見ました。脚本は、宮本陽介さんでした。

ドラマは、借金の取立てをしている富岡正(ムロツヨシさん)が線路沿いのアパートの階段の踊り場から転落死し、隣室のおしゃべりな主婦の松野知子(峯村リエさん)の証言によって殺人事件の冤罪で警察から追われる身となり、過去に傷害事件の前科があったということもあって、娘の美園(大森絢音さん)を連れて逃げることにした取立て相手の埼村優一(緒形直人さん)親子と、その父子家庭の親子が実の親子ではないことを知って興味を持ち、別荘のような山奥の事務所で匿う代わりに取材をさせてもらうことにしたフリーライターの井口亮介(新井浩文さん)の話でした。

最初は面白い記事になりそうな取材対象者としてしか埼村親子のことを見ていなかった様子のライターの井口さんが、真面目で誠実な性格の埼村さんとその父親を世界で一番好きだと言って信頼し続ける娘の美園の姿に接するうちに、自分の中で心残りとなっていた、暴力的だった亡き父親にある日「お前は本当は俺の子じゃない」と冗談風に言われたことが真実だったのか本当に冗談だったのかという複雑な思いと向き合うようになり、埼村さんが巻き込まれた事件の真実を見極めるため、目撃者を探すことにしていたところが良かったです。

マスカラを貸すほど美園と仲の良い、同じアパートの上階に住んでいる高校生の藤沢光(刈谷友衣子さん)が事件を目撃していたということだったのですが、証言をしてほしいと頼んだ井口さんが連れて来た埼村さんがこれで冤罪を晴らすことができると喜んでいると、光さんの戸惑いを察した美園ちゃんが父親を制止していて、それからよく話を聞いてみると、光さんは富岡さんが自分から階段を落ちて行ったところを見たのではなく、落ちた後の富岡さんを埼村さんが介抱しているところを見ただけだったのでした。でも、それは井口さんに嘘をついたというのではなく、光さんにとっては居心地の良い場所だった崎村さんの家庭が崩壊してしまうことを恐れていたための、崎村さんが犯人ではないといいなという、希望の気持ちからのようなものだったようでした。

そのことを知った美園ちゃんは、公園から帰ろうとしていた光さんにマスカラを返して、また塗り方を教えてと頼んでいて、光さんも頷いて別れていました。

埼村さんの借金は、失踪中の工場長の借金を肩代わりしていたものでした。埼村さんは、同僚の麻美(紺野まひるさん)に暴力を振るうDVの夫を殴った罪で逮捕され、社長の証言で情状酌量となったという過去があったようで、その恩人でもある社長の連帯保証人となっていたようでした。その後、埼村さんは、美園さんを育てていた麻美さんと結婚したようなのですが、2歳か3歳の美園さんが自分の本当の娘ではないことを憶えていないと思っていたようで、今回の冤罪で逮捕されて裁判になったなら、そのことが娘に知られてしまうと思い、警察から逃げることにしたようでした。

でも、美園ちゃんは自分が父親の本当の娘ではないことをはっきりと憶えていて、落ちて割れてしまった、父親と会う前に母親と粘土で作ったという三日月の形の若草色のペンダントのことを知っているような態度をした父親に、そのことを伝えていました。

井口さんの知り合いとなっている刑事の北見哲次(杉本哲太さん)は、富岡さんに循環器系の持病があったことを突き止め、埼村さんが犯人ではないかもしれないことを考えて、担当の解剖医によく調べてほしいと話しに行ったのですが、解剖医は真実を知ろうとする気のない人で、すでに警察に言ってある通りだからというような感じで、再調査を断られていました。

井口さんから井口さんの父親の話を聞いた埼村さんは、美園ちゃんと一緒に事件の日に行くことができなかった遊園地に行き、そこで遊んだ後、井口さんが連れて来た北見刑事と警察署に同行することにしていたようで、夜になって二人が帰ろうとしていた時に遊園地の出口付近にいた刑事たちの姿を見た美園ちゃんは、刑を軽くしてもらうため、父親は自分を庇って富岡さんを殺したと嘘をつこうとしていたようなのですが、埼村さんは嘘はいけないと止めて、父親と別れたくないと泣く美園ちゃんに、「お父さんに会いたくなったら空を見るんだ。お父さんも美園と同じ空を見ている。だから寂しくない」と言い聞かせ、刑事のもとへ歩いていきました。

どの場所にいてもそこから見える空は同じ空だから、空を見上げればその別の場所にいることと同じようなものだというような考えは、私にもよく分かります。美園ちゃんは、その考えを父親に話していたのですが、それは入院中の母親がお見舞いに来た埼村さんと娘の美園ちゃんに話していたことでした。

ドラマの冒頭で井口さんが来ていたのは、埼村さんが入っている千葉拘置支所だったようで、埼村さんの冤罪は晴れていないようでした。これからは「真実」に向き合う記事を書くことにしたらしい井口さんは、ジャーナリストという肩書きになっていました。

保護者のいなくなった美園ちゃんは、児童養護施設に入ることになったのですが、連れられて来てすぐそこの庭にジャングルジムを見つけると、駆け上って青空を見上げ、「見てるぞー!」と叫んでいました。美園ちゃんは修復したらしい三日月形のペンダントを首から下げていて、ドラマの最後にそれが映されていたのも、さわやかな感じがしました。

たかが真実と言われてしまうほど、嘘をつく者やそれを容易く信じる者、見て見ぬふりをする者、真実を知ろうともしない者の中で、真実はあまりに頼りないものだ、というような最後の井口さんの記事の言葉を聞いて、それがこのドラマのテーマだったのかなと思いました。

このドラマは“刑事ドラマ”というわけではなかったので、隣家の一人の主婦の証言だけで簡単に封じ込められてしまったようだった、埼村さんは富岡さんと話していただけでそれ以上のことは何もしていないのだという事件の真実が、その後、警察や法廷でどのように扱われたのかということなどは描かれていませんでした。

拘置所の窓から埼村さんが見上げていた空と同じ空を、養護施設のジャングルジムの上から美園ちゃんも見上げていたという、本当に小さな真実が、親子の心の支えのようなものになっているというのが、さわやかではあるのですが、心細くも思えました。

それでも、そのような心細いものでも真実であるなら、これを信じ続ける人をいつか救うのかもしれないという希望が、もしかしたら少しはあるのかなとも思えるような、何か少し複雑な気分になってしまう終わり方だったように思います。“殺人事件の冤罪”の描写は、私には少し物足りなくも思えてしまったのですが、でも、良かったと思います。

「てっぱん 番外編」と、年末の季節感

24日のクリスマスイブの日の夕方に放送されていた「てっぱん 番外編」を見ました。録画をしていたものを見たということもありますし、今日はもうクリスマスも過ぎてしまっているのですが、その「番外編」の「イブ・ラブ・ライブ」も面白かったです。

NHKの「連続テレビ小説」を、私は、今は「カーネーション」を毎回楽しみにして見ているのですが、その前は「てっぱん」を好きで見ていました。

私は当日の番組表を見て「番外編」の放送を知り、どのような話なのかなと楽しみにして見たところ、かつおぶし問屋「浜勝」の社長で商店会のバンドのリーダーの浜野一(趙たみ和さん、たみの文字は王偏に民)のラストライブと、村上あかり(瀧本美織さん)への未練?と、お見合いをすることを巡る話で、クリスマスの雰囲気と久しぶりの「てっぱん」の感じが楽しかったです。ナレーションは今まで通りの中村玉緒さんで、脚本は今井雅子さんでした。

他の登場人物は、浜野社長のラストライブの準備をする一方妻子と別々に暮らしていた根本孝志(松田悟志さん)、社長のバンド活動引退と結婚宣言に少し複雑な気持ちになっていたらしい音楽大学講師の岩崎潤(柏原収史さん)、ライブを見に来た実業団の駅伝選手の滝沢薫(長田成哉さん)、そして、バンドでキーボードを担当している商店街の布団屋さんの“出戻り娘”の鈴木鈴江(馬場園梓さん)でした。鈴木鈴江さんは、名前に鈴が二つあるということで「りんりん」というあだ名だそうです。

最初、私もしばらく気付かなかったのですが、社長のお見合い相手の写真のきれいな女性は、アジアンの馬場園さんの鈴江さんでした。

浜野社長は、「てっぱん」の時にも社長としてやっていけるのかなどを悩んでいたのですが、「番外編」ではさらに結婚について悩んでいて、ライブを目前に逃げ出したり、鈴江さんの見守る中、思い直して戻って来たりしていました。

ライブの場面では、クリスマスの曲や社長の思い出の曲という「また逢う日まで」をみんなで演奏していました。あかりの祖母の田中初音(富司純子さん)や長谷川伝(竜雷太さん)や中岡民男(前田航基さん)や松下(旧姓・有馬)小夜子(川中美幸さん)は、あかりが持参してきた幕に社長への寄せ書きを書いていて、回想の人として登場していました。

あかりは髪を短く切っていて、浜野社長は滝沢さんと何かあったのではないかと心配していて、あかりは気分転換だと答え続けていたのですが、その後あかりが滝沢さんに話したことによると、お好み焼き屋「おのみっちゃん」で仕事中に髪を焼いてしまった?ということでした。滝沢さんは、サンタクロースの落し物だと言って、あかりにプレゼントの箱を渡し、トランペットの形のネックレスをプレゼントしていました。

「てっぱん」の時のオープニングの場面は、今回はエンディングで流れていました。岩崎さんと根本さんと一緒に、居酒屋でお見合い写真の相手を待っていた浜野社長が、相手の女性が鈴江さんだったと気付いて驚いていたところで、一応本編は終わったのですが、その直後の「おまけ」では、居酒屋の店先で浜野さんと根本さんに自分がいかに女性から好かれているのかを話し続ける岩崎さんの場面があって、それも「てっぱん」らしく思えて面白かったです。

東日本巨大地震(東日本大震災)が起きた今年の3月まで「てっぱん」は放送されていたのだなということを改めて思いました。

これはドラマとは関係がないことのですが、私は、今年は何というか、街のイルミネーションなどを見てもあまり「クリスマス」の感じがしませんでしたし、今は「お正月」や「年末」の感じもあまりしていません。

大震災があったためなのかもしれないのですが、数ヶ月分時間が遅れているというか、私にはまだ10月末くらい?のような気がしてしまっているのかなと思います。季節感が少し弱いような気がするのです。来年の春の頃には、このような時間の感覚も少しは直るでしょうか。

「妖怪人間ベム」最終回

日本テレビの土曜ドラマ「妖怪人間ベム」の最終回(第10話)を見ました。

初回の時と同じように15分拡大版の放送でした。終わってしまうのは寂しいなと思いつつ楽しみにして見たのですが、最終回もとても良かったので、安心しました。

冒頭、というかドラマの直前に、日本テレビで行っていたクイズのお知らせがあって、それにベムたちが巻き込まれて?いたのが、私としては少し残念にも思えてしまったのですが、ドラマの本編はいつも通りに良かったです。

最終回は、人間になる方法とは、緒方晋作博士の作った同じ一つの細胞から分裂した名前のない男(柄本明さん)の正体だった「悪」を取り込むことだと知ったベム(亀梨和也さん)とベラ(杏さん)とベロ(鈴木福さん)が、人間になりたいという願いと、人間を助けたいという思いの間で悩み、どのような存在として生きていきたいのかを決断するという話だったように思います。

「妖怪人間ベム」のドラマは、自分にとっての、このようになりたいとか、このようでありたいという理想の自分を追い求める話だったのだなと、最終回を見て思いました。廃船の人魚姫の絵も、「人間になりたい」という思いを表現したものだったのだと、私は最終回を見てようやく気付きました。

前回の続きの研究室の場面で、謎の緑色の液体だった名前のない男から「悪」を取り込むよう言われたベムたちは、一先ず保留にしていたのですが、夏目さんと廃船に戻っていたところに再び名前のない男が現れ、ベムにとって良い人間の理想の形の夏目さんの中にも悪の心があることを指摘し、夏目さんに、息子の誠(林遼威さん)を死なせたのは自分だから怒りの気持ちがあるなら殺めたらいいと話していて、ベムたちは不老不死なのではないかと疑問に思っていたのですが、名前のない男は死ぬ方法があると言い出すと自分の手を切って、そこに人間となる時の土台になるはずだった人間の骨で出来ているステッキを当てると、緑色の細胞が少しずつその中に吸い取られていて、その男によると、しばらくそのままにしておけば全てステッキに吸収され、死ぬのだということでした。名前のない男から自分を殺すよう言われてステッキを足元に投げられた夏目さんは、それを拾い上げたのですが、そのまま男に返していて、男もいつの間にか姿を消していました。

夏目さんの家へ招待されて、夏目家の3人とベムとベラとベロがソファに座って記念写真を撮った後、夏目さんから「プリントアウト」をして渡しますと言われて、少し戸惑いながら「はい」と答えたベムに、ベロが、知らないのに頷いたでしょうと指摘していたのも何だか面白かったです。

大学教授で生物学者の緒方浩靖(あがた森魚さん)の家を訪れたベムたちは、元気のない緒方教授から可愛がっているリスザルの永太郎が予防接種の注射を嫌がって家を出て行ってしまったという話を聞き、自分たちの能力を使って永太郎を探しに行くことにしたのですが、ベラの視覚では教授の孫の小春(石橋杏奈さん)を捉え、ベムの聴覚では家政婦の町村日出美(広田レオナさん)を捉え、会いに行くと、二人が自分は何になりたいのかとか、自分はどのようになりたいのかということを考えているということを知っていて、この時は少し不思議そうにしていたのですが、次第にベムたちは、自分たちは本当に心の底から人間になりたいと願っているのだろうかと疑問を感じるようになっていたようでした。ダイエットをしようとしている日出美さんにあった後、ベロの嗅覚は永太郎の臭いを察知して再び緒方教授の家に着いたのですが、臭いは永太郎の愛用のタオルからで、庭にいた緒方教授はそれを置くための永太郎の新しい寝床を作ろうとしていて、ベムたちも手伝い、赤い屋根の永太郎の家を完成させていました。

夏目刑事の娘の優以(杉咲花さん)は、兄の死を乗り越えようとしている父親や母親の菜穂子(堀ちえみさん)の様子をよく観察していたようで、そのことを知っているから自分の前では無理に笑ったりしないでほしいと頼み、ピアノコンサートのチケットをプレゼントしていました。

ベムたちも一緒に行くことになったのですが、そのベムたちが少し緊張している様子で、コンサートホールのロビーでチケットを正面に持ったまま夏目さんたちを並んで待っていたのも面白かったです。

演奏会が始まる少し前、ベムたちが席に着いていると、警備員のふりをして現金輸送車を襲い、大金を奪った強盗たちが警察に追われてこのホールへ入ってきて、観客たちを一箇所に集めて人質にしようとしていました。

夏目さんは、刑事であることを告げて前へ出て、拳銃を持っている強盗たちを説得しようとしていたのですが、強盗は夏目さんを撃とうとしていて、ベムは人々の中から飛び出して強盗の腕を掴んで止めていました。でも、感情を抑制するよう暗に夏目さんに言われていたベムが強盗に顔を殴られ、緑色の血や、額の角が見えると、人質のお客さんたちはざわざわとし始め、ベラとベロも何か諦めたように立ち上がり、夏目さんにダメですと止められる中、ついに強盗たちの悪の心に対する怒りを抑えきれずに、妖怪の姿に変わったのでした。

強盗たちは、30代くらいの男性たちで、いくら働いても豊かな生活を送ることが出来ないという不満から大金を奪うことにしたようでした。ベムは、生きていくのが苦しくなる時、人間は悪の心を持ってしまうのかもしれないが、それに抗って生きていくのが人間であり、人間であることを投げ出さないでほしいと強盗をした人たちに伝えていました。

妖怪の姿になった3人を見たお客さんと強盗犯たちは怯えていて、ベムたちの緑色の目にはその中に夏目家の人や緒方家の人の姿も映っていました。

強盗たちが拳銃を逃げようとするお客さんたちに向けたので、ベムたち3人はその人たちの前に立って盾のようになり、強盗たちはベムたちを撃ち始めたのですが、何発もただ撃たれ続けて緑色の血を流し続けているベムたちの様子を見ているのがまた辛かったです。

強盗の拳銃から銃弾が尽きると、お客さんたちは一斉にホールから逃げ出し始め、ベムたちはそれに混ざって逃げようとする強盗たちを追いかけて、気絶させていたようでした。強盗犯の目から流れ落ちた涙を、ベロが腕に当ててみたのですが、変化はなく、強盗たちの悪意はその人たち独自のもので、名前のない男の仕業ではないことが分かったのでした。

人間の外見に戻ったベムとベラとベロの姿を、夏目家と緒方家の人たちも見ていたのですが、何も言葉をかけることが出来ない様子でした。ベムは、いつまでもそばにいますからと夏目さんに告げて、静かに立ち去っていきました。夏目さんは、驚きながらも何かを納得しているような家族に、行かなくてはいけないと話し、ベムたちの後を追いかけることにしたようでした。

緒方博士の研究所に来たベムたちは、そこで自分が受け入れられることを待っていた名前のない男に、「俺たちは人間になりたい、だが、人間にはならない」と話し、これからも人間を守るために“妖怪人間”として生きていくと伝え、お互い自分の中に持ち合わせていない感情を理解することはできないようだと言う「悪」の名前のない男と対決することになり、決意したベムはステッキで男を突き刺して殺していました。

「こうするしかないんだ、悲しい人間を増やさないために」とベムが言うと、名前のない男は「同情しますよ、あなた方を待ち構えている未来を思うと。私は幸せだ、ようやく死ねる」と呟き、刺さったところから緑色の液体がステッキに吸い取られると、博士の遺体の顔色は普通の色になって倒れていました。

その遺体に「ごめんね、お父さん。おいらたち人間になれなくて」と言っていたベロの言葉が悲しく思えました。

ぶつかり合ったステッキの波動で周囲のものが揺れ、机から落ちた液体にアルコールランプの火がついて、研修所は火に包まれてしまい、やって来た夏目さんが「ベムさん」と必死に呼びかける中、ベムたちは少し悲しそうに笑っていて、そのまま姿を消してしまったようでした。

火が消えた後、中に入った夏目さんが瓦礫を退かすと、焼けた博士の骨とステッキと、ベムの帽子とベラの髪飾りとベロのゴーグルを発見し、ベムたちのものを廃船に持って行っていました。

焼けたステッキは緒方教授に渡したようで、緒方教授は、世の中はまだ知らないことで満ち溢れていると楽しそうに話していました。日出美さんはダイエット器具を巻きながらお茶を淹れていて、進路を真剣に考え出した小春さんが両親と話した後電話を切ると、永太郎が新しい永太郎ハウスに戻ってきていることに気付き、3人で喜んでいて、小春さんも永太郎に触ることができるようになっていました。

満月の夜、チョコレートを持っていた後輩刑事の辻尚樹(永岡佑さん)と犯人を追いかけていた夏目刑事は、ビルの谷間に来た時、隠れていた犯人に背後から撃たれたのですが、弾の当たる直前に誰かに腕を引っ張られて助かり、後ろで撃った犯人が倒されているのを見て、はっとしたように「ベムさん」と呟き、夜空を見上げて嬉しそうに笑顔を見せていました。

最後、満月の前を飛ぶ3人の姿があり、「妖怪人間ベム、ベラ、ベロ3人の姿は消えた。いや、彼ら正義の魂が死ぬはずはない。きっとどこかで生きているはずである。もしあなたの身の回りで怪しい出来事が起こり、それが人知れず解決しているようなことがあったら、彼ら3人が活躍してくれたのかもしれない。そして、妖怪人間ベム、ベラ、ベロに感謝をしようではないか。」というような小林清志さんの劇画風のナレーションの言葉があって、それからいつものエンディングになったのですが、そのナレーションの場面が何だか絵本風というか、ファンタジー風に思えて、不思議な感じもしたのですが、面白いなと思いました。

妖怪人間のベムたちは、夏目さんのような善良な人間の守護神というか、守護天使というか、そのようなものになったのかなと思えるエンディングでした。

脚本は西田征史さんでした。私はドラマ「怪物くん」には挫折してしまったのですが、この「妖怪人間ベム」は、毎週とても楽しみにして見ることができました。ドラマの真面目な暗さも、とても良かったです。

また、私は、亀梨さんの出演しているドラマは「野ブタ。をプロデュース」を見ていたというくらいで、あとは「Going」というスポーツ番組での野球を好きな人という印象があるというくらいだったので、最初、亀梨さんがベムを演じると知った時にはどのようなドラマになるのだろうと少し心配に思っていたのですが、初回を見てその心配は必要なかったことが分かりました。亀梨さんのベムは、初回から最終回まで、とてもすてきでした。

何になりたいのか分からないと話していた小春さんは、ピアノコンサートの前に、とりあえず前に進むしかないとベラに言われて、進路の本を読んで考え始めていたので、どこかは分からないですが、どこかに進むことができるといいなと思いました。

優以さんもピアノを練習し始めていて、息子が亡くなってからピアノを避けていたという母親の菜穂子さんも、優以さんのピアノを批評しながら楽しく聴くことができていました。

「悪」だった名前のない男を殺しても、人間の中から悪の心が芽生えないようになることはないかもしれませんが、一人一人が良い人間であろうと意識して努力することが大切なのかなと思います。

「妖怪人間ベム」は、見る前に思っていたのとは違い、とても真面目な内容のドラマで、悲しいところも多かったですが、毎回楽しく見ることができて、本当に良かったです。

「家政婦のミタ」最終回

日本テレビのドラマ「家政婦のミタ」の最終回(第11話)を見ました。

最終回も15分拡大版で放送されました。私は、最終回直前番組の「さよなら“家政婦のミタ”特別版」も見たのですが、これはミタさんと阿須田家の家族がどのように関わってきたかという、総集編のようなものでした。ナレーションは、家政婦紹介所の晴海明美(白川由美さん)でした。

一部は新しい場面で、冒頭では、三田灯(松嶋菜々子さん)が夫と息子の命日(昨日の放送日と同じでした)に三田家のお墓参りをしていて、その様子を影から見ていた阿須田家の子供たち4人と、三田さんが帰った後お墓参りにやって来た夫の母親(赤座美代子さん)が遭遇していたのですが、その義母は、阿須田家の子供たちからお葬式でのことを訊かれて、三田さんに死ぬまで二度と笑うなとは言っていないと答えていました。

阿須田家の家に帰った子供たちは、三田さんとの思い出を振り返っていて、そこから前回の最後の、子供たちが台所で三田さんにお母さんになってほしいと頼み、三田さんが少し考えてから「承知しました」と言う場面につながっているようになっていました。

そして、夜の10時からの最終回の本編が始まりました。

長女の結(忽那汐里さん)と長男の翔(中川大志さん)と次男の海斗(綾部守人さん)と次女の希衣(本田望結さん)に頼まれて、阿須田家の“母親”になることを承知した三田さんは、すでに婚姻届も用意していたのですが、急なことに戸惑う父親の恵一(長谷川博己さん)は、正式な手続きはまだしないことにしていました。

“母親”になった三田さんは、母親は二人も要らないと言って希衣さんの母親の石を缶から取り出したり、家計の節約のために今までとは違う質素な食事を用意したり、食事の最中に使っていた携帯電話を取り上げたり、遊んでないで早く寝なさいとか早く勉強をしなさいと言ったりして、家政婦と母親では立場が違うのだと子供たちに教え、厳しい態度を取っていました。

なぜか恵一さんは三田さんが用意した食事中に腹痛を起こして入院し、母親の言うことが聞けないのならこの家を出て行きなさいとまで言われた子供たちは、次第に三田さんに対して疑惑の目を向けるようになっていったのですが、その一連の三田さんの行動は、三田さんが子供たちから阿須田家を去るよう言われたかったからのようでした。

また、三田さんは、やはり結さんの叔母の結城うらら(相武紗季さん)のことも救いたかったようでした。まだ凪子(大家由祐子さん)を死に追いやった恵一さんを認めていない様子の父親の義之(平泉成さん)の反対もあってか、恵一さんと結婚できないことに落ち込み、お見合い相手(勝地涼さん)と結婚式を挙げようとしていたうららちゃんは、結さんから三田さんの豹変ぶりを聞いて、結婚式を抜け出して阿須田家へやって来たのですが、うららちゃんを頼る結さんたちの態度を見て、うららさんと自分のどちらを選ぶのかと子供たちを追い詰めていました。

結さんはうららちゃんを選び、三田さんは家を出て行きました。歩いて坂を下っている三田さんを止めたうららちゃんは、急に三田さんから何度も平手打ちを受けて怒り出し、三田さんに掴みかかっていたのですが、その様子を見た三田さんは、そのようにうららちゃんが怒りたい時には怒り、泣きたい時には泣き、笑いたい時に笑うなど、他人に気を使い過ぎずに感情を表現することを勧めていて、うららさんは私のようになってはいけないと話し、阿須田家の家族になれなかったとしても保護者にはなれるからと、うららちゃんの笑顔を忘れないことを伝えていました。

三田さんとうららちゃんの対決を驚いた様子で見ていた阿須田家の家族5人は、立ち去ろうとする三田さんを呼び止め、家族のクリスマスパーティーに参加してもらうことにしていました。

恵一さんと一緒に、結婚式場の当日キャンセルをしたことの手続きに来ていたらしいうららちゃんは、そこで結婚するはずだったお見合い相手の大場さんがやって来て、実は自分も好きな人を忘れようとしていたということを話してうららちゃんに会って勇気をもらったとお礼を言うと、結婚式場の扉を開けて、式の途中の花嫁を連れ出していました。

その花嫁の相手が恵一さんの元後輩の名取(関戸将志さん)だったところが意外で面白かったです。花嫁は常務の娘だったようでした。

三田さんの誕生日は12月25日だそうで、阿須田家の家族は三田さんと一緒に横浜の赤レンガ倉庫でクリスマスのものをいろいろ買っていたようだったのですが、そこでチラシを配る仕事をしている風間美枝(野波麻帆さん)と遭遇していました。風間さんは、実家に戻った後、会社を辞めた経緯で親とケンカになり、また家を出てきたと恵一さんに話していました。でも、二人とも以前のような状態に戻るという感じではなく、風間さんは希衣さんから折り紙をもらって、家族と別れていました。

クリスマスの料理は三田さんと結さんで作ったそうで、子供たちに勧められて三田さんもテーブルに着いていました。そこで、恵一さんから最後のお願いとして、笑ってくださいと頼まれ、三田さんは承知しましたと答え、笑うというよりは微笑んでいるという感じの笑顔になっていました。漠然と笑うというのではなく、恵一さん、翔さん、海斗さん、希衣さん、結さんのそれぞれの顔をしっかりと見て涙を流しながらも笑顔を見せていたところが良かったです。

少し光が見えてきたと三田さんは阿須田家の家族にお礼を言っていて、家族も感動し、またいつか家に来てほしいとか、三田さんに会いに行くとか、伝えて三田さんは笑顔で承知しましたと答えていました。

引っ越す日のバス停にいた三田さんは、笑顔の三田さんではなく、今までの、いつもの雰囲気の三田さんに表情や態度や話し方などが戻っているようでもありました。

晴海さんが沖縄で家政婦紹介所を開くことになったからと最初三田さんは話していたと思うのですが、子供たちに見送られた後のバスの中で晴海さんが話していたことによると、実は沖縄ではなく、建物の老朽化のために都内に引っ越すことにしただけだったようでした。

見送りに来ていなかった希衣さんが三田さんのバスを追いかけて走ってきたので、晴海さんはバスを停止してもらい、三田さんを降ろしていました。うららちゃんに連れて来てもらっていたらしい希衣さんは、三田さんに石を渡し、三田さんはパンダの折り紙を希衣さんに渡していて、開くとそこには「キイさんのことがだいすきです」と書かれてあり、三田さんと別れたくない希衣さんは泣いていました。

それからバス停で見送った阿須田家の父親と子供たちもやって来て、立ち去る三田さんの後ろ姿をみんなで静かに見送っていました。

「この坂をのぼったら」の歌を歌いながら家に帰って来た家族は、ここが自分たちの北極星で道標なのだと、三田さんと話したことを思い出して話していました。

最後、家政婦の三田さんは、錆びた三輪車がある、何かまたかなり荒んでいる様子のどこかの家の前に来ていました。呼び鈴を鳴らし、ドアを開けた家主に「晴海家政婦紹介所から参りました。家政婦の三田です」と名乗っていた場面で、画面はぱっと黒くなり、「完」の文字が出ました。終わったのです。

劇的な展開という感じではなかったように思いますが、最終回も面白かったです。よくまとまっていたと思います。

初回から見ていましたが、私は最初の頃は何となく面白いなというくらいの気持ちで見ていました。サスペンス調?でもあったドラマの続きの展開が気になると思いつつ見ているうちに、“高視聴率”のドラマと言われ始め、最終回へ向けて日本テレビが特集を始めたという流れにもなっていたのですが、私と同じように、何となく気になるという感じで毎回見ていた人が多かったのではないかなと思います。

私はあまり視聴率を気にしてドラマを見るということはないのですが、報道によると、今回の最終話の平均視聴率は40%だったそうで、三田さんはすごいなと思いました。

先日の「ZERO」に脚本家の遊川和彦さんが出演していたのを私も見ていたのですが、遊川さんが、笑顔を絶やさない良い人そうな人を見ると悪い人なのではないかと思ってしまう、というようなことを話していたのが面白かったです。

遊川さんによると、「家政婦のミタ」というタイトルは今年の3月11日の東日本大震災前に決定していたそうなのですが、ドラマの内容は震災後に考えたものだそうです。明るいものにしたほうがいいのではないかという意見もあったそうなのですが、何も被害を受けていない元気な人たちが「がんばれ」と言うような風潮が気になっていたという遊川さんは、苦しみを抱えた人にしか苦しみを抱えた人の気持ちは分からないということもあるからと考え、そのような話にすることにしたというようなことを話していました。

このドラマは「家族」をテーマにしていたのですが、「愛している」という言葉が多用されていて、それが私には少し不思議に思えていました。私は「愛している」という言葉にあまり慣れていないのだと思います。毎年話題になっている「今年の漢字」が「絆」だったことも、これは私の予想とは違っていたのですが、世の中の全体的には「家族」とか「愛」とか「絆」とか、そのような流れになっていたのかなと思います。「愛」とか「絆」とか、一般的には良い概念ということなのだろうとも思うのですが、私にはまだ時々少し苦手に思えてしまうものなのです。

「家政婦のミタ」は、続編などの予定はなさそうですし、希衣さんにもらった石を持って家政婦として新しい家を訪問していた三田さんの心理状態は以前より良くなっているように思えましたし、少し不気味な?雰囲気も残しつつ、比較的さっぱりとした良い最終回だったように思います。楽しかったです。

「深夜食堂2」最終回

TBSのドラマ「深夜食堂2」の第二十話「ギョーザ」を見ました。

「深夜食堂」第二部の最終回です。脚本は真辺克彦さん、監督は松岡錠司さんでした。

冒頭はろうそくの火の映像で、いつもの鈴木常吉さんの「思ひ出」の歌のオープニングの場面はありませんでした。「めしや」のカウンターを上から見る映像など、少し凝っていたように思います。

第二十話は、できるものなら何でも作るはずの「めしや」のマスター(小林薫さん)が唯一出前で頼むほどおいしい餃子屋さんの店主の村田(リリー・フランキーさん)の妻の桃子(黒谷友香さん)が、実は、8年前にカタギリ(オダギリジョーさん)と結婚をするはずだった女性で、偶然「めしや」の前で再会したカタギリさんと桃子さんは、お互いに昔の記憶を呼び覚ますこととなり、戸惑うという話でした。

カタギリさんは、8年前に違法な賭博をした件で逮捕されたことがある人だったようでした。逮捕された日は桃子さんの誕生日で、カタギリさんは夜中の12時ちょうどに婚約指輪を渡す予定だと伝えて桃子さんを「めしや」に呼んでいたようなのですが、桃子さんが12時を過ぎても待っている頃、カタギリさんは警察に追われていて、その途中でカタギリさんは神社のお賽銭箱の下辺りに指輪を隠していたのですが、結局逮捕され、お店に行くことはできなかったようでした。

桃子さんは、その後父親が倒れたため、看病をしに実家に戻っていて、カタギリさんの逮捕のことを知らなかったそうです。そして、お見合いをして、村田さんと結婚したということでした。

村田さんは、羽田の中華料理店で修行をし、その後新宿に餃子のお店を出した人で、娘がいるのですが、それは離婚した前の妻の子供でした。娘が父親の再婚のことを知っているのかどうかよく分からなかったのですが、娘は桃子さんをお母さんと呼んで親しくしていました。

「めしや」のカウンターで卵の殻に青い絵の具を塗っていたカタギリさんは桃子さんに未練があったようで、そのことを聞いていたマスターは、「気に入らねえな」とカタギリさんを諌めていたのですが、カタギリさんは桃子さんに会いに行ってしまいました。

桃子さんも、密かにカタギリさんに会い、最初は断っているように見えたのですが、本当は少し未練があったようでした。

桃子さんの誕生日に「めしや」でマスターに餃子の作り方を教えると話していた村田さんは、当日、マスターと桃子さんと娘さんと一緒に餃子を作っていると、ラー油のレシピを書いたメモを家に忘れてきたと言って、娘と二人でお店を出て行き、その直後、桃子さんは外で待っているカタギリさんと一緒に行くため、コートを取り、マスターに私の人生は私のものだと言い残してお店を出たのですが、本当は予約した誕生日ケーキを受け取りに行っていたという夫と娘に声を掛けられ、何かはっとしたようになって、静かにお店の中に戻っていきました。

カタギリさんは、2枚の飛行機のチケットと婚約指輪を置いてどこかへ行き、それ以降「めしや」には来ていないそうです。

最後、「めしや」でクリスマスパーティをしている場面があり、今までの登場人物たちが来ていました。ヤクザの竜さん(松重豊さん)もカウンターに座っていました。

そして、まだお客さんの来ていない「めしや」の暖簾をくぐると、マスターが「いらっしゃい。できるもんなら何でも作るよ」と迎えてくれる場面で終わっていました。

私は2009年の「深夜食堂」を好きで見ていたので、今回の第2部も楽しみにして見ていました。今回も良かったと思うのですが、私としては、第2部では、少し“場末”の雰囲気が減っていたようにも思えました。でも、最後まで見ることができて良かったです。
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