「ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男~」

NHKのBSプレミアムの「ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男~」を見ました。

昨日の夜の11時15分から放送されていた、1時間のドキュメンタリー番組です。三省堂の『三省堂国語辞典』を編纂した見坊豪紀さん(ケンボー先生)と、『新明解国語辞典』を編纂した山田忠雄さん(山田先生)の、それぞれの辞書を生み出した背景を伝える番組でした。

番組のナビゲーターは、薬師丸ひろ子さんでした。大きな『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』が左右に並べられた舞台のような場所で、それぞれの辞書の語釈を紹介したり、ところどころドラマ仕立てで当時の出来事が描かれたり、当時の三省堂の辞書出版部長の小林保民さんの話や、『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』の編纂者の一人の柴田武さんの解説で、見坊先生と山田先生の事情が伝えられたりしていて、分かりやすかったです。見坊先生と山田先生に取材をしたテープが初公開されていたのですが、生前にお二人の取材をしていたのは、評論家の武藤康史さん唯一人なのだそうです。

私は『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』の両方を使っています。小型版です。先に使い始めたのは『三省堂国語辞典』のほうでした。小学校高学年の頃に買ってもらったものだと思います。そのため、見坊先生と山田先生の名前は知っていたのですが、そのお二人がどのような人たちだったのかということや、どのような信念で辞書を作っていたのかということなど、私は全く知りませんでした。

見坊先生と山田先生は、同じ東京帝国大学文学部国文科に在席し、卒業した友人同士だったそうです。見坊先生は、恩師の金田一京介さんの紹介で三省堂に入社し、三省堂の辞書の編纂者となったそうです。2歳年下の友人の山田先生に協力を頼み、入社して4年後の頃、金田一京介編纂の『明解国語辞典』を出版し、大ヒットしたということなのですが、金田一京介先生は全く関わっておらず、「名義貸し」だったそうです。

私の持っている『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』にも、金田一京介さんの名前があるのですが、これも「名義貸し」の状態が受け継がれているものということでしょうか。

その昭和18年頃に出版された最初の『明解国語辞典』には、「主食」という言葉は掲載されていなかったそうなのですが、後に山田先生の提案で載せることになったそうです。今ではどの辞書にも普通に掲載されているように思える言葉でも、編纂者の方たちが言葉を集めて掲載を決めてくれなかったなら、もしかしたら今でも載っていない言葉になっていたのかもしれないですし、何だかすごいことだなと思いました。

見坊先生は、引きやすく、分かりやすく、現代性のある辞書を作ることを目指していたそうです。確かに、私の『三省堂国語辞典』の説明にも、「現代語辞典」と書かれています。『新明解国語辞典』の日本語も、現代日本語が載せられているのですが、『新明解国語辞典』のほうが、どのような言葉を載せるかということについては、保守派だったそうです。

『明解国語辞典』から『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』に分かれた背景には、見坊先生と山田先生の辞書作りに対する考え方の違いがあったようでした。当時の辞書に載せられていた語釈(語句の説明)は、どれも同じようなものが多く、それほど説明になっていないものも多くあったようでした。切り貼りのような、最近のいわゆる「コピー&ペースト」のような状態で各社から辞書が出版されていることを、山田先生は問題視していたようでした。

番組によると、見坊先生は「飄々」とした人で、山田先生は「堅物」な人だったそうです。『三省堂国語辞典』には、「ワードハンティング」という言葉が載っているのですが(『新明解国語辞典』のほうには載せられていませんでした)、見坊先生は「ことば集め」にこだわった人だったようでした。今でも、三省堂には、「辞書にのまれた」人だったという見坊先生が50年間に集めた、その時その時に使われていたたくさんの日本語が様々な用例と共に書かれた、145万例?の言葉のカードが遺されているそうです。同じ言葉でも、解釈の違いによって何枚もカードになっているようでした。

見坊先生には、「辞書はかがみ論」があったそうです。辞書はことばを写す鏡、辞書はことばを正す鑑というものです。まず鏡となって、次に鏡となりうるという意味だそうです。

その時代の現代的な言葉には、言葉としては美しくないと思える言葉もたくさんあり、その結果、辞書そのものが美しくなくなってしまう恐れがあるということを、見坊先生は心配していたそうです。それでも、現代の言葉を載せる必要性はあるということから、人々にはできる限り美しい日本語を使うように心がけてほしいと思っていたようでした。日本語そのものを美しく育ててください、辞書は自然に美しく清潔になります、というその見坊先生の意見を聞いて、本当にそうだなと思いました。

山田先生は、流行語のような現代的な言葉より、伝統的な言葉を載せることを中心にしていたそうなのですが、「ことば集め」よりも語釈にこだわり、如何に言葉によって言葉の意味を説明することができるかということを大切に考えていたそうです。

そうして、山田先生の語釈は、文章的で少し主観的なものになっていったようでした。

見坊先生の言葉の解説は、比較的短くて客観的なものです。番組では、有名な?「恋愛」の語釈の違いが紹介されていました。見坊豪紀先生主幹の『三省堂国語辞典』では、「恋愛」は「男女の間の恋い慕う愛情」と書かれているのですが、山田忠雄先生主幹の『新明解国語辞典』では、「恋愛」は「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態」と書かれています。番組で紹介されていた版には、「特定の異性(または同性)」とも書かれていました。日本語の解説としては、主観的ですが、とても革新的です。

『新明解国語辞典』を作るまで、山田先生は、見坊先生が自分を常に助手として見ているのではないかと気にしていたようでした。番組では、ある時点から、友人だった二人が物別れをしてしまったということが言われていたのですが、その「時点」とは、『新明解国語辞典』の「時点」の項目に、「一月九日の時点では、その事実は判明していなかった」の用例で書かれている時点だったそうです。

用例の中に編纂者の個人的な思いや事実が書かれているということも、私は知らなかったので、何だか面白いなと思いました。

その時点というのは、「昭和四十七年の一月九日」で、山田先生が完成させた最初の『新明解国語辞典』の打ち上げでの時のことだそうです。私の手元の辞書には書かれていないのですが、その最初の版の序文に、「見坊に事故有り」と書かれていたそうです。それを読んだ見坊先生は、怒っていたということでした。

『新明解国語辞典』の初版には、「事故」は「その物事の実施・実現を妨げる都合の悪い事情」と説明されていたそうです。見坊先生は、最初の『明解国語辞典』の改訂と、『三省堂国語辞典』の改訂と、両方任されていたそうなのですが、「ことば集め」に集中していたため、なかなか進まず、関係者は少しイライラしていたそうです。そこで、山田先生が、それなら自分がやろうと、『明解国語辞典』を改訂した、『新明解国語辞典』を完成させたということのようでした。「見坊に事故有り」というのは、見坊先生には都合の悪い事情があったので更迭した、というような意味のことだったようでした。

『新明解国語辞典』では、例えば「動物園」を「捕らえてきた鳥獣・魚虫を飼い殺しにする人間中心の施設」と説明した版もあったそうで、「明解すぎる」と言われ、批判されたこともあったそうなのですが、それについて山田先生は、ものにはプラスの評価とマイナスの評価が相伴うものであり、それが真の意味の具体的存在であるということが私の信条になっている、みんながほめるものは八方美人であって、これは別の意味においてはよくないものである、悪いところがあればいつでも、そこは直せば良いと思っています、と話していたそうです。

辞書は「文明批評」である、と山田先生はよく話していたそうです。ことばの表の意味だけではなく、裏の意味を隠すことなく指摘できれば、ことばを使うものにとって大変な朗報になるのではないか、と考えていたそうです。

平成4年に、見坊先生は77歳で亡くなり、その4年後の平成8年に、山田先生は79歳で亡くなったそうです。

『新明解国語辞典』の「ん」の最後は、「隠れんぼ」や「さくらんぼ」などの「んぼ」で終わっているのですが、『三省堂国語辞典』の最後は「んんん」で終わっています。見坊先生は、これで英語の辞書の「ZZZ」との釣り合が取れたと話していたそうです。

亡くなる少し前、見坊先生は山田先生のことを「許す」と言っていたのだそうです。尊敬する友人という意味の「畏友」という言葉が紹介されていたのですが、見坊先生も、山田先生も、物別れになって以降、顔を合わせることはなかったそうなのですが、お互いを畏友として、敬意を払っていたそうです。『新明解国語辞典』の「あとがき」にも、「旧著における見坊の足跡はきわめて大きい」と、確かに書いてありました。

今回のNHKの番組を見て、改めて二つの辞書を見比べたりしてみて、辞書は面白い読み物なのだなということも、改めて思いました。例えば小学校の国語の授業では、辞書を早く引く訓練なども行われていたように思うのですが、私は、辞書を引くのは得意なほうでした。何か一つの言葉を引くと、その隣に書かれている言葉も目に入ってきますし、その言葉の解説に書かれている言葉を引くことにもなりますし、そうして次々と読むのも好きでした。

私の手元にある『三省堂国語辞典』には、「常用漢字」が載せられているのですが、『新明解国語辞典』には、「常用漢字」はなく、「外国地名一覧」が載せられています。同じように「国語辞典」であるのだとしても、個性豊かなものだったのだなと思います。

番組では、『三省堂国語辞典』を「三国」、『新明解国語辞典』を「新国」と略して呼んでいたのですが、私はこの呼び方を知りませんでした。また、今出版されている『新明解国語辞典』は第七版で、『三省堂国語辞典』は第六版だそうです。新しいものには、4000語ほど項目が追加されているそうなので、私が今持っているものとは大分変化しているのかもしれません。新しい辞書も、少し読んでみたいように思えてきました。

構成も見やすくて、とても良い特集でした。私も長い間使ってきた、二つの三省堂の国語辞典の背景を少し知ることができて、面白かったです。金田一先生や、見坊先生や山田先生など、今までの多くの人たちのおかげで、今の便利な辞書があり、私も言葉の意味を知ることができているのだなと、有り難く思いました。

「真夜中のパン屋さん」第1回

NHKのBSプレミアムの新ドラマ「真夜中のパン屋さん」の第1回を見ました。

ドラマの原作は、大沼紀子さんの小説『真夜中のパン屋さん』だそうです。私は未読です。

このドラマのタイトルを聞いて、また、夜の23時から朝の5時まで営業しているパン屋さんを舞台に店員と様々な事情を抱えたお客さんが交流をするドラマと知って、ドラマを見る前の私は、TBSのドラマだった「深夜食堂」のような作品なのかなと思っていたのですが、そうではなかったようでした。

真夜中のパン屋さんである「ブランジェリークレバヤシ」は、三軒茶屋の路地裏にあるようでした。

第1話は、「ブランジェリークレバヤシ」のオーナーでパン職人見習いの暮林陽介(滝沢秀明さん)と、その師匠であるパン職人の柳弘基(桐山照史さん)がお店を開いていたある夜、自分は暮林さんの半年前に亡くなった妻の美和子(伊藤歩さん)の異母妹であり、今日からこちらでお世話になりたいと主張する女子高校生の篠崎希実(土屋太鳳さん)がやって来て、その家で3人で暮らし始めるという物語でした。

高校2年生の希実さんは、暮林さんに渡された朝食用のパンをごみ置き場に捨てていて、目撃した暮林さんは、驚きつつ黙っていたのですが、それは、小学校からの同級生で、高校1年の時から希実さんに何かと嫌がらせをしてくる三木涼香(小島藤子さん)に、自分のパンを踏みつけられないようにするためだったようでした。

涼香さんは自分にないものを希実さんに見つけ、それを妬んで自分に嫌がらせをしてくるのであり、本人もそのような自分を嫌に思っているに違いない、と希実さんは思っているようでした。だからそれを本人に直接注意すれば涼香さん本人も苦しみから解放されてしまうため、直接直してもらうようなことはしないのだ、というようなことを、希実さんは、暮林さんと柳さんに話していました。

「性格悪いと思ったでしょう」と二人に訊く希実さんに、暮林さんは「思わない」と言い、柳さんは「思った」と言っていました。

母親が出て行ったため家を出てきたと話していた希実さんは、小さい頃から一人で過ごすことが多かったようで、希実さんにとってパンは、出て行く際に母親がよく用意していたということから、孤独の象徴のようなものだったようでした。

涼香さんに潰されたパンを食べていた柳さんから「素直になれ」と言われて、素直に「おいしい」とパンの感想を言うことができるようになった希実さんは、それから「ただいま」と言うこともできるようになり、3人で、パンの具の残りらしきまかないご飯のような朝食を食べていました。忙しいということで、立ったまま食事をしていました。

脚本は寺田敏雄さん、演出は大原拓さんでした。

展開が遅いというほどでもないように思うのですが、何となく、ゆっくりとしたドラマだったように思います。穏やかと言えば、そうなのかもしれないのですが、ドラマを見る前に思っていたのと異なり、何か少し暗いような雰囲気のあるドラマだったようにも思います。

第1話では、このパン屋さんがなぜ深夜から早朝までの営業のお店なのかということは、まだ描かれていませんでした。

「深夜食堂」は新宿にありましたが、この「真夜中のパン屋さん」は三軒茶屋にありました。三軒茶屋の街も、夜になっても比較的人通りの多い街なのでしょうか。棚に並べられているパンの数が普通のパン屋さんのように多かったので、もしかしたら売れ残るパンのほうが売れるパンよりも多いのではないかなと、ドラマを見ていて少し心配になりました。

最近食べ物を扱う深夜ドラマが多いような気もするのですが、このドラマはパン屋さんの物語なので、パンの場面は多いですし、パンを好きな人にとっては、それだけでも見ていて楽しいドラマになるのかもしれないなと思います。

パンとご飯で比べると、私はどちらかというと、パンよりもお米のご飯のほうが好きなのですが、パン屋さんの前を通ると、やはりおいしそうだなと立ち止まってしまいます。パンの中では、私は特に「くるみパン」のようなパンを好きなので、ドラマの「ブランジェリークレバヤシ」にも並んでいるのを見て、少し嬉しく思いました。

第1話を見た限りでは、このドラマの内容が面白いかどうかは、私にはまだよく分からなかったのですが、夜のドラマとしては、ほのぼのとしているところもあって、見やすいドラマになっているのかもしれないなと思いました。

「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」第2話

TBSのドラマ「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」の第2話を見ました。

私は、第1話をそれほど楽しい気持ちで見ることはできなかったのですが、今回の第2話は、前回盗犯係から盗品管理係に移動になり、東都銀行の投資信託商品の機密データをほしがっている岩月櫂(稲垣吾郎さん)が、「TAKE FIVE」の5人目の仲間として加わる回ということで、見てみることにしました。

第2話は、元「TAKE FIVE」のメンバーで、現「TAKE FIVE」のメンバーにもなった、医師の南真一(六角精児さん)の妻が入学したビジネススクールがある日突然倒産し、それを「計画倒産」ではないかと考えた、上教大学心理学部研究室教授の帆村正義(唐沢寿明さん)などのメンバーたちが、経営者の相良光代(田中美奈子さん)と秘書の清水(西村和彦さん)が隠しているとされる、 生徒たちから得た入学金を相良さんの自宅に侵入して奪いに行く、というような話でした。

原案は櫻井武晴さんで、脚本は櫻井武晴さんと藤井清美さんと丑尾健太郎さん、演出は岡本伸吾さんでした。

第2話を見ても、私にはいまいち、このドラマが面白いのかどうか、まだよく分からないように思えてしまいました。

「愛」のために盗みをしていると行っていた帆村さんたち義賊の「TAKE FIVE」が、「愛」のない相良さんから、相良さんが奪った生徒たちからの入学金を奪い返して、各生徒たちに返す、ということはよく分かったのですが、相良さんの家を調べに来たはずの査察官の人たちが、部屋の中央に置かれていた使われていない大きなブラウン管のテレビを全く調べていないというのは、少し不自然のような気もしてしまいました。

それとも、ここへはまだ査察官のような人たちは入って来ていなかったのでしょうか。

帆村さんたちが使っていた指紋を偽装する道具には、電気が流れる赤色や緑色の銅線のようなものがつけられていました。その仕組みは、私にはよく分からなかったのですが、採取した指紋の形を電気信号で作るようなものなのでしょうか。

相良さんの金庫の暗証番号は、会社の創立記念日だと、帆村さんが1度で当てたのですが、採取した相良さんの指紋でも、相良さんの愛人らしき秘書の清水さんの指紋でも、認証システムを通すことはできませんでした。

金庫のお金はすでに相良さんが移動したと推理した帆村さんは、清水さんに、相良さんには清水さんへの愛情がないことを伝えるように仕組み、清水さん自ら指紋の認証に失敗したことで、逮捕後、失望した清水さんは、警察に会社の不正の全てを白状したということでした。相良さんが登録していた指紋は相良さん自身のものだったのですが、登録する際に指を強く押し付けたために、「逆指紋」という指紋の凹凸が反転した状態として登録されていたため、相良さん自身も普通に機械の上に乗せただけでは、指紋は認証されなかったようでした。

ブラウン管の中にお金を見つけた帆村さんは、岩月さんの、きちんとしていないと気が済まないという潔癖症を利用し、ビジネススクールの入学金を全ての生徒たちに送り届けることに成功したようでした。そうして岩月さんは、警察の盗品管理係のまま、「TAKE FIVE」の仲間になっていました。

相良さんのビジネススクールに入会していた南さんの妻は、どこからか届いた札束の入った白い封筒を見て、それほど驚いたり気にしたりすることなく、単純に「入学金」が戻ったことを喜んでいたようでした。

やはり「心を盗む」ということがテーマになっていたようで、盗犯係の刑事の笹原瑠衣(松雪泰子さん)との恋愛風の場面もあったのですが、帆村さんと笹原さんの二人ではなく、そこには若手の泥棒で自信家の新美晴登(松坂桃李さん)も加わっているのでしょうか。

5人での活動が始まる次回からは、もう少し高度な“義賊”の様相を呈してくるのかもしれないのですが、今のような雰囲気だと、私には、“義賊”として何かを盗む盗賊たちの行動に、爽快感のようなものをあまり感じることはできないような気がしてしまいます。

義賊ということになると、例えば被害者遺族による復讐殺人の是非を問う物語と近いのかもしれないなとも思います。でもやはりそれとは異なり、殺人をテーマにした物語よりは、ジャズの音楽も使われていて、ずっと軽めの雰囲気なのですが、第1話と第2話の、怪しい金融商品などにお金を使って失敗してしまった人たちが簡単にお金を取り戻す物語というものが、面白いかどうかということになると、私にはよく分からないのです。

私としては、“伝説の義賊”らしくというか、何というか、もう少し職人的な描写があってほしいように思えたのですが、「愛」がテーマということなので、義賊としての盗みの場面よりも、人情ドラマのほうが中心に描かれている作品なのかもしれないなとも思いました。

「妻は、くノ一」第4回

NHKのBSプレミアムの「BS時代劇」、「妻は、くノ一」の第4回を見ました。

文政八年(1825年)の正月の下旬になっていました。寺子屋では、孤独そうだった太郎吉(山崎掌さん)も、他の子達の仲間に入って遊んでいました。その子供たちにトラやゾウやラクダのなど異国の動物を絵に描いて教えていた、平戸藩士の雙星彦馬(市川染五郎さん)は、自分を助けてくれた人が、捜している妻で忍びの織江(瀧本美織さん)かもしれないと思い始めたようで、前平戸藩主の松浦静山(田中泯さん)に織江が殺されてしまうのではないかと心配しているようでした。

長崎から「カピタン」と呼ばれているオランダ商館の一行が江戸の日本橋の長崎屋へ来ることになり、オランダ語で挨拶ができるようになりたいと思っていた南町奉行所の同心の原田朔之助(中村靖日さん)が彦馬さんに尋ねると、彦馬さんは、我が国の言葉で堂々と話せば案外通じるものですと教えていました。

彦馬さんが友人の海産物問屋の西海屋千右衛門(堀部圭亮さん)に連れられて、仕方なさそうに本所の静山の下屋敷に行くと、そこには彦馬さんを「父上」と呼ぶ雙星雁二郎(梶原善さん)が来ていたのですが、雁二郎さんは、彦馬さんが隠居をして江戸へいくために親戚の中から渋々選んで養子にした年上の人で、今は彦馬さんに代わって、平戸藩の天文係?を勤めていて、平戸に停泊中の難破船の処遇について、静山と話し合いに来たということでした。

庭の池の石の上に座って亀に話しかけるなど、少し変わった人のようでした。彦馬さんも、雁二郎さんを変わり者だと思っているようだったのですが、少し陽気なお調子者の感じではあるものの、静山が難破船を軍船にしようかと考えていることや、彦馬さんが織江の「そのままに」の手紙と貝がらを持っているのを見つけて、そのまま放っておいてほしいというのをわざわざ捜しに来たということや、彦馬さんが妻恋稲荷にお参りをしていることなど、いろいろ見抜く、意外と鋭い人でもあるようでした。

シーボルトに面会をするために長崎屋へ行くことになっている静山は、異国に興味を惹かれている彦馬さんに様子に気付き、一緒に来るかと誘っていました。祐筆の奥寺さんに静山の動向を探るよう頼まれたお庭番の川村真一郎(和田聰宏さん)は、長崎屋の前に潜んで自ら見張りをしていたのですが、長崎屋へ入った静山のお供の男性が織江の平戸の夫だと、その時はまだ知らなかったようでした。

商館長に面会した彦馬さんたちは、日本語を話す商館長にほっとし、それから外輪で走る蒸気船の説明を聞いて、異国へ行きたいという思いを募らせていました。

遠くの海を眺めながら、彦馬さんは平戸時代の織江にいつか異国へ連れて行くと話したことを思い出していたのですが、そのような彦馬さんを見ていた静山は、もし船ができたら一緒に異国へ行くかと誘い、同じ海の民だと話していました。

一方、上総から出て来た「おさと」として、静山の下屋敷の台所女中となっていた織江は、下男につきまとわれ、お蝶(黒川智花さん)との連絡の際にも外へ出られず、困っていました。

それを上司の川村さんに報告したお蝶は、私なら斬ると言って少し笑っていたのですが、静山に見破られて殺されたお弓(佐藤めぐみさん)の件でお蝶にしくじりは許さないと言っていた川村さんは、それがお蝶の浅はかなところであり、織江ならそのようなことはしない、身を隠すということはその環境下に起こる出来事を全て受け入れることだと話していました。

そしてある夜、それは彦馬さんが、平戸の満天の星空を見いた織江があの星を投網ですくい取ってみたいと話していたことを思い出していた夜でもあったのですが、織江は誰かの足音を聞いて、お守りの貝がらを入れた小袋を布団の下に隠していました。少しすると、部屋に下男が侵入してきて、織江を襲ったのですが、田舎者の振りをしなければいけない織江は、下男の額を引っかいた後、仕事を失ってもいいのかと、田舎から出てきたものにとっては重大なことを言われたことで、下男の指示に従い、抵抗しないことにしていました。

翌朝、誰にも言わないほうがいいと言いながら下男が帰っていくと、織江は布団の下から彦馬さんのお守りを取り出し、祈っていました。その時の朝の光が織江を包み込んでいたのが、何か救済の印象があって、清く戻ったようにも思えて、少しほっとしました。

織江は静山に呼び出されていたのですが、静山は、おさとの焚いたご飯の味がいつもと違うと言い、何か心に曇りがあるのではないかと訊ねていました。何か心配事があるのなら言うようにと言われた織江は、地面に顔を伏せたまま、元日、お客さんを襲った人物が屋敷から出て行くのを見た、暗かったため顔は見ていないが額に傷があったような気がすると言い、静山は、おさとが躊躇している様子から、おさとの近くにいるものだと推測し、下男を捕らえていました。

静山に呼ばれた彦馬さんは、この男だったかと訊かれていたのですが、顔を憶えていないと答えていました。静山は、下男が白状するまで閉じ込めて置くように部下に命じていたのですが、しばらくすると、南町奉行所の与力が下屋敷を訪ねてきて、下男を引き渡すよう言いに来ていました。下男は、南町奉行所が雇って、静山の動向を探るために出入りしていた者でした。謙った態度ではあったのですが、与力は、届け出ていない者を長崎屋へ同行させたと、静山を脅すような言い方をしていました。

下男は奉行所に引き渡され、口笛を吹きながら下屋敷を出て行っていたのですが、その後、殺害されたようで、川に下男の遺体が浮いていました。

川村さんの元には、宵闇の順平(梨本謙次郎さん)という忍びが帰って来ていました。金平糖をかじる、顔を見せない人だったのですが、その人が、静山と一緒にいた男は、雙星彦馬だと教えていました。

川村さんは、織江から、雙星彦馬は上司からも相手にされない取るに足らない男だと報告を受けていたことを思い出し、織江に対して疑念を深めていました。母親の雅江(若村麻由美さん)にも訊きに行き、自分の妻になれと言ったことも伝えていたのですが、雅江さんは、織江は身分の違いから断ったのだろうと言って、織江が平戸の夫を好きなことを何とかごまかし、その後、簪屋に成りすまして下屋敷へ向かい、おさとの織江に、川村さんが疑いを持っているということを伝えていました。

彦馬さんは、寺子屋の目の前の井戸に盗人が盗品を隠したという事件について、どうすれば井戸の底のものを引き上げることができるかと、子供たちと一緒に考えていたのですが、投網を思いついたようで、それを原田さんが役人に伝えたところ、その方法で無事に盗品を引き上げることができたようでした。盗品は、金色の象の蜀台のようなものでした。お礼にやって来た役人に、彦馬さんと子供たちは、それを見せてもらい、「ゾウ」の形について学んだようでした。

第4話の脚本は金子成人さん、演出は服部大二さんでした。

井戸を覗いている演出も楽しかったですし、子供たちが、彦馬さんを父上と呼ぶ彦馬さんの父のような年の雁二郎さんを見て、「えー!」と驚いていたのも、面白かったです。

「忍びの宿命」で織江は酷い目に遭ってしまったのだと思うのですが、彦馬さんへの思いが織江を支えているのだという感じもよく伝わってきて、良かったように思います。

最後、妻恋稲荷の前で「宵の明星」を見上げていた子供たちから、女将さんはいるの?と訊かれた彦馬さんは、いるよ、と答えていました。その言葉を、彦馬さんを偵察に来ていた川村さんが聞いて、はっとしていました。この場合、危ないのは彦馬さんではなく、織江でしょうか。彦馬さんと織江は、いつかはきっと再会することができると思うのですが、それまでも無事だといいなと思います。

「35歳の高校生」第3話

日本テレビの土曜ドラマ「35歳の高校生」の第3話を見ました。

15分拡大版の第3話では、「スクールカースト」の問題が取り上げられていました。私は、「スクールカースト」というものを、確かに言葉自体は最近になってどこかで聞いたことがあったと思うのですが、それが何かということは知りませんでした。

「カースト」と聞くと、インドのヒンドゥー教(ヒンズー教)の階級制度のことを思い出すのですが、ドラマの中で描かれていた「スクールカースト」の「カースト」も、それに因んだ言葉なのか、似たようなもののようでした。最近の教育事情を解説する係のスクールカウンセラーの長峰あかり(片瀬那奈さん)が謎の35歳の高校生の馬場亜矢子(米倉涼子さん)に話していたことによると、「スクールカースト」の状況は生徒たち自身が作った「ルール」なのだそうです。

ドラマで描かれていた「スクールカースト」によると、それは学校全体や学年全体に渡っているというわけではなく、そのクラス内だけのもののようだったので、“生徒間階級制度”という感じのものなのかなと思いました。

国木田高等学校の3年A組の担任の小泉純一(溝端淳平さん)は、校長先生の野田芳男(榎木孝明さん)に前の学校に戻すことを推薦してもらおうと、「カリスマ教師」になろうと考えていたのですが、その方法が分からず、スクールカウンセラーの長峰さんに訊きに行くと、「学校裏サイト」の教師ランキングを見せられ、上位になりたいのなら、「スクールカースト」の「1軍」の生徒に取り入るのが手っ取り早い方法だと言われ、1軍の生徒の生活態度が悪くても、注意をしないことにしていました。

ドラマによると、「スクールカースト」の階級は、あらゆる権利?を持つ派手な1軍と、1軍の顔色を窺いながら流されるように行動する2軍と、1軍や2軍からのいじめに怯える地味な3軍の、3つに別れていました。

クラスの1軍の生徒は、土屋正光(菅田将暉さん)、東蓮(高杉真宙さん)、湯川理(野村周平さん)、泉優奈(北山詩織さん)、工藤美月(新川優愛さん)、国分萌(小島藤子さん)、羽鳥梨花子(宮崎香蓮さん)の6人で、その他の生徒が2軍か3軍でした。2軍の後半と3軍の前半は教室内の「空気」によって時々入れ替わることもあるようで、生徒たちは、いわゆる「空気を読む」ということに常に気を使っているようでした。

馬場さんも「スクールカースト」を知らなかったので、「何なの?」と小泉先生に訊ねたり、それに振り回されている今時の生徒たちについて「大変なのね」とか、「意味不明」とか言ったりしていたのですが、ドラマを見ていた私も、そのように思いながら見ていました。

学級委員の馬場さんは、小泉先生と、長谷川里奈(広瀬アリスさん)と、前回馬場さんに救われて友達になった山下愛(水野絵梨奈さん)と一緒に「学校裏サイト」の生徒間のランキングを見ていたのですが、馬場さんは同じクラスメートでありながらエントリーされていなかったようでした。長谷川さんと山下さんは、3軍でした。

大竹亮太(上遠野太洸さん)と三枝鉄平(西井幸人さん)は、山下さんによると、1年生の時から仲の良い「親友」で、二人でバンドを組んで、放課後路上ライブの活動をしていたのですが、ある日、土屋さんの指示により、大竹さんは三枝さんの髪の毛を掴んでハサミで切り落とすという行動を取ったのでした。

三枝さんも、黙って髪を切られていたのですが、それをきっかけに、二人の関係は悪化していました。三枝さんはモデルになりたいからバンドを辞めると言い、大竹さんは、元々演奏の上達しない三枝さんとはバンドを解散しようと思っていた、すでに別のメンバーを確保していると言い、大竹さんが解散宣言をして別れていました。

翌日、登校した三枝さんは、教室中に三枝さんがモデルになりたいと言っていたことが広まっていることを知り、大竹さんが言い触らしたとして怒っていました。

山下さんは、積極的に新しいアイデアを提案する人になっていて、長谷川さんは、「じゃあ、馬場ちゃんも」と馬場さんを誘う人になっていたのですが、そうして三枝さんの相談に乗ることになった馬場さんたちは、山下さんの提案で、「野ブタ。をプロディース」のように、三枝さんをプロデュースすることになり、馬場さんのスタイリングでおしゃれになった三枝さんは、街でインターネットに掲載されるファッション雑誌のスタッフに声を掛けられてスナップ写真のモデルになっていました。

翌日、それを見た1軍の女子たちから三枝さんは好評になっていたのですが、1軍寄りの2軍として調子に乗り始めていた大竹さんは、1軍の「空気を読んで」三枝さんをバカにし、チョークの粉を頭にかけたりして、率先して三枝さんに嫌がらせをしていました。

大竹さんは、1軍も喜ぶだろうと思って調子に乗っていたようなのですが、大竹さんの態度に気付いた1軍の中心の土屋さんは、今度は三枝さんを庇い出し、2軍に引き上げた三枝さんを利用して、1軍の許可なく教室内の「空気」を「演出」しようとした大竹さんを貶めることにしていました。

三枝さんは、土屋さんたちに命じられて、大竹さんの髪を切り落とし、二人の立場は逆転したのでした。人をいじめて楽しいのかと馬場さんに注意された三枝さんは、馬場さんを今の生徒の事情を知らないババアと罵り、人の気も知らないで、と怒っていました。

山下さんは、三枝さんと大竹さんを直接お互いの言いたいことを言い合うことができるように校庭で対面させていたのですが、三枝さんは立ち去ってしまい、大竹さんも、人の気も知らないで、と山下さんに言って、怒って帰ってしまいました。

その様子を見ていた馬場さんは、バーで教育長の阿佐田幸信(渡哲也さん)に「空気」とは何なのかと相談し、信じていた人に裏切られることは辛いことだけれど、気を使って気持ちがすれ違ったままになってしまうのは良くないというようなことを言われていました。

翌日、馬場さんは、偽物の悪口の手紙をそれぞれに届けて、人気のない倉庫で二人を会わせ、直接対決することができるようにしていました。チビとか、色白とか言い合い、1年生の時のように殴ったり飛び蹴りをしたりしていた二人の様子を、廊下から馬場さんが見ていました。二人を見かけて面白がった湯川さんが土屋さんと東さんを呼んできて、3人も一緒に見ていたのですが、土屋さんが馬場さんの計画かと訊くと、馬場さんは、二人きりにさせたらどうなるか、かけてみようと思って、と答えていました。

そして、直接対決していた二人に声を掛け、「スクールカースト」とは何なのかと訊ね、読まなければいけないのはクラスの空気ではなく、お互いの気持ちでしょう、と説得していました。

うんざりしていた土屋さんは、その場では何も言わず、翌日も「スクールカースト」に則った行動を取っていたのですが、お互いの気持ちがすれ違っていただけだったということに気付いて仲直りをしていた三枝さんと大竹さんは、そのルールを「どうでもいい」と土屋さんたちに堂々と言い返すことができるようになっていて、そのまま二人でバンドのことを話しながら教室を出て行っていました。

最後、馬場さんと電話で話していた阿佐田教育長は、「スクールカースト」とは何かと訊く馬場さんに、「スクールカースト」がどのようなものかということが分かるのは「スクールカースト」のルールの中に身を置くものだけだと話していました。

第3話の脚本は高橋悠也さん、演出は佐久間紀佳さんでした。

今回も良かったです。今の学校事情を知らない人に今の学校の状況を分かりやすく教えてくれるドラマなのだということを改めて思いました。ドラマなので、実際の各学校の状況とは異なるところもあるとは思うのですが、例えば私のいたクラスには「スクールカースト」のようなものはなかった(と思います)ので、ドラマを見ていると、今の学校とはこのような感じのかなと、何となく、勉強になります。

馬場さんの謎も、古い日記のようなノートの謎も、まだ分からないままだったのですが、野田校長から馬場さんとは何者なのかと訊ねられた阿佐田教育長は、私にとってかけがえのない存在です、と答えていました。

それから、馬場さんは「学校裏サイト」の管理人は誰なのかと考えていたのですが、管理人は土屋さんたち「1軍」ではなく、別の男子生徒の誰かのようでした。長谷川さんのいたトイレに張り紙をしたり、山下さんを突き落としたりした人でしょうか。また、そうだとすると、「1軍」の人たちもその人物に作られて、振り回されているということになるのでしょうか。

馬場さんも、その生徒によってついにクラスのランキングにエントリーされたようだったのですが、「3軍」の最後にされていました。

クラスの不思議なルールから解放された人たちが、少しずつ“異端”の生徒の馬場さんの友達になっているので、次回からは三枝さんや大竹さんも馬場さんの友達になっているのかもしれません。
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