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「てっぱん」第5週

NHKの朝の連続テレビ小説「てっぱん」を第5週の第30回まで見ました。連続テレビ小説を見続けることができているのは久しぶりなので、少し嬉しいです。

第3週からドラマの舞台は尾道から大阪へ移ったのですが、大阪編からは脚本の方が寺田敏雄さんから今井雅子さんに交代していて、最初の第13回では、大阪での就職が決まっていた主人公の村上あかり(瀧本美織さん)の就職先の会社が倒産していて、宿にも困っているという展開になっていて、驚きました。尾道の実家で布団などの荷物をまとめていたので、社員寮などに住む予定ですでに送っていたと思うのですが、その話が全く途切れていて、あかりは大阪の町で路頭に迷っていました。そして商店街の音楽イベントで知り合っていたかつお節問屋「浜勝」の社長の浜野一(趙たみ和さん、たみの文字は王偏に民)に失業のことを相談し、雇ってもらうことがすぐに決まりました。

この辺りの展開は、私には少し大雑把な感じに思えてしまいました。また、あかりの母親の村上真知子(安田成美さん)の描かれ方も、第1週や第2週の時とは違い、会社の倒産を知った直後の電話でのあかりの様子を気にしないで話し続けるなど、真知子さんの“明るさ”を強調するあまり性格を変えてしまったのではないかと思えるほどで、あかりに優しかった父親の錠(遠藤憲一さん)も職人らしい頑固さというよりも少しあかりに対して冷たいような気がしてしまい、少し残念に思えていました。

でも、第4週の後半、あかりの親友の篠宮加奈(朝倉あきさん)が大阪の田中荘を訪ねて来た辺りから、また良くなってきました。加奈さんは推薦で大阪の音楽大学への入学が決まっていたものと思っていたのですが、そうではなくて、浪人生になっていたようでした。そして父親からお見合いを勧められたのを拒否するために、加奈さんは尾道から大阪のあかりのもとを訪れたようでした。加奈さんは、あかりの兄の鉄平(森田直幸さん)から預かったらしい千春さんのトランペットを持って来ていて、説得されて尾道に帰ることにした夕方の電車の駅のホームで、千春さんのトランペット吹くのはあかりしかいないとあかりに話していて、これであかりの迷いは少し消えていったようでした。さわやかな場面でした。

初めはバラバラだった田中荘の住人たち、実はチラシのモデルだったけれど今はうどん屋さんでアルバイトをしている西尾冬美(ともさかりえさん)、両親が離婚し、父親(松尾諭さん)と田中荘で暮らしている中岡民男(まえだまえだの前田航基さん)、実業団の駅伝選手の滝沢薫(長田成哉さん)、民男君に遊んでもらっていると話していた人付き合いが苦手な感じの笹井拓朗(神戸浩さん)たちは、次第に、一緒に食卓を囲める家族のようになっていきました。

滝沢さんは有名な選手のようで、コーチの根本孝志(松田悟志さん)にも高く評価されていて、田中荘で滝沢さんに会ったあかりの長兄の欽也(遠藤要さん)は感激していました。出張で大阪に来たという欽也さんが田中荘を訪ねたことで、一気にあかりの事情と初音さんとの関係が田中荘の人たちに知られてしまったのですが、これによって生活しやすくなった感じでもありました。

あと、神戸さんの笹井さんが何だかとても良い雰囲気です。画家をしているらしく、部屋には鮮やかな絵がたくさんあり、第5週では、家出をしてクリーニング屋さんの倉庫のようなところにトロンボーンを持って隠れていた「浜勝」の社長を、拾ってきた子犬や子猫を隠しているように部屋に匿っていて、それから話し相手になっていました。

第5週からはまた寺田敏雄さんの脚本になっていました。尾道の家族の優しい感じも戻っていました。出し巻き卵をめぐる話も良かったです。あかりは初音さんに作り方を教えてもらうのを断られた後、母親に電話をして聞いていたため、初音さんはレシピを書いた紙をあかりに渡せず、その場で自分で折って箱にしていたのですが、それはその後どうなったのでしょうか。

第30回は、田中初音(富司純子さん)とあかりと「浜勝」のかつお節削り職人の神田栄治(赤井英和さん)が協力して、社長の辞職を止めようとして自分が浜勝を辞めると言い出した松下小夜子(川中美幸さん)と社長を仲直りさせる話でした。小夜子さんは社員というだけではなく、浜野社長の“母親”にもなっていたようです。社長も小夜子さんの笑顔が見たくて、『また逢う日まで』の曲を演奏していたようでした。社長によると、昔会社に来たばかりの小夜子さんがよく歌っていたために、笹井さんに言われるまで尾崎紀世彦さんの歌ということを知らず、女性歌手の歌だと思っていたそうです。

最後の、社長が小夜子さんのために作っていたホットプレートでのお好み焼きの場面も面白かったです。大量のかつお節がお好み焼きの生地の上にのせられて、ホットプレートを埋め尽くしていました。それを潰しながら薄く焼いて、ひっくり返して、ソースと青海苔をたくさんかけていました。田中荘の人たちも、なぜか来ていた音楽大学の講師の岩崎潤(柏原収史さん)も、初音さんのお好み焼きの匂いと勘違いしてやってきた長谷川伝(竜雷太さん)も、唖然として見ていたのですが、あかりが取り分けた社長のお好み焼きを食べた小夜子さんはまずいと言いながら、懐かしそうに嬉しそうにしていて、社長もみんなも嬉しそうにしていました。

寝る前にあかりは大家さんと話しかけて、初めて「うちの孫」と言ってくれたと喜んでいて、それを聞いた初音さんは、なぜかあかりからもらった笑い袋を押して、大家さんかおばあちゃんかどっちかにしてと言うと、あかりはおばあちゃんと呼んで、初音さんは少し嬉しそうでした。良かったです。

「てっぱん」は、いろいろな料理の映像もきれいで、おいしそうです。田中荘の開かずの間で、初音さんが昔「ちはる」というお好み焼き屋さんをしていて、きれいな鉄板があることも田中荘の人たちは知ったのですが、初音さんがまだ封印しているのでみんなはホットプレートを使っていて、そこで焼いたお好み焼きを力いっぱいに切り分けるので、ホットプレートは大丈夫なのかなと少し心配になりました。

次週は尾道と大阪とを行ったり来たりするようです。私としては、あまり恋愛の要素が入らずに、このままの雰囲気で続いてくれるといいなと思います。

「SPEC」第4話

TBSの「SPEC~警視庁公安部公安第5課 未詳事件特別対策係事件簿~」の第4話、丁の回を見ました。

冒頭の、野々村さん(竜雷太さん)が神棚に離婚祈願のお守りを祀って拝んでいると、歩いてきた当麻さんが荷物の長い棒で神棚ごと破壊していたのが、少し不謹慎ではあるのですが、勢いがあって何だか面白かったです。あと、壁の“針井歩太”という人の選挙風のポスターは、昨日の金曜ロードショーの「ハリー・ポッター」にちなんだものだったのでしょうか。

一年前に自殺したはずの娘の古戸美智花(三浦由衣さん)からメールが届いたという自殺者遺族ネットワーク会長の古戸久子(奥貫薫さん)の話を聞いて興味を持った当麻紗綾(戸田恵梨香さん)は、美智花さんが所属していた自殺サークルについて調べることにしました。久子さんの話によると、その自殺サークルでは参加者が遺品と自筆の遺書を用意し、一斉に毒入りの飲み物を飲んで自殺を試みるのですが、自殺したい人のうちの誰か一人が必ず助かってしまい、助かった人は参加者の遺体を誰にも見つからないように処理し、遺品を遺族宛に送るという規則があるということでした。

当時の会員とその人の遺品について調べるうちに、遺品に傷が付いていることに気付いた当麻さんは、美智花さんのメールの文面にあった幹事が誰なのかを知るために、直接そのサークルに参加することにしました。久子さんも自分で応募していました。瀬文焚流(加瀬亮さん)も当麻さんに申し込まれていました。

しばらくして招待メールが届き、富士宮市の山奥の別荘に行きました。参加者は、当麻さんと瀬文さんと久子さんと、久子さんを当麻さんたちのところに連れてきた捜査一課弐係課長の近藤昭男(徳井優さん)と、バイクに乗って来たペアルック?の男性二人と、黒いフードをかぶった車椅子の人でした。

儀式が開始されようとした時、久子さんがそれを遮って、椅子から立ち上がってフードの人に詰め寄ると、その人の首が落ちてきて、人形だと分かりました。すると人形の頭の上のパイプから油が撒かれて当麻さんや久子さんにかかり、火がつけられると危ないので、急いで外に出ました。外にはヘルメットをかぶった迷彩服の人がいて、バイクに乗って逃亡するところでした。当麻さんと瀬文さんが山の中を走って追いかけたのですが、バイクは崖の下に転落し、迷彩服の人もその近くに倒れていました。

当麻さんは、警察署にいた久子さんを呼び、バイク事故は、ブレーキ痕があったことから自殺ではないこと、山道にバイクのハンドル部分のサイドブレーキが二つ落ちていたことなどを話をしていました。私もよく分からないのですが、当麻さんによると、大型のバイクは左のハンドルの部分と左足の後ろの部分でブレーキをかけるそうです。そして、あの場所にいた人の中で、バイクについての知識がなかったのは久子さんだけで、ブレーキの切れ方などから、久子さんが念動力を使ったと考えると辻褄が合うと話していました。遺品の傷も、久子さんが警察に殺人事件と思わせるためのものだったようです。久子さんは、遺体が発見されていないこともあって、美智花さんが自殺したという事実を受け入れることができず、美智花さんからのメールも久子さんの自作自演によるものでした。

久子さんは、念動力のことも娘の自殺のことも最初は否定していましたが、バイク事故で亡くなった迷彩服の人が生きて行方不明になっていた美智花さんだったと瀬文さんに言われてパニックになり、念動力で美智花さんの遺体の写真を切り捨て、蛍光灯やテレビなど部屋のものをいろいろポルターガイスト現象のように破壊していました。怒った久子さんによって当麻さんと瀬文さんは殺されそうになっていたのですが、瀬文さんは机の下の電気コードを途中で切って久子さんに当てて、電気ショックでその念動力を封じていました。

突然部屋に入ってきた黒服の人たちに、当麻さんと瀬文さんは気絶させられ、倒れていた久子さんは連れ去られてしまったのですが、これはまたミジンコに餌をあげていた様子の公安部の部長の椎名桔平さんが命じたことのようでした。

地居聖(城田優さん)のアルバイト先の塾で清掃の仕事をしていた志村美鈴(福田沙紀さん)は、意識不明の兄の件だけではなく、落とし物に触れてもその持ち主の映像が見えていました。

丙の回を見て、当麻さんの左腕の怪我は三角巾を外して固定しなくても大丈夫なほどになっていたのかと思ったのですが、今回また三角巾をしていました。それとも、もしかしたら何か、普通の怪我ではないのかもしれません。あと、神木隆之介さんの一十一(にのまえじゅういち)は、手首辺りの怪我で海野医師(安田顕さん)のいる病院に来ていました。

今回はまた何となく面白かったのですが、次回はもう少し話の展開がありそうです。

「FACE MAKER」第4話

日本テレビの「フェイスメーカー」の第4話を見ました。第3話までの主人公は女性でしたが、今回は野村宏伸さんと津田寛治さんという、男性が別人に変わる話で、面白かったです。特に最後の場面が良かったです。今回の脚本は田中眞一さんでした。

闇金融に借金をしていて、ヤクザからの取り立てに苦しむ日々を送っていた大久保優(野村宏伸さん)は、自殺しようとしていたところを霧島瞬(永井大さん)に話しかけられて、「ペルソナクリニック」で別人になる手術を受けることにしました。少し迷った末に壁に掛けられている顔の中から左下の顔を選び、川島直樹(津田寛治さん)になりました。

川島さんは大久保さんから借金を取り立てていたヤクザの組の若頭でした。本当の川島さんは何かの理由で霧島さんに別人に変えてもらったようです。組の人たちは、生きていたのかと喜んで川島さんを迎えていました。

初めは川島さんとしての新しい暮らしを新鮮な気持ちで楽しんでいるようでした。しかし、ヤクザの川島さんになりきることはできず、組の人たちからは、戻ってきてから様子がおかしい、まるで別人のようだと少し疑われるようになりました。

見知らぬ人から命を狙われていた川島さんが、大久保さんの顔が売れたと伝えに来た霧島先生に、どうしてこの顔を選んでしまったのかと後悔していることを話した時、霧島先生は、優柔不断な人間は最後にあるものを選ぶと話していました。最後に良いものがあるのではないかという気になるからだそうです。それから、「運命に逆らえば運命に支配される。運命に適応できれば運命を支配できる」というユダヤ教の言葉を、川島さんに伝えていました。

組長に呼び出された川島さんは、本当に川島なのかと訊かれ、川島ですと答えていました。組長は証拠を見せてもらおう、俺の知っている川島なら撃てるはずだと言って、連れてきた男を撃つように指示したのですが、その人は元の大久保さんの顔をした人でした。敵の組の金融会社から出てきたところを捕まえられたようでした。川島さんは、霧島先生に言われた「運命」の言葉を思い出し、組長が差し出した拳銃を左手で受け取りました。そして、ドラマの冒頭の、大久保さんが大久保さんに銃口を向けていた奇妙な夢の光景を思い出していました。

川島さんは、大久保さんの顔の人に、フェイスメーカーのところに行っただろう、よりによって何でその顔を選んだんだと尋ねていました。するとその男性は、別に何でも良かったんです、決め切れなくて壁に掛かってある顔の一番下のを選んだんです、と答えていて、川島さんは、あんたもかよ、と呆れているというか落胆しているというか、そのような感じでした。そして、その大久保さんの顔の人に、もとは俺の顔だったんだと言うと、その顔の前に銃口を向けていました。

「あんたは俺なんだよ。本当は俺がそうなるはずだった。あんたは俺の身代わりだ。」と言った後、助けてくれと泣きながら怯えている相手を見て、引き金を引こうとしながらも、川島さんは迷っていました。迷った末に、川島さんは銃を構えたままさっと振り向き、後ろにいた組長に銃口を向けて、こいつは大久保じゃない、俺が大久保だと言いました。

誰かに暗殺されそうになっていた時、鏡の中の大久保さんは、顔が変わっても所詮お前は俺なのだと川島さんに言っていたようでした。川島さんはその言葉に納得し、銃口を左のこめかみに当て、組の人たちや大久保さんの顔の人が事態を見守る中、川島さんは目を閉じて引き金を引きました。

「フェイスメーカーのもとへ行った時点で、俺の人生は終わってたんだ」という最後の川島さんの言葉が印象的でした。

どうするのだろうと思いながらドラマを見ていました。津田寛治さんの川島さんは、別人になってからの人生ではなく、顔を変える前の元の自分の人生を「運命」として、その運命を受け入れることにしていました。大久保さんの顔の人を撃たないことに決めて、悲しい結末にはなりましたが、さわやかな終わり方だったようにも思います。

組から逃げた本当の川島さんも、大久保さんの顔に変えた人も、どうなったのかは分かりませんが、自分の不都合な側面に関して、誰かを身代わりにしたり、誰かの身代わりにされたりせずに、救われるといいなと思います。

「てのひらのメモ」

録画しておいた先日のNHKのドラマ「てのひらのメモ」を見ました。

裁判員裁判のドラマということで、あと、未読なのですが有名な夏樹静子さんの小説が原作になっているということもあって、このドラマを見てみたのですが、私としては、何というか、少し情緒的過ぎる脚本と演出の作品のように思えました。

主人公の折原福実(田中好子さん)は、裁判員に選ばれた主婦で、庭で家庭菜園を楽しみながら、その無農薬の野菜を使って作ったお弁当を、夫の孝之(佐野史郎さん)と息子の翔太(高畑翼さん)に毎朝渡している人だったのですが、ある時、友人との電話での会話の中で、翔太がいなければ良かったという主婦としての日常生活の不満を口にしていたのを、帰ってきた翔太さんが偶然聞いてしまい、深く傷ついた翔太さんは母親の作ったお弁当を学校で捨てるという行動で母親に反発するようになり、最初は喘息の子供を放置したまま外出してしまい保護責任者遺棄致死の罪に問われていた被告の種元千晶(板谷由夏さん)を被告を酷い母親としか思っていなかった福実さんは、次第に自分の家族と、種元千晶さん親子とをかさねて考えるようになっていきました。

福実さんが原因の家庭問題が起こらず、最初のように“善良で幸せな主婦”のままだったら、もっとドラマ全体が浅くなっていたのかもしれないと思いました。

翔太さんを傷付けた会話について、福実さんは全く憶えておらず、最終的に父親が、結婚して5年後の大切な子供だということを学校帰りの翔太さんに話したらしく、翔太さんは話を聞いて納得したようで、破壊した菜園を自分で直し、二人は和解していました。

佐野史郎さんの演じていた父親は明るい雰囲気の人だったのですが、もっと深い人物として描かれていたら良かったようにも思えました。

“てのひらのメモ”は、福実さんの癖の一つのようでしたが、そこに書かれた「抹茶アイス」が千晶さんの子供の徹君への愛情と、徹君の母親への愛情の存在を、法廷にいる人たちに印象付ける役割を果たしていました。

判決は、懲役2年6ヶ月でしたが、施行された日から3年を猶予とされていました。千晶さんは有罪となったものの、刑務所での服役は免れたようでした。

福実さんの“心の声”が、最初から最後まで、ドラマ全体に使われていたのですが、無いほうが良いような気がしました。裁判の場面で使われていたバッハの曲も、贖罪や懺悔のイメージとして使用していたのだとは思いますが、過剰な演出のように思いました。

私としては、死別した夫と別の女性との子供を引き取って実の子供として育てることにした被告の種元千晶を演じていた板谷由夏さんが良かったと思います。千晶さんと徹君の事件当日の悲劇は、血の繋がった親子かそうでないかには関係のないものだったと思います。

このドラマは、裁判員裁判のドラマというより、主婦や母親が裁判員になったことによって成長するドラマだったのかもしれません。
プロフィール

Author:カンナ
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