「狸な家族」

NHKのBSプレミアムで放送され、録画をしておいた、徳島発地域ドラマ「狸(たぬき)な家族」を見ました。

徳島放送局開局80周年記念ドラマだそうです。ドラマの舞台は、徳島県の三好市山城町という山の上の町でした。山の急な斜面に畑が作られていて、にんじんやキャベツなどの野菜をみんなで助け合いながら収穫していました。

タヌキが人を化かしたり、人を助けたりするという伝承の残る町だそうです。ドラマを見る前は奇妙なタイトルのドラマのように思えていたのですが、そのタヌキの伝承の知恵を使いながら、家族の大切さを見直し、つながりを再生させようとする物語でした。

役者になるという夢を諦めきれずに15年前に家族と畑を捨てて東京へ行き、最近父親役で人気が急上昇しているという役者の中島新作(渡辺いっけいさん)は、「鶴瓶の家族に乾杯」の出演が決まって喜んでいたのですが、スタッフが決めた行き先は、新作さんの故郷の町でした。

気まずい思いで大歩危駅に到着した新作さんは、顔見知りの町の人たち(大島蓉子さん)に愛想を振りまいていたのですが、新作さんの妻でかつては同じ劇団員だった中島初子(坂井真紀さん)と、新作さんの母親の菊子(冨士眞奈美さん)と、高校生の娘の真美(清水くるみさん)と、中島家に居候をして畑仕事を手伝っている自称タヌキの松木正太郎(荒川良々さん)は、町の人たちから新作さんがロケに来ているとの連絡を受け、困惑していました。

居留守を使おうとしたのですが、ついスタッフたち(村杉蝉之介さん)に応じてしまい、3か月前に帰って来たとか嘘をついて、テレビカメラの前で良い夫、良い父親を演じる新作さんに、家族は呆れていたのですが、家族に相手にされず、お客様扱いされていた新作さんは、夜になって、中島家での暮らしが好きだと言う正太郎さんから、実は会社を倒産させた元社長で家族にも逃げられ、今は路頭に迷わせてしまった社員たちから身を隠しているのだということを聞いて、家族に対して自分がしたことを思い直すようになっていました。

離婚届を用意していた初子さんも、新作さんへの思いを断ち切ることができないことで悩んでいました。義母の菊子さんは、初子さんに息子とやり直してほしいと思っていたので、初子さんが悩んでいることを知ると、亡き夫が3日間家に帰ってこなかった時も、タヌキに化かされたのだと、タヌキのせいにして許したということを話し、悪い出来事をタヌキのせいにするというのは村の人たちの穏やかに生きるための知恵でもあったと伝えていました。そして、菊子さんは、新作さんの家族への本当の気持ちを確かめるために、タヌキになることを提案したのでした。

翌朝、スタッフたちの元に家族を連れて行こうとしていた新作さんは、息子を忘れたようにはしゃぐ菊子さんの言動に戸惑っていたのですが、突然泣き出した初子さんが差し出したのは病院の神経科の薬で、真美に介抱されているような母親の姿を見返した新作さんは、昨日の出来事を思い出しながら、母親の病気を思い、ショックを受けていました。

スタッフのところへ行き、荷物の中から昨日のハンディカメラのテープを確認して取り出した新作さんは、そのテープを引き出して千切ってしまい、スタッフたちを慌てさせていたのですが、それは家族を思ってのことでした。居候の正太郎さんのことも、新作さんは家族になくてはならない人になっていると、認めたようでした。

家族でいるためには努力が必要だったのに、と反省していた新作さんは、これからはもう逃げない、お前たちと家族でいたいです、と初子さんに言い、お願いしますと頭を下げて畑につけて頼んでいました。

本音を言い合う様子を撮影していたようだったのですが、新作さんは、それを使ってほしいとスタッフに頼み、もしそれで好感度が下がったら、悪い父親の役を演じて一から出直すことにすると笑顔で話していました。

一か月に一度は帰って来るようにする、困ったことがあったら一緒に悩むと、新作さんは初子さんに約束していました。新作さんが逃げないことにしたことを聞いた正太郎さんも、この町で暮らすことは変わらないようだったのですが、もう逃げないことに決めたと初子さんや新作さんに話していました。

最後は、町の人たちも畑に集まって、みんなで撮影をすることになり、その時、新作さんは菊子さんのタヌキ作戦を知って、元気に母親を追いかけ回していました。

作(脚本)は鈴木聡さんで、演出は村橋直樹さんでした。

新作さんや初子さんや菊子さん、進路に悩む娘の真美さんや謎の正太郎さんなどの登場人物の感情が丁寧に描かれていて、良かったです。面白かったです。

少しシリアスな真面目な場面とほのぼのとした穏やかな場面とのバランスも良かったように思います。

ドラマでは、「家族に乾杯」で放送されるらしい映像がどのようなものに出来上がったのかというところまでは描かれていなかったのですが、無事に放送されて、新作さんの好感度が下がらないといいなと思いました。

夜の山の中を歩いていた正太郎さんと新作さんのところに、突然謎の小石が飛んできていて、それから次々とたくさん小石が投げられていたのですが、ドラマの中では、それは本当のタヌキの仕業だったということなのでしょうか。あと、これはこのドラマの内容そのものとは関係のないことなのですが、私としては、最後の場面の丘の上のタヌキが、本物のタヌキだったなら、もっと良かったかもしれないなとも思いました。

「鬼女」

フジテレビの「金曜プレステージ」で放送されたスペシャルドラマ「鬼女」を見ました。

数年前に裁判員裁判が行われていた鳥取連続不審死事件のことを思い出し、それを基に作られたドラマなのかなと思いながら見ていたのですが、そうではなかったようでした。若いわけでもなく、美人というわけでもない、という女性が、何人もの男性たちを騙して、大金を得ると、不審死として死亡させていくというような点では、その事件をモデルの一つにはしていたのかもしれないのですが、ドラマの結末も鳥取の事件とは異なっていましたし、実話を基にした話というわけではないようでした。

脚本は後藤法子さん、監督は本木克英さんでした。

藤山直美さんが「鬼のような女」と呼ばれた結婚詐欺師の三崎真由美を演じると聞いて、少し楽しみにしていたのですが、やはり迫力があって、優しいような、不気味のような、弱いような、強いような、一人の女性の中に様々な表情があり、本人にも何が本当の自分なのかが分からないように、他の誰がどれほど調べても、最終的に何が本当のその人なのか分からないという感じがとてもよく伝わってきて、少し怖くもあったのですが、良かったです。

物語は、主に5日間ほどの裁判の流れで展開していて、三崎真由美さんと合わせて3人の女性を中心に描かれていました。スポーツ新聞に被告の三崎真由美さんの記事を書くフリーライターの野元千明(夏川結衣さん)は、拘置所の三崎さんと面会をしたり、その裁判所での態度を見たりするうちに、被害者(岸部一徳さん)の娘(小池栄子さん)から「ブス!」と罵られても淡々として落ち着いていた三崎さんが本当に世間で言われているような、あるいは検察側が主張するような「鬼女」なのだろうかと、疑いを持つようになっていました。

三崎さんの事件の真相を暴こうとしている担当検事の岡部貴子(田中美佐子さん)は、三崎さんとは対照的な女性というか、男性ばかりの職場で忙しく勤めているためか、女性らしく振舞うというようなところが少なく、服装も地味だったので、裁判に出る時には身なりを上品に整える三崎さんから、検事さんは美人なのだし、もう少し女性らしくしたほうが良いと指摘されてしまうほどでした。大学で週に3日ほど講師の仕事をしている年下の夫との関係も悪くなっていて、三崎さんの裁判でもその個人的な感情を持ち込んでしまっているように、感情的になって大声で質問をしている場面も度々ありました。

岡部さんは、「検事の勘」で、三崎真由美を詐欺と殺人の犯人だと考えて、裁判を進めようとしていました。そのことに疑問を持った野元さんは、三崎さんの出身地の大阪でも取材を行い、三崎さんの友人(キムラ緑子さん)や知人(田島令子さん)から三崎さんの人物像を訊きだそうとしていたのですが、三崎さんの友人や知人は、小さい頃から貧しい暮らしを強いられ、努力をして生きてきた三崎さんを、悪い人だとは思っていない様子でした。

三崎真由美がお金のために騙した相手を殺す場面の画面には、「検察側の主張」という字幕が出ていました。その場面と、裁判での三崎さんの穏やかで冷静な様子との場面が対照的で、また、野元さんが書いた「三崎真由美は本当に鬼女なのか?」という新聞記事によって、三崎さんの友人から実は三崎さんには現在看護師をしている娘がいるという情報を得て、世間の三崎さんに対する「鬼女」のイメージが少しずつ変化してきているというような状況も描かれていたので、ドラマを見ていた私も、岡部検事の主張する被告の三崎さんと、野元さんが調べた、辛い環境に負けることなく夢を見続け、大人になって挫折はしたけれど、養子に出した難病の娘に養育費や治療費を送るためにお金を集めていたというありふれた母親としての三崎さんと、どちらが本当の三崎さんなのか、分からないように思えていました。

三崎さんには現在付き合っている、マンションを買う予定だったという男性(甲本雅裕さん)がいたのですが、もう一人の被害者(近藤芳正さん)が睡眠導入剤を飲まされてお風呂の浴槽に沈められて殺害されたという夜、その男性の家に来た時、三崎さんの髪や衣服からは水が滴ったままで、三崎さんは雨が降ってきたと言っていたのですが、動揺して落としたバッグから札束が出ていて、その男性は、三崎さんのその状況を、証言台に立つまでは、岡部検事にそのように話していたようでした。

しかし、裁判で証言台に立ったその男性は、三崎さんを前にして、何も言っていないと事前の打ち合わせを覆し、その結果、一貫して無実を主張していた三崎真由美被告は、「無罪」となったのでした。

検察側は控訴をする予定で、岡部検事は担当を外されることになったのですが、家庭では、忙しく働く妻を大切にすることにした年下の夫から誕生日のお祝いのケーキをもらって、少し穏やかさを取り戻した様子でした。

「無罪」を勝ち取った弁護士(宅間孝行さん)たちと祝賀会に参加していた三崎真由美は、様子を見に来ていた野元さんの前に来ると、穏やかに笑顔で挨拶をしていたのですが、その直前、野元さんには、「簡単に分かったと思うなよ!」と三崎さんが強く言ったように聞こえ、はっとしていました。

三崎さんを信じたまま死ぬことができた男性たちを羨ましいと思うこともあるとも言っていた、証言をしなかった男性も祝賀会を見に来ていたのですが、野元さんは、その男性が、野元さんの新聞記事を読んで、三崎さんは良い人だから不利になるような証言をしてはいけないと思って黙っていたと言うのを聞いて、証言をしなかったことがあるのか、岡部検事の主張していたことが本当は正しかったのかと驚き、愕然としていました。後悔もしていたかもしれません。

裁判で三崎さんは、私には娘などいないと言って泣いていて、それによって傍聴席の人たちや裁判員たちや野元さんは、娘を守るために、娘などいないと言っているのだと思っていたのだと思うのですが、三崎さんの態度が全て嘘だったということになると、子供も、本当にはいなかったということなのでしょうか。

友人が野元さんに教えた養子に出した子供の情報も嘘で、子供の頃難病を患っていて、福祉団体への匿名の寄付金によって治療を受けることができ、今は滋賀の病院で看護師として働いているという三崎さんの娘らしかった女性(南沢奈央さん)も、野元さんがそのように思い込んだだけの、全く無関係の人だったということなのでしょうか。

その辺りは、私にはよく分からなかったのですが、サスペンスドラマとして、藤山直美さんの最後まで本性を表さない三崎さんの存在感が圧倒的だったように思います。

「怪物」

昨夜、日本テレビで放送されていた「読売テレビ開局55周年記念ドラマ」の「怪物」を見ました。2時間と少しのスペシャルドラマでした。

原作は、私は未読なのですが、福田和代さんの小説『怪物』です。

宣伝番組や予告編などを見ていなかったため、ドラマの内容を知らずに、面白いといいなというくらいの気持ちで見始めました。水中のCGの映像が、私には、何というか少し本物とかけ離れているように見えてしまったのですが、また、ドラマを見る前に私の思っていたものと少し異なっていたのですが、ドラマの物語そのものは、面白かったように思います。ミステリーというよりは、サスペンス風だったように思うのですが、途中で疲れたりすることなく、最後まで見ることができました。

ドラマは、殺された死の匂いを嗅ぐことができるという能力を持っていたことから、15年前に遠藤くるみという少女を誘拐し殺害して遺骨を送りつけた事件の容疑者を、当時大学生だった代議士の息子の堂島昭(要潤さん)であると断定し、物的証拠が無いまま強制的に捜査を行おうとしたことなどから、警察署内で孤立するようになり、警察組織は証拠が無ければ何もできないと絶望を感じていた刑事の香西武雄(佐藤浩市さん)が、中途採用の新人刑事の石川えみ(栗山千明さん)と一緒に、橋爪という投資詐欺の容疑者の行方不明事件を捜査中、「日本循環環境ラボラトリ」で、DNAまで破壊して溶かすという「亜臨界水」によるごみ処理の研究をしている研究員の真崎亮(向井理さん)と出会い、遠藤くるみと同様に堂島昭の犯罪の被害者だという藤井寺里紗(多部未華子さん)が自分の提案した計画中に堂島を殺してしまったことから、真崎さんに依頼して「亜臨界水」で堂島の遺体処理を行ってもらったのですが、罪の意識に苛まれるようになり、真崎さんの罪を暴いて逮捕しようと、真崎さんの周囲の関係者が行方不明になっていることを突き止めたものの、理論派で用意周到な真崎さんに先を越され続け、次第に真崎さんの側に取り込まれていく、というような物語でした。

「亜臨界水」というのは、架空の水ということなのですが、ドラマの説明によると、その水は374度ほどで沸点を超えても沸騰しない臨界に達して液体でも気体でもないような水となり、有機体を入れるとそのDNAまでバラバラに破壊して溶かすことができるというものでした。金属を溶かすことはできないそうで、真崎さんは金属探知機で被害者の持ち物の中に金属の物を見つけると、それを外していました。

真崎さんは、20年前、投資詐欺を行っていた橋爪さんの被害者となった両親を入水自殺で亡くしていた人でした。その復讐のために、真崎さんは研究所を訪れた橋爪さんを殺害し、溶かして消したようだったのですが、真崎さんと香西さんが堂島さんを「亜臨界水」の中に入れたところを見たかもしれない研究所の斉藤光彦(矢柴俊博さん)のことも、その後殺して溶かしたようでした。真崎さんは、斉藤さんには身内がいないからと、自ら失踪人届けを出しに、警察署へ来ていました。

消えた橋爪さんと研究員の真崎さんの調査を新人刑事の石川さんに任せていた香西さんは、堂島議員の講演会に来ていた藤井寺里紗に声を掛けられ、9歳の頃堂島の被害者となったこと、ずっと悩み続けてきたが今は堂島を訴えたいと思っていることなどを聞かされると、証拠が無いと警察は動かないし、堂島を逮捕することはできないと考えて、里紗さんに、堂島と直接会って自白させることを提案したのですが、書店でのサイン会で里紗に話しかけられ、ホテルの一室にやって来た堂島さんは、自分が襲いかかった里紗さんが取り出したナイフを見て、動転し、自らよろけて、部屋の後ろの棚の角に頭をぶつけて、動かなくなっていました。

ただ、その里紗さんの状況は、別室のモニターで見ていた香西さんには死角となっていたため、どのような状況で堂島さんが頭を打ったのかを香西さんは見ていませんでした。また、真崎さんによると、その時の香西さんは、頭を打って動かない堂島さんが本当に死亡しているのかどうかを、脈などできちんと確認するというようなことはしていなかったようでした。慌てた香西さんは、里紗さんが殺したことが公表されてはいけないと思い、里紗さんを守らせてほしいと、動揺している里紗さんを部屋から追い出して、それから遺体の処理を真崎さんに頼むことを思いついたようでした。

真崎さんと一緒に堂島さんを溶かした香西さんは、共犯者となったのですが、今度は真崎さんが里紗さんを殺すのではないかと心配していました。

真崎さんと里紗さんの二人が知り合いらしいことにも香西さんは驚いていたのですが、それは、堂島さんを殺したことに苦しんでいた里紗さんが、なかなか電話に出ない香西さんに会うため警察署まで行った際、斉藤さんの失踪届けを出しに来た真崎さんに声を掛けられ、それからどういうわけか真崎さんに惹かれて、過去のことや堂島さんを殺したことなどの経緯を真崎さんに話したのを真崎さんが受け入れてくれたと感じたことで、香西さんと一緒にいるようになったということでした。

真崎さんと同じマンションの山本雪子(いしのようこさん)の夫が失踪していることを知った香西さんは、山本家を訪れ、高校生の息子の優(藤原薫さん)の部屋に無理矢理入ると、そこで殺された死の匂いを察知し、優さんの視線から、ベッドの下に凶器の血の付いたドライバーを見つけていました。

母親の雪子さんは、駐車場の車を置く場所が隣だったということから、真崎さんと知り合いになったそうで、息子が殺した暴力を振るう夫の遺体を、真崎さんに処理してもらったということでした。しばらく雪子さんは、息子を庇い、携帯電話がつながるのだから夫は生きている、失踪しているだけだと言い張っていたのですが、雪子さんに電話をかけさせた香西さんは、駐車場の真崎さんのロッカー(鍵はかかっていませんでした)から、着信音の鳴る夫の携帯電話を見つけ出すと、得意そうに、それを川辺に呼び出した真崎さんに示していました。

でも、その携帯電話は、真崎さんが雪子さんが目を話した隙に、雪子さんの携帯電話に夫の名前のまま自分の番号を登録しておいたものであり、真崎さんのものだと、真崎さんは主張していました。その話に納得した香西さんは、携帯電話を捨てていました。

香西さんは、里紗さんに、真崎さんの正体を知ってもらいたかったようでした。ただ、その場所に来ていた里紗さんは、真崎さんが何度か「里紗はあなたが思っているような女ではない」と香西さんに言っていたように、真崎さんの味方についていました。

里紗さんは、真崎さんと自分にはどす黒いものがあるのだと、真崎さんに惹かれた理由を答えていました。ショックを受けていた香西さんは、持って来ていた拳銃で自殺をしようとしていたのですが、山本家の凶器を見つけた件で、香西さんの殺された死の匂いを嗅ぐ能力を客観的に立証することのできる科学的なものだと認めた真崎さんは、自分たちの側に来ないかと、絶望する香西さんを誘っていました。

その後、香西さんは、石川さんから堂島さんの失踪事件について聞かれると、適当にはぐらかして、とぼけ出していました。香西さんと別れた後、警察署にいた石川さんは、山本家の息子が自首をして来たことと、その二人からも聞いた「亜臨界水」のことや真崎さんのこと、失踪者のことをいろいろ考えてつなぎ合わせ、刑事課の課長(矢島健一さん)に香西さんのことを報告し、動かないと思われていた警察は一気に動き出していたのですが、その頃、自分の過去の未解決事件の捜査ノートから容疑者の写真を外していた香西さんは、その人物たちを殺すべく、真崎さんと会っていました。

真崎さんと香西さんのもとには、里紗さんも来ていて、最後、“悪の3人組”が誕生したところで、「怪物」というこのドラマは終わっていました。

脚本は森下直さん、演出は落合正幸さんでした。

怪物として生きるよりも、人間として死ぬほうを選ぶと、途中、真崎さんに殺されかけた?香西さんは言っていたのですが、結局は“怪物”として生きるほうを選んだということなのでしょうか。

怪物とは何か、というようなことが描かれていたと思うのですが、真崎さんも里紗さんも、復讐殺人を肯定しているという意味ではある種の「愛情」というような感情を持っているということだろうと思うので、その点では、全く完全な暗闇の無感情の怪物というような雰囲気ではなかったように思います。

「怪物と戦う者は自らもそのために怪物とならぬよう用心せよ。お前が長く深淵を覗き込むならば、深淵もまた等しくお前を覗き込む」というような『善悪の彼岸』のニーチェの有名な言葉も、里紗さんの言葉として、最後に引用されていました。

最後の、新人刑事の石川さんがしっかりとしたまともな人だったところや、それまで香西さんの態度に困っていた組織の中で生きる課長も、石川さんの報告を受けて警察として動き出していたところなどは、ほっとする場面だったように思います。

向井理さんの研究者の真崎さんも良かったと思うのですが、特に、佐藤浩市さんの香西さんが真崎さんの言動に戸惑い追い詰められていく様子は、良く描かれていたように思います。

ただ、これはドラマの内容とはそれほど関係のないことなのかもしれないのですが、香西さんや石川さんが、真崎さんの両親の「入水」を、「じゅすい」ではなく「にゅうすい」と言っていた(読んでいた)ことが、間違いではないのかもしれないのですが、ドラマを見ていた私には、少し気になってしまいました。また、真崎さんだけではなく、刑事の香西さんまでもが、藤井寺里紗さんのことを「里紗」と呼び捨てにしていたことも、少し不自然に思え、気になってしまいました。ドラマでは描かれていなかったように思うのですが、香西さんと里紗さんは、同じ事件の関係者であるということ以外にも、何かあったのでしょうか。

途中、私には少し分からなく思えたところもあったように思うのですが、全体的には面白いドラマになっていたと思います。

「幸せになる3つの買い物」

昨日は、サザンオールスターズのデビュー35周年の日でした。5年ぶりに活動を再開するというニュースを聞いて、私も嬉しく思ったのですが、サザンの音楽は頻繁に流れているので、5年間活動をしていなかったということが少し不思議にも思えました。

ところで、昨夜は、NHKの「激流」というドラマの初回の放送と重なっていたのですが、予告の映像を見て何となく重そうな感じがしたので、放送時間には、明るそうに思えた、フジテレビの特別企画のドラマ「DRESSpresents アラ40女子ドラマスペシャル 幸せになる3つの買い物」を見ることにしました。

予告編などを見ずに見始めたということもあって、私は最初、「DRESS」というのをこのドラマのタイトルなのだと思っていたのですが、そうではなくて、それは雑誌の名前だったようでした。ドラマの冒頭のCMを見て知りました。40歳代の女性向けのファッション誌なのでしょうか。

1時間半ほどのドラマだったのですが、「幸せになる3つの買い物」ということで、約30分ずつの、3話のオムニバスドラマになっていました。

松重豊さんがバーのママを演じていたのですが、主人公の女性たちは3話に共通するこのバーの常連客でした。

1話目は、「マンションを買った女」でした。41歳の離婚経験のある商社の課長の安藤睦(中山美穂さん)は、“終の棲家”を確保しようと、大学時代からの親友で同じく独身だった貴子(霧島れいかさん)にマンションの共同購入の話を持ちかけ、二人で暮らし始めるのですが、3か月ほど経ったある日、貴子さんから突然妊娠と結婚の報告を受け、親友に裏切られた、人生設計が狂ったと愕然とするのでした。

悩んでいた貴子さんが出て行った後も、裏切られたという思いのまま仕事に打ち込んでいた睦さんは、貴子さんの結婚式の招待状も捻り潰して無視しようとしていたのですが、会社の部下(柄本佑さん)から貴子さんのような友人は貴重だと説得され、貴子さんにプレゼントされた赤いドレスを着て結婚式の会場へ向かい、絶対にあなたより幸せになって見せる、だから私のことなど心配しないで自分が幸せになることだけを考えて、と伝え、最後には、おめでとうと素直に祝福していました。

脚本は大久保ともみさん、演出は三宅喜重さんでした。

2話目は、「『いいね!』を買った女」でした。東京の銀行で長年窓口係を勤めていた40歳の堀内香奈子(大久保佳代子さん)は、ある日、後輩の綾瀬ひとみ(トリンドル玲奈さん)が新しい窓口係になることになったために休眠口座の管理係に異動になり、いつかこの日が来ると思っていたと諦めの気持ちで地道に仕事をこなしていたのですが、地元の同窓会に参加すると、同級生たちは東京で働く堀内さんを羨ましがっていました。

気分が良くなった堀内さんは、「フェイスブック」でもつながることになったその同級生たちから「いいね!」をもらうために、都会のおしゃれな暮らしを満喫している自分をアピールし始めるのでした。若い綾瀬さんたちの会話を聞いて、高級な靴を買った堀内さんがその写真を載せると、同級生たちから「いいね!」が押されて、羨ましいという旨のコメントが届き、堀内さんは、高額な買い物をしてはその写真を載せてその自慢をするということを加速させていきました。

ロッカールームに置かれていた綾瀬さんのバーキンのバッグを手に取り、自分で買ったように見せかけた写真を載せた堀内さんは、それでも友達からの「いいね!」が増えるのを見て、実際に買わなくてもいいのだと気付き、今度は嘘の買い物の写真を載せ始めるのですが、ある日同級生にバーキンのバッグを貸してほしいと頼まれてしまい、嘘だと言って断ることができず、動揺していました。

顧客の休眠口座に手を出そうとした時、綾瀬さんに声を掛けられ、堀内さんは犯罪者にならずに済んだのですが、堀内さんのフェイスブックを見たと言う綾瀬さんから、私と同じバーキンのバッグを買ったんですね、今度持って来てくださいと笑われてしまい、その後、銀行を辞め、定食屋を営む実家に戻っていました。泣きながら電車に乗っていた堀内さんは、自分のことをバカヤローだとフェイスブックに書いていたのですが、実家に戻ってフェイスブックを見ると、その「バカヤロー」の言葉に「いいね!」が3つ押されていました。いつも娘の生活を心配していた母親(浅茅陽子さん)も、父親も、弟も、堀内さんのフェイスブックを見ていたそうで、堀内さんは、見ないでよ、と言っていたのですが、家族からの「いいね!」には少し嬉しそうでした。最後の場面によると、もう一人、同窓会に来ていた同級生の男性も、堀内さんのことを心配していたようでした。

脚本は大井洋一さん、演出は坂田佳弘さんでした。

3話目は、「ウェディングドレスを買った女」でした。35歳のファッション雑誌の編集者の加納晴美(小池栄子さん)は、後輩たちからも慕われている仕事のできるしっかり者なのですが、契約社員であることと、5年間恋愛をしていないということから、自分は中途半端なのではないかという焦りを感じていたようでした。そのようなある日、仕事で取材をしたことのあるウェディングドレス店で見つけたウェディングドレスを気に入り、1点ものだと聞かされて、結婚の予定もないのに思い切って90万円で購入したのですが、秘密にしていたそのことが、加納さんをライバル視していた副編集長の桑原のりか(音月桂さん)の耳に入り、ドレス店のおしゃべりな女性店員から聞いた加納さんの嘘の結婚情報と共に、みんなの前で暴露されてしまうのでした。

ドレスを買ったことを認めた加納さんから、悩んでいたことを聞かされた後輩たちは、それでも驚きを隠せず引いていたのですが、カメラマンの増田真澄(EXILEのKEIJIさん)は、加納さんがお前たちの悩みを笑ったことがあるかと後輩たちを叱責し、自分のことも反省していました。

その後、後輩たちは謝りに来て、和解していたのですが、そこには増田さんも来ていました。後輩たちを連れて来たのは増田さんで、ドレスをそのまま持って加納さんに手渡していた増田さんは、今度食事に行こうと加納さんを誘っていました。

脚本は大久保ともみさん、演出は白木啓一郎さんでした。

このような人が何%いる、というような、40歳前後(アラウンド40)の独身女性のアンケートの結果がドラマの画面に字幕で出ていて、私にはよく分からないのですが、それでも何となく、そうなのかなと思いながら見ていました。

3話とも、それぞれ良かったと思うのですが、私としては、オアシズの大久保佳代子さんが主人公を演じていた2話目が、特に良かったです。

1話目と3話目は、人生に不安を抱える“アラ40”といっても、おしゃれな生活を送るキャリア女性として描かれていたと思うのですが、2話目の大久保さんの演じていた銀行員の堀内さんは、キャリア女性だとしても、地味な生活を送っていて、おしゃれな生活を送っている人だとみんなから羨ましがられたいと思うあまりに、見栄を張ったり嘘をついたりした結果、失敗してしまうという女性だったので、何か生き難い感じや、悲しい感じが伝わってきて、良かったです。最後、実家に戻った堀内さんが家族に救われるところも、ほっとする場面になっていて、良かったです。もしも堀内さんに優しい家族がいなかったなら、もっと大変だったのだろうなと思いました。

あと、これはドラマの内容とは関係ないことなのですが、中山美穂さんを久しぶりにドラマで見たように思います。映画には出演していたと思うのですが、これからはまたドラマにも出演するようになるのかなと思いました。

「35歳の高校生」最終回

日本テレビの土曜ドラマ「35歳の高校生」の最終回(第11話)を見ました。最終回は2時間スペシャルとして放送されていたのですが、私は放送時間には見ることができず、後で録画をしておいたものを見ました。

冒頭は、前回のダイジェストから始まっていて、国木田高等学校の「スクールカースト」の「1群」の中心人物の土屋正光(菅田将暉さん)が35歳の高校生の馬場亜矢子(米倉涼子さん)に真相を問い詰める「魔女裁判」の続きが描かれていたのですが、土屋さんが馬場さんの部屋から盗んできた古いノートについて馬場さんが答えていたことによると、その予言書のようだったノートは18年前に高校生だった馬場さん(松岡茉優さん)から責められ続けたことで精神不安定になり、娘の目の前で高校の屋上から飛び降りるということをして、一命を取り留めたものの頭を打った衝撃で記憶喪失になり、娘のことも分からなくなっていた母親(手塚理美さん)が入院中に妄想で書いた、娘の高校生活の日記でした。大人の女性の文字とは思えないような鉛筆での殴り書き風の文字になっていたのは、母親の怪我の後遺症か何かの影響だったのでしょうか。

その母親が昨年亡くなり、教育長の阿佐田幸信(渡哲也さん)からノートを手渡された馬場さんは、阿佐田さんに説得され、もう一度高校生となり、母親の希望通りの高校生活を送ろうと、母親が書いた日記の内容を実現させるために、阿佐田さんの薦めで国木田高等学校へ入学したということでした。

馬場さんの行動は、漠然としたノートの内容に沿ったものだったようなのですが、今の3年A組のクラスメートたちが内容の通りに行動し、その結果馬場さんの母親の日記が「未来日記」のようになっていたのは、偶然だったようでした。

土屋さんは、馬場さんを屋上に呼び出して問い詰めていたのですが、そこへ、いつもヘッドフォンを首にかけている阿久津涼(山崎賢人さん)がやって来て、「スクールカースト」の表を作ったのも、長谷川里奈(広瀬アリスさん)のいたトイレに貼り紙をしたのも、山下愛(水野絵梨奈さん)を突き落としたのも、今までのことは全て自分が行ったことだと土屋さんに白状すると、君は調子に乗りすぎたと言って、ナイフで切りつけたり、突きつけたりして土屋さんを脅しながら、3人で教室に戻っていました。

阿佐田教育長のお見舞い帰りのスクールカウンセラーの長峰あかり(片瀬那奈さん)や、3年A組の担任の小泉純一(溝端淳平さん)や、校長の野田芳男(榎木孝明さん)たちが教室へ駆けつけ、阿久津さんを止めようとしていました。スクールカーストを使って教室を支配しようとしていたのかと校長先生たちに訊かれた阿久津さんは、スクールカーストの恐ろしさを生徒たちに実感させ、スクールカーストを壊そうとしたのだと言い、阿久津さんが中学校の1年生だった頃、無表情が原因でいじめられていた弟の自分を助けた、同じ中学校の3年生の姉が、姉のクラスのスクールカーストの「3軍」にされていじめられるようになり、屋上から飛び降り自殺をした、という話をして、姉の代わりに自分が学校に復讐をすることにしたのだと、阿久津さんの目的を説明していました。

ただ、それがどうしてその中学校ではなく、高校の、しかも3年生の時に行うことにしたのかということは、私にはよく分かりませんでした。

阿久津さんは、途中から、馬場さんに姉の姿を重ねるようになっていたようでした。そうして、その姉のような純粋な馬場さんを貶めようとした土屋さんを、阿久津さんは刺そうとしていたのですが、ナイフを向けて走り出すと、土屋さんの前に馬場さんが立ちはだかり、阿久津さんに腹部を刺された馬場さんは、誰にでも今しかない、こんなことで高校生活を無駄にしてはいけない、あなたにはちゃんと卒業してほしいというようなことを、呆然としている阿久津さんに伝えて、倒れ込んでいました。

その頃、阿佐田教育長は意識を取り戻していたのですが、馬場さんは救急車で病院に運ばれ、土屋さんと阿久津さんは警察署へ連れて行かれていました。

阿佐田教育長の車椅子を押していた長峰さんが、病院に来ていた小泉先生に話していたことによると、長峰さんが、阿佐田教育長の“スパイ”だったようでした。3年A組で起きたことを全て阿佐田教育長に報告していたそうです。

馬場さんは完治していないまま、「退学届」を提出し、1週間で自主的に退院したそうで、それからどこかの島?へ行って、漁村の定食屋さんでの仕事を始めていました。馬場さんは、仲良くなった地元の高校生たちに半年前まで高校生だったと話して、笑われていました。

阿久津さんは、少年院に入っていました。阿久津さんも半年間ほどそこで作業をしていたということなのでしょうか。卒業式の時期が近づいていた頃、少年院を出ていました。

馬場さんのことで悩んでいたらしい土屋さんは、馬場さんから手紙が送られて来たことに驚き、それを教室に持って来て、小泉先生が開封して読んでいました。そこには、自分の正体をみんなに隠していたことへの謝罪の気持ちと、それでも35歳で再び高校生になったからこそ今のクラスメートに出会うことができたということと、自分の過去と向き合うきっかけを作った土屋さんには本当に感謝をしているということが綴られていました。

長谷川さんや山下さん、大竹亮太(上遠野太洸さん)、三枝鉄平(西井幸人さん)、工藤美月(新川優愛さん)、泉優奈(北山詩織さん)、国分萌(小島藤子さん)、羽鳥梨花子(宮崎香蓮さん)、衛藤瞳(森川葵さん)、湯川理(野村周平さん)たちは、馬場さんを呼び戻そうと、インターネットを駆使したり、テレビの生放送に映りに行ったりして、馬場さんに、戻って来て、と呼びかけていました。小泉先生も、担任として?積極的に参加していました。

国木田高等学校では、阿佐田教育長の、クラス制度を廃止して全て単位制に変えるという意見を取り入れることになり、平成27年度から実施しようと決めていたのですが、クラスの良さに気付いた3年A組の生徒たちは、クラスをなくす方針に反対し、先生たちを追い出して職員室に立てこもるという暴挙に出ていました。

土屋さんと、最後まで土屋さんに従っていた東蓮(高杉真宙さん)も、立てこもりの仲間に入れてもらっていました。土屋さんは、ごめん、と言ってみんなに頭を下げて謝り、東さんも謝っていました。土屋さんは、3年生の新学期が始まった頃は少し緊張をしていたそうなのですが、クラスの中で上手くやっていきたい、という思いが、いつの間にかクラスの他の生徒たちからなめられたくない、という思いに変わっていたそうです。二人は顔に落書きをされるということで、みんなから許してもらっていました。

ドアの前のロッカーを押し退けて入って来た警察と小泉先生にいい加減にしろと怒られ、立てこもりは終わっていました。馬場さんを探しているという情報は、いろいろなところに「拡散」され、島にも伝わって来ていました。定食屋さんのおばさんは、クラス制度を廃止するというニュースを見て、いろいろ変わっていくんだね、と言っていたのですが、馬場さんは、やはりそれを残念に思っていたようでした。

馬場さんに戻って来てほしいという大竹さんや三枝さんの歌の映像などを見ていた馬場さんが、部屋を出ようとしていると、そこへ阿久津さんが来ていました。ネットカフェにいた阿久津さんは、島の高校生が書いた馬場さんらしい人の情報を目にして、馬場さんを探し出したようでした。

卒業式当日、阿久津さんと一緒に会場の体育館に来た馬場さんは、挨拶をしている校長先生に時間をもらって、クラス制度の廃止に反対であることを訴え、私はこのクラスが好きです、と伝えていました。馬場さんが戻って来たことに喜んでいたA組のみんなも、他の3クラスの生徒たちも拍手を送り、卒業式は終わっていました。

体育館に残っていた馬場さんと阿久津さんのところに来た土屋さんは、阿久津さんとも和解して、一緒に教室へ向かっていました。

小泉先生はみんなに卒業証書を配ろうとしていたのですが、馬場さんと阿久津さんは、出席日数が足りないということで、春休みの間中補習を受けるようにと言われていました。補習を受けるくらいで半年分の単位は補えるということなのでしょうか。それを聞いたみんなは、春休み中ずっと、馬場さんたちに付き合うことにしたようでした。

「1軍」だった頃にもノートを作っていた絵の上手い山下さんは、馬場さんのために春休みの間のノートを作って来ていたのですが、それも「未来日記」のようなもので、阿久津さんと春休みの補習を受けていた馬場さんは、長谷川さんや山下さんとクレープを食べに行ったり、国分さんや羽鳥さんたちとプリクラを撮りに行ったり、三枝さんや大竹さんの路上ライブに踊りで参加したり、みんなでドライブへ行ったり、屋上でお弁当を食べたりしていました。そこには阿久津さんも参加していました。馬場さんは、白紙だった「18年前の私へ」の手紙に、まだ笑うことができる、と書いていました。

馬場さんを利用しているのではないかと疑われていた阿佐田教育長は、かつての担任として馬場さんを救うことと、いじめの温床になる可能性が高いという理由でクラス制度を廃止したいという自身の信念を通すことを、同時に進めようとしていたということだったようでした。

野田校長や副校長の黛有紀(横山めぐみさん)たちも、阿佐田教育長の顔色を伺いながら従っていたのを止めることにしたようで、クラス制度の廃止を行うことを考え直したいと話し、阿佐田教育長も自分の考えを押し通さないことにしたようでした。

そうして、無事に補習が終わると、小泉先生は教室で馬場さんと阿久津さんに卒業証書を手渡していました。廊下やベランダで待っていたクラスメートたちが一斉に入ってきて、紙吹雪を撒いたりしながら、嬉しそうな馬場さんと阿久津さんを祝福していました。

脚本は山浦雅大さん、演出は南雲聖一さんでした。

馬場さんも阿久津さんも、土屋さんも、他の同級生たちも、最後の卒業後の春休みで充実した高校生活を送り、みんなで無事に卒業することができたという点では、確かに良かったです。

「今」しかない時間を大切に充実させて生きていかなくてはもったいない、ということが、今回のドラマのテーマだったように思うのですが、そのことは私にもよく伝わってきました。

でも、2時間の拡大版の最終回は、私には少し長いようにも思えてしまいました。生徒たちの馬場さんへの思いも、良いことだとは思うのですが、私には何というか、少ししつこいようにも感じられてしまい、ついていけないように思えてしまうところもありました。

「スクールカースト」というものを、私は知らなかったのですが、ドラマの途中から登場したその言葉がこのドラマを最後まで支配している構成だったということも、私には少し意外に思えていました。クラスのみんなが「スクールカースト」の無意味さに気付き、途中で解決したように見えたので、その設定はそこで終わったように思えていたのです。

ドラマによると、「スクールカースト」という差別意識が作られ、教室内が“いじめの温床”になるのは、固定された「クラス」というものがあるからで、それを無くしたなら自動的にいじめはなくなるはずだ、ということだったように思うのですが、そのような意見は実際にもあるのでしょうか。例えば、塾でも「いじめ」はありそうですし、授業を個別に取るようにしても、毎週同じ教室に行くのだろうと思いますし、クラス制度を廃止したからといって、いじめをする人がいなくなるとか、いじめを行う環境がなくなるとか、そのように上手く行くことはないのではないかなと思います。

先生たちがあまり仕事をしていなかったり、A組以外にもクラスがあるのかよく分からない状態だったり、学校自体に不自然な部分も多かったように思うのですが、それでも第8話までは、「35歳の高校生」がいるという謎のある学園ドラマとして、それなりに良かったと思います。生徒たちの個々の問題が解決していくところも、良かったです。

第9話のキャンプの回から、私には、少しついていけないように思えてしまい、前回を見てさらによく分からないように思えてしまった気持ちのまま、その続きの最終回を見ていたということもあって、最後の「スクールカースト」がなくなって同級生が仲良くなったというところは良かったとは思うのですが、全体を通しての一貫性がない終わり方だったというか、何か唐突なまとめ方の終わり方だったようにも思えてしまいました。

米倉涼子さんの馬場さんも良かったですし、毎週楽しみにして見ていたということもあって、このような感じの展開の結末で良かったのかなと、残念です。第9話以降の物語が本当に、何かもったいない作りになってしまったように思います。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム