「激流~私を憶えていますか?~」第6回

NHKの「ドラマ10」の「激流~私を憶えていますか?~」の第6回を見ました。

銀行員の鯖島豊(山本耕史さん)の電話が途中で途絶えたことで心配になった雑誌編集者の三隅圭子(田中麗奈さん)が部屋に駆けつけると、そこにはナイフを腹部に刺して倒れている鯖島さんの姿があり、その隣は鯖島さんを刺した元愛人でストーカーの桑野留美(佐津川愛美さん)がいて、三隅さんにどうしようと混乱して泣きついていました。

鯖島さんが留美のせいじゃないと言うのを聞いた三隅さんは、留美さんに早く帰りなさいと指示し、すぐに救急車を呼ぶのではなく、知り合いの先生に連絡して外科医を紹介してもらい、それから救急車で鯖島さんを指定の病院に運んだようでした。

河村(旧姓・御堂原)貴子(国仲涼子さん)は、娘の華(小林星蘭さん)と一緒に、歌手で小説家の秋芳美弥(ともさかりえさん)の部屋にいたのですが、三隅さんから連絡を受けて、その秋芳さんと、捜査一課の刑事の東萩耕司(桐谷健太さん)も、病院に駆けつけ、鯖島さんの無事を祈っていました。

待っている間、鯖島さんのところにも「私を憶えていますか?冬葉」のメールが届いたということを、三隅さんが秋芳さんと東萩さんに話すと、二人は、東萩さんが担当していた主婦殺害事件の関係者の写真を見せ、写真の左端の人物が長門悠樹さんかもしれないこと、右端の人物が「佐伯茉莉」というフルートを吹く人で、もしかしたら冬葉さんかもしれないことを話していました。

鯖島さんの両親が来た後、元妻の里美(須藤理彩さん)と小学生くらいの息子も病院に駆けつけていました。元妻の里美さんから、後のことは私たちでやりますからお帰りくださいと淡々と言われた三隅さんは、秋芳さんと一緒に怒っていたのですが、1か月前に再会したばかりの同級生の鯖島さんが今の自分にとってとても大切な存在となっているということに気付いたということで、里美さんの存在に少しショックを受けていたようでもありました。

マネージャーの久我恭子(根岸季衣さん)から早く曲を作るようにと怒られていた秋芳さんは、朝、中学生の頃始めてカバーしたという「君は友達」を、ギターの弾き語りで自室に来た華ちゃんの前でも歌っていたのですが、その頃、鯖島さんの意識は戻ったようで、三隅さんから連絡を受けた貴子さんが、秋芳さんに報告していました。

三隅さんが急いで病院に向かうと、そこに里美さんが来て、鯖島さんが「サンクマ」とうわ言で呼んでいたのはあなたかと確認していました。里美さんは、あの人はあなたが思っているような優等生ではないと言い、鯖島さんを刺したのは留美さんだろうと、そのような鯖島さんのことを呆れたように自業自得だと言っていて、それを聞いた三隅さんは、たった今命が助かった人のことをそんな風に言わないでくださいと怒っていたのですが、里美さんは、私は結婚していたから分かる、あの人は私と息子の人生を台無しにしたのだと、突き放すように言って立ち去っていました。

その里美さんに三隅さんがさらに言い返そうとするのを、鯖島さんの良いところは俺たちが知っているだろうと、病院にやって来た東萩さんが止めていました。その様子を見ていたからなのか、担当の医師は、特別許可で、ICUの鯖島さんに二人を会わせてくれたのですが、そこで鯖島さんは、「イーエスエス、イーエスエス、ふゆは、げいき」とつぶやいたようでした。

三隅さんと東萩さんは、秋芳さんと貴子さんにもそのメモを見せ、みんなでどのような意味の言葉なのか考えていたのですが、少しして貴子さんが「ESS」は英語部のことではないかと言うと、当時のことを次々と思い出していました。その記憶によると、文化祭の時に英語部はミュージカルのような演劇をしていて、主役を演じていたのは長門さんで、フルートを吹いていたのは小野寺冬葉(刈谷友衣子さん)だったということなのですが、その演劇のタイトルが「Do You Remember Me?(私を憶えていますか?)」で、その演劇を作ったのは、その劇でもピアノを担当していた音楽教師の毛利佳奈子(賀来千香子さん)だということでした。

4人は、20年経った今なぜか同じ中学校の音楽教師に復帰し、冬葉さんの事件の罪を償うために生きていたと三隅さんに話していた毛利先生が、自分たちに「冬葉」のメールを送ってきたのではないかと疑い始めていました。

中学校の毛利先生に会いに行った三隅さんと東萩さんは、冬葉さんかもしれない写真を見せ、メールのことを毛利先生に問い詰めようとしたのですが、まさか、そんなはずはない、と驚いた様子で聞いていた毛利先生は、会わせたい人がいると、後日、入院中の鯖島さんを除いた4人を、蓼科の療養所へ連れて行っていました。

病院の屋上に毛利先生が連れて来た車椅子の元担任教師の旭村正隆(武田真治さん)の様子を見た4人は絶句していました。毛利先生が、2班の生徒を連れて来た、冬葉さんのことで聞きたいことがあるらしいと旭村先生に声を掛けると、旭村先生はまたパニック状態のようになって暴れ出し、屋上の柵を乗り越えそうになったので、東萩さんが慌てて捕まえ、秋芳さんがスタッフの人を呼びに行っていました。

旭村先生は、手足をタオルで固定された状態で眠っていたようだったのですが、その後、4人に、毛利先生は、半年前に旭村先生のことを知ったと話し、あの頃自分と旭村先生は結婚をする予定だったと打ち明けていたのですが、私には言うことができないと苦しそうに口を塞ぎながら、あの人に聞いて、旭村先生があのようになったのも、冬葉さんのことも、全てあの人のせいだと泣き続けていました。

脚本は吉田紀子さん、演出は山内宗信さんでした。

最後、体調が良くなって病室の窓から外を眺めていた鯖島さんと、黙って林の中を歩いて丘の上に出ていた4人は、失踪中の冬葉さんと、旭村先生と毛利先生と、冬葉さんの母親のことを思いながら、20年前立派な大人だと思っていた大人たちに何があったのだろう、大人たちは何に悩んでいたのだろう、私たちは何に巻き込まれているのだろう、と考えていました。

その最後の部分は、何というか、物語が少しまとめられているような、俯瞰的な感じでもあったのですが、このドラマは、20年の間に様々なことを体験した元中学生の大人たちが、20年前の大人にもいろいろな事情があるのだと思い知ったり、その大人たちの事情のために何かに巻き込まれていたことに思いを馳せたりするというような物語でもあったのだなと思いました。

蓼科へ行くことを病室の鯖島さんに伝えに行った三隅さんが、もっと頑張ってよ、と中学生時代の初恋の相手だった元優等生の鯖島さんに言うところなども、何か、20年の間の時間を感じさせる場面だったような気がします。

あと、修学旅行中に謎の失踪をした冬葉さんの母親の裕子(田中美佐子さん)のところに、なぜか秋芳さんの弟の研二(高橋一生さん)が来ていて、冬葉さんの部屋に来ていた研二さんに、冬葉さんの母親は、冬葉のことを覚えていてくれるのはあなただけと話していました。研二さんは、同じ吹奏楽部の憧れの先輩ですから、と冬葉さんのことを話していたのですが、その研二さんに裕子さんは、私のことを恨んでいるかと尋ね、どうして僕がと答える研二さんに、もしどこかで生きているとしたら、みんなに会いたがっていると思う、と独り言のように話していました。

秋芳さんが冬葉かもしれないと疑う「佐伯茉莉」という人に送ったメールに返信があったのかどうかも、今回では描かれていませんでしたし、冬葉さんをめぐる謎はまだ続いているのですが、旭村先生の態度や、毛利先生や冬葉さんの母親の裕子さんの言葉からすると、同級生たちがもしかしたら本当は生きているかもしれないと思い始めている失踪中の冬葉さんは、やはりすでに死亡しているということなのでしょうか。冬葉さんが生きていないということをその大人たちが確信しているようにも見えました。

「名もなき毒」第4話

TBSの「月曜ミステリーシアター」のドラマ「名もなき毒」の第4話を見ました。

「今多コンツェルン」の会長で義父の今多嘉親(平幹二朗さん)の運転手だった梶田信夫(平田満さん)の事故現場で、梶田さんと同じように自転車に衝突されて救急車で運ばれていた杉村三郎(小泉孝太郎さん)は、顔や腕の左側に絆創膏を貼ったり包帯を巻いたりしていたのですが、比較的軽症で済んだようで、自分の怪我よりも警察から聴取を受けている様子の加害者の姿を見てかわいそうにと心配していました。

杉村さんの高層マンションの自宅に謝罪に来ていた梶田さんの長女の梶田聡美(深田恭子さん)は、一緒に来た次女の梶田梨子(南沢奈央さん)が杉村家の部屋を見てはしゃいでいるのを注意していたのですが、梨子さんは、姉の態度に少し不満そうにしていて、杉村さんとその妻の菜穂子(国仲涼子さん)の結婚式の写真を見つけると、姉のウェディングドレスと比較して褒め、今度は姉の婚約者の浜田利和(高橋光臣さん)のことを話し出していたのですが、あまりにもはしゃぎながら話すので、その時手に持っていたカップから飲み物をこぼしてしまい、はっとしてそれを見つめたまま黙り込んでいました。

喫茶店「睡蓮」には刑事の卯月勝利(菅原大吉さん)が待っていました。梶田さんとの関係性を簡単に説明した杉村さんは、杉村さんを梶田姉妹の代理人と認めた卯月刑事から、警察はすでに犯人を特定しているということを聞いていたのですが、それは、街でも噂になっているらしかった、中学一年生の男子だということでした。スクールカウンセラーから警察に相談があったことで発覚したそうで、卯月刑事は、追い詰められると自殺をする恐れもあるから慎重に本人が自首をするように促したいというようなことを杉村さんに話し、真実は明らかにすれば良いというものではないと言って、帰っていました。

犯人は12歳か13歳の少年だと卯月刑事から聞いたことを梶田姉妹に話すと、特に梨子さんは、少年だからといって罪に問われないのかと悔しそうにしていたのですが、少しすると落ち着き、一応納得した様子でした。杉村さんは、犯人を追い詰めるという目的は達せられたから、それとは別に、今多会長の運転手だったという梶田さんの半生を中心にまとめた自伝にしてはどうかと提案し、それに賛成した梨子さんは、今度梶田さんの出生届が出された村役場へ行くと張り切っていました。

それから、連絡をしてくれた元トモノ玩具の事務方を仕切っていた関口さん会いに行った杉村さんは、関口さん(柳家小さんさん)から、梶田さんが入社したのが昭和54年で、退社したのが昭和60年で、同じ日に野瀬祐子という事務員も辞めていたことを教えてもらっていました。関口さんは野瀬さんが集合写真の女性(伊藤かずえさん)かどうかを思い出すことはできなかったのですが、杉村さんは、梶田さんのメモの「ユウコ」とはこの女性のことではないかと考えていました。

杉村さんのスマートフォンには、事故に遭った直後にもかかってきていた「非通知設定」の着信が度々来るようになっていて、杉村さんは事件の鍵を握る重要人物からの電話だと考えていたのですが、相手が無言だったことから、犯人の少年かもしれないと、電話の向こうの相手に声を掛け続けていました。

杉村さんいない間、菜穂子さんがかかってきた家の電話に出ると、それは梨子さんからで、梨子さんは、知らない男から梶田の過去を探るなという脅迫の電話があったと怯えた様子で話し、杉村さんに伝えてほしいと電話を切っていました。梨子さんが電話を切ると、浜田さんと出掛けているはずの姉が浜田さんと一緒に戻ってきていて、強迫されたという先ほどの話を聞いた聡美さんは驚いていました。

聡美さんは、喫茶店で会った杉村さんに、怖いからもう父親の過去を調べるのを止めにしたいということを話していたのですが、杉村さんは、痛みを伴うことがあったとしても真実を知りたいと話していました。

何度目かの非通知の電話に出ていた杉村さんは、相手が話し始めた声を聞いて、少年ではなく女性だとはっとしていたのですが、電話の向こうにいたのは野瀬祐子さんでした。杉村さんが自分のことを知っていると理解した野瀬さんは、杉村さんに、梶田さんが事故に遭った日、梶田さんは自分に会いに来たのだと教え、さらに野瀬さんが原因であるという梶田夫妻の過去についても話し始めたようでした。梶田夫妻は、男性らしき遺体を運び、山中の穴の中へ埋めようとしていました。

脚本は神山由美子さん、演出は山本剛義さんでした。

第4話も、良かったです。丁寧に描かれていました。今回も、少し遠回りをしているような印象はあったのですが、それでも丁寧さのほうが印象としては際立っていたのではないかなと思います。

梨子さんが自分は聡美さんとは違うと思っている理由も、まだ不明なのですが、聡美さんの誘拐事件の記憶の件も、まだ謎のままです。聡美さんが閉じ込められている現場にいて騒いでいるようだった野瀬さんは、自治会長が杉村さんに話していた、梶田さんの事故現場を目撃して気を失った日傘の女性で、梶田夫妻を何か恩人のように思っている人のようでした。

神社にいた野瀬さんが電話で?杉村さんに全てを語り始めたらしい最後の場面は、私には少し唐突な感じもしたのですが、この「名もなき毒」のドラマ(宮部みゆきさんの小説2作品をつなげた2部構成のドラマだそうです)の前半の物語は、予告によると、次回が最終回ということでした。梶田さんの事件の解決編ということでしょうか。次回も楽しみにしたいと思います。

「ダブルトーン ~2人のユミ~」第5回

NHKのBSプレミアムの「プレミアムよるドラマ」の「ダブルトーン ~2人のユミ~」の第5回を見ました。

帰宅しようと自転車を出していた会社の前で、「中野さん」と龍野勲(嶋田久作さん)に名前を呼ばれて声をかけられ、驚いて逃げた中野由巳(中越典子さん)は、2年前に自宅のベランダからの転落して亡くなったという主婦の田村裕美(黒谷友香さん)と夢でつながるようになったのは、龍野という同じ男に殺される運命にある者同士だからなのかと思うようになり、部屋に戻ってからも、私ももうすぐ殺されるのかと怯えて泣いていました。

そこへ、裕美さんの夫の洋平(吉沢悠さん)から電話がかかってきて、今度また娘の亜美(原涼子さん)と3人で食事をしたいと話していたのですが、自分も死ぬかもしれないと思い始めていた由巳さんは答えることができずにいたのですが、心配していた洋平さんにもう少しこのまま話していてもらってもいいですかと頼み、夕食の話や、昼食の話をしてもらい、気を紛らわせると、洋平さんに感謝して、電話を切っていました。

由巳さんの夢から目を覚ました裕美さんは、冷蔵庫に貼られたカレンダーを見ながら、ベランダから転落した4月の21日の夕方の4時頃に自分は死ぬということを考えていました。そして、出勤前の洋平さんに、21日の夕方頃家にいてほしい、セールスマンが来て困るから注意してほしいと頼んでいました。

洋平さんは、接待の予約を入れてしまったと話していたのですが、その後、幼稚園を休ませることにした亜美ちゃんと部屋でクッキーを作っている時、洋平さんの幼馴染みで先輩の、デザイン会社社長の有沼郁子(友近さん)から、その時間には私が行こうかという電話がありました。洋平さんに頼まれたと聞いて、裕美さんは感激し、郁子さんの申し出を受けることにしていました。

夜、裕美さんは、洋平さんに、もしも私があなたより先に死んで、あなたが再婚するようなことになったら、ちょっとでいいから私に悪いと思ってね、と寂しそうに言い、あなたと結婚して良かったと伝えていました。

その裕美さんの夢を見て目を覚ました由巳さんは、夢の中の裕美さんから、何かあったら洋平さんを頼ってくださいとメッセージをもらっていたのですが、裕美さんのことを思って迷っていました。

机の引き出しに入っていた洋平さんの名刺を見て、会社を出て、自転車で洋平さんのマンションの下まで来た由巳さんは、やはり迷って帰ろうとしていたのですが、その時、洋平さんに声をかけられ、振り向くと、洋平さんと亜美ちゃんと郁子さんがいて、夕食の材料を買って帰ってきたところだったようでした。

夕食のハンバーグを、亜美ちゃんは、由巳さんと一緒に、亡くなったお母さんに教わった通りに作っていました。二人が仲良くなっている様子を、郁子さんは裕美さんの仏壇のある部屋から見ていたのですが、裕美さんがベランダから転落死して亡くなった21日の夕方、約束をしていた郁子さんは、裕美さんの部屋に行くことができなかったようでした。私が行っていれば、というようなことを、郁子さんはつぶやいていました。

由巳さんに、郁子さんは、洋平さんに裕美さんを紹介したのは私だと話していて、洋平さんは水族館へ行った初デートのことを思い出しながら、お互いに口下手で会話をせずに魚ばかり見ていたけれど、楽な気持ちでいることができて楽しかったということを、由巳さんに話していました。

夜遅くになり、由巳さんは帰ることになったので、洋平さんは由巳さんを送ることにしていました。その間、田村家の部屋に残っていたらしい郁子さんは、一人でワインを飲んでいました。

別れ際、この間のプロポーズの返事を聞きたいと切り出した洋平さんに、由巳さんは、少し迷って、お断りしますと返事をして帰ろうとしていたのですが、洋平さんは由巳さんの腕を掴んで自分の方に引き戻し、あなたのことが好きです、と伝えていました。由巳さんも本当は洋平さんのことを好きな様子なのですが、はっとして洋平さんから離れ、走り去っていました。

その由巳さんの夢を見て目を覚ました裕美さんは、私は死ぬのだと、改めて実感していました。

脚本は山本あかりさん、演出は三木康一郎さんでした。

第5話も、とても良かったです。裕美さんの運命が由巳さんにも迫ってきたことで、二人の運命と感情が重なっていくというような様子が、丁寧に描かれていたように思います。

今回から、裕美さんと由巳さんの共通点だった郁子さんの立場が少し明確になっていました。2人のユミさんを幼馴染みの洋平さんに紹介した郁子さんも、本当は洋平さんのことを好きなのかもしれない様子でした。由巳さんを「お姉さん」と呼んで亜美ちゃんが親しんでいるのを、笑顔ではあったのですが、少し複雑そうに見ていました。

全6回ということなので、次回が最終回です。裕美さんはついに死ぬかもしれない21日の朝を迎えていたのですが、予告によると、二人が夢でつながるための眠りの周期が、なぜか短く訪れるようになるようでした。龍野という人の存在もまだ謎のままですし、最終回がどのような展開になるのか、楽しみにしたいと思います。

「だましゑ歌麿III」

テレビ朝日のドラマスペシャル「だましゑ歌麿III」を見ました。水谷豊さんが江戸時代の浮世絵師の喜多川歌麿を演じる時代劇の第3弾です。

ドラマの原作は、私は未読なのですが、高橋克彦さんの小説『かげゑ歌麿』です。

寛政の改革を行う松平定信(梅沢富美男さん)は、質素倹約の条例に従わず華美な世界に生きる喜多川歌麿を疎んじ、縁戚関係にある新しい南町奉行の片桐主税(六平直政さん)と同心の村井順之介(鶴見辰吾さん)に、密かに歌麿の暗殺を命じていました。歌麿の後ろ盾となっている版元の蔦屋重三郎(岸部一徳さん)も、お店を荒らされたり浮世絵を没収されたりして、逮捕されていました。

その頃、江戸の町では、被害者の家の壁に赤い血で「かげ」というひらがなを書き残していくことから「月かげ」と呼ばれていた強盗団の事件が頻発し、仙波一之進(中村橋之助さん)と部下の彦市(金子貴俊さん)が捜査をしていたのですが、そこへ吉原を出たお客さんの駕籠が月かげに襲われたという一報が入り、二人が調べに行くと、凶器や血の痕は残されていたのですが、被害者の遺体は消えていました。

仙波さんは、殺されたのは誰かということばかりを気にする奉行の片桐さんは、被害者が喜多川歌麿(水谷豊さん)であることを知っているのではないかと考えていました。

吉原の料亭「鶴亀」の女将の志乃(萬田久子さん)によってその一室に匿われていた、瀕死の重傷を負っていたはずだった歌麿は、志乃さんによると、獄死していなかった平賀源内(笹野高史さん)の「エレキテル」の電気治療によって生き返ったということでした。

歌麿さんのお世話をしていた女中のおしげ(谷村美月さん)は、顔の左側に青い痣のある人でした。家族の生活のために売られてきたというおしげさんは、痣のためにお客を取ることができないといろいろなお店で断られ続けたそうなのですが、ある日出会った志乃さんに、何でもないことのようにあっさりと「鶴亀」の女中の仕事を任せてもらうことができたということでした。

歌麿さんの怪我が少し良くなってきたある日、仙波さんは、月影に皆殺しにされたお店の店員で唯一生きていた記憶喪失の女性が、平賀源内の「エレキテル」の治療中に「父親は歌麿」とつぶやくのを聞いて、また、その女性が歌麿の若い頃の絵を大切そうに持っていたのをおこう(鈴木杏樹さん)や蔦屋さんとと確認して、志乃さんに相談し、歌麿さんの娘だとして、歌麿さんのもとに連れて来たのでした。

その女性を見た歌麿さんは、歌麿さんが若い頃一緒に暮らしていたという、歌麿さんの絵のモデルにもなっていたおゆき(小野真弓さん)の面影を感じ、その女性を確かに自分とおゆきさんの娘だと判断していました。おゆきさんは、ある日突然行方不明になり、ショックで気が狂いそうになったという歌麿さんは、2年ほど後に、おゆきさんがいなくなったのは師匠の手が回っていたからだということを知ったということでした。

その女性は、歌麿さんが部屋を出ている間、おしげさんから名前を訊かれて、おゆうだと答えていたのですが、おゆうさんは、自分を生んだ母親のことも、母親と子供を捨てた父親のことも、酷く恨んでいるようでした。おしげさんの痣のことも、おしげさんが悪いのではなく、そのように生んだ親が悪いのだと言って、子供を売り飛ばした親を憎く思わないのかと尋ねていたのですがいたのですが、おしげさんは、全く親を恨んでいない様子で、親は自分のために泣いてくれたと庇い、家族の役に立ちたいと望んでいるというようなことを、おゆうさんに話していました。

その後、おゆうさんはおしげさんの肖像画を描き、おゆうさんがいなくなった後、その絵を見せてもらった歌麿さんや仙波さんや志乃さんは、おゆうさんはやはり歌麿さんの娘だと思うようになり、さらに歌麿さんは、「おゆう」の名前は、歌麿さんの本名の「勇助」から取っておゆきさんが付けた名前ではないかとも考えていました。

おゆうさんがいなくなった「鶴亀」の部屋には、おゆうさんを返してほしければ二百両を持って愛宕山へ来いというような内容の月かげの手紙が残されていて、仙波さんは、犯行現場に落ちていた凶器のくないのような短刀から、おゆうさんは浅草の見世物小屋で芸を披露していた女性であり、歌麿さんの娘とは限らない、罠かもしれないと心配していたのですが、歌麿さんは、娘と信じたおゆうさんを助け出すことに決め、仙波さんに伝えて、夜、一人で月かげの待っている場所へ向かうことを決意していました。

月かげのリーダーで、両国で無宿人たちを束ねている元締めだという島田銀兵衛(寺島進さん)は、村井さんの指示で歌麿を誘き出すために観音堂に閉じ込めていたおゆうさんを、自分たちの仲間に引き入れていた人物でした。親を恨むおゆうさんは、自分の父親が世間を賑わせている有名な絵師の歌麿だと知ってからは、歌麿を強く憎むことで泥水を飲むような酷い暮らしにも耐えて生きてきたようでした。

娘を助けに来た歌麿さんに、おゆうさんは、私は歌麿の娘ではない、絵は死んだ友人からもらった、それが歌麿の娘だった、歌麿の娘はとっくに死んだのだと、辛そうに言っていました。そうして、歌麿の娘のおゆうさんは、自分は歌麿の娘ではないとしたまま、お堂を飛び出して銀兵衛さんたちの間を走り去っていきました。

おゆうさんに人並みの暮らしをさせたかった歌麿さんは、おゆうさんを人殺しの仲間にしたのが銀兵衛だと確認すると、火附盗賊改の長谷川平蔵(古谷一行さん)や仙波さんの支援もあって、月かげの集団を次々と斬り殺し、おゆうさんを根っからの人殺しだと笑っていた銀兵衛さんは、歌麿さんに斬られながら、おゆうさんと歌麿さんを「化け物親子」と罵っていました。

南町奉行の片桐さんは、保身のために強盗集団のことも村井さんのことも裏切ろうとして、長谷川さんたちの前で村井さんに斬り殺され、その村井さんも仙波さんに切り捨てられていました。

事件後、歌麿さんは、松平定信に直談判をしに行ったのですが、部下が勝手にしたことだと言われ、絵筆を折れと追い返されていました。雪の降る戸外に投げ出された歌麿さんは、女性たちの命を描くことがどうしていけないのかと、これからも絵を描き続けることを決意していました。

「鶴亀」のおしげさんは、歌麿さんから襖くらいの大きさの「影絵」を託されていました。それは、菩薩のような感じの黒い影の判じ絵(だまし絵)だったのですが、後ろの障子を引くと、影と同じ形の別の絵が出てくるような仕掛けになっていました。おゆうさんとおゆきさんと、鬼と葵のご紋の袴を着た白い兎などの絵が次々と現れていたのを、志乃さんや仙波さんが見て感心していました。

歌麿さんは、舟の上で、橋の上を行きかう楽しそうな女性たちの絵を描いていたのですが、その女性たちの中におゆうさんの面影を見ようとしていたようでした。

脚本は古田求さん、監督は吉川一義さんでした。ナレーションも、前作と同じく夏木マリさんでした。

親に感謝をしていたり、親を恨んでいたりという感情は違っていましたが、親のために不幸な境遇を生き抜かなくてはいけないことになったという点では共通していた、谷村美月さんのおしげさんや、南沢奈央さんのおゆうさんが、良かったのだと思います。お堂でおゆうさんが父親の歌麿さんに訴えていた場面も、辛い感じがしたのですが、良かったです。

前作には「刑事ドラマ」の印象もあったのですが、今作では、仙波さんたちが捜査をしたり推理をしたりする場面があまり描かれておらず、その要素が少なくなっていたように思います。複雑さが減り、前作よりも分かりやすい展開の物語になっていました。

水谷豊さんの歌麿さんは、3作目ということもあって私も慣れてきたのかもしれないのですが、相変わらず少し不思議というか、ところどころ病的に思えるような、奇妙な雰囲気はありました。中村橋之助さんの仙波一之進さんの存在が、時代劇としての安定感を作っているのかもしれないという印象もありました。

おこうさんに瓜二つだったという歌麿さんの亡き妻のおりよさんのことは、今作では描かれていませんでした。

今作は、なぜか笹野高史さんの平賀源内も登場していて、そのような要素も面白く思えたので、私としては、例えば最後の歌麿さんの判じ絵の影絵の場面にもエレキテルが使われているとか、何かもう少し、源内さんにも活躍をしてほしかったように思えました。

「斉藤さん2」第3話

日本テレビの土曜ドラマ「斉藤さん2」の第3話を見ました。

夕方、川沿いの道を歩いて帰宅しようとしていた斉藤潤一(谷端奏人さん)や玉井大和(玉元風海人さん)たち小学生4人が、歩道橋の下の暗がりに隠れていた何者かに花火で攻撃されるという事件が発生し、この問題を放置しておくのは危険だと考えた4年3組の保護者の玉井眞美(南果歩さん)は、その場にいた息子の大和君の意見を参考に、犯人の高校生たちが通う大鷹高校に注意をしてほしいという旨の電話を匿名で入れていたのですが、高校の教師や近所の大人たちから犯人だと決め付けられた木津大輔(宇治清高さん)や椎原直人(岡山智樹さん)や藤野マユ(彩也子さん)や保科優里(早見あかりさん)は反発し、学校に電話をしたのは斉藤全子(観月ありささん)に違いないと怒り、斉藤さんに復讐をしようと、4年3組の担任の小杉大造(瀬戸康史さん)と主夫の播磨大三郎(音尾琢真さん)と3人で見回りをすることになった斉藤さんに向けて歩道橋の下から花火を飛ばし、玉井さんたちや教師からさらに犯人扱いをされることになっていました。

妊娠中で高校を中退した前園冴(松岡茉優さん)とコンビニエンスストアの入口の前に座っているところを斉藤さんに注意された保科さんは、最初は怒っていたのですが、保科さんのことを良い友達を持ったねと前園さんに言うのを聞いて、斉藤さんを悪い人ではないかもしれないと思うようになったようで、仲間たちが斉藤さんに仕返しをしようとすることに少し反対していました。

今回は、潤一君と同じクラスの拓海(橋本涼さん)の母親の山内摩耶(桐谷美玲さん)が、斉藤さんのように、一人でも自分の意見をしっかり言うことのできる強い母親になろうと、孤軍奮闘する話でもありました。

斉藤さんの味方をしたことで玉井さんたちから仲間外れにされるようになっていたらしい山内さんは、フラワーアレンジメント教室でも孤立していたのですが、自分は「斉藤派」だと思うことで、玉井さんたちと対決しようと決意していたのですが、それを聞いた斉藤さんから、私は何派とかいうのは嫌い、意見が異なれば議論をするというだけのことで喧嘩をしているわけではないとあっさりと正論を言われ、せっかく斉藤さんの味方をしてあげようと思っていたのに、と逆恨みをするようにもなっていたのですが、夫の弘高(田辺誠一さん)に愚痴を聞いてもらえなかったことから、突然、私は斉藤さんになる、と弘高さんにも斉藤さんにも頼ることなく一人でも強い母親になろうと気合を入れ始めていました。

山内さんは、玉井さんが講師を務めるフラワーアレンジメントの教室を辞め、大鷹高校の前で保科さんを捕まえると、いつものカフェ「マヤ文明」に連れて行き、保科さんたちが花火の犯人ではなかったことを直接聞き出していました。保科さんは、山内さんから、学校へ苦情の電話をかけたのが斉藤さんではないことを聞いて、友人たちに話していたのですが、理解しない友人たちは斉藤さんのことを怒り続けていました。

拓海君から、大和君が高校生だと言っていたと聞いた山内さんは、フラワーアレンジメントの教室で玉井さんと一緒に勉強をしていた大和君から事情を聞こうとしていたのですが、大和君は、潤一君が高校生だと言ったのだと山内さんに言い、玉井さんは、うちの子を疑うのかと、山内さんを怒っていました。

夕方、キッチン用品で武装した山内さんは、拓海君を帰宅したばかりの弘高さんに預けて外出し、川沿いの現場に向かっていました。弘高さんは、拓海君の提案で、妻の忘れていった携帯電話から斉藤さんに連絡をしていました。

保科さんが言っていた通りに、犯人が疑われている高校生たちではないのかどうかを、一人で確認しに行った山内さんは、集まっていた犯人たちが高校生ではなかったのを見てほっとしていたのですが、見つからないように静かに帰ろうとした時、フライパン?の音がしてしまい、犯人たちに気付かれてしまいました。

山内さんが犯人たちに捕まりかけていた時、通りかかった保科さんが気付いて助けに来てくれたのですが、保科さんも犯人たちに捕まりそうになっていました。そこへ、山内さんを捜しに来た斉藤さんがやって来て、二人を助けようとしたのですが、暴力的な犯人たちは斉藤さんを蹴り飛ばしていました。

その様子を、担任の小杉先生や玉井さんたちも植え込みの陰から見ていたのですが、誰も助けに行こうとはしていませんでした。助けを呼ぼうともしていませんでした。播磨さんは、小杉先生を行かせようとして突き飛ばし、小杉先生は足首を捻挫していました。

その時、いつも指差し確認をして「異常なし」としか言わないので偽物の警官かと疑われていた岩田巡査(勝村政信さん)が通りかかり、斉藤さんたちが悪い人たちに絡まれている事件を見つけて「異常あり!」と仲間の警官に緊急連絡し、その勢いから、たくさんのパトカーが出動する大事件のようになって、犯人たちは一斉に逮捕され、斉藤さんたちは助かったのでした。

岩田巡査は、本物の警官だったようです。岩田巡査の仲間の警官は、岩田巡査の「異常あり」は相当なものだと理解していたようでした。もし数人の警官が来ただけだったなら、犯人たちを取り逃がしてしまっていたかもしれないなと思いました。

斉藤さんは、山内さんは誤解している、私は強くない、誰かに頼らないといけないから山内さんがいてくれて助かっていると、山内さんに話していました。山内さんを家まで送った斉藤さんは、山内さんを待っていた拓海君と弘高さんに挨拶をしていました。斉藤さんと初対面した弘高さんは、妻はあなたのファンなんですと楽しそうに言っていました。

斉藤さんが帰った後少しして、頼りにならないと言ったことなどを弘高さんに謝っていた山内さんは、斉藤さんが帰り際に「摩耶」と呼び捨てにしていたことを思い出して喜んでいました。その頃、斉藤さんの帰宅を外で待っていた潤一君は、心配してお父さんにも電話をしたと話していました。

脚本は土田英生さんで、演出は吉野洋さんでした。

山内さんが、玉井さんたちの情報を鵜呑みにせず、斉藤さんのように自ら直接調べに行くようになっていたところが良かったです。前作のミムラさんの演じていた真野さんには似ているのですが、もう少し進歩的な感じがしました。

4年3組の保護者たちを仕切っている玉井さんは、前作の高島礼子さんが演じていた三上りつ子さんの立場の人なのだろうと思うのですが、今回によると、後始末をしないで逃げ出してしまう人のようでしたし、同じように街の子供たちを守ろうとしているのだとしても、三上さんよりも正義感が薄い人なのかなとも思いました。

第1作を見ていた私のような人には、斉藤さんがどのような人かということは一応分かると思うのですが、第2作では、まだそれほど斉藤さんが活躍をする場面が描かれていないような気もします。あるいは、今作では山内さんが“主役”なのでしょうか。

第2作ということもあって安定感のようなものはあると思うので、ドラマの展開に新しさのようなものは少ないかもしれないのですが、やはりそれなりに面白く、見始めると最後まで見てしまいます。

今回の冒頭の辺りで、潤一君が「さすが斉藤さんの息子」とか友達に言われていたように思うのですが、斉藤さんの息子としての潤一君の苦悩?のようなものも、もしあるのなら、描かれるといいなと思いました。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム