「監獄のお姫さま」第1話

TBSの新火曜ドラマ「監獄のお姫さま」の第1話を見ました。初回は20分拡大版で放送されていました。

夜10時からのこのドラマの最初のほうが、夜9時からのフジテレビのドラマ「明日の約束」の第1話の最後と重なっていたため、私は録画をしておいたものを後で見ました。

主な登場人物は、女子刑務所に服役した過去のある馬場カヨ(小泉今日子さん)と大門洋子(坂井真紀さん)、足立明美(森下愛子さん)、勝田千夏(菅野美穂さん)、元刑務官の若井ふたば(満島ひかりさん)、創業者からの家族経営が続いていた大手乳製品会社「EDOミルク」の若き社長で副社長から叩き上げの「イケメン社長」として有名人でもある板橋吾郎(伊勢谷友介さん)、「EDOミルク(旧江戸川乳業)」の元社長令嬢で、副社長だった板橋社長の恋人殺しの冤罪で服役中の江戸川しのぶ(夏帆さん)、板橋社長の妻の晴海(乙葉さん)、板橋社長の5歳の息子の勇介(前田虎徹さん)、馬場カヨさんの高校生の息子の公太郎(神尾楓珠さん)、検事の長谷川信彦(塚本高史さん)でした。

脚本は宮藤官九郎さんで、演出は金子文紀さんでした。主題歌は、安室奈美恵さんの「Showtime」という曲でした。

爆笑問題の「サンデージャポン」の場面から始まっていたのが何だか不思議な感じもして面白かったのですが、その“生放送”のスタジオに、ゲストとして板橋社長と経済アナリストの勝田さんが来ていました。

第1話は、刑務所で知り合った5人が、板橋社長に復讐するため、まず母親と美容院に来ていた息子をヒーローの振りをして誘拐し、その息子を利用して、2017年のクリスマスイブに板橋社長本人を誘拐し、殺人事件直後に公開された爆笑する動画から「爆笑ヨーグルト姫」と呼ばれている服役中のしのぶさんが冤罪であることを世間に公表するまでの話でした。5人は、本当の殺人犯は板橋社長だと考えていました。

私には、賑やかなドラマだなという印象の第1話でした。物語そのものが面白いかどうかということは、私にはよく分からないようにも思えたのですが、主演の小泉今日子さんなどの、演じている俳優さんを楽しむためのドラマなのかなという感じもしました。

途中、少し眠いような気持ちにもなってしまったのですが、誘拐事件の司令官の、満島ひかりさんの演じる黒ずくめの服装の刑務官が、地下駐車場で板橋社長を守る振りをしながら警棒で板橋社長を殴り倒し、「拘束」を元服役囚の馬場さんたちに命じて一列に並ばせていた場面から、少し面白く思えるようになってきました。

予告によると、次回の第2話では、数年前に遡って馬場さんたちが服役していた過去を描くようでした。現代と過去を行ったり来たりするような構成になっているのかもしれません。次回からが本格的な物語になるということなのかなと思います。


ところで、今は自民党の安倍首相の「大義なき解散」による衆議院議員選挙期間中ですが、報道によると、在日米軍は、先日の11日に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eが東村高江の牧草地に不時着(墜落したという説もあります)して炎上した事故を受けて一時的に停止していた同型機の飛行を、今日再開したのだそうです。小野寺五典防衛大臣は、同型機の運用の「無期限停止」を米軍側に要請していたようでしたが、結局無視されたのでしょうか。あるいは、「無期限停止」は「無期懲役」と同じく、期限を決めないものなので、日本政府は初めから早期の運転再開を知っていて形だけの要請をしていたのでしょうか。いずれにしても、日米地協定を見直さない日本政府が「強化」している「日米同盟」というものは、やはり対等なものではないのだと思います。琉球新報の記事によると、高江の牧草地で炎上した米軍のヘリコプターから飛散したという放射性物質・ストロンチウム90(半減期は約30年だそうです)について、米軍は「全ての放射性材料を適切に安全に取り除くことができた。事故現場ではすでに全ての放射性の危険は取り除かれた」と回答しているということなのですが、本当に除染されたのでしょうか。

昨夜には、航空自衛隊浜松基地所属の救難ヘリコプターが、浜松市沖で訓練中に墜落したという報道もありましたが、行方不明という4人の乗員の方たちには無事に助かってほしいと思います。

「パナマ文書」(租税回避行為に関する機密文書です。日本では報道されなくなっていますが、解決したのでしょうか)についても追っていたカルアナガリチアさんという有能なジャーナリストの女性が車に仕掛けられた爆弾で暗殺されたという報道にも驚いたのですが、アフリカのソマリアの首都モガディシオで14日に起きた大型トラックが爆発するというテロ事件の死者が300人以上になり負傷者が400人以上になっているという報道も、怖く思いました。一体何なのだろうと、憂鬱な気持ちになります。

あと、これは本当のことなのかどうかまだ分かりませんが、文部科学省の大学設置審議会は衆議院議員選挙の投開票日となる22日の翌日の23日にも、(妻の昭恵さんが名誉校長に就任していた学校法人・森友学園の、大阪地検が逮捕してからまだ何の罪も確定していない民間人の籠池前理事長夫妻のことを「詐欺師」だと、TBSの「NEWS23」やテレビ朝日の「報道ステーション」に出演した際に繰り返し述べていた)安倍首相の親友の加計孝太郎さんが理事長を務める学校法人・加計学園の経営する、愛媛県今治市に建設中の岡山理科大学に獣医学部の設置を認可する予定だということを、インターネットの報道で知りました。もしもこの話が本当なら、ということですが、国会議員による税金の不正使用や政治の私物化が疑われている事件なのに、文部科学省の方たちは、あるいは自民党(や公明党や日本のこころ)を支持している国民の方たちは、本当にそれで良いと思っているということなのかなと、奇妙に思います。

「明日の約束」第一話

フジテレビの新ドラマ「明日の約束」の第一話を見ました。初回は15分拡大版で放送されていました。

鎌倉を舞台にしたドラマで、主人公は、生徒の心のケアに尽力するスクールカウンセラーの藍沢日向(井上真央さん)でした。

バスケット部に所属する1年B組の吉岡圭吾(遠藤健慎さん)が不登校になっていることを心配した椿が丘高校のスクールカウンセラー日向さんは、担任の霧島直樹(及川光博さん)と二人で圭吾さんの家庭訪問を行い、専業主婦の母親の真紀子(仲間由紀恵さん)の顔色を窺いながら母親の意向に従って笑顔で居続ける圭吾さんの言動に、圭吾さんが無理をしているのではないかという不自然さを感じていました。

一方、日向さんは、北見雄二郎(白洲迅さん)のクラスの生徒でバスケ部のマネージャーの増田希美香(山口まゆさん)の様子にも気を配っていたのですが、ある日、増田さんは近所のスーパーマーケットでケーキを盗んでお店を出たところを、店員の白井香澄(佐久間由衣さん)に見つかり、万引きの現行犯として補導されました。

日向さんに事情を訊かれた増田さんは、その日が娘の誕生日であることも忘れて男性と遊び歩いている母親(青山倫子さん)を困らせるために、ケーキを万引きしたということを打ち明けました。増田さんは、本当は母親と離婚をして家を出て行った父親と暮らしたかったようなのですが、出て行く父親から、もうお父さんじゃないから、と言われ、それ以来一度も会っていないということでした。話を聞いた日向さんは、増田さんに、子供のほうから母親を捨てるという選択肢もあると話しました。

日向さん自身も、同居する母親の尚子(手塚理美さん)と関係に悩みながら育ってきた人でした。日向さんは、交際相手の会社員の本庄和彦(工藤阿須加さん)に、母親に紹介してほしいという本庄さんの頼みをやんわりと断っていました。

増田さんの家庭訪問をしようと考えていた日向さんは、学校を出ようとした時、かかって来た電話に出ました。電話の向こうにいたのは増田さんで、増田さんは母親を殺してしまったと動揺していました。緊急搬送された母親は、大怪我をしてはいたのですが、命に別状はないということでした。増田さんは、男性に振られたと荒れながら帰宅した母親から、どうして私が幸せになる邪魔ばかりするのかと怒られて母親とケンカになり、父親と暮らすからどこにいるか教えてほしいと頼んだ直後、家を出て行った父親はあなたの本当の父親ではない、DNA鑑定をされた、13年間育てた娘を捨てるとは冷たい男だと言われ、パニックになって母親を食器棚に突き飛ばしてしまったのでした。

日向さんから母親と離れて暮らすことを勧められた増田さんは、親戚の夫婦と暮らすことを決めたようで、怪我をさせたことを病室の母親に謝った後、そのことを告げて別れていました。

それから学校には、圭吾さんの母親から、息子がいなくなったから探してほしいという電話がかかってきました。母親は、自分に無断で外に出かけるはずはないと慌てていました。椿が丘高校の教職員たちは、仕方がないという風に、圭吾さんの捜索を始めました。その中で、日向さんは、圭吾さんの幼馴染というスーパーマーケットの店員の香澄さんに会いに行き、圭吾さんのことを尋ねました。

2時間ほど間に圭吾が来た、通っていた幼稚園や小学校の辺りを散歩しているようだったと日向さんに教えた、圭吾さんよりも少し年上の香澄さんは、2年前に椿が丘高校を退学した人でした。日向さんがスクールカウンセラーだと知って、スクールカウンセラーが代わったのかと理解した香澄さんは、最悪の学校だと、椿が丘高校のことを吐き捨てるように日向さんに言っていました。

香澄さんと別れた日向さんが急いで向かった先は、椿が丘高校の教室でした。圭吾さんは、自分の席だった教室の窓際の一番後ろの席に座っていて、日向さんが教室の電気を点けると、少し嬉しそうにしていました。日向さんは、家庭訪問の時に見た圭吾さんの部屋が母親の好みのパステルカラーの家具で統一されていて、男子高校生の圭吾さんらしさが少しも出ていないように見えたことを気にしていました。日向さんは、黒ずくめの服を着ている圭吾さんに、好きな色は何かと訊きました。色には意味があると言われた圭吾さんが、黒は何かと訊くと、日向さんは、強さや不安や恐怖だと答えました。

圭吾さんに頼まれて、一緒に体育館へ向かった日向さんは、悩みがあるなら話してほしいと圭吾さんに頼んだのですが、バスケットのボールをゴールから外した圭吾さんは、日向さんに、先生のことが好きになったから付き合ってほしいと言い出しました。スクールカウンセラーと生徒だから無理だと日向さんがはっきりと断ると、圭吾さんはそうですよねと少し笑顔で淡々と答えたのですが、そこに連絡を受けた母親が駆け付け、二人の会話はまた中断されました。

日向さんは、お母さんもいていいからもう少し圭吾さんと話をさせてほしいと頼んだのですが、母親は日向さんから息子を引き離すように連れて行きました。体育館から出る時、圭吾さんは日向さんのほうを振り向いて、好きな色は黒です、と伝えました。

その翌朝、圭吾さんの妹の英美里(竹内愛紗さん)が、兄の部屋から異臭がしていることに気付きました。そして、母親の真紀子さんがなかなか開かないドアの隙間から見たのは、黒色に塗りつぶされた部屋と、ドアのすぐ向こうに倒れている圭吾さんの遺体でした。圭吾さんは、母親に隠れて用意していたスプレーで部屋全体を黒く染めた後、ドアノブにかけた黒い縄で首を吊って自殺したようでした。

吉岡家には救急車が向かい、日向さんが登校すると、連絡を受けた校長の轟木博雄(羽場裕一さん)が電話で話を聞いているところでした。教師たちがその様子を黙って見守っていました。

その頃、圭吾さんをいじめていた首謀者であるバスケ部の先輩は、僕は先輩のせいで死にます、という内容の圭吾さんからのメールを受け取っていました。1年B組の教室では、圭吾さんの家庭訪問が行われた直後から、いじめなどについてのアンケートを行い、「目安箱」を設置していたのですが、一人の女子生徒が、吉岡君はいじめられています、と書いた紙を箱に投じていました。

脚本は古家和尚さん、演出は土方政人さんでした。音楽は眞鍋昭大さんで、エンディングに流れていた主題歌は東方神起の「Reboot」という曲でした。

学園ドラマであり、子供を支配する母親と、母親の呪縛に悩む子供との歪んだ関係を描く物語でもあるようでした。

圭吾さんは日向さんに、明日が来るのが怖い、と話していたのですが、ドラマのタイトルになっている「明日の約束」は、8歳の日向さんが母親に渡されたキャンパスノートに書かれていた、母親との「約束」でした。今日も悪い子でしたね、明日はいい子になりましょう、と始まるノートには、「ママをイライラさせない」などの母親との3つの約束事が一方的に書かれていて、ママは日向のことが大好きです、と結ばれていました。

「約束」というよりは、「命令」のような内容のノートだったように思うのですが、ともかく8歳の日向さんは、自分の意向に沿わせようとする母親の支配を受けながら、それでも母親に表立って反発することもなく、二人で暮らしてきたようでした。

圭吾さんが日向さんと同じように心の中で母親を嫌っていたかどうかは分からないのですが、好きな色は黒ですと言い残していた圭吾さんが黒く染めた部屋の中で首を吊っていた場面を見て、少し泣きそうな気持になりました。上手く伝えることができないのですが、(親との関係性などはともかくとしても)何となく、圭吾さんは私だったかもしれないなと思いました。あるいは、遠藤健慎さんの演じる健吾さんのどこか寂しそうな感じが、良かったのだと思います。

高校を中退した香澄さんは通っていた高校のことを最悪だと言っていましたが、「最悪」な学校は実際にもたくさんあるのかもしれません。一昨日に報道されていた、福井県の池田市の中学2年生の男子生徒が自殺をした事件では、その中学校の担任の男性教師と副担任の女性教師が、自殺をした男子生徒を恫喝するなどしていじめていたそうです。

どうして恫喝をする教師は問題にされないのでしょうか。強要罪や脅迫罪で逮捕されたりしないのでしょうか。先日には福岡県の教師が暴力生徒を私人逮捕(常人逮捕)したというニュースがありましたが、校長先生や教育委員会の人たちが暴力教師をすぐに注意しない場合、例えば、その福岡の事件とは反対に、生徒が教師を私人逮捕するというようなことはできるのでしょうか。

生徒間のいじめも当然悪いことですが、治外法権のような学校内で権力を持つ教師が生徒をいじめるなど、本当に酷いことだと思います。先日に動画が報道されていた、教師に暴力を振るう生徒も悪いですが、生徒に暴力を振るったり暴言を吐いたりする教師は、もっと悪いと思います。教師失格、というか、学校の先生になるには相応しくない人格の人が大学で教員免許を取ってその学校の採用試験に合格しただけ、という先生でも、生徒にとっては先生なのですし、そのような先生には本当に辞めてほしいと思います。

中野区の中学校の葬式ごっこ事件や神戸市の高校の校門圧死事件のことを思い出すのですが、そのような事件はこれからも時々メディアで報道されたほうがいいくらいの、忘れてはいけない怖い事件だと思います。

昨夜のドラマでは、生徒の問題行動や自殺の背景には学校でのいじめの他に家庭環境や親との関係性に問題があったということが描かれていたように思いますが、それでもとにかく、自ら死ぬことを選んで亡くなった生徒は、家にも学校にも安心できる居場所がなくて、苦しかったのではないかと思います。世界中のどこにも自分の居場所がないように思えていたのではないかと思います。

高校生の圭吾さんの謎の死の真相はまだ不明なので、他に理由があるのかもしれませんし、分からないのですが、何となく、そのように思いました。

日本テレビのドラマ「先に生まれただけの僕」は学校経営と「人づくり」教育のビジネスドラマのようでしたが(第1話を見た印象です)、このフジテレビのドラマ「明日の約束」は、母と子の歪んだ関係を描くドラマとしてはあまり新鮮さはないかもしれませんが、学校や職場でのいじめやパワハラ(パワーハラスメント、権力を持つ者によるその優位性を利用した嫌がらせ)の被害者の自殺事件が度々報道されている今、そのような問題を正面から描いているという点でも、良いように思いました。

学園ものなので、登場人物はまた多いのかもしれません。「ヒューマンミステリー」のオリジナル作品ということで、どのようなドラマになるのかはまだ分かりませんが、静かな雰囲気も良かったように思いますし、次回の物語も見てみようと思います。

「アシガール」第4回

NHKの土曜時代ドラマ「アシガール」の第4回を見ました。

一目惚れをした戦国大名・羽木家の嫡男の羽木九八郎忠清(健太郎さん)を守るため、農村の少年・唯之助として大山氏との戦に参加し、遺体の散乱する戦場で気を失った平成生まれの高校生の速川唯(黒島結菜さん)は、夜になって目を覚まし、戦に勝ったこと、若君が無事だったことを知って、配られたおにぎりを食べながらほっとしていました。それから少しして、戦の怖さを知った唯が、若君を守ることはできないと外で一人で落ち込んでいると、派手な服装の遊女に声をかけられました。

驚いた唯は秘剣・でんでん丸の電気ショックで遊女を気絶させようとしたのですが、失敗して反対に突き飛ばされてしまいました。遊女と思っていた人は、芝居一座の女形のあやめ(森優作さん)でした。唯さんは、あやめさんから、豪士・鐘ヶ江の娘が若君の閨(寝屋)のお相手に差し出されるそうだと聞いて、嫌だと動揺し、あやめさんに事情を打ち明けました。

若君に会うために女の身で足軽になって戦に出たことを知ったあやめさんは、身の程を知らないと呆れていたのですが、身の程を知らないと言われた唯さんは、本当にその人を思ったら身の程とか男とか女とか関係ない、他の女が容易く若君に近づくのは嫌だと反発しました。

唯さんの熱意を理解したあやめさんは、姫に代わってあんたが寝屋に行けばいいと、唯之助を女装させて、若君の休む館へ忍び込みました。あやめさんと一緒に豪士の姫のふき(中村静香さん)を案内することになった唯さんは、お淑やかな姫を気絶させるかどうか迷っていたのですが、ふきが高価な着物目当てで?若君に近付こうとしているのを聞くと、すぐにでんでん丸を使って気絶させました。

二人で気を失ったふきさんを別の部屋に隠した唯さんは、若君の側近の天野小平太(金田哲さん)に呼ばれて、若君の部屋の前へ案内されました。

若君は、人払いをして一人で過ごしているということでした。声がかかるまで待つようにと言われた唯さんは、部屋の前で待っていたのですが、あまりに声がかからないので、正座をしながら少しずつ若君のほうへ移動することにしました。外ではみんなが戦に勝ったと喜んでいますと自分から若君に話しかけてみた唯さんが、庭のほうを向いたままの動かない若君の背中に、悲しそうと呟くと、若君が振り返りました。

唯さんは、戦で死んだ領民を思う若君の話を聞いて、戦で死んだ人たちを見たから知っています、戦は怖くて怖くて、戦で死んだ人たちは敵とか味方とか関係なくみんなかわいそうでした、人はあんな風に殺し合ってはいかんのですと返しました。驚いた若君から名前を聞かれた唯さんは、姫の名前を思い出しながら「ふく」と答え、近う寄れと呼び寄せる若君の言葉に喜んで、近くに座りました。

唯さんを間近で見た若君は、どこかで会ったことがある人のような気はしたようでした。お酒を不味そうに飲んだ唯さんの顔を見て笑った若君から、戦は嫌いかと訊かれた「ふく」の唯さんは、まともな人ならみんな戦は嫌いです、生まれ育った土地で懸命に働いて楽しく暮らしたいのですと答えたのですが、それを聞いた若君は、そのためには戦をしなくてはならないと言いました。戦をするのは自分のさだめだと言う若君に、唯さんは、嫌です、と言い返したのですが、続きを言い淀んでしまいました。

縁側に寝転んだ若君と唯さんが、庭に吹いてきた夜風を良い風だと二人で当たる場面が良かったです。若君の横顔を見て、この人を戦で死なせるわけにはいかないと考えていた唯さんは、奥の部屋に布団が敷かれているのを見て激しく動揺し、少し怖くなっていたのですが、若君は何もしないと笑い、それから急に、詩を吟じようと言い出し、穏やかで大らかで安らぐ歌がいいと言われた唯さんは、少し考えて、「おお牧場はみどり」を歌い出しました。笑った若君は、笑ったら眠くなったと言い、腹が決まったら参れ、と先に寝所へ入り、戸惑う唯さんは、そのまま一人で部屋を出ようとして、ふと若君を見ると、若君は眠っていました。

からかわれたのかと気が抜けた唯さんでしたが、今度会えるのは戦の時だと覚悟を決めると、眠っている若君に、若君さま、私必ず守りますから、と伝えて部屋を出ました。「ふく」が出ていった後、目を開けた若君は、面白いと呟いていました。翌朝、唯之助に戻った唯さんは、足軽の一人として、出立する馬上の若君を見送っていました。

黒羽城では、忠清を育てた天野信茂が羽木忠高(石黒賢さん)に忠清の成長を喜んでいたのですが、忠高は、忠清の異母兄の羽木成之(松下優也さん)の心の弱さを心配していたようでした。

黒羽場内で鎧を返却する列に並んでいた唯さんは、風邪を引いた天野信茂に遭遇し、若君の兄に薬をもらってはどうかと、草花に詳しい兄に会ったことがあることを話したのですが、それは若君に近づくための「コネ」にはなりませんでした。

吉乃(ともさかりえさん)たちの待つ農村に戻った唯さんは、水汲みをしたり、畑を耕したり、悪丸(MAXさん)の捕獲してきた鴨を食べるために羽を毟る覚悟をしたりしていて、村人たちからも働き者だと誉められていました。

その頃、本当の領主の娘のふきさんと会った若君と小平太さんは、「ふく」を思い出し、あの娘は何者だったのかと考えていました。

その夜、成之は、あなたが父を裏切って弟を殺し高い城の上に立つ夢を見たと嬉しそうに話す病床の母親の久(田中美里さん)に、正夢になるだろうと応じていました。

朝、唯さんは、再び高山氏との戦が始まることを知らされました。悪丸と一緒にお城へ向かった唯さんは、人手が足りないと天野信茂に呼ばれ、天野に召し抱えられることになりました。

若君のそばに仕える足軽の一人に出世した唯さんが、山道を進みながら、後ろにいる若君を嬉しそうにちらちら振り返り見る様子がかわいらしかったです。しかし、唯さんは、今度の戦が、若君が領民を守るための、羽木軍千と高山軍三千の過酷な戦いになりそうなことを知り、何とかしなければと、未来の現代の世界に一度戻ることにしました。ちょうど満月の夜だったようでした。

脚本は宮村優子さん、演出は中島由貴さんでした。

第4回も、とても面白かったです。

唯さんが平成の現代から戦国時代にタイムスリップしてまだ3分しか経っていないということで、弟の尊(下田翔大さん)は机でプリンやヨーグルトのようなお菓子を食べていました。「出陣じゃ!」と現れた姉の鎧姿を見て「出世してるし」と普通に呟く感じも良かったです。「アシガール」の終わり方はいつも、続きが楽しみに思える終わり方だなと思います。

私はこの時代ドラマの原作の森本梢子さんの漫画『アシガール』を未読なのですが、そのためか、ドラマの脚本や演出や俳優さんたちの演技が単純に楽しく思え、少なくとも今のところの私にはまだ、このドラマについて、良いところしか見当たりません。

唯さんが若君のために「おお牧場はみどり」を朗らかに歌う場面も楽しかったですし、劇中の音楽の使い方が過剰ではないところも良いです。

あと、私は若君の側近の天野小平太さんを演じている金田哲さんがお笑いコンビのはんにゃの金田さんだったということに、今回を見ていてようやく気付きました。

土曜日の夕方の放送ということで、私は録画をして見ているのですが、次回の物語もまた楽しみにしたいと思います。

「今からあなたを脅迫します」第1話

日本テレビの新日曜ドラマ「今からあなたを脅迫します」の第1話を見ました。

TBSの「日曜劇場」の「陸王」の初回2時間スペシャルを見ていたため、このドラマの冒頭から15分ほどを私は見ていないのですが、大量の札束をアパートの部屋の自宅に隠し持っている大学生の金坂澪(武井咲さん)が、「脅迫屋」を名乗る千川完二(ディーン・フジオカさん)とその仲間の盗み担当の目黒(三宅弘城さん)やハッキング担当の栃乙女(島崎遥香さん)と出会い、その正義感の強さを見込んだ千川さんに脅されて、「脅迫屋」の仲間に加わるまでの話でした。横浜を舞台にしたドラマのようでした。

ギャンブルによる3000万円の借金を返すために振り込め詐欺に手を染め、共犯者にした交際相手の奈緒子さんを殺害した佐藤(稲葉友さん)は、振り込め詐欺で奪った600万円を隠したために暴力団・不破組の構成員たちに追われていたのですが、その組長の不破鉄男(小沢仁志さん)は、金坂澪さんからの着信を見て「どうでもいい女ですよ」と答えた千川さんに「どうでもいい女などこの世に一人もいない」(だったように思います)と返していて、意外と良い人でした。

600万円は、ICカードに入れていたということで(「SUICA」のようなカードだったのですが、いくらまでの金額がその中に入るのでしょうか)、結局、千川さんが事務所のごみ箱捨てていた佐藤さんのお財布に残されていました。千川さんが担当のごみ捨てを怠っていたことが功を奏したようでした。

澪さんは、殺人を認めた佐藤さんが千川さんたちに見逃されようとしているのを見て激怒し、佐藤さんの部屋から千川さんたちが見つけた凶器の包丁で佐藤さんを自首するよう脅し、その時の殺人未遂の現場のような写真に脅されて、澪さんは「脅迫屋」の仲間になっていました。

原作は、藤石波矢さんの小説?の『今からあなたを脅迫します』だそうです。私は未読です。脚本は渡部亮平さんと関えり香さん、音楽は林ゆうきさん、演出は中島悟さんでした。主題歌は、ディーン・フジオカさんの「Let it snow!」という曲でした。

何というか、いわゆる「ライトノベル」を映像化したような、日本テレビのドラマらしい作品だなという印象のドラマでした。

借金を返すために振り込め詐欺を行っていたギャンブル依存症の男性が自分の部屋から逃げた交際相手の引っ越し先を探し出して部屋に押し入って包丁で滅多刺しにするという、陰惨な殺人事件が描かれていたにもかかわらず、その殺人事件の場面が異質に思えるほど、全体的には軽妙な作風のドラマでした。

高齢者に優しい、ディーン・フジオカさんの演じる千川さんのアクションシーンも時々ありました。台詞の英語の発音が良かったり、ベトナム料理店でフォーを食べたりというのが、千川さんの個性とディーン・フジオカさんの個性とが混ざっている感じがしました。

それでも、カーテンの外が明るい薄暗い程度の部屋なら暗視カメラを使う必要はないのではないかとか、“お金持ち”の大学生の澪さんのお金の使い方は“お人よし”とは少し違うのではないかとか、少し気になってしまったのですが、ただ、ドラマを見始めた時からドラマを見終えるまで、私が一番気になったのは、画面が常に小刻みに揺れているということでした。ドラマの映像を見ながら、少し車酔いになりそうな時の感覚になりました。

撮影現場のカメラが壊れていたのか、カメラをわざと揺らして撮影していたのか、カメラを持って撮影していた方の手が何かの理由で震えていたのか、画面が揺れていた原因は一視聴者の私には全く分からないのですが、ドラマを制作した方たちや放送局の方たちは、このドラマの画面の揺れが少しも気にならなかったのでしょうか。あるいは、「動画」に慣れている方たちには、画面の揺れはさほど気にならないということなのでしょうか。私としては、他のドラマや映画の場合でもそうなのですが、撮影時のカメラはある程度固定(安定)されていてほしいように思います。

「陸王」第1話

TBSの「日曜劇場」枠の新ドラマ「陸王」の第1話を見ました。初回は2時間スペシャルとして放送されていました。

埼玉県行田市にある創業100年の老舗足袋製造会社「こはぜ屋」の四代目社長の宮沢紘一(役所広司さん)は、業績の低迷に伴う埼玉中央銀行行田支店からの融資打ち切りの雰囲気に悩んでいたある日、融資課の坂本太郎(風間俊介さん)から新規事業への参入を勧められました。スニーカーショップで5本指ソックスのようなデザインの海外メーカーのスニーカーが人気だと知った紘一さんは、足袋製造技術を活かした「マラソン足袋」の製造を思い付き、坂本さんに紹介されたスポーツショップ「アリムラスポーツ」の店長でランニングに詳しい有村融(光石研さん)のアドバイスを受けながら、会社の存続をかけて、従業員たちと共に、「ミッドフット着地」を実現する薄底のランニングシューズの開発プロジェクトを実行し始めました。

紘一さんは、「こはぜ屋」の番頭の富島玄三(志賀廣太郎さん)や就職活動中の長男の大地(山﨑賢人さん)の反対に遭いながらも、シューズ作りを諦めることができませんでした。

有村さんに誘われて、「ダイワ食品」の陸上競技部の選手で元箱根駅伝選手の茂木裕人(竹内涼真さん)のファンだった長男の大地さんと愛知県の豊橋国際マラソンに出掛けた紘一さんは、ケニアの選手やライバルの毛塚直之(佐野岳さん)を抜いて先頭を走っていた茂木さんが40kmを超えた地点で左脚を負傷し、まだ走れると叫んでいるのを担当者(和田正人さん)に止められて棄権させられて帰って行く様子を見て、足の怪我を防ぐランニング足袋の開発に挑戦する決意をしました。そして、従業員たちに残業で製造してもらいながら、自ら履いて近所を走ったり、大学生たちに履き心地の調査を頼んだりして、マラソン足袋の試作品を完成させました。

茂木さんに試してもらおうと、紘一さんはダイワ食品に完成したシューズの試作品を持って行ったのですが、陸上部の監督の城戸明宏(音尾琢真さん)が面倒そうに受け取った「こはぜ屋」の紙袋は、茂木さんのシューズを調整する村野尊彦(市川右團次さん)が見ようとした時、有名シューズメーカー「アトランティス」の社員の佐山淳司(小籔千豊さん)に近くのごみ箱に捨てられてしまいました。

しかし、その後、「こはぜ屋」のマラソン足袋の試作品は、茂木さんの元に届きました。「こはぜ屋」が有名な足袋屋さんだと知っていた清掃員の女性が、茂木さんへと書かれている「こはぜ屋」の紙袋に気付いて取って置いたようでした。

「こはぜ屋」は大学生の体育用のシューズのコンペに参加し、「アトランティス」社に負けてしまったのですが、負けた理由は、知名度の低さと実績の無さにありました。「こはぜ屋」の融資担当者は、坂本さんから、「こはぜ屋」の企業精神に理解のない大橋浩(馬場徹さん)に代わりました。行田支店から群馬県の前橋支店への左遷が決定した坂本さんは、新規事業への参入を頑張ってほしいと、シルクレイという素材の資料を紘一さんに渡して去って行きました。紘一さんは、その特許を持つ開発者の飯山晴之(寺尾聰さん)という職人と会うことになるようでした。

原作は、私は未読なのですが、池井戸潤さんの小説『陸王』です。脚本は八津弘幸さん、音楽は服部隆之さん、演出は福澤克雄さんでした。ナレーションは八木亜希子さんでした。陸上の監修は、青山学院大学陸上部の原晋監督だそうです。

八津さんの脚本と福澤さんの演出と池井戸潤さんの原作による、中小企業の挑戦と再生と銀行の融資課との駆け引きとを描く「日曜劇場」のドラマということで、もはや安定感がすごいです。一つの「型」になっているのだと思います。

今作もまた登場人物が多いように思うのですが、中心にいる人物は実はそれほど多くはないのかもしれませんし、関わっている人が多いというのもまた現実的であるのかもしれません。

「こはぜ屋」の取り組みは紆余曲折しながらも最終的にはきっと成功するのだろうという予定調和的な安心感もあると思います。すごく面白いというのとは少し違うかもしれないのですが、みんなで会社のために取り組んでいることが少しずつ上手くいって喜んでいる登場人物たちの様子をテレビの前で見ていると、単純に、良かったなと思います。

タイトルの「陸王」は、紘一さんが開発しようとしている「こはぜ屋」の紺色のマラソン足袋の名前だったのですが、紘一さんの父親である先代の社長が開発しようとしていた白色のマラソン足袋の名前から取ったもののようでした。

ミッドフット着地という走法は、底の(かかと部分の)厚い靴では難しいということなのですが、その走法が足の怪我を防ぐということがランニング業界では有名な話なのだとすれば、どうしてその走法ができるような靴を普通の靴メーカーでは作らないのだろうかと、ドラマを見ていて少し気になったのですが、ドラマに登場したマラソン足袋(ランニング足袋)は、私もどこかの靴店で似たようなデザインのものを見かけたことがあるので、現実にも存在するランニングシューズなのかもしれません。おしゃれなのかどうかということは私にはよく分からないのですが、歩きやすそうだなとは思います。『ドラえもん』のドラえもんの足は、数mmほど常に宙に浮いているため、裸足でありながら安全で清潔ということなので、普通の人間にはなかなか無理なことかもしれませんが、最終的にはそれが理想なのかもしれないと思います。

ドラマの冒頭で、「こはぜ屋」の従業員たちは、つま縫いという作業をすることができる100年前のドイツ製の黒いミシンを使って足袋を作っていたのですが、このミシンは今でも足袋屋さんでは使われているものなのでしょうか。部品や針は自作しているということだったのですが、ドイツではこのミシンは使われていないのでしょうか。

このドラマの物語とは直接関係のないことなのですが、例えばテレビ東京の「和風総本家」で、日本で作られた製品が海外に渡って現地の方に大切に使われているのをメーカーの方たちが見て感激しているように、もしもドイツのミシン会社の方が、昔に作ったミシンが日本の老舗足袋屋さんで今でも大切に使われている様子を見たなら、嬉しく思うのではないかなと思いました。
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Author:カンナ
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