「あなたのことはそれほど」最終回と、昨夜の「NEWS23」の報道のことなど

TBSの火曜ドラマ「あなたのことはそれほど」の最終話(第10話)を見ました。初回と同じく、15分拡大版で放送されていました。

最終話では、一人暮らしを始め、初恋の人から不倫相手となった有島光軌(鈴木伸之さん)に「選ばれなかった」ことを自覚した、眼科クリニックで医療事務として働く29歳の渡辺美都(波瑠さん)は、離婚届を役所に郵送すると連絡してきた夫の渡辺涼太(東出昌大さん)がまだ離婚届を出しておらず、涼太さんを訪ねた母親の三好悦子(麻生祐未さん)からは二人の結婚式の時の写真を部屋に飾ったままであることを教えられて、複雑な思いに駆られていました。

その一方で、子供が生まれた後も不倫を続けていた夫を軽蔑する妻の有島麗華(仲里依紗さん)に実家に帰られてしまった有島さんは、美都さんとの不倫関係を完全に終わらせ、妻の実家に朝晩毎日通いながら、麗華さんと子供を本当に愛しているのだということを熱心に訴え続けていました。

脚本は吉澤智子さん、演出は金子文紀さんでした。ドラマの原作は、いくえみ綾さんの漫画『あなたのことはそれほど』です。

涼太さんの自分への愛情に得体の知れない怖さを感じていた美都さんは、最後に食事をしたいと屋台のおでん屋さんに誘われ、気楽な気持ちで食事をしながらも、涼太さんから離婚届の証人を頼まれた親友の飯田香子(大政絢さん)も涼太さんを何だか怖いと感じていたことを知って改めて怖く感じていたのですが、自殺をするほどではなかった涼太さんの気持ちも、少しずつ美都さんから離れていたようでした。

美都さんと涼太さんが離婚するのかしないのかの状況が拮抗しているような雰囲気の最終回だったのですが、美都さんは、自分の都合によって離婚を提案したり白紙に戻そうとしたりする美都さんを「みっちゃんらしい」と考えていた涼太さんに振られるような形で、離婚に至っていました。握手をした美都さんの手を振り払うように話した涼太さんが、去って行く美都さんのほうを振り返らずに外した指輪を遠くに投げ捨てる場面が、すっきりと前向きな印象でした。

麗華さんの実家を訪ねて来た有島さんが、子供の顔を見るために麗華さんの布団の上に仕事のスーツのまま正座していた場面は、不衛生であるように私には思えてしまったのですが、自分と子供を裏切った有島さんを麗華さんが許すことにした結末は、良かったように思います。有島さんは、当然のことながら、不倫相手の美都さんよりも妻の麗華さんのことを好きで、そのことをちゃんと麗華さんに伝えるということを頑張っていました。麗華さんは、結婚する前や結婚したばかりの頃とは少し違う感情で、子供の父親でもある有島さんを好きになったようでした。

夫の横山良明(山岸門人さん)からいつもバカ扱いされ、“ママ友”の麗華さんの夫と不倫をする美都さんを苦しめるために「怪文書」を作って配っていた横山皆美(中川翔子さん)は、その後、皆美さんの苦しみを知って改心したらしい夫と仲良く歩いていました。もうすぐ二人目の子供が生まれるようでした。良性の腫瘍の手術を終えて病院を出た麗華さんと付き添いの有島さんは、病院の前で横山夫妻と遭遇したのですが、横山夫妻はにこやかに会釈をしただけでした。

横山夫妻の様子を見た麗華さんの、いろんな夫婦がいるのね、という言葉が、まさにこのドラマの描いていたことを表すものなのだろうと思います。夫婦にはいろいろな形があるのだということを、このドラマを見ていて改めて思いました。

「不倫」がテーマになっていて、私には少し苦手に思えてしまうような場面も時々あり、毎回の感想を書くことはできなかったのですが、それでも何となく見続けることができたのは、登場人物たちの複雑な感情が、誰を悪者にするということもなく、丁寧に描かれていたからなのではないかと思います。「ドロドロ」にもならず、少女漫画的な雰囲気も残しつつ、ドラマを見ている人が自分ならどうするだろうと考えることもできるような、普遍的な、結婚前後の?人たちの物語になっていたところが良かったような気がします。

美都さんが離婚をした1年後、3か月ぶりに彼氏ができた、と美都さんの一人暮らしのアパートの部屋で話していた香子さんが、昔に好きだった人と比べようとする美都さんに、あの頃の私が好きだった人は今の私にとってはただの幻だと答えていたのも、良かったです。

香子さんの新しい交際相手は、美都さんの勤める眼科クリニックの眼科医の花山司(橋本じゅんさん)でした。香子さんと花山先生が下見に来ていた結婚式場?で、美都さんは女性を連れた涼太さんと遭遇し、軽く挨拶をしてすれ違ったのですが、女性は涼太さんの再婚相手ではなく、会社の後輩でした。涼太さんは仕事でその場所を訪れていました。

涼太さんを好きだった同僚の小田原真吾(山崎育三郎さん)とも前のように友人に戻ったらしい涼太さんは、小田原さんから、一人でバス停に立つ美都さんがいることを教えられたのですが、「いいのか?」と訊かれると「それほど」と答えて笑っていました。

「それほど」何なのか、「それほど好きじゃない」のか、「それほど気にならない」のか、涼太さんの「それほど」の内容は私にはよく分からなかったのですが、“家庭内ストーカー”となっていた涼太さんが、美都さんと距離を置くことができている感じには、少しほっとしました。

「運命の恋は、まだ知らない」美都さんは、まだ「運命の恋」を追いかけているようでもありましたが、一番好きな人とは幸せにはなれない、という呪いが宿命であるなら、途中で諦めない限りは、美都さんの望みは永久に叶わないということなのかなと思います。でも、一番好きな人から、自分が二番目か三番目に好きな人とか、それほどには好きではない人だとか思われているとしたなら、美都さんに傷つけられ続けていた涼太さんのように、辛い気持ちになるのかもしれません(東出さんの演じる涼太さんの不気味さも面白かったのだと思いますが、先日に亡くなった野際陽子さんの出演していた昔のTBSのドラマ「ずっとあなたが好きだった」の、佐野史郎さんの冬彦さんに似ているという噂は、少し違うような気もしました)。

不倫の恋愛?が扱われたドラマとしては、「ポケベルが鳴らなくて」という緒形拳さんと裕木奈江さんのドラマが私には印象的でした。「ポケベル」は結局使ったことがないままなのですが、主題歌も好きでした。昔に見たドラマなので内容はうろ覚えなのですが、とても好きで見ていたということは憶えています。今見たなら、ドラマの印象はまた少し変わるのかもしれません。「ずっとあなたが好きだった」にしても、「ポケベルが鳴らなくて」にしても、今のドラマにも面白い作品はあると思いますが、昔に見たドラマは面白かったなと思います。


ところで、昨夜の「NWES23」でも扱われていましたが、一昨日のNHKの「クローズアップ現代+」では、学校法人・加計学園の獣医学部新設問題に関する調査を行っている文部科学省で職員の方たちの共同フォルダから「10/21萩生田副長官ご発言概要」なる文書が新たに見つかったということが報じられていました。官邸が徹底的に調査を行うと宣言し、文部科学省が調査を行い、その結果、官房副長官の一人の萩生田光一さん(加計学園の千葉科学大学の名誉客員教授でもあり、内閣人事局長でもあるそうです。加計孝太郎理事長と安倍首相が友人であることは知らなかったと国会で嘘をついていました)の指示を示すような新文書が出て来たのであるのなら、萩生田官房副長官が激怒したとしても、それを受けて松野文部科学大臣や義家文部科学副大臣が新文書をただの覚書だとか言って否定して、萩生田官房副長官に謝罪をするというのは、おかしなことであるように思いました。調査した結果出てきた文書がメモや覚書だとしても、それをもとに職員の方たちが行政の仕事を進めるのだとするのなら、それは公文書になると思います。個人のメモだから、という風に軽んじるのはおかしいです。

文科省の職員の方が出した加計学園の獣医学部の新設に関する官邸や内閣府の関与を示す文書を、官邸や内閣府が否定し、文科大臣や文科副大臣が謝罪までするのなら、安倍首相を議長とする国家戦略特区の諮問会議や、文部科学省は、加計学園のみに決まったというのを一旦やめて、獣医学部新設の審査を透明性の高いものにするために、もう一度初めから、獣医学部を作りたい学校を募集するところも含めて、全部やり直すことにすればいいのではないかなと思います。

基準が曖昧なままの「共謀罪」の創設を含む組織犯罪処罰法改正案が与党の強行的な採決によって可決・成立した国会の閉会後の、19日の夕方にNHKで生中継されていた(私は録画をしておいたものを後で何となく見ました)約40分ほどの安倍晋三首相の記者会見は、(国会の質疑応答の時のように)安倍首相が一方的に自分の考えを述べるタイプのもので(「人づくり」という発言にまた少しぞっとしましたが)、最後のほうの記者たちからの質問も弱いもので、しかも1列目の記者さんたちばかりが質問の機会を与えられているという印象でした(1列目以降の記者たちは、本当に記者さんたちだったのでしょうか。ただ黙って聞いているだけで良かったのでしょうか)。国民に丁寧に“説明”していきたい、と安倍首相は会見の中で言っていましたが、具体的にいつどのように“説明”を行うかは言いませんでした。フジテレビの「ユアタイム」に出演していた中谷元防衛大臣は各自でインターネットで調べてというようなことを言っていたのですが、それでは政府(安倍内閣)が国民に対して説明責任を果たしたことにはならないように思いますし、酷いなと思いました。安倍首相の先日の記者会見を「謝罪会見」としているメディアもありましたが、本気で自分が悪いと思って国民に謝っているというような感じはしませんでした。「印象操作」とか、野党を貶める言い方もこれまでと同じで、東京都議会議員選挙などがなかったなら特に謝るつもりもなかったのではないかと思いますし、謝罪というよりは弁明の会見だったのではないかなと思います。安倍首相の記者会見の中継後のスタジオの解説者が、安倍首相や今井尚哉首相秘書官とも親しいと言われているNHKの政治部の岩田明子記者だったことにも少し驚きました。

安倍首相がテレビの報道番組で「党首討論」のようなことを行わなくなったのは、以前の討論会の時のように、追及されて失敗することを恐れているためなのかもしれません。野党は安倍首相を議長としたトップダウン方式の国家戦略特区の在り方を問題視していますが、構造改革特区などのその他の特区のことは特に問題視していないそうです。今年の4月から司会が武田真一アナウンサーと鎌倉千秋アナウンサーになったNHKの「クローズアップ現代+」は、昨年の3月までの国谷裕子さんの頃の「クローズアップ現代」に戻るかのように、頑張っているように思いますが、文科省の職員の方が国会の会期中に新文書を出し、今回の新文書の特集が国会の会期中に放送されていたなら、もっと良かったのではないかとも思いました。

官邸や内閣府の人々は、森友学園や加計学園についての調査の結果、自分たちにとって都合の悪いものが出てきた場合にはこれからも(愛媛県今治市に建設中である獣医学部の新設が未認可という大学の開学予定の来年の4月頃までは特に?)全否定をしてなかったことにし続けるつもりなのかもしれません。あるいは、「内閣改造」の際に萩生田さんのような自民党内の加計学園の利害関係者が安倍首相夫妻を残して一旦引き下がることになるということもあるのかもしれません。

安倍首相の会見が夕方にあって、その30分後に大阪地方検察庁が森友学園の籠池前理事長の家宅捜索を行うことが伝えられて、その夜の9時頃から大阪地検特捜部による家宅捜索が始まり(メディアのカメラが先に籠池家に入って取材を行っていたのは良いことだと思いました)、夜10時に「クローズアップ現代+」の加計学園と萩生田副官房長官の新文書のスクープ特集が始まり、萩生田氏側は激怒し、松野文科大臣と義家文科副大臣は堂々とせずになぜか萩生田氏への謝罪を行い、籠池家での大阪地検特捜部の捜索は明け方頃まで続いていたというような一連の流れは、何だかすごいなと思いました。

TBSの取材に応じていた籠池前理事長は、安倍首相会見後の大阪地検による家宅捜索を「国策捜査」だと言っていました。私は「国策捜査」という言葉を知らなかったので、籠池さんの造語なのかなとも思っていたのですが、実際に使われている言葉でした。政治的な意図のもとでとにかくある人物の訴追を行うために進める検察の捜査のことを指す言葉だそうです。籠池前理事長は、国策捜査だから検察が逮捕しようと思ったら道端の石ころを蹴っただけでも道路交通法違反で逮捕されるというようなことを話しているのを聞いて、なるほどなと思いました。沖縄の辺野古の在日米軍基地建設の反対運動など、政府の政策に反対するデモを行っている方たちが、公務執行妨害という罪で時々逮捕されているのも、似たようなことなのかもしれないなと思いました。

「民主主義」に穴を開けようとする人々と「民主主義」を守ろうとする人々との戦いが続いているのだろうと思います。前文部科学省事務次官の前川喜平さんやアメリカのコミー前FBI長官のように、勇気を持って堂々と政権の間違いを告発できる方がもっと現れるといいなと思います。昨年には「ポストトゥルース(ポスト真実)」という言葉をよく聞きましたが、現代の、日本の安倍政権やアメリカのトランプ政権では(他にもあるかもしれませんが)、公平や公正、透明性や真実、国会や記者会見や三権分立の体制が蔑ろにされてきているという実態は、やはりあるのかもしれません。

昨日には、小池百合子東京都知事が、築地と豊洲のどちらも活かすために、築地市場の豊洲市場への移転と築地市場の再開発を決めたというようなことも報道されていましたが、豊洲市場への築地市場の移転と空いた築地の土地の商業地利用というのが石原元都知事や舛添元都知事の都議会自民党の策で、小池都知事の策はそれとよく似ているようにも思いますし、どちらも活かすことができるのかどちらも中途半端になるのか、豊洲市場を市場の本拠地としていずれ築地市場が潰されてしまうということなのか、よく分からないような気がしました。築地市場をこれまで通りに普通に営業しながら、少しずつ工事を行ってきれいに直していくという案のほうが、築地市場を歴史のある市場として残すためには良いのではないかと思います。お金の話も大事かもしれませんが、お金の話ばかりになってしまうと、東京ガスの工場の跡地に生鮮食品を扱う市場を作るのは本当に安全なことなのかという、当初の問題から離れてしまうような気がします。

そして、昨夜の11時27分頃には、大分県の南部の佐伯市で震度5強の地震が起きたそうです。臨時速報にはっとしました。報道によると、大きな被害はなく、四国電力が再稼働した愛媛県の伊方原子力発電所3号機にも影響はないということでした。昨年の4月の熊本と大分の大地震の続きの余震なのかどうかはよく分かりませんが、前震ではないといいなと思います。

あと、19日には元SMAPの(まだSMAPのような気がしますが)稲垣さんと草なぎさんと香取さんがジャニーズ事務所を辞めることが決まり、中居さんと木村さんは残るらしいという報道がありましたが、昨夜のニュースで伝えられていた、木村拓哉さんの運転する車がバイクに追突するという玉突き事故を起こしていたということにも驚きました。少し坂道になっている道路に止まっている時に考え事をしていて、ブレーキから足が少し浮いてしまったということでした。誰も怪我をしていないということなので、そのことは良かったと思うのですが、いろいろ大変だなと思いました。

「宮沢賢治の食卓」第1話

WOWOWプライムの「連続ドラマW」の新ドラマ「宮沢賢治の食卓」の第一話「幸福のコロッケ」を見ました。

第一話は、大正10年の夏、東京の本郷の部屋で売れない小説を書いたり、近所の喫茶店から流れて来るレコードの音楽を聴いたり、商店街のコロッケを食べたりしながら過ごしていたある日、いつも気にかけている病気がちな妹のトシ(石橋杏奈さん)の大病の電報を受けて急いで岩手の花巻の実家に帰った宮沢賢治(鈴木亮平さん)が、母親のイチ(神野三鈴さん)の様子からトシの病の知らせは嘘だと知るも、賢治の性格を理解しない頑固な父親の政次郎(平田満さん)から長男として家業の質屋を継ぐよう迫られる中、貧しい農夫の吉盛(柳沢慎吾さん)とその子供たちと出会い、本当の「幸(さいわい)」を分かち合うことの喜びを知っていく、という話でした。

今回のその他の主な登場人物は、ドラマの語りも務めていた宮沢家の次男の清六(井之脇海さん)、次女のシゲ(畦田ひとみさん)、三女のクニ(荒田悠良さん)、花巻高等学校の教師を務めていたトシさんの知り合いの音楽教師の藤原嘉藤治(山崎育三郎さん)でした。

私は、昨年に生誕120年を迎えた宮沢賢治(宮澤賢治)の作品(小説や詩など)を好きで読んだことはありますが、その実家の質屋のことや家族のことをよく知らなかったので、宮沢賢治の良き理解者である最愛の妹のトシさんの他に姉妹がいたということも、トシさんが学校の先生だったということも知りませんでした。「永訣の朝」の詩のイメージのためか、私は、トシさんは子供の頃に亡くなったものと勝手に思い込んでいたのだと思います。

父親の営む質屋からお金を借りることができなかった子供たちのために、賢治さんは、井戸掘り?を手伝ったり、口に出して言うことができない感情を手紙に書いて伝えることができるからと男の子に字を教えたりしていたのですが、ある日、自分のチェロを質に入れて借りたお金を吉盛さんに渡そうとして、吉盛さんに気持ちだけで十分だと断られてしまいました。吉盛さんは、昔賢治さんの父親の政次郎さんがお酒を持って訪ねて来て一緒に飲んだということを話して、幸せを分かち合うとはそういうことで、賢治さんのしていることは施しだと言いました。

父親に叱られ、人は天に与えられた道を歩まねばならないと諭されてショックを受けた賢治さんは、質屋にならなければいけないのかと思い詰め、トランクの中の小説の原稿を燃やそうとしていたのですが、この小説は兄そのものだ、これを燃やしたら兄が燃えてしまう、とトシさんに止められました。小さい頃から不思議な兄と接してきたトシさんは、兄の世界観が誰かの幸せの役に立つと信じていました。

その帰り道、大根を売りに行く途中の吉盛さんの姉弟に遭遇した賢治さんは、男の子から手紙を渡されました。手紙には、「せんせい ありがとうございました」と書かれていました。“幸せの分かち合い”に感激した賢治さんは、ある日トシさんから、農学校の開学の知らせのチラシを渡され、訪ねて来た先生から教員に欠員が出たから兄に来てほしいと頼まれたということを伝えられました。はっとした賢治さんは、帰宅してすぐの時にも、東京で食べたコロッケを再現して家族に作っていたのですが、両親を呼び出すと再びコロッケを作って出し、一つのコロッケを半分に割って両親に渡しました。そして、教師になりたいと父親に言い、これこそが自分の天に与えられた道なのではないかと、父親を説得しました。トシさんの加勢もあり、父親は、賢治さんの願いを認めることにしたようでした。コロッケを食べて、悪くないと呟いていました。おいしいとは言わないようで、トシさんやイチさんは笑っていました。

兄の賢治さんに教師の仕事が見つかったのは、実は、医者から教師の仕事を続けるのは無理だと言われた妹のトシさんが、藤原さんに頼んでいたからでした。賢治さんは、妹に支えられながら稗貫農学校の教師になるという新しい人生を歩み始めていたのですが、物語のこの秋頃の時は、トシさんが亡くなる一年前の出来事だということでした。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、魚之目三太さんの漫画『思い出食堂』の『宮沢賢治の食卓』です。

脚本は池田奈津子さん、監督は御法川修さんでした。音楽はサキタハジメさんでした。

予告編を見て、私も見るのを楽しみにしていたドラマだったのですが、第1話はとても良かったです。鈴木亮平さんの演じる明るい宮沢賢治さんも良かったですし、石橋杏奈さんの演じる兄思いで意志の強い妹のトシさんも良かったです。

このように言ってはいけないのかもしれませんが、何というか、地上波で放送されても良いドラマであるように思えました。宮沢賢治の「食卓」とは何だろうと気になっていたのですが、このドラマでは毎回賢治さんが東京で食べたおいしい料理を再現するのかもしれません。衣がサクサクとしたじゃがいものコロッケがおいしそうでもあり、ドラマを見ていて、みんなで食卓を囲むことはみんなと幸せを分かち合うことなのだなと思いました。“料理ドラマ”というわけではないようでしたし、自分の思う幸せをみんなと分かち合いたいと願う賢治さんの素朴で純粋な気持ちが真っ直ぐに描かれた良いドラマであるように思いました。

第2話のサブタイトルは「夢のシチュウビーフ」でした。昔は「ビーフシチュー」ではなかったのでしょうか。教員の櫻小路ヤス(市川実日子さん)など、新しい人物も登場するようでした。私の家のテレビはWOWOWに加入していないので、無料放送の第1話しか見ることができないのが残念なのですが、少なくとも第1話は、とても面白かったです。脚本も、演出も、音楽も、映像も良かったです。エンドロールには、一般の方の撮影した岩手県の風景写真が何枚か出ていたのですが、その岩手の自然風景もとてもきれいで、宮沢賢治はその写真の中の風景と同じくらいの、あるいはもっと美しい様々な光景をいつも見ていたのかもしれないなと思いました。

「フランケンシュタインの恋」第9話

日本テレビの日曜ドラマ「フランケンシュタインの恋」の第9話を見ました。

第9話は、「山部呼六」だった“怪物”になる前の記憶を取り戻した深志研(綾野剛さん)が生放送のラジオ番組で120年前の出来事を語る話でした。

120年前、貧しい農家に生まれ、コレラで家族を失った山部呼六は、周囲の人たちに助けられながら育ち、その人たちへ恩返しがしたいと独学で医者の資格を取り、東京で医者として働いていたのですが、医者として仕事をするうちに、世の中には医者が治療できない病気のほうが多いと知り、細菌学を学ぶために富嶽伝染病研究所で細菌の研究を行う医学博士の深志研太郎(斎藤工さん)を訪ね、深志博士のもとで働くことになりました。

深志博士が山部呼六を受け入れることにしたのは、人付き合いが苦手な自分の代わりに研究所の患者の世話をしてもらうためでした。患者に接し、新鮮な野菜を食べてもらおうと考えた山部呼六は、農地を貸してくれるよう地元の地主たちを訪ねて回る中で、地主の娘のサキ(二階堂ふみさん)と出会い、農地を研究所に貸すよう父親を説得した後呼六さんの畑仕事を手伝うようになったサキさんのことを好きになりました。サキさんも山部呼六を好きになりました。サキさんは、患者さんたちが助かるようにと祈るために、研究所の近くにお地蔵さまを置きました。

一方、人と接するのが苦手でいつも一人でいる深志博士は、山奥の小屋で、細胞を活かし続ける菌を作り出すという不老不死の研究を行っていたのですが、ある日、研究所を手伝うようになったサキさんから、孤独な自分の生き方について、先生を尊敬する、先生は何か大きなものに支えられている、先生はそのままでいいと思うと言われて初めて自分が正当に評価されたように感じたらしく、呼六さんを好きなサキさんのことを好きになっていきました。

呼六さんとサキさんが深志博士の感情に気付かないでいたある日、呼六さんは細菌に感染して吐血しました。深志博士は、山部呼六がいなくなればサキさんは自分を好きになるのではないかと考えていました。しかし、呼六さんが死亡すると、サキさんは自殺をしようとしました。サキさんの自殺未遂にショックを受けた深志博士は、山部呼六を蘇らせようと、自身の不老不死の研究の成果を山部呼六の死体で試すことにしました。

そうして、山部呼六の死体は注入された細菌と雷の電流によって復活し、深志博士が連れて来たサキさんと会って菌を撒き散らし始めた山部呼六は、自身の菌でサキさんを殺してしまったのでした。

深志博士の感情は、深志博士のノートに書き残されていたものです。深志研がラジオで話している間、稲庭聖哉(柳楽優弥さん)は一人で山奥の小屋へ向かい、山部呼六と津軽さんの先祖のサキさんの写真の挟まっていた深志博士のノートと、深志研を生み出した当時の古い赤いキノコの菌の入ったガラスのシャーレを発見しました。

僕は人間の「恋」から生まれたのです、だから僕も人間に「恋」をすることができたのだと思います、と深志研が告白をし終えると、ラジオ局のスタッフは深志研の話を否定するよう天草純平(新井浩文さん)に指示を出したのですが、ラジオパーソナリティーの十勝みのる(山内圭哉さん)は続けるようにと言い、天草さんは、よく本当のことを話してくれました、と深志研に言いました。深志研は、怪物だから人間の良さが分かった、天草さんを信じて良かった、とお礼を言い、十勝さんたちにもありがとうございましたと感謝してラジオ局を後にしました。

夜、菌を持ち帰った稲庭先輩と病院の前で合流した深志研は、津軽継実(二階堂ふみさん)の病室へ向かいました。稲庭先輩は、深志博士の作り出した菌は無害で、研さんが時々出していた赤いキノコに似ていると説明し、その時の感情でなら人に触れても大丈夫だろうと話しました。深志研がピンク色の菌を撒き散らしながら恐る恐る昏睡状態の津軽さんの手を握ると、津軽さんはゆっくりと目を覚ましました。

脚本は大森寿美男さん、演出は狩山俊輔さんでした。

今回もまた、「恋」という言葉が多く使われていたような気がします。

「恋」とは、それほど勧められるべきものなのでしょうか。誰かへの複雑な感情を「恋」という言葉で括った瞬間にそれは「恋」でしかなくなってしまうという風にも思えますし、また、「恋」と呼びさえすれば全てが許される、あるいは無罪になるという感じが、私にはあまり良いことであるようには思えないのですが、このドラマのタイトルにも「恋」が入っているので、「恋」が多くなるのは仕方のないことなのかもしれません。

それでも、第9話も良かったです。

「フランケンシュタインの恋」は、人に接するのが苦手で一人で不老不死の研究を続けていた「深志研太郎博士の恋」でもあったのだなと思いました。

深志研によって昏睡状態から目を覚ましていた津軽さんの脳の血管の病気は、治ったということなのでしょうか。予告によると、次回には稲庭工務店に保健所の人々がやって来るようでした。深志研がどのような選択をするのか、最終回の物語も楽しみにしたいと思います。

「小さな巨人」最終回

TBSの「日曜劇場」のドラマ「小さな巨人」の最終話(第10話)を見ました。

第二章の解決編となる最終話は、同僚の藤倉良一(駿河太郎さん)の入手した元捜査二課の江口和夫刑事(ユースケ・サンタマリアさん)の殺された夜の富永専務(梅沢富美男さん)の通話記録と新聞記者の佐川勇人(好井まさおさん)を使って、刑事の山田春彦(岡田将生さん)と共に留置所を出してもらうことに成功した豊洲警察署の課長代理の香坂真一郎(長谷川博己さん)が、捜査一課の刑事だった17年前の父親の敦史(木場勝己さん)が出そうとして出さなかった「辞職願」に書かれていた「山田さんとの絆」の真相を探るため、事件の警察の警察として真実を知りたいだけだと言う、江口刑事が殺される前日に捜査一課長の小野田義信(香川照之さん)が江口刑事に学校法人・早明学園の裏帳簿の捜査を行おうとするのを止める現場を目撃していた警視庁警務部監察官の柳沢肇(手塚とおるさん)から与えられた、江口刑事殺しの被疑者として拘束されている早明学園の元経理課長の横沢裕一(井上芳雄さん)が送検されるまでの36時間の内に、江口刑事殺しの真犯人を示す証拠となる早明学園のペンのキャップの行方と、国民に対する正義よりも組織の無事を優先した17年前の富永捜査一課長に処分するよう命じられていたはずの裏帳簿の破り取られたページの提出を、現職の捜査一課長として警察組織を守ろうとする小野田捜査一課長に刑事の勘と覚悟を持って強く求めていく、という話でした。

脚本は丑尾健太郎さんと成瀬活雄さん、脚本協力は八津弘幸さんでした。演出は田中健太さん、渡瀬暁彦さん、池田克彦さんでした。

17年前、早明学園の理事長の金崎玲子(和田アキ子さん)は、山田さんの父親の、当時は刑事局長だった山田勲官房副長官(高橋英樹さん)に大金を送り、その見返りとして長年申請が通らなかった学校建設の認可を得たのですが、賄賂のことが世間に知られそうになると、山田勲はその責任を運転手の松山さんに押し付けました。トカゲの尻尾切りにあった松山さんは、入手した裏帳簿を旧姓・山田の金崎理事長に見せて公表すると脅し、裏帳簿を強引に奪い取ろうとして顔を切った金崎理事長に突き飛ばされて転落死したのですが、松山さんは落ちる時、金崎理事長の血の付いた裏帳簿の1ページを掴んで破り取っていました。

金崎理事長は、山田勲さんから松山さんの死を事故死として処理するよう命じられた香坂さんの父親に相談し、自首を決意したのですが、富永さんに説得されて丸め込まれて断念し、辞職をする覚悟でいた香坂さんの父親も所轄の刑事として富永さんに見張られながら、息子のために刑事の仕事を続けていたようでした。香坂さんの父親は、いつの間にか名前が使われていただけで、お金を受け取ってはいなかったようなのですが、証拠を隠滅することにした富永捜査一課長に逆らうことができなかった小野田さんに内部告発をされ、所轄に左遷されたのでした。

山田さんは、辞職覚悟で小野田さんのところへ一人で向かう香坂さんを、あなたは組織という怪物に立ち向かう小さな巨人です、と見送っていました。真犯人の金崎理事長を捕まえるための証拠である17年前の裏帳簿の切れ端を出してもらうため、隠滅するよう指示された証拠を重い気持ちで17年間隠し持っていた小野田さんに、あなたの正義を見せてくださいと訴える香坂さんと、捜査一課長としてとしてその必死の熱意に応える小野田さんの圧力のある場面が良かったです。小野田さんと香坂さんは、「殺人犯は逮捕されなければならない!」という思いで一致していました。

横沢さんは無事に釈放され、妻の亜美(中村アンさん)と再会しました。逮捕された金崎理事長は、江口刑事殺しは認めたものの、17年前の殺人については否定したということでした。山田官房副長官は体調不良を理由に辞任し、富永専務も罪に問われることはなかったようでした。早明学園がその後どうなったのかは不明です。

藤倉さんは捜査一課第1係の係長に戻り、渡部さんは自らの希望で芝警察署の刑事に戻り、小野田捜査一課長は、豊洲警察署の新しい署長となっていました。香坂さんと山田さんも捜査一課に復帰したのですが、香坂さんは金崎理事長の血の付いた裏帳簿の切れ端をお守りのようにスーツのポケットに入れて持っていました。

警察官を守る法律はないから警察官は自分の身を自分で守らなければならないということが言われたところで終わっていたのですが、柳澤監察官が本当の怪物は香坂さんなのかもしれないと指摘した最終回は、20分拡大版の物語の中に2話分が入っているのではないかと思えるほど詰め込まれた展開になっていたためか、説明的な台詞も多く、私にはいまいちすっきりとしない終わり方でもあったように思います。

「怪物」のような組織に立ち向かう「小さな巨人」である香坂さんにも「怪物」の要素が盛り込まれてしまうと、せっかくのその正義が、組織人らしい保身のためのものに成り下がってしまうように思えるのですが、そのくらいでないと立ち向かうことができないということなのかもしれないなとも思います。小野田さんに代わる新しい捜査一課長が誰なのかは描かれていませんでしたが、香坂さんがいつか捜査一課長になることがあるとしても、一般の国民にとって良い捜査一課長になるといいなと思いました。

刑事ドラマとして見るには、少しざっくりとしているように思えてしまうところもあったのですが、警察組織と警察官個人の葛藤や闘いを描くドラマとして、偶然だろうとは思いますが現実の安倍内閣の政治家たちと学校法人・加計学園の加計孝太郎理事長との癒着・利益供与疑惑問題と何となく重なる部分もあり(韓国の逮捕された朴槿恵元大統領の疑惑の頃にも取材をもとにした再現ドラマのようなドラマが放送されていたと聞いたことがありますが、今の日本の場合はさすがにそうはならないようです)、いろいろ見応えのあるドラマになっていたように思います。

「おんな城主 直虎」第24回

NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第24回を見ました。

第24回は、龍雲丸(柳楽優弥さん)に柄ではないからと井伊家への仕官の誘いを断わられてしまった井伊直虎(柴咲コウさん)が、三国同盟を破った武田家への報復処置として今川氏真(尾上松也さん)が「塩止め(荷留)」を行う中で商人の瀬戸方久(ムロツヨシさん)が儲けていた頃、氏真の命を受けた小野但馬守政次(高橋一生さん)の指示で今川家の重臣の井原家へ新野家の三女の桜(真凜さん)を嫁がせることになり、長女のあやめ(光浦靖子さん)が妹の夫に相応しい人物かどうか心配しているのを受けて、南渓和尚(小林薫さん)と共に駿府の庵原助右衛門(山田裕貴さん)を訪ねてみる、という話でした。

作(脚本)は森下佳子さん、演出は深川貴志さんでした。

時代は永禄十年(1567年)になっていました。岡崎では、松平家康(阿部サダヲさん)が織田信長(市川海老蔵さん)と面会し、竹千代との縁談の話を引き受けざるを得なくなっていたのですが、市川海老蔵さんの演じる低い声の信長が西洋画の信長に似ているようでもあり、少し怖い感じの迫力も面白く思えました。

庵原さんから井伊の女城主の直虎が駿府で評判になっているということを訊かされた直虎が阿呆の女が治めている国と思われていたほうが動きやすいのにと言うのを訊いて、帰り道を一緒に歩いていた南渓和尚が、おとわはもういないのじゃな、と寂しそうにつぶやいていました。一方で、高齢の乳母のたけ(梅沢昌代さん)も、井伊家を去って行きました。直虎は井伊にいてほしいと止めたのですが、その様子にまたとわ姫に会えたようだと感激していたたけは井伊家のために里に帰る決意を変えることはありませんでした。

最後の、井伊家の廊下を歩くたけを目撃して、たけが死んだようだと直虎に告げた家臣と共にたけの“幽霊”を見た直虎が、たけにそっくりのたけの姪のうめだと知って喜ぶ場面が、とても面白かったです。たけは井伊家を去ったのですが、若返ったたけが姪のうめとして井伊家に来たのでした。

その後、直虎は、政次と相談して新野家の次女の桔梗を北条に嫁がせる計画を立て、政次は北条氏康の家臣の狩野家への嫁入りを決めていました。

家康は、嫡男の竹千代の妻として信長の娘の徳姫を迎え、惣持寺で暮らしていた妻の瀬名(のちの築山殿、菜々緒さん)も呼び寄せて共に岡崎城で暮らすことになったようでした。

この大河ドラマ「おんな城主 直虎」とは直接には関係のないことなのですが、BSプレミアムで再放送されている大河ドラマ「風林火山」(脚本は大森寿美男さんです。私は第11回まで見ました)の時代と重なっているところがあるので、そのようなところも何となく面白く思えています。今回の「直虎」の新野桜さんの嫁入りするという庵原助右衛門さんの家は、太原雪斎を輩出した家というようなことが言われていたので、「風林火山」の主人公の山本勘助(内野聖陽さん)の大叔父の、今川義元(谷原章介さん)の軍師の雪斎(伊武雅刀さん)の兄の庵原忠胤(石橋蓮司さん)の庵原家と同じなのかもしれないなと思いました。

次回には井伊の領内で採れた材木を売る話になるようでした。次回の物語も楽しみにしていようと思います。
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