「貴族探偵」最終回と、昨夜の「キスマイBUSAIKU!?」と「明石家紅白!」

フジテレビの「月9」のドラマ「貴族探偵」の最終話(第11話)を見ました。15分拡大版で放送されていました。

具同真希(矢作穂香さん)の誕生パーティーの行われた具同家の別荘で起きた殺人事件を推理した使用人の山本(松重豊さん)と田中(中山美穂さん)と佐藤(滝藤賢一さん)は、殺人を幇助した人物として御前(相葉雅紀さん)を挙げました。しかし、探偵の高徳愛香(武井咲さん)は、御前が殺人とは無関係であることを証明し、真希さんの事件を解決して御前を救いました。

師匠の喜多見切子(井川遥さん)の死の真相を語ろうとしない御前にうんざりとして帰宅した高徳さんは、ワインを飲みながら待っていた師匠の幽霊から、探偵としてやっていけると励まされた後、どこかへ帰って行った師匠の幽霊が置いて行ったワイングラスの口紅の跡とプレゼント用の箱に入っていた「高徳愛香探偵事務所」の表札を見つけました。

玄関先の表札を付け替えて戻った高徳さんは、部屋の中に立って待っていた御前の使用人の3人に驚きつつ、使用人たちが語る師匠の死の真相を聞きました。それによると、師匠の喜多見さんは、香港である事件を解決した直後マフィアの「政宗是貞」から命を狙われるようになり、弟子の高徳さんを守るために、御前に頼んで、自分を死んだことにしてもらったということでした。1年前に事故死したと高徳さんが思っていた師匠の喜多見さんは、生きていたのでした。そして、高徳さんを心配して喜多見さんは、喜多見探偵事務所の隣の部屋に住みながら、高徳さんの仕事ぶりを見守っていたようでした。御前もその見守りに協力していました。

警部補の鼻形雷雨(生瀬勝久さん)が出演し友人の玉村依子(木南晴夏さん)もいた再現ドラマで真相を教えられた高徳さんは、その後3人の隣に現れた、高徳さんが愛用していた音声検索ソフトの「ギリ」の声の、御前の秘書の鈴木(仲間由紀恵さん)とも初対面していました。そして、生きていた喜多見さんは、再会した高徳さんに、イタリア人の貴族と結婚するから「貴族探偵」になるということを伝えて、明るく旅立って行きました。

脚本は黒岩勉さん、演出は中江功さんでした。

高徳さんは、師匠の喜多見さんが死んでいると思い込んでいたために?、目の前で動いたり話したりしている喜多見さんが生きている人間なのか幽霊なのかの区別(見分け)がついていなかったということだったのでしょうか。

最後は高徳さんが御前を「アバンチュール」に誘うという場面で終わっていたのですが(実際にはさらに天幕にやって来た鼻形さんが誰もいない状況に驚くという謎の続きがありましたが)、私には、このドラマが面白いドラマになっていたのかどうか、最後まで見てもいまいちよく分かりませんでした。

このドラマを好きだった方もたくさんいると思いますし、私がいろいろ言うのは良くないかもしれないとも思うのですが、何というか、“豪華キャスト”が空回りしているドラマだったようにも見えました。

「貴族探偵」というのは、やはり使用人の3人(または4人)を含めたユニット名だったのではないかなと思うのですが、このドラマの主人公が、武井咲さんの演じる探偵の高徳愛香さんではなく、御前だったとしても、「貴族」という御前の役柄が相葉さんに合っているように思うことができませんでした。(テレビ朝日の「バーテンダー」の時や、フジテレビの「ようこそ、わが家へ」の時の相葉さんは自然でとても良かったと思うのですが、「貴族探偵」の時の相葉さんの台詞の話し方はなぜか棒読みであるようにも聴こえました。)

御前の貴族風のキャラクターが、私には単に性格の悪い人のように見えてしまっていたということも含め、コメディードラマとしても中途半端なものになっていたように思えました。コメディードラマであるのなら、主人公の御前をもっと面白い、コミカルでふわっとした温かみのある人として描いたほうが良かったのではないかなと思います。

私はドラマの原作の麻耶雄嵩さんの小説『貴族探偵』や『貴族探偵対女探偵』を未読なのですが、原作を読んでいる方にとっては、このドラマはどのように見えたのかなということも少し思いました。

探偵ものですし、事件の発生と推理(謎解き)を描くドラマではあったと思いますが、その中で人間を描くドラマにはなっていなかったように思います。

放送時間が拡大されたりもしていましたが、全11話というのは、最近の民放の連続ドラマでは多い話数だと思います。でも、フジテレビはこの「貴族探偵」が「月9」の30周年記念ドラマで本当に良かったのだろうかと、最終回を見終わった後にもまた少し気になってしまいました。「30周年」と言う割には、30周年記念特番のようなものも放送されていないように思えますが、例えば、昔の「月9」の人気作品の初回のみを10作品か11作品分放送してみるとか、それでも良かったのではないかなというような気もしました。「貴族探偵」は、私にはですが、何かもったいないというか、少し残念に思えてしまうドラマでした。


ところで、このドラマの後の、昨夜の11時台のフジテレビの「キスマイBUSAIKU!?(キスマイブサイク)」(面白いので深夜に放送されていた頃から私も好きで見ています)は、中居正広さんがKis-My-Ft2のメンバーに「ありがとう」を伝える企画ということだったのですが、一人ずつ中居さんと会うことになったメンバーが演出に流されてヤラセに手を染めるかどうかを見るという、ドッキリ企画でした。面白かったです。昨夜の前編の放送では、藤ヶ谷さんがバッティングセンターでのホームランに、宮田さんが激辛ラーメンの感想に、玉森さんが偉人の謎の名言に、困惑しながらも“ヤラセ”をしてしまっていたのですが、7人の内一人だけ加担しなかった純粋な人?がいたそうです。予告で流れていた続きの後編も面白そうでした。

あと、これは昨夜のドラマともジャニーズ事務所とも全く関係のないことなのですが、昨夜の8時頃、NHKでは明石家さんまさん司会の歌番組「明石家紅白!」の第2回が放送されていました。私は途中から見たのですが、三浦大知さんの「Cry & Fight」を聴いたり見たりしてかっこいいなと嬉しく思い、ゆずの「サヨナラバス」のサビの一部を踊りながら歌っているのを聴いて、改めて上手いなと思いました。

昨夜のさんまさんの歌番組には三浦友和さんと山口百恵さんの長男の三浦祐太朗さんも出演して山口百恵さんの歌を披露していたようなのですが、先日のフジテレビの「MUSIC FAIR(ミュージックフェア)」(司会は昨年から、鈴木杏樹さんと恵俊彰さんに代わって、仲間由紀恵さんと軽部真一さんになっています。私は時々見ています)の、何気なく録画をしておいた「初夏の名曲SELECTION」の最初のほうの映像の中の、三浦友和さんと来生たかおさんの「夢の途中 -セーラー服と機関銃-」もとても良かったです。来生たかおさんのゆとりのある歌声がとても良かったのですが、私は俳優の三浦友和さんが歌っている方だと知らなかったので、三浦友和さんは歌が上手な方だったのだなと勝手に少し新鮮な思いがしました。

「フランケンシュタインの恋」最終回

日本テレビの日曜ドラマ「フランケンシュタインの恋」の最終話(第10話)を見ました。

昏睡状態の津軽継実(二階堂ふみさん)の手に深志研(綾野剛さん)が手を重ねると、津軽さんは目を覚ましました。姉の津軽晴果(田島ゆみかさん)と祖母の日立叶枝(木野花さん)は、津軽さんの脳の血管の腫瘍が消えていると知って喜びました。深志研は津軽さんに、山部呼六だった120年前の自分とサキさんとの過去と、自分は深志研太郎博士の恋から生まれたということを改めて語りました。

ラジオ局の東京武蔵放送には、「フランケンシュタイン」の告白を聴いたリスナーからの賛否のメールが届いていました。十勝みのる(山内圭哉さん)や大宮リリエ(水沢エレナさん)は、深志研を庇い、天草純平(新井浩文さん)のせいではないとスタッフに話していたのですが、天草さんは自分のせいだといい、ラジオを辞める覚悟を決めていました。

退院した津軽さんと稲庭聖哉(柳楽優弥さん)が連れて来た深志研に会った富嶽大学の生命科学研究室の教授の鶴丸十四文(柄本明さん)は、津軽さんと深志研に、二人は遺伝子の革命を起こしたのだと伝えました。そして、しかし君はこれからどうやって生きていくのかと、深志研に尋ねました。

先祖のサキさんの建立した構内のお地蔵さまに深志研とお参りをした津軽さんは、あなたは山部呼六であり深志研です、私は津軽継実でありサキさんですと言い、120年前から好きでしたと深志研に伝えていました。

手をつないで「デート」をした二人は、その夜、稲庭工務店の人たちの開いた津軽さんの快気祝いの席に着いたのですが、そこで、稲庭工務店の仕事が相次いでキャンセルされているということを知りました。従業員たちは深志研を心配していて、社長の稲庭恵治郎(光石研さん)も、今研さんを手放したら研さんとの人間関係を立て直すことができなくなってしまう、人間がいてこその仕事だと、工務店を心配する研さんを引き止めようとしていました。帰り道、深志研は、津軽さんに、大学で勉強を頑張ってください、幸せになってくださいと伝えました。

翌朝、稲庭工務店には、近所の住民たちから不安の相談を受けた保健所の人たちが、山部呼六か深志研、あるいはラジオに「フランケンシュタイン」という名前で出ていた人はいるかと訪ねて来ました。検査を行って問題がなかったら帰すという保健所の人の言葉に、深志研は、工務店に迷惑をかけたくないからと応じようとしたのですが、稲庭先輩は、帰って来ることができなくなるかもしれないと、深志研を逃がすことにしました。人間の都合に合わせなくていい、研さんの生きたいように生きればいいと、稲庭先輩は深志研を役人たちから引き離し、稲庭先輩に頼まれた室園美琴(川栄李奈さん)は深志研を元の山へ連れて行きました。深志研は、津軽さんの幸せを守りたいと言い、美琴さんに会えて良かったとお礼を言って、さようならと森の奥へ進んで行きました。

ラジオ局では、十勝さんたちが番組の打ち切りの決定を知らされていました。天草さんのコーナーもなくなることになりました。天草さんを見送りに来たスタッフの牛久輝成(森岡龍さん)は、怪物のような番組を作りたかったと天草さんに言いました。怪物は人によって毒にも薬にもなると不思議そうに話す牛久さんに、天草さんは、怪物は俺たちの心が作り出したものだからなと答えていました。その後、ラジオの十勝さんは、フランケンシュタインが見つからなければいいのにと言い、「天草ソング」を流していて、それをラジオ局を出た天草さんや、山奥の深志研が静かに聴いていました。

稲庭先輩と美琴さんから話を聞いた津軽さんは、すぐに自転車で山へ向かい、小屋の近くまで行って深志研を探し回ったのですが、深志研は津軽さんの前に姿を現しませんでした。

それから一年後、アカナリカミタケが発見されたというニュースがあり、大学の研究室で稲庭先輩からそのことを教えられた津軽さんは、深志さんがいると思い、その山へ向かいました。アカナリカミタケを斜面に見つけた津軽さんは、それを採ろうとして転がり落ちたのですが、その時、深志研が津軽さんを助けに現れました。津軽さんは、採った赤いキノコを見せて、これを探しに来たのですと言うと、私はずっとあなたのことが好きです、会いたかった、と森の精のような深志研に伝えました。

津軽さんは、連れて行きたいところがあると、深志研を連れて山を少し下りたのですが、そこには稲庭先輩と鶴丸教授がいました。難病を一つでも治すために各地の菌類を調べるというフィールドワーク用のキャンピングカーの中に案内された深志研は、鶴丸教授から、ここで菌を培養することができる、君が君自身の博士になるのだと言われました。深志研は、僕も人間の役に立つのですかと涙を流していました。

その年の冬、キャンピングカーで菌を調べている深志研のそばのラジオからは、天草さんの声が流れてきていました。番組は打ち切りにならなかったようでした。電話での悩み相談に応じていた天草さんは、人に会うのが怖いという女性に、外を森と思えばいい、人が怖いということを出会った人も思っているかもしれないと想像力を働かせて、怖がらなくてもいいという気持ちで接すればいつか人を好きになることができるかもしれないと話し、最後に「天草に訊け」の歌を歌っていました。ラジオを聴いていた深志研も一緒に歌っていました。

翌年の夏の頃、深志研は、津軽さんと二人で見つけた生命力の強い木に菌を送り、良い菌を?その木から放出させていました。

ここで主題歌のRADWIMPSの「棒人間」の流れるエンディングの映像になったのですが、終わりではありませんでした。後日談がありました。

数十年後の山奥に、謎の飛行機が飛んできました。飛行機を降りた人は、森の奥の小屋で一人で研究を続ける、見た目の変わっていない不老不死の深志研から薬の開発用の菌を受け取っていたのですが、その人は、稲庭先輩と美琴さんの孫?のようでした。孫は、津軽さんが亡くなってから一年になると話していたのですが、深志研は、いつも津軽さんと一緒にいると答えていました。孫が帰った後、深志研は森の大きな木に触れて菌を放出し、深志研が立ち去った後の木の根元からは二つの赤いキノコが生えてきました。

脚本は大森寿美男さん、演出は狩山俊輔さん、音楽はサキタハヂメさんでした。

最終回も、良かったです。

120年前に地主の娘のサキさんを好きになった孤独な深志研太郎博士の作り出した不思議な菌を持って、死体から蘇る形で誕生した深志研さんは、自身の穏やかで優しい性格と周囲の人々との人間関係の中で、自分自身を研究するという、深志研さんにしかできない生き方を選び取ることができたようでした。深志研は自分が生きている意味を見出し、深志研さんと出会った人々もまた、自分自身の人生を生きることができるようになっていました。

深志研さんだけが不老不死のままなのだとするなら(十数年後の未来には深志研さんと稲庭家の孫?しか登場しませんでした)、深志研太郎博士が作った細胞の生命力を活性化させ続ける菌は、研究によって再生されていないか、深志研さんから取り出されていないか、あるいは他の人には取り込まれていないというようなことなのかもしれません。

深志研太郎博士の「恋」から奇跡的に生まれた深志研の遺伝子が、新たな「恋」の遺伝子を目覚めさせるという連鎖に、なるほどなと思いました。

津軽さんと深志研のつながりとしては、津軽さんの祖母の祖母であるサキさんの姉が、怪物となって復活した深志研(山部呼六)のキノコの菌に殺されたサキさんの遺体から放出された微量の菌を吸い込んでいたのではないかということが言われていましたが、それは、みんながお互いに影響し合って生きているということなのかもしれないなと思いました。

深志研さんは、結局、深志博士の遺体と暮らしていた元の森に帰ったのですが、津軽さんや稲庭先輩や稲庭社長や美琴さんや鶴丸教授や天草さんや十勝さんたちと出会った深志研さんは、もう一人ではありませんでした。孤独でもなく、怪物でもありませんでした。深志研さんは、深志研さんになったのだろうと思います。

時々リアルでシビアなところのある、優しいSFファンタジードラマでした。キノコの生える描写には少しぞっとしてしまう部分もありましたし、「恋」という言葉が劇中に多用されているようなところは私には少し気になってしまったのですが、それでも、「フランケンシュタインの恋」は、すてきなドラマになっていたように思います。綾野剛さんの演じる深志研さんの繊細で穏やかな雰囲気も良かったですし、ドラマの物語の世界観がどこかで壊されるようなこともなく、丁寧に作られていたように思え、私も最後まで楽しく見ることができました。

「おんな城主 直虎」第25回

NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第25回を見ました。

第25回は、武田家への塩留(塩止め)を利用して密輸をして儲けていた商人たちが取り締まりの強化された今川の治める駿府を離れて町衆が今川にお金を支払って治めている自由な気賀村へ流れ始めていた頃、お寺の修復のために井伊の材木を買いたいという商人が気賀の商家・中村屋の中村与太夫(本田博太郎さん)の仲介で見つかったことを喜ぶ井伊直虎(柴咲コウさん)が、「井」の焼印を押してまとめてその成川屋へ売った直後、井伊が材木を売った先の成川屋が三河とつながっていることを知った今川氏真(尾上松也さん)に謀反の疑いをかけられてしまう、という話でした。

作(脚本)は森下佳子さん、演出は藤並英樹さんでした。

氏真に呼び出された井伊家の家老で今川の目付の小野但馬守政次(高橋一生さん)は、氏真の側近の関口氏経(矢島健一さん)を連れて井伊の館へ行きました。謀反の疑いをかけられた直虎は、材木を取り戻すため家臣の奥山六左衛門(田中美央さん)と商人の瀬戸方久(ムロツヨシさん)を気賀へ向かわせ、井伊谷を出た後気賀に戻って万事屋の「龍雲党」を旗揚げをしていた元盗賊の龍雲丸(柳楽優弥さん)たちの協力を得て、成川屋へ売った材木を急いで買い戻し、井伊家の忠義を疑う今川氏真に対して今川家への忠義を示すことに成功したのでした。

龍雲丸たちは、「尼小僧さま」の直虎のためならと、航行中の?成川屋の船に乗り込み、方久と六左衛門の説得に応じた成川屋の船で駿河へ引き返していました。その時の楽しそうな感じが良かったです。

前回の最後に登場した、井伊家を去った乳母のたけの代わりにやって来た姪のうめ(梅沢昌代さん)は今回にもいました。うめの登場も面白かったのですが、うめだということは一言も言われていなかったので、前回を知らずに今回の話を見た人には、たけに見えたのではないかなと思います。

六左衛門や方久たちが井伊の刻印の入った材木を買い戻しに行っている間、今川へ申し開きに行くよう命じられていた直虎は、中野直之(矢本悠馬さん)と結託して何かの毒を飲み、熱を出して寝込んで時間を引き延ばしていたのですが、直虎が本当に熱を出しているかどうかを今川家の目付として検めるために部屋に来た政次が、布団をかけて寝込んでいる直虎の頬に冷たい手を当てて冷まそうとしていた場面も、(少女漫画的でもありましたが)とても良かったです。

政次が亡き弟の妻のなつ(山口紗弥加さん)の自分への思いを拒否した場面の後だったということもあるのかもしれないのですが、熱を出して横になっている直虎が頬に政次の手の冷たさを感じて、政次は昔から誰よりも冷たいと答えていたのも良かったです。政次の手が冷たいというのは、手が冷たい人は心が温かいという、あの言い伝えのことを表していたのかなと思います。他の登場人物と直虎との場合もそうなのかもしれないのですが、幼馴染である直虎と政次との絶妙な距離感が良いです。

予告によると次回にも井伊の材木の話は続くようでした。次回の物語も楽しみにしていようと思います。


ところで、NHKのBSプレミアムで再放送されている2007年の大河ドラマ「風林火山」(脚本は大森寿美男さん)は、昨日で第13回になりました。

武田信虎(仲代達矢さん)を駿河の今川家へ送り届けた山本勘助(内野聖陽さん)は、武田家の重臣の板垣信方(千葉真一さん)に頼み込み、武田家の家督を継いで新しい当主となった武田晴信(市川亀治郎さん、現・市川猿之助さん)にその巧妙な作戦が面白がられて、破格の待遇で正式に武田家へ仕えることが決まったものの、生まれたばかりの次男の信親が疱瘡で失明したことに苦悩する三条夫人(池脇千鶴さん)に疎まれ、重臣の甘利虎泰(竜雷太さん)たちには怪しまれて能力を試されることになり、一時滞在した地侍の家の息子の春日源五郎(田中幸太朗さん)に湖の船を動かしてもらうという作戦で、冬の朝の「鬼美濃」の原虎胤(宍戸開さん)との「戦」を制していました。

春日源五郎は後の香坂虎綱(香坂弾正)で、武田信玄の側近の駒井政武(高橋一生さん)と共に「甲州法度」を編纂した人なのですが、田中幸太朗さんの演じる源五郎は、今見てもさっぱりとした、さわやかな雰囲気で良かったです。嘉島典俊さんの演じる信玄の弟の武田信繁も、相変わらず良いです。それから、第13回を見て、勘助も、今の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の直虎と同じように、孫子の兵法の「戦わずして勝つ」の考えを評価していたのだなということを改めて思いました(偶然でしょうか。それとも、孫子の兵法の中ではこの考えが一番有名なのでしょうか)。第14回からはまた新章が始まるようです。武田の孫子の旗も作られることになり、晴信の異母妹の禰々(桜井幸子さん)の夫である諏訪頼重(小日向文世さん)の娘の由布姫(柴本幸さん)が武田家に行くことになる運命も動き出すようでした。2007年の当時にも見たのですが、これからの再放送の「風林火山」も楽しみにして見ていこうと思います。

「あなたのことはそれほど」最終回と、昨夜の「NEWS23」の報道のことなど

TBSの火曜ドラマ「あなたのことはそれほど」の最終話(第10話)を見ました。初回と同じく、15分拡大版で放送されていました。

最終話では、一人暮らしを始め、初恋の人から不倫相手となった有島光軌(鈴木伸之さん)に「選ばれなかった」ことを自覚した、眼科クリニックで医療事務として働く29歳の渡辺美都(波瑠さん)は、離婚届を役所に郵送すると連絡してきた夫の渡辺涼太(東出昌大さん)がまだ離婚届を出しておらず、涼太さんを訪ねた母親の三好悦子(麻生祐未さん)からは二人の結婚式の時の写真を部屋に飾ったままであることを教えられて、複雑な思いに駆られていました。

その一方で、子供が生まれた後も不倫を続けていた夫を軽蔑する妻の有島麗華(仲里依紗さん)に実家に帰られてしまった有島さんは、美都さんとの不倫関係を完全に終わらせ、妻の実家に朝晩毎日通いながら、麗華さんと子供を本当に愛しているのだということを熱心に訴え続けていました。

脚本は吉澤智子さん、演出は金子文紀さんでした。ドラマの原作は、いくえみ綾さんの漫画『あなたのことはそれほど』です。

涼太さんの自分への愛情に得体の知れない怖さを感じていた美都さんは、最後に食事をしたいと屋台のおでん屋さんに誘われ、気楽な気持ちで食事をしながらも、涼太さんから離婚届の証人を頼まれた親友の飯田香子(大政絢さん)も涼太さんを何だか怖いと感じていたことを知って改めて怖く感じていたのですが、自殺をするほどではなかった涼太さんの気持ちも、少しずつ美都さんから離れていたようでした。

美都さんと涼太さんが離婚するのかしないのかの状況が拮抗しているような雰囲気の最終回だったのですが、美都さんは、自分の都合によって離婚を提案したり白紙に戻そうとしたりする美都さんを「みっちゃんらしい」と考えていた涼太さんに振られるような形で、離婚に至っていました。握手をした美都さんの手を振り払うように話した涼太さんが、去って行く美都さんのほうを振り返らずに外した指輪を遠くに投げ捨てる場面が、すっきりと前向きな印象でした。

麗華さんの実家を訪ねて来た有島さんが、子供の顔を見るために麗華さんの布団の上に仕事のスーツのまま正座していた場面は、不衛生であるように私には思えてしまったのですが、自分と子供を裏切った有島さんを麗華さんが許すことにした結末は、良かったように思います。有島さんは、当然のことながら、不倫相手の美都さんよりも妻の麗華さんのことを好きで、そのことをちゃんと麗華さんに伝えるということを頑張っていました。麗華さんは、結婚する前や結婚したばかりの頃とは少し違う感情で、子供の父親でもある有島さんを好きになったようでした。

夫の横山良明(山岸門人さん)からいつもバカ扱いされ、“ママ友”の麗華さんの夫と不倫をする美都さんを苦しめるために「怪文書」を作って配っていた横山皆美(中川翔子さん)は、その後、皆美さんの苦しみを知って改心したらしい夫と仲良く歩いていました。もうすぐ二人目の子供が生まれるようでした。良性の腫瘍の手術を終えて病院を出た麗華さんと付き添いの有島さんは、病院の前で横山夫妻と遭遇したのですが、横山夫妻はにこやかに会釈をしただけでした。

横山夫妻の様子を見た麗華さんの、いろんな夫婦がいるのね、という言葉が、まさにこのドラマの描いていたことを表すものなのだろうと思います。夫婦にはいろいろな形があるのだということを、このドラマを見ていて改めて思いました。

「不倫」がテーマになっていて、私には少し苦手に思えてしまうような場面も時々あり、毎回の感想を書くことはできなかったのですが、それでも何となく見続けることができたのは、登場人物たちの複雑な感情が、誰を悪者にするということもなく、丁寧に描かれていたからなのではないかと思います。「ドロドロ」にもならず、少女漫画的な雰囲気も残しつつ、ドラマを見ている人が自分ならどうするだろうと考えることもできるような、普遍的な、結婚前後の?人たちの物語になっていたところが良かったような気がします。

美都さんが離婚をした1年後、3か月ぶりに彼氏ができた、と美都さんの一人暮らしのアパートの部屋で話していた香子さんが、昔に好きだった人と比べようとする美都さんに、あの頃の私が好きだった人は今の私にとってはただの幻だと答えていたのも、良かったです。

香子さんの新しい交際相手は、美都さんの勤める眼科クリニックの眼科医の花山司(橋本じゅんさん)でした。香子さんと花山先生が下見に来ていた結婚式場?で、美都さんは女性を連れた涼太さんと遭遇し、軽く挨拶をしてすれ違ったのですが、女性は涼太さんの再婚相手ではなく、会社の後輩でした。涼太さんは仕事でその場所を訪れていました。

涼太さんを好きだった同僚の小田原真吾(山崎育三郎さん)とも前のように友人に戻ったらしい涼太さんは、小田原さんから、一人でバス停に立つ美都さんがいることを教えられたのですが、「いいのか?」と訊かれると「それほど」と答えて笑っていました。

「それほど」何なのか、「それほど好きじゃない」のか、「それほど気にならない」のか、涼太さんの「それほど」の内容は私にはよく分からなかったのですが、“家庭内ストーカー”となっていた涼太さんが、美都さんと距離を置くことができている感じには、少しほっとしました。

「運命の恋は、まだ知らない」美都さんは、まだ「運命の恋」を追いかけているようでもありましたが、一番好きな人とは幸せにはなれない、という呪いが宿命であるなら、途中で諦めない限りは、美都さんの望みは永久に叶わないということなのかなと思います。でも、一番好きな人から、自分が二番目か三番目に好きな人とか、それほどには好きではない人だとか思われているとしたなら、美都さんに傷つけられ続けていた涼太さんのように、辛い気持ちになるのかもしれません(東出さんの演じる涼太さんの不気味さも面白かったのだと思いますが、先日に亡くなった野際陽子さんの出演していた昔のTBSのドラマ「ずっとあなたが好きだった」の、佐野史郎さんの冬彦さんに似ているという噂は、少し違うような気もしました)。

不倫の恋愛?が扱われたドラマとしては、「ポケベルが鳴らなくて」という緒形拳さんと裕木奈江さんのドラマが私には印象的でした。「ポケベル」は結局使ったことがないままなのですが、主題歌も好きでした。昔に見たドラマなので内容はうろ覚えなのですが、とても好きで見ていたということは憶えています。今見たなら、ドラマの印象はまた少し変わるのかもしれません。「ずっとあなたが好きだった」にしても、「ポケベルが鳴らなくて」にしても、今のドラマにも面白い作品はあると思いますが、昔に見たドラマは面白かったなと思います。


ところで、昨夜の「NWES23」でも扱われていましたが、一昨日のNHKの「クローズアップ現代+」では、学校法人・加計学園の獣医学部新設問題に関する調査を行っている文部科学省で職員の方たちの共同フォルダから「10/21萩生田副長官ご発言概要」なる文書が新たに見つかったということが報じられていました。官邸が徹底的に調査を行うと宣言し、文部科学省が調査を行い、その結果、官房副長官の一人の萩生田光一さん(加計学園の千葉科学大学の名誉客員教授でもあり、内閣人事局長でもあるそうです。加計孝太郎理事長と安倍首相が友人であることは知らなかったと国会で嘘をついていました)の指示を示すような新文書が出て来たのであるのなら、萩生田官房副長官が激怒したとしても、それを受けて松野文部科学大臣や義家文部科学副大臣が新文書をただの覚書だとか言って否定して、萩生田官房副長官に謝罪をするというのは、おかしなことであるように思いました。調査した結果出てきた文書がメモや覚書だとしても、それをもとに職員の方たちが行政の仕事を進めるのだとするのなら、それは公文書になると思います。個人のメモだから、という風に軽んじるのはおかしいです。

文科省の職員の方が出した加計学園の獣医学部の新設に関する官邸や内閣府の関与を示す文書を、官邸や内閣府が否定し、文科大臣や文科副大臣が謝罪までするのなら、安倍首相を議長とする国家戦略特区の諮問会議や、文部科学省は、加計学園のみに決まったというのを一旦やめて、獣医学部新設の審査を透明性の高いものにするために、もう一度初めから、獣医学部を作りたい学校を募集するところも含めて、全部やり直すことにすればいいのではないかなと思います。

基準が曖昧なままの「共謀罪」の創設を含む組織犯罪処罰法改正案が与党の強行的な採決によって可決・成立した国会の閉会後の、19日の夕方にNHKで生中継されていた(私は録画をしておいたものを後で何となく見ました)約40分ほどの安倍晋三首相の記者会見は、(国会の質疑応答の時のように)安倍首相が一方的に自分の考えを述べるタイプのもので(「人づくり」という発言にまた少しぞっとしましたが)、最後のほうの記者たちからの質問も弱いもので、しかも1列目の記者さんたちばかりが質問の機会を与えられているという印象でした(1列目以降の記者たちは、本当に記者さんたちだったのでしょうか。ただ黙って聞いているだけで良かったのでしょうか)。国民に丁寧に“説明”していきたい、と安倍首相は会見の中で言っていましたが、具体的にいつどのように“説明”を行うかは言いませんでした。フジテレビの「ユアタイム」に出演していた中谷元防衛大臣は各自でインターネットで調べてというようなことを言っていたのですが、それでは政府(安倍内閣)が国民に対して説明責任を果たしたことにはならないように思いますし、酷いなと思いました。安倍首相の先日の記者会見を「謝罪会見」としているメディアもありましたが、本気で自分が悪いと思って国民に謝っているというような感じはしませんでした。「印象操作」とか、野党を貶める言い方もこれまでと同じで、東京都議会議員選挙などがなかったなら特に謝るつもりもなかったのではないかと思いますし、謝罪というよりは弁明の会見だったのではないかなと思います。安倍首相の記者会見の中継後のスタジオの解説者が、安倍首相や今井尚哉首相秘書官とも親しいと言われているNHKの政治部の岩田明子記者だったことにも少し驚きました。

安倍首相がテレビの報道番組で「党首討論」のようなことを行わなくなったのは、以前の討論会の時のように、追及されて失敗することを恐れているためなのかもしれません。野党は安倍首相を議長としたトップダウン方式の国家戦略特区の在り方を問題視していますが、構造改革特区などのその他の特区のことは特に問題視していないそうです。今年の4月から司会が武田真一アナウンサーと鎌倉千秋アナウンサーになったNHKの「クローズアップ現代+」は、昨年の3月までの国谷裕子さんの頃の「クローズアップ現代」に戻るかのように、頑張っているように思いますが、文科省の職員の方が国会の会期中に新文書を出し、今回の新文書の特集が国会の会期中に放送されていたなら、もっと良かったのではないかとも思いました。

官邸や内閣府の人々は、森友学園や加計学園についての調査の結果、自分たちにとって都合の悪いものが出てきた場合にはこれからも(愛媛県今治市に建設中である獣医学部の新設が未認可という大学の開学予定の来年の4月頃までは特に?)全否定をしてなかったことにし続けるつもりなのかもしれません。あるいは、「内閣改造」の際に萩生田さんのような自民党内の加計学園の利害関係者が安倍首相夫妻を残して一旦引き下がることになるということもあるのかもしれません。

安倍首相の会見が夕方にあって、その30分後に大阪地方検察庁が森友学園の籠池前理事長の家宅捜索を行うことが伝えられて、その夜の9時頃から大阪地検特捜部による家宅捜索が始まり(メディアのカメラが先に籠池家に入って取材を行っていたのは良いことだと思いました)、夜10時に「クローズアップ現代+」の加計学園と萩生田副官房長官の新文書のスクープ特集が始まり、萩生田氏側は激怒し、松野文科大臣と義家文科副大臣は堂々とせずになぜか萩生田氏への謝罪を行い、籠池家での大阪地検特捜部の捜索は明け方頃まで続いていたというような一連の流れは、何だかすごいなと思いました。

TBSの取材に応じていた籠池前理事長は、安倍首相会見後の大阪地検による家宅捜索を「国策捜査」だと言っていました。私は「国策捜査」という言葉を知らなかったので、籠池さんの造語なのかなとも思っていたのですが、実際に使われている言葉でした。政治的な意図のもとでとにかくある人物の訴追を行うために進める検察の捜査のことを指す言葉だそうです。籠池前理事長は、国策捜査だから検察が逮捕しようと思ったら道端の石ころを蹴っただけでも道路交通法違反で逮捕されるというようなことを話しているのを聞いて、なるほどなと思いました。沖縄の辺野古の在日米軍基地建設の反対運動など、政府の政策に反対するデモを行っている方たちが、公務執行妨害という罪で時々逮捕されているのも、似たようなことなのかもしれないなと思いました。

「民主主義」に穴を開けようとする人々と「民主主義」を守ろうとする人々との戦いが続いているのだろうと思います。前文部科学省事務次官の前川喜平さんやアメリカのコミー前FBI長官のように、勇気を持って堂々と政権の間違いを告発できる方がもっと現れるといいなと思います。昨年には「ポストトゥルース(ポスト真実)」という言葉をよく聞きましたが、現代の、日本の安倍政権やアメリカのトランプ政権では(他にもあるかもしれませんが)、公平や公正、透明性や真実、国会や記者会見や三権分立の体制が蔑ろにされてきているという実態は、やはりあるのかもしれません。

昨日には、小池百合子東京都知事が、築地と豊洲のどちらも活かすために、築地市場の豊洲市場への移転と築地市場の再開発を決めたというようなことも報道されていましたが、豊洲市場への築地市場の移転と空いた築地の土地の商業地利用というのが石原元都知事や舛添元都知事の都議会自民党の策で、小池都知事の策はそれとよく似ているようにも思いますし、どちらも活かすことができるのかどちらも中途半端になるのか、豊洲市場を市場の本拠地としていずれ築地市場が潰されてしまうということなのか、よく分からないような気がしました。築地市場をこれまで通りに普通に営業しながら、少しずつ工事を行ってきれいに直していくという案のほうが、築地市場を歴史のある市場として残すためには良いのではないかと思います。お金の話も大事かもしれませんが、お金の話ばかりになってしまうと、東京ガスの工場の跡地に生鮮食品を扱う市場を作るのは本当に安全なことなのかという、当初の問題から離れてしまうような気がします。

そして、昨夜の11時27分頃には、大分県の南部の佐伯市で震度5強の地震が起きたそうです。臨時速報にはっとしました。報道によると、大きな被害はなく、四国電力が再稼働した愛媛県の伊方原子力発電所3号機にも影響はないということでした。昨年の4月の熊本と大分の大地震の続きの余震なのかどうかはよく分かりませんが、前震ではないといいなと思います。

あと、19日には元SMAPの(まだSMAPのような気がしますが)稲垣さんと草なぎさんと香取さんがジャニーズ事務所を辞めることが決まり、中居さんと木村さんは残るらしいという報道がありましたが、昨夜のニュースで伝えられていた、木村拓哉さんの運転する車がバイクに追突するという玉突き事故を起こしていたということにも驚きました。少し坂道になっている道路に止まっている時に考え事をしていて、ブレーキから足が少し浮いてしまったということでした。誰も怪我をしていないということなので、そのことは良かったと思うのですが、いろいろ大変だなと思いました。

「宮沢賢治の食卓」第1話

WOWOWプライムの「連続ドラマW」の新ドラマ「宮沢賢治の食卓」の第一話「幸福のコロッケ」を見ました。

第一話は、大正10年の夏、東京の本郷の部屋で売れない小説を書いたり、近所の喫茶店から流れて来るレコードの音楽を聴いたり、商店街のコロッケを食べたりしながら過ごしていたある日、いつも気にかけている病気がちな妹のトシ(石橋杏奈さん)の大病の電報を受けて急いで岩手の花巻の実家に帰った宮沢賢治(鈴木亮平さん)が、母親のイチ(神野三鈴さん)の様子からトシの病の知らせは嘘だと知るも、賢治の性格を理解しない頑固な父親の政次郎(平田満さん)から長男として家業の質屋を継ぐよう迫られる中、貧しい農夫の吉盛(柳沢慎吾さん)とその子供たちと出会い、本当の「幸(さいわい)」を分かち合うことの喜びを知っていく、という話でした。

今回のその他の主な登場人物は、ドラマの語りも務めていた宮沢家の次男の清六(井之脇海さん)、次女のシゲ(畦田ひとみさん)、三女のクニ(荒田悠良さん)、花巻高等学校の教師を務めていたトシさんの知り合いの音楽教師の藤原嘉藤治(山崎育三郎さん)でした。

私は、昨年に生誕120年を迎えた宮沢賢治(宮澤賢治)の作品(小説や詩など)を好きで読んだことはありますが、その実家の質屋のことや家族のことをよく知らなかったので、宮沢賢治の良き理解者である最愛の妹のトシさんの他に姉妹がいたということも、トシさんが学校の先生だったということも知りませんでした。「永訣の朝」の詩のイメージのためか、私は、トシさんは子供の頃に亡くなったものと勝手に思い込んでいたのだと思います。

父親の営む質屋からお金を借りることができなかった子供たちのために、賢治さんは、井戸掘り?を手伝ったり、口に出して言うことができない感情を手紙に書いて伝えることができるからと男の子に字を教えたりしていたのですが、ある日、自分のチェロを質に入れて借りたお金を吉盛さんに渡そうとして、吉盛さんに気持ちだけで十分だと断られてしまいました。吉盛さんは、昔賢治さんの父親の政次郎さんがお酒を持って訪ねて来て一緒に飲んだということを話して、幸せを分かち合うとはそういうことで、賢治さんのしていることは施しだと言いました。

父親に叱られ、人は天に与えられた道を歩まねばならないと諭されてショックを受けた賢治さんは、質屋にならなければいけないのかと思い詰め、トランクの中の小説の原稿を燃やそうとしていたのですが、この小説は兄そのものだ、これを燃やしたら兄が燃えてしまう、とトシさんに止められました。小さい頃から不思議な兄と接してきたトシさんは、兄の世界観が誰かの幸せの役に立つと信じていました。

その帰り道、大根を売りに行く途中の吉盛さんの姉弟に遭遇した賢治さんは、男の子から手紙を渡されました。手紙には、「せんせい ありがとうございました」と書かれていました。“幸せの分かち合い”に感激した賢治さんは、ある日トシさんから、農学校の開学の知らせのチラシを渡され、訪ねて来た先生から教員に欠員が出たから兄に来てほしいと頼まれたということを伝えられました。はっとした賢治さんは、帰宅してすぐの時にも、東京で食べたコロッケを再現して家族に作っていたのですが、両親を呼び出すと再びコロッケを作って出し、一つのコロッケを半分に割って両親に渡しました。そして、教師になりたいと父親に言い、これこそが自分の天に与えられた道なのではないかと、父親を説得しました。トシさんの加勢もあり、父親は、賢治さんの願いを認めることにしたようでした。コロッケを食べて、悪くないと呟いていました。おいしいとは言わないようで、トシさんやイチさんは笑っていました。

兄の賢治さんに教師の仕事が見つかったのは、実は、医者から教師の仕事を続けるのは無理だと言われた妹のトシさんが、藤原さんに頼んでいたからでした。賢治さんは、妹に支えられながら稗貫農学校の教師になるという新しい人生を歩み始めていたのですが、物語のこの秋頃の時は、トシさんが亡くなる一年前の出来事だということでした。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、魚之目三太さんの漫画『思い出食堂』の『宮沢賢治の食卓』です。

脚本は池田奈津子さん、監督は御法川修さんでした。音楽はサキタハジメさんでした。

予告編を見て、私も見るのを楽しみにしていたドラマだったのですが、第1話はとても良かったです。鈴木亮平さんの演じる明るい宮沢賢治さんも良かったですし、石橋杏奈さんの演じる兄思いで意志の強い妹のトシさんも良かったです。

このように言ってはいけないのかもしれませんが、何というか、地上波で放送されても良いドラマであるように思えました。宮沢賢治の「食卓」とは何だろうと気になっていたのですが、このドラマでは毎回賢治さんが東京で食べたおいしい料理を再現するのかもしれません。衣がサクサクとしたじゃがいものコロッケがおいしそうでもあり、ドラマを見ていて、みんなで食卓を囲むことはみんなと幸せを分かち合うことなのだなと思いました。“料理ドラマ”というわけではないようでしたし、自分の思う幸せをみんなと分かち合いたいと願う賢治さんの素朴で純粋な気持ちが真っ直ぐに描かれた良いドラマであるように思いました。

第2話のサブタイトルは「夢のシチュウビーフ」でした。昔は「ビーフシチュー」ではなかったのでしょうか。教員の櫻小路ヤス(市川実日子さん)など、新しい人物も登場するようでした。私の家のテレビはWOWOWに加入していないので、無料放送の第1話しか見ることができないのが残念なのですが、少なくとも第1話は、とても面白かったです。脚本も、演出も、音楽も、映像も良かったです。エンドロールには、一般の方の撮影した岩手県の風景写真が何枚か出ていたのですが、その岩手の自然風景もとてもきれいで、宮沢賢治はその写真の中の風景と同じくらいの、あるいはもっと美しい様々な光景をいつも見ていたのかもしれないなと思いました。
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