「おっさんずラブ」

30日の深夜に放送されていたテレビ朝日のドラマ「おっさんずラブ」を見ました。

「年の瀬恋愛ドラマ」の「第3夜」ということなのですが、私が見たのはこの「おっさんずラブ」だけです。もしかしたら面白そうかなと思い、何となく見るのを楽しみにしていたのですが、とても面白かったです。

クリスマス前後の東京を舞台にした物語で、主人公は、文房具などを作っている会社の商品開発部に所属する33歳独身の春田創一(田中圭さん)でした。

母子家庭の母親に家を出て行かれた一年前から、デザイン部に所属する8歳年下の家事の得意な後輩の長谷川幸也(落合モトキさん)とルームシェアをして一緒に暮らしていた春田さんが、ある日、直属の上司でバツイチの黒澤武蔵(吉田鋼太郎さん)のスマートフォンに大量の自分の隠し撮り写真を見つけたことを機会に黒澤さんから「好きだ」と告白をされ、そのことを相談した長谷川さんからも告白をされて、突然訪れた謎のモテ期に大混乱する、という話でした。

確かに会社員の男性同士の「衝撃のラブコメディー」ではあったのですが、二人になると部下の春田さんのことを「はるたん」と呼び、手作りのおいしいお重のお弁当を持参するという、実は乙女系の“おっさん”だった黒澤さんを演じる吉田鋼太郎さんの、怖いようなかわいいような部分も含め、ちゃんとしたラブコメディーでした。

女性が好きなのに、突然身近な同性に告白をされてしまった春田さんの困惑ぶりや、「え?何?怖い、キモい」という率直な感想もリアルであるように思いましたし、春田さんのことを好きで、春田さんの良いところを10個言うことのできる上司の黒澤さんとダメなところを10個言うことのできる後輩の長谷川さんの繊細な感情も丁寧に描かれていたように思います。

主な登場人物の中の唯一の女性は、春田さんの同期で湊あすか(宮澤佐江さん)でした。春田さんは、男に告白された悩みを、さっぱりとした性格のあすかさんに相談する内に、あすかさんを女性としても意識するようになっていきました。でも、その唯一の女性のあすかさんは、仕事はできるのですが、部屋の掃除や料理などの家事をしないズボラな女性でした。

クリスマスパーティーでの出来事を別の後輩に言い触らされて春田さんまで「ゲイ」といいうことにされてしまうという、という場面もありましたが、それによって黒澤さんや長谷川さんが追いつめられたり苦しんだりするという展開にはなりませんでした。あくまでも、大困惑し続けるのは主人公の女性好きの春田さんです。そのようなところも、良かったように思います。

クリスマスプレゼントとして手編みのマフラーを春田さんに贈っていた黒澤さんのラブレターによると、黒澤さんがバツイチになったのは、春田さんを好きになったからでした。新入社員として入ってきた春田さんに「恋」をした黒澤さんは、自分の気持ちに気付き、嘘は付きたくないと妻と離婚をしたということでした。

そのような少し重めの告白の場面に、かわいい絵が使われていたのも楽しく思いました(エンドクレジットによると、「ヨーロッパ企画」の方による絵でした)。

あすかさんに相談しながら、春田さんは、黒澤さんの気持ちにちゃんと正面から向き合い、黒澤さんの「付き合ってください」には「ごめんなさい」と即答したのですが、人としては大好きで、上司としても尊敬していると伝えていて、「はるたん」にはっきりと振られた黒澤さんは、元の上司の黒澤部長として春田さんのことを「春田」と呼んで、春田さんの元を去って行きました。

黒澤部長を振ったことで少し傷付いていた春田さんは、あすかさんを女性として意識しようと、あすかさんの部屋へ行ったのですが、あすかさんのズボラな暮らしぶりに唖然とし、それでもあすかさんを抱きしめてみたのですが、その時脳裏にちらついたのは、料理が得意な後輩の長谷川さんの姿だったのでした。

テーブルの上に作り置きの夕食と「野菜もとってください」という趣旨の簡単なメモを残して部屋からいなくなった長谷川さんを慌てて追いかける春田さんと、年末だから実家に帰ろうとしていただけだった長谷川さんとが、橋の上で再会する場面からの急展開とそこからのエンディングも、何というか、ラブコメディーとして、見事だったように思います。

単発ドラマであるのが何となく惜しく思えるような感じでもありますが、単発だからこそ良いのかもしれないとも思います。

田中圭さんや吉田鋼太郎さん、落合モトキさん、宮澤佐江さんという俳優さんたちが良かったということもあるのだと思います。少し怖いような、少し気持ち悪いような(同性愛だからということではなく、異性愛でも同じです)、それでいてかわいいような、良い意味での少女漫画的な全体の雰囲気が、もしも他の俳優さんだったなら、このようにはならなかったのかもしれないとも思います。

脚本は徳尾浩司さん、演出は瑠東東一郎さんでした。エンディングに流れていた歌は、アニメ「キテレツ大百科」の「はじめてのチュウ」の英語版?でした。東京タワーやレインボーブリッジのある風景もきれいでしたし、ドラマの最後の春田さんの「平気かも」の台詞にも、エンディングの黒澤さんと子犬の映像にもほっとする感じの、衝撃的だけれどとても楽しい年の瀬の?ラブコメディーでした。見てみることにして良かったです。

「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語」(全3回)

NHKのBSプレミアムのドラマ「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語」を見ました。

先日の月曜日の夜11時15分から3夜連続で放送された約30分のドラマで、今年の1月に放送された「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」(「D坂の殺人事件」、「心理試験」、「屋根裏の散歩者」)の第2弾です。前作と同じく、今作でも名探偵・明智小五郎を演じていたのは女優の満島ひかりさんでした。

私も江戸川乱歩の作品を好きなので、続編が放送されると知って、今度はどのような感じになっているのだろうと、少し心配をしつつも見るのを楽しみにしていました。

乱歩の初期の短編小説を「ほぼ原作通りに映像化」したドラマは今作も全3回で、第1回は、「何者」(1929年)でした。軍人の父親と許嫁の志摩子(真野絵里菜さん)と下男の常爺さん(麿赤兒さん)と暮らしている小説家の結城弘一(若葉竜也さん)が父親の書斎にいたある夜何者かの銃撃を受けるという事件が発生し、その現場に居合わせた逗留中の私(平井“ファラオ”光さん)が事件を嗅ぎ回る謎の赤井さんと出会う、という話です。演出は佐藤佐吉さんでした。

物語はそのままなので面白いのですが、事件の真相を探るために赤井と名乗っていた明智さんへの演出が少し「奇抜」であるのは、明智さんを得体の知れない不思議な人物と見せるためのものだとするなら、私には、何というか、少し逆効果でもあるように思えました。語りの「私」の髭とセーラー服の装いや、イモトアヤコさんのような眉の志摩子さんの外見なども、少し気になってしまいました。そのような演出は、出演者やスタッフの方の”遊び”なのだろうとも思うのですが、文章のみの小説が「映像化」されることの難しさでもあるのかもしれないなと思います。当然のことなのかもしれないのですが、文章のみの場合よりも、より「好み」が分かれるような気がします。

第2回の「黒手組」(1925年)は、伯父(つのだ☆ひろさん)の娘の富美子(仁村紗和さん)が新聞紙面を賑わせている「黒手組」と呼ばれる犯罪組織に誘拐され、指示通りに身代金を支払ったのに戻って来ないという事件のことを知った語りの私(田中圭さん)が友人の明智小五郎に捜査を依頼し、毎朝郵便受けから書生の牧田(矢部太郎さん)が伯母(ミッツ・マングローブさん)に渡していた中の富美子さん宛の葉書の文面を読んだ明智さんがその翌日から姿を消す、という話です。演出は関和亮さんでした。

映像も、音楽も、良かったように思います。「黒手組」の解説の場面でマリオネットの人形が使われていたのも良かったですし、1925年には存在しないものだと思いますが、スクリーンに文字を写したり、ラジカセで明智さんの音声を流したりしていたのも良かったように思います。

明智さんの雰囲気も良かったと思います。ただ、これはこれまでの場合でもそうなのですが、明智さんの台詞が満島ひかりさんには何か合わないというか、話し方が難しいのかなという風にも、私には少し思えてしまいました。あるいは、あえて棒読み風に話していたのでしょうか。

白い羽が舞っているのが夢のようでしたし、最後、満島さん演じる明智さんが帽子を羽の舞う中に振り回した笑い声で終わっていたのも、何だが良かったです。

全体的には良かったのですが、冒頭の、田中圭さん演じる「私」の語りの中の、「それは私が明智と知合いになってから一年ほどたったじぶんの出来事なのですが」(字幕のままです)の「じぶん」は、「自分」ではなく「時分」なのではないかなと思います。「私」の語りを聞いていた時、その言葉のアクセントに少し違和感がありました。

昨夜の第3回は、「人間椅子」(1925年)でした。書斎の肘掛け椅子を愛用する小説家の佳子(満島ひかりさん)のもとにある日奇怪な告白が記された原稿が届く、という話です。手紙の朗読は中村靖日さんでした。演出は渋江修平さんでした。

椅子の内側から感じたものを表す場面の演出は、何となく、テレビ朝日の「タモリ倶楽部」のオープニングの映像のようにも見えました。

1月の放送のものは、名探偵・明智小五郎が登場する短編作品に限られていたのですが、今回は「妖しい愛の物語」ということで、明智小五郎の登場しない「人間椅子」も含まれていました。でも、乱歩の作品には、意外と「愛」や「恋」(一種の不思議な恋ですが)の要素は多いのかもしれないですし、「妖しい愛の物語」という今回のサブタイトルはむしろ幅広いものでもあるように思いました。

でも、ともかく、「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」の続編の今回の「シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語」も、全3作をそれなりに楽しく見ることができたので、良かったです。乱歩の作品は面白いということを、また改めて思いました。

「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」最終回

テレビ東京の深夜のドラマ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」の最終回(第11話)を見ました。

第11話のお客さんは、漫画家志望の新間恵那(佐藤玲さん)でした。重田不動産にやって来た恵那さんが、愚痴をまくし立てながら、今のアルバイト先に歩いて通うことのできる吉祥寺で部屋を探したいと話すのを聞いていた重田姉妹(姉の都子・安藤なつさん、妹の富子・大島美幸さん)は、「じゃ、吉祥寺やめよっか」と、恵那さんを大森の駅前へ連れて行き、歴史の教科書に書かれている「大森貝塚」のある大森の街を恵那さんに紹介しました。

脚本は山田あかねさん、監督は菅井祐介さんでした。

重田姉妹は、小さな映画館や、個人商店の多いレトロな雰囲気の山王商店街や、今年の5月に閉店したダイシン百貨店のあった場所や、しながわ区民公園や、しながわ水族館など、街の良いところを恵那さんに知ってもらおうとしていたのですが、あまり興味のなさそうにピンと来ないような感じのままでいた恵那さんは、でも、とそこへ行かない理由を重田姉妹に伝えて断り続けていました。

どうして東京に住んでいるのかと、恵那さんの響かない態度に少し呆れていた重田姉妹は、街歩きをやめて恵那さんを物件に案内したのですが、そこは3階建てのメゾネットタイプの三角形の部屋で、部屋を見た恵那さんは、でも机をどこに置いたらいいか分からない部屋だと答えました。

少しため息をつき、吉祥寺ではない別の新しい街を紹介したことを恵那さんに謝った重田姉妹は、それから恵那さんに、「でも」は正しいと思ったことや良いと思ったことを打ち消してしまう言葉だから言わないほうがいいよとアドバイスをして、黙り込んだ恵那さんと分かれました。

ルームメイトのゆうこ(早織さん)から、あなたが東京に住んでいる理由は何なのか、漫画家になる努力をしているようには見えないと言われて言い合いになったらしい恵那さんは、川沿いの公園を歩きながら、ふと夕日を見て東京にも美しい景色があったのだと感動し、それから勇気を出して釣りをしている親子に話しかけ、男の子から釣りをしてみますかと釣り竿を渡されると、「でも」と出そうになったのを封印して、やってみたいと前向きに答えて、親子と釣りを楽しむことができたようでした。

一方、又吉直樹さんと会うことになった重田姉妹の従兄弟の勲男(浅香航大さん)は、吉祥寺の駅前で又吉さんが来るのを待っていました。横断歩道を渡ってきた又吉さんについて行った勲男さんは、吉祥寺に住んでいた頃の又吉さんが通っていたという古本屋さんや銭湯を見ながら、井の頭公園に向かいました。

池の前のベンチに座った又吉さんは、勲男さんに、池の向こうのマンションを示して、あのマンションに住みたいと思っていた、憧れていたと話しました。勲男さんは、ずっと抱えていた紙袋の中のプレゼント用の青色のリボンをつけたその物件の資料を出して又吉さんに贈ろうとしたのですが、又吉さんは、でも吉祥寺に住むのはやめます、と突然断りを入れました。あのマンションに住みたくても住むことができないという状況で住む場所が又吉さんにとっての吉祥寺で、いつかはまた吉祥寺に住むかもしれないけれどそれは今ではないということでした。

勲男さんに謝った又吉さんは、メリークリスマス、とプレゼントの袋を渡しました。勲男さんが開けると、その中に入っていたのは又吉さんが大事にしていた真心ブラザーズのTシャツでした。それに気付いた勲男さんは、Tシャツを返そうと走ったのですが、それはやめて、又吉さんの背中にメリークリスマスと叫んでいました。

ロック喫茶「バオバブ」では、店主の御厨三郎(田口トモロヲさん)と温井しずか(ちすんさん)がクリスマスの宴会を開いていて、重田姉妹はメンチカツや焼き鳥を食べていました。そこへ外に出ることも珍しいらしかった勲男さんが、真心ブラザーズのTシャツを着て入ってきました。御厨さんが話していた通りに、人(又吉さん)と出会って勲男さんももう少し良い方向に変わることができたようでした。良かったです。

何かに誘われたり、何かを紹介されたりした時に、でも、と断る理由となってしまうようなことを探してしまうというドラマの恵那さんの感じは、私にも分かるような気がしました。

本当はもしかしたら新しい何かを始めたい部分もあるのかもしれないけれど、そうではないようにも思えて、「でも」とそれについてのあまり好きではない部分を考えてしまうのかなと思いました。

よく言われるように「でも」とか「だって」とかの言葉は他者との会話の中であまり言わないほうがいいのかもしれませんが、それでも、何かが心に引っかかっているのなら、「でも」と思う感情のほうが正しい場合も、もしかしたらあるかもしれないなとも思います。難しいです。

ともかく、「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」のドラマを、私も一応最後まで楽しく見ることができたような気がします。世の中には私の知らない街や暮らしがたくさんあるということを改めて思いました。

ドラマの主題歌の、オープニングに流れるあいみょんさんの「生きていたんだよな」と、エンディングに流れるEGO-WRAPPIN'の「That's What I Need」を聴くのも好きでした。約30分のドラマの一話完結の毎回の物語も良かったと思うのですが、私としては、この主題歌を聴くためにドラマを見ていたという部分もやはりあったような気がします。

「ドクターX ~外科医・大門未知子~ 4」最終回

テレビ朝日のドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~ 4」の最終話(第11話)を見ました。15分拡大版で放送されていました。

フリーランスの麻酔科医の城之内博美(内田有紀さん)の腰の痛みは局所進行膵癌によるものでした。母体退治同時手術の成功により「東帝大学病院」には外国人の患者さんも増えていて、スーパードクターの北野亨(滝藤賢一さん)は、妊娠中の妻ダイアナ(ジェニー・スキッドモア)と共に極秘入院した次期大統領候補レオナルド・スコップ(チャールズ・グラバー)の指名で局所進行膵癌の手術を行うことになりました。カンファレンスに参加したフリーランスの外科医の大門未知子(米倉涼子さん)は、北野さんが癌細胞を死滅させるという「IREナイフ」を使った手術を行うことを知ると、第3助手でもいいからとその手術に加わりました。

城之内さんは麻酔科医としてその手術に関わっていて、大門さんは時々苦しそうにしている城之内さんのことを気にしながらスコップさんの手術を終えたのですが、オペ室を出る時、そのIREナイフを持ち出したところを外科医の加地秀樹(勝村政信さん)と原守(鈴木浩介さん)に見つかってしまいました。大門さんは、使ったらすぐに返すからと言って見逃してもらい、バレエ留学中の娘の舞(藤井杏奈さん)に少しでも多くのお金を残すために病気を隠して仕事を続けようとしている城之内さんを説得し、オペ室を借りて城之内さんの手術を始めました。加地さんと原さんも協力してくれたのですが、見学室の窓から「神原名医紹介所」の神原晶(岸部一徳さん)が見守る中、IREナイフで切除できたのは膵癌の一部で、大門さんの腕でもそれ以上切ることができないことが分かり、仕方なくインオペにしました。

クリスマスになり、「神原名医紹介所」に戻って来た舞さんは、焼き肉パーティに喜んでいたのですが、母親がほとんど料理を食べていないことに気付きました。城之内さんは病気のことを舞さんに言い出せずにいたのですが、娘に勧められて焼き肉を一口食べておいしいと言いました。その様子を見ていた大門さんは、急いで城之内さんを「東帝大学病院」に連れて行って検査を行い、城之内さんの膵癌がダウンステージになっていることを確認しました。IREナイフで切除して細胞を死滅させた部分の癌が広がらずに消えていて、残りの部分を切除することができるようになっていたようでした。

緊急手術を行うことにした大門さんは、ダイアナさんの帝王切開の手術にオペ室を使う予定にしていた病院長の蛭間重勝(西田敏行さん)には断られたのですが、産科医でもあった副院長の久保東子(泉ピン子さん)に許可され、久保副院長は出産は病気ではないとダイアナさんを分娩室に引き受けました。

城之内さんの再手術を始めた大門さんと加地さんと原さんが手術に手間取っていると、王超(矢野浩二さん)が新設する上海の病院へ引き抜かれる予定のスーパードクターの北野さんが手伝いに来てくれました。外科部長の西園寺猛司(吉田鋼太郎さん)と内科部長の黄川田高之(生瀬勝久さん)と蛭間院長は「失敗しない」大門さんによる手術の行方を見守っていたのですが、そうして城之内さんの膵頭十二指腸切除術は無事に終わりました。翌日、晶さんから母親の病気のことを聞いて治ることを神様に祈っていた舞さんがお見舞いに来ました。城之内さんは、奇跡は人が起こすものなのかもしれないと、舞さんと幸せそうに話していました。

年が明けると、上海の病院に引き抜かれたことで「東帝大学病院」の医師たちは半分以下の人数になっていて、上海の病院では式典が開かれていたのですが、外科医の北野さんが挨拶を行っていると、そこへ久保副院長が現れました。広報部長の南幾子(草刈民代さん)と組んだ久保さんは、院長として上海の病院に引き抜かれていたようでした。久保さんの姿を見た元「東帝大学病院」の医師たちはがっかりしていました。蛭間院長は、経営の失敗を理由に知床の第十六分院への異動が決まり、一人になっていました。

「東帝大学病院」を出た大門さんは、今回は海外などへは行かず、晶さんと猫のベンケーシーのいる「神原名医紹介所」にいて、急に倒れた宅配の人(古坂大魔王さん)の応急処置を行っていました。

脚本は中園ミホさん、演出は田村直己さんでした。

最終回は、第10話の続きでした。城之内さんの手術を諦めない大門さんと医師仲間たちとの友情?の話でもありました。

面白い部分もあったのですが、全体的にはシリアストーンの展開でした。中園ミホさんが作った「ドクターX~外科医・大門未知子~」なのですが、今作は中園ミホさんではない時の方が「ドクターX」らしい話になっていたような気がします。

大門さんが最後海外などへ行かずに「神原名医紹介所」に残っていたのは珍しかったのですが、またいつか続編を作る予定があるのかもしれません。加地さんや原さんや西園寺さんや黄川田さんたちのその後は不明ですが、「ドクターX」は“一話完結”の物語なので、スタッフの方が作ろうと思えば延々と作ることのできるドラマなのだろうなと思います。

先週の金曜日の夜に放送されていた「腹腔鏡の魔術師」の加地さんが主人公の大洗を舞台にしたスピンオフドラマ「ドクターY~外科医・加地秀樹~」も面白かったです。もともとは9月頃に数回に分けてインターネット配信されていたドラマだったそうです。

今作の「ドクターX~外科医・大門未知子~」の第4シリーズも、最後までいろいろ楽しく見ることができて良かったです。

ドラマ「ラジカセ」

NHKのBSプレミアムで放送されていたドラマ「ラジカセ」を見ました。NHK津放送局制作の三重発地域ドラマです。

予告編や宣伝番組などを見ていなかったため、内容を知らずに「ラジカセ」というタイトルを良さそうに思って見始めたのですが、とても面白かったです。

夏の三重県の伊賀市を舞台にした話で、伊賀忍者のモチーフなどもいろいろ登場していたのですが、ドラマは、5年前に会社を辞めて戻って来てからごみ屋敷に住んでいると思われている、昭和家電収集家で古い家電のこと以外は自分の思っていることを上手く話すことができない有山正人(滝藤賢一さん)と、「まき・しょういち」と子供の字で書かれた両親の古いカセットテープを聴くために有山さんの倉庫に侵入した、夜の仕事をしている母親の高石まき(安藤玉恵さん)と二人暮らしの生活の中で寂しさを感じている小学生の高石将太(向鈴鳥さん)の交流と成長を描いた物語でした。

いきつけの“ガールズバー”の「くのいち」のママの河島聖子(キムラ緑子さん)以外の人とは話をするのが苦手で、思っていることを言い淀むとくしゃみが出てしまう昭和家電オタクの有山さんは、絡んでくる小学生の将太さんに最初は困惑して迷惑がっていたのですが、将太さんが落としていったカセットテープの入ったケースを返して追い返そうとしたある日、将太さんと父親が川へ釣りに出かけた時の写真の中に珍しい真空管ラジオを見つけて興味を持ち、ラジオを借りて来てほしいと将太さんに頼みました。

将太さんは、アパートの1階の部屋の押し入れの中から父親の思い出のラジオを出して母親に見せたのですが、交際相手と再婚するため二人で大阪へ引っ越す予定の母親は家を出て行った元夫のものを捨てるよう言うだけでした。将太さんは、ラジオを有山さんの倉庫へ持って行き、ラジオを見た有山さんは感激していました。ダイヤルを回しながらアナログで電波を探すタイプのラジオを有山さんに教えられて将太さんは初めて使ったようでした。

将太さんに頼まれ有山さんが「まき・しょういち」のカセットテープをラジカセのカセットデッキに入れて再生ボタンを押すと、小学生の頃の両親の声が流れてきました。同級生の二人が将来の夢を語るというもので、将一さんと結婚するのが夢だと言うまきさんは、子供が生まれたら毎日子供にかわいい、かわいいと言いますと話していたのですが、そこまで聴いた将太さんは途中で停止ボタンを押し、カセットを止めました。

有山さんの勧めで、将太さんは昼頃に帰ってきた母親にその母親の小学生の頃のカセットの声を聴かせようとしたのですが、母親は当時のことを幸せそうに思い出すどころか、激怒してしまいました。まきさんにとっては、それは思い出したくない辛いものとなっていたのでした。まきさんは、再婚を考えていた相手に振られたのを、息子の将太さんに当たって、あんたさえいなければ、と突き放してしまいました。

ラジカセを返しに来たまきさんと将太さんが帰った後、まきさんが蹴飛ばした扇風機を直して将太さんの父親のラジオを見ていた有山さんは、あることを思い付き、新しいカセットテープを出しました。有山さんは、将太さんへのメッセージをテープに吹き込むことにしたのでした。有山さんがラジカセの向こうの将太さんに向かって、この世界にはいらないものなど一つもないのだと話しました。

翌日、ラジカセとそのカセットテープを将太さんの部屋のドアの前に置きに行った有山さんが倉庫にいると、母親のまきさんが、将太がいない、将太をどこに隠したのかとすごい剣幕で駆け込んできました。有山さんは、慌てて車で将太さんを探しに行き、将太さんが父親と釣りをした名張川の橋の上に座っているのを見つけて駆け寄りました。将太さんは、ラジカセを抱えていました。将太さんの隣に座った有山さんは、少しずつ距離を縮めて、将太さんを抱きしめ、いらないものなんてないというのは本当かと訊く将太さんに、自分はダメな人間だけれど嘘吐きじゃない、そのことを証明すると言って、将太さんにある提案をしました。

アパートでは、母親が息子の行方を探して知り合いに電話をかけていました。有山さんと帰宅した将太さんは、母親にラジカセの「まき・しょういち」のテープを再び聴かせ、苛立つ母親はまだ続きがあると言う有山さんを突き飛ばしてカセットを止めようとしたのですが、将太さんがラジカセを保護しました。そのカセットの2面には、将太さんの今の思いが録音されていました。お母さんを笑顔にしていますかと、将太さんが自分自身に宛てたメッセージでもあったのですが、その将太さんの声を聴いた母親のまきさんは、こんなことを子供に言わせてしまうなんてと、母親として将太さんを抱きしめていました。

有山さんは、5年前に会社をクビになって実家に戻ってきた後母親も亡くなって一人になったということなのですが、その時、自分の父親が息子の声を録音するために買ってきたラジカセを見つけ、そのテープの声を聴いて、随分楽しそうな声の自分がいたことに気付いたようでした。いらないように見えるものにも実はたくさんの思いが詰まっているのだと、古い家電の魅力に気付き、それから昭和家電収集を始めたということでした。

有山さんの自宅は、観光客が通る道沿いにあったので、近所の人たちからは片付けてほしいと言われていたのですが、将太さんとの交流の中で、自分の思いを言葉で伝えることができるようになり、元気になった有山さんは、自宅に夢だった「昭和家電ミュージアム」を開くことができました。涼し気な夏の着物姿の河島さんが、ミュージアムを軽やかに訪ねて来て、一言褒めて去って行きました。

脚本は大野敏哉さん、音楽は渡邊崇さん、演出は桑野智宏さんでした。

「ラジカセ」のタイトルが出るオープニングの、有山さんが車のカセットデッキに入れたテープで聴いていた井上陽水さんの「夢の中へ」も楽しそうで良かったですし、その時の空撮の、有山さん一人を乗せた車が橋の上を走る風景が、エンディングでは、有山さんと将太さんを乗せて走る風景になっていたところも良かったです。「昭和レトロ」の家電はデザインがかわいいですし、将太さんも、いつかは有山さんのような昭和家電オタクになるのかもしれないなと思いました。

将太さんも孤独でしたが、有山さんも孤独で、ラジカセを通して出会った二人は、何かの理由で家族を捨てて家を出て行った将太さんの父親が残したラジオを聴く時のように、少しずつ周波数を合わせていったのかもしれません。

「かたやきせんべい」は、伊賀名物なのだそうです。有山さんが引き取った、かたやきせんべい屋さんの亡くなった奥さんの魂が宿っていた?昭和32年の扇風機に映画で使いたいという依頼が来た時、有山さんに話しかけられた扇風機の羽が電気が入っていないのに回って返事をしたように見えたのを、有山さんと将太さんが感動していた場面も楽しそうで良かったです。

私も中学生の頃に初めて買ってもらったCDダブルラジカセがまだ家にあります(平成時代のものです)。でも、カセットデッキの走行系が少し壊れてしまったようで、何年か前には、カセットテープを入れて再生を押すとテープがよれてちりちりになってしまうという恐るべき事故が頻繁に起こるようになり、CDとラジオの部分には問題はないのですが、使うのを断念しました。他には、小学生の頃に初めて買ってもらったカセットが一つ入るタイプの録音機能のついたラジカセなどもあります。アナログ時代の小型のテレビもあります。昭和時代の扇風機もまだ押し入れに入っています。それほど古いものではないですし、(ドラマの有山さんが集めているような)貴重な品というわけではないだろうと思いますが、私も家電は好きなほうなので、完全には壊れていないということもあり、日常生活の中で使わないものでもそのまま取ってあります。片付けたく思う時もあるのですが、草花の鉢と同じくらい、「断捨離」的に捨てることは今のところはできていません。

ともかく、昨夜のドラマ「ラジカセ」は、面白くて、優しくて、とても良いドラマでした。脚本も良かったのだと思うのですが、音楽も良かったですし、映像も良かったです。有山さんと将太さんとまきさんが救われていく物語としても良かったですし、古くて懐かしい品物が現代でも大切にされて生き続けているという感じも感動的に思えたのかもしれません。最後まで楽しい気持ちで見ることができました。


ところで、これはドラマとは全く関係のないことなのですが、このドラマと放送時間が重なっていたので一応録画をしておいた昨夜の「報道ステーション」によると、南スーダンの治安が悪化する中、集団虐殺(ジェノサイド)の危険性もあることから、国連安全保障理事会は南スーダンへの政府と反政府勢力への武器の輸出禁止などの決議案を提案し、アメリカやイギリスやフランスなどは賛成していて、ロシアや中国は拒否権を行使しないとしているそうなのですが、日本はその決議案に慎重な態度を取り続けていて、その武器禁輸の決議案の採択の際、日本は反対か棄権をするかもしれないということでした。その決議案は、全15理事国のうち9か国以上が賛成をし、常任理事国のアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアが拒否権を使わない場合に採択されるのだそうです。

日本政府が慎重にしているのは、南スーダン政府が武器禁輸に反対しているから、ということを理由にしているそうなのですが、今の日本政府(安倍政権)は安全保障関連法を改定して自衛隊の方に武器の使用を認めた「駆け付け警護」なる新任務を付与し、南スーダンにPKO(国連平和維持活動)の部隊として派遣したばかりですし、もしもなのですが、南スーダンで起きている戦闘を「衝突」と言い換える日本政府が現地での自衛隊の活躍とその実績を期待するために武器禁輸に反対するのだとしたなら、怖いことだなと思いました。ジェノサイドが起きそうな気配があるという南スーダンの国内に武器を増やさないということについて、アメリカ政府に言われたから賛成するとか反対するとかではないことだとは思いますが、日本政府独自の判断の結果が反対か棄権なら、それもまた謎であるような気がします。
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