「鼠、江戸を疾る」第6回

NHKの木曜時代劇の「鼠、江戸を疾る(はしる)」の第6回を見ました。

雨の夜道を歩いていた甘酒屋の次郎吉(滝沢秀明さん)と妹の小袖(忽那汐里さん)は、小袖さんの剣術の強さを知っていた見島屋の番頭の清吉(渡辺大さん)に声を掛けられ、殿の側室の紫の方(村川絵梨さん)の護衛のために大奥へ入ってほしいと頼まれていました。

清吉さんには、小さい頃、子犬を連れ戻そうと側室の行列の前に飛び出した妹のいとを、行列の先頭を歩いていた家来の谷市之助(堀部圭亮さん)に斬り殺されてしまったという過去があり、谷さんの仇討ちを企てていました。

見島屋の旦那さんに救われた清吉さんは、見島屋のお嬢様と婚約をしていたのですが、ある日大奥へ上がることが決まってしまい、清吉さんの妹のいとさんのことを清吉さんから聞いて知っていたお嬢様は、仇討ちの役に立つかもしれないと、周辺の状況を探るために、大奥へ入ることを決意し、将軍の側室の紫の方となったのでした。

しかしその後、懐妊した紫の方は、小夜という子供のいない古い側室に妬まれて殺されそうになっていたのですが、その小夜という側室が、いとの飛び出した行列の駕籠の中にいた人で、いとを切った侍がその家来の谷さんだったのでした。

町人の清吉さんは、元武士の浪人から剣術を習っていたのですが、その浪人は、病気の妻の治療費のために、側室を暗殺するという三十両の仕事を引き受けてしまっていました。

見島屋の養女の手続きをして紫の方の護衛となった妹の小袖を守りたい次郎吉は、側室を斬ったあとは必ず消されるだろうから三十両をもらうことはできないだろうと、清吉さんと一緒にその浪人を説得し、清吉さんは浪人に頼み込んで、代わりに暗殺の仲間に入ることになりました。

黒ずくめの服装をして行列の前に飛び出してきた人たちの中に清吉さんの姿を見つけた紫の方と小袖さんは驚いていたのですが、小袖さんたち護衛が他の犯人を倒すと、清吉さんは、護衛のように付き添っていた谷さんと対峙して二人で林の中へ向かっていました。

清吉さんは頭巾を外して、妹の後に斬られそうになっていた首の刀の傷痕を見せていました。大奥に出入りしている見島屋の番頭か、と意外そうにしていた谷さんは、首の傷を見て、あの時の子供だということを理解していました。谷さんは、子供を斬ったことを憶えていたようでした。

谷さんが応戦しようと刀を振り上げると、木の陰にいた次郎吉さんが小判の光を反射させて谷さんの視野を妨害し、そのまま清吉さんは、念願の仇討ちを果たすことができたのでした。清吉さんの前に姿を現し、鼠小僧だと名乗った次郎吉さんは、盗み出していた紫の方を殺す計画を立てていた側室の小夜の手紙を谷さんの着物に差し、寺社奉行がこれを見つければ、谷さんたちは処罰を受けるだろうと話していました。しかし、仇討ちを果たした清吉さんは、仇討ちを果たしたいというのは自分の欲だったと気付き、そのために見島屋のお嬢様の人生を狂わせてしまったということを後悔していました。

さっそく暇をもらった、と元気に小袖さんがいつもの長屋に帰宅すると、兄の次郎吉は、鼠小僧の妹というのは良くないから養子の手続きをした見島屋に帰るようにと言っていて、小袖さんは、兄さんが捕まりそうになったら私が殺す、そのくらいの覚悟はしていると、今まで通り兄と暮らしたいことを目に涙をためて訴えていました。

脚本は大森寿美男さん、演出は山下智彦さんでした。

ソチオリンピックのためにお休みが続いていたので、久しぶりの放送でした。

今回には岡っ引きの徳五郎さんも登場していなかったのですが、鼠小僧は、一般的には謎の泥棒として追われている身だと思うので、第5回にもそのようなところがあったのですが、私としては、やはりどうしても、甘酒屋の次郎吉自身が鼠小僧だと名乗って姿を現し、平気で顔を見せてしまうということに、いまいち納得をすることができず、そのようなところを少し惜しいように思えてしまっています。

谷さんの目に小判の光を当てたり、紫の方を狙う暗殺計画の手紙を盗んだり、鼠小僧が清吉さんの仇討ちの手伝いをするところまではまだ良いのだとしても、清吉さんの前に鼠小僧として姿を見せる必要はなかったのではないかなと、私には思えてしまいました。清吉さんが周囲の人たちに鼠小僧の正体を明かすような性格の人ではないとしてもです。

でも、兄の次郎吉さんと妹の小袖さんがお互いに唯一の家族として大切に思っているということが描かれていたのは、良かったように思います。次回も、予告によると、そのようなところが描かれているようでした。

「おふこうさん」最終回

NHKのBSプレミアムの「プレミアムよるドラマ」の「おふこうさん」の最終回(第8話)を見ました。

最終回の第8話の前半は、栄幸之助(萩原聖人さん)がオーナーを務めている「アニュ」が新しいビルの持ち主にテナント料を支払えずに閉鎖に追い込まれるかもしれないということを知った、「不幸体質」の思い込みを乗り越えて少し前向きな性格になった千倉つぐみ(貫地谷しほりさん)が、「アニュ」で託児所を開くことを提案する話でした。

自分には何もできないからせめてできる人の役に立ちたかった、と言う栄さんは、会社を立ち上げたいという人たちを応援するための「アニュ」の使用料を安く設定していたようでした。そのためにどうしても料金の値上げをすることができなかったという栄さんの話を聞いた大西愛里(木南晴夏さん)、ハマー濱崎になった濱崎透(澤部佑さん)、片岡大介(永瀬匡さん)、小金沢銀次(大倉孝二さん)たちは、「アニュ」を潰すようでは自分たちはどこへ行っても通用しないのだと気付き、全員でテナント料を支払えるようにするための「作戦会議」を開いていました。探偵の伏山誠治(伊武雅刀さん)は、若い人に貸すべきだとして、娘の幸子さんのことを感謝しつつ、早めに「アニュ」を去っていました。

他人の役に立ちたいという栄さんの意向を汲んで、託児所を開くことを思いついたつぐみさんの提案を受け入れた「アニュ」の人たちは、自分たちの本業の仕事もきちんとしながら、託児所を手伝っていました。

栄さんは、自分の不幸ジンクスが原因で赤字になったのではないかとまた少し落ち込んでいたつぐみさんに、もしも仮にそうだとしても、今の「アニュ」は前よりもずっとすてきな場所になった、良い思い出ばかりだ、君のおかげでこれだけ良いことが起きたのだと、感謝をしていました。

みんなは楽しく仕事をしながら無事に収益を上げることができたようで、「アニュ」のテナント料分のお金が集まったのですが、なぜか金庫を持ってみんなで土手を歩いていたためか、自転車に乗って来た泥棒に金庫を盗まれ、つぐみさんが猛スピードで走って追いかけたもののそのまま逃げられてしまい、結局、「アニュ」の閉鎖は決まってしまったのでした。

つぐみさんもみんなも落ち込んでいたのですが、つぐみさんは、引ったくりに遭ったことで自分の足が速いことに気付いた、と前向きなことを言い、不幸は幸せの前触れかもしれない、いつか今日の不幸をきっかけにして幸せがやって来るのかもしれない、その幸せが自分に訪れなかったとしてもどこかの誰かに訪れるかもしれないと話し、何となく納得したみんなと、「アニュ」の閉鎖が世界平和につながることを祈って、解散していました。

「アニュ」を出た後、小金沢さんは喫茶店の店主との喧嘩をきっかけに長居をしても怒られない喫茶店を作り、探偵の伏山さんは自伝小説を出版して映画化し、濱崎さんはマネージャーを殴って問題になったものの謹慎中に伸びた髪を使って再ブレイクを果たし、愛里さんの娘は母親との喧嘩で開花した才能からプロボクサーになった、ということでした。

最後、久しぶりだね、と公園のベンチに座って本を読んでいるつぐみさんに声を掛けていた栄さんは、奥さんの趣味とかで、おもしろ自転車?を作る会社を立ち上げていたようだったのですが、つぐみさんとは別の人と結婚したようでした。

つぐみさんは、別れた時はどん底のような気持ちだったけれど、その後良い人に巡り合うことができたと話していて、そこに一緒にいたのは、濱崎さんの元マネージャーの、伏山さんがマルチェロ・マストロヤンニに少し似ていると言っていた、顔が画面からはみ出してしまうほど背の高い人でした。

栄さんは、元気なお子さんが生まれるといいね、と言いかけて、元気な「おふこうさん」が生まれるといいね、とつぐみさんに言って、「じゃあ、またいつか。さいなら」と穏やかに軽く挨拶をして、幸せそうなつぐみさんと別れていました。

作(脚本)は福原充則さんで、演出は竹村謙太郎さんでした。

前回の第7話が「おふこうさん」の中ではむしろ少し異色の作風だったのかもしれません。私には第7話が良く思えていたので、今回の最終回を少し物足りなく思えてしまったところもあるのですが、それでも、人生には何が起こるか分からないから面白いのだというようなことは、よく伝わってきたように思います。何となくなのですが、「おふこうさん」としてはこれで良かったのかもしれないとも思います。

今回のドラマを見ていて、幸せと不幸せとは表裏一体で、ある出来事をどのように捉えるかは、その人の考え方や見方によって異なるのだということを、改めて思いました。最終的には、自分を不幸体質だとしていたのはつぐみさんの激しい思い込みだということが分かり、つぐみさん自身も、その思い込みへの依存を乗り越えることができたので、良かったのだと思います。

ただ、つぐみさんは、マイナス思考のところがあっても、それなりに積極的に生きる、幸せになろうと努力するという姿勢は貫いていたような気がします。だからこそ、仲間たちに助けてもらうことができたのですし、仲間たちを助けることもできたのではないかなと思います。本人としては不幸だけれども周囲に幸せをもたらすような愛される人だというところが、「おふこうさん」だったのかもしれないなと、ドラマを見終わって思いました。

漫画風のコメディーの要素の多いドラマだったので、ところどころ、私には面白さがいまいちよく分からないように思えてしまうところもあったのですが、それでも最後まで比較的楽しく見ることができて良かったです。

「明日、ママがいない」第7話

日本テレビの水曜ドラマ「明日、ママがいない」の第7話を見ました。

幼稚園に行きたくなさそうなニッパチ(寺田心さん)を幼稚園に送っていったポスト(芦田愛菜さん)が遅刻をして身を隠しながら静かに小学校の教室に入ると、そこには新しい担任の先生の朝倉亮(吉沢悠さん)がいました。穏やかな性格の朝倉先生に見つかったポストは、そのまま自己紹介をしてと言われて、いわゆる「ドキュンネーム」と呼ばれる少し変わったものらしい名前を名乗ってちゃんと自己紹介をしたようでした。

幼稚園で人気者?になっていたニッパチを迎えに行ったポストやピア美(桜田ひよりさん)やボンビ(渡邉このみさん)が戻ると、「コガモの家」の前には「ジョリピ」の車が止まっていました。子供たちは、東條祐樹(城田優さん)とマリア夫妻が来るのを緊張して待っていたのですが、東條夫妻が気にしているのは男の子であるということを知って、女の子たちはがっかりしていました。今の「コガモの家」にいる小さい男の子は、ニッパチと、ハン(阪本光希さん)とリュウ(阪本颯希さん)の双子でした。

部屋で落ち込んでいたボンビは、一緒にサッカーのできる跡取りの男の子がほしい東條夫妻に会うため、机の引き出しからハサミを取り出し、ポストに髪を切ってもらうことにしていました。ポストは心配しながらも希望通りにボンビの髪を短く切っていて、しばらくしてコガモの家の前の庭で佐々木友則(三上博史さん)が東城さんからの援助の提案にお礼を言っていると、東城さんの足元にサッカーボールが転がってきて、「おじさん、サッカーできる?」と訊く明るい少年がいたのですが、それは少年に変装したボンビでした。

ボンビだと気付かないままサッカーで遊んだ東條夫妻は、少年を気に入り、少年に「バンビちゃんのおかげ」だとお礼を言いたいから呼んできてほしいと頼んでいて、「私」を「おいら」と言い換えて話す青いダウンジャケットの少年のボンビは、急いで部屋に戻ってみんなに頼んで着替えを手伝ってもらい、ニットの帽子をかぶった黄色いコートの少女のボンビに戻って再び東條さんの前に行くと、東條さんから羽付きの白い帽子をプレゼントされていました。少年になったり少女に戻ったりバタバタと廊下を走るボンビの様子も、それをリビングで見た佐々木施設長が「何なんだ!」と呆れているところも、面白かったです。

再び無口に戻っていたロッカー(三浦翔平さん)とスーパーマーケットで買い物をしていたポストは、新しい担任の朝倉先生を見つけて声をかけていました。病気で寝込んでいる妻の代わりに家事を行っているという朝倉先生から、引っ越しの片付けもまだできていないということを聞いたポストは、手伝いに行くと提案し、少し迷っていた朝倉先生も、そうしてもらうことにしていました。

朝倉先生の家を訪れたポストとピア美は、部屋に仏壇があるのを少し気にしつつ、片付けを手伝っていました。先生の奥さんの姿は見えなかったのですが、ポストが荷物を運んでいると、子供部屋のベッドの脇で眠っている朝倉先生の妻の瞳(安達祐実さん)の姿があり、その時目を覚ました瞳さんは、ポストを見て、「アイ?」と呼びかけていました。

瞳さんは、ピア美といるポストのことを、友達を連れてきた亡くなった娘のアイだと思い込んで楽しそうに接していました。朝倉先生は困って娘ではないことを説明していたのですが、瞳さんは夫が冗談を言っているという風にしか受け取っていませんでした。

朝倉先生は、一緒に土手に来ていたポストとピア美に、娘が落ちた友達の靴を拾おうとして線路の事故で亡くなったことを妻は受け入れることができていないのかもしれないということを話し、それでも久しぶりに妻の笑顔を見たと嬉しそうにしていて、ポストたちは、今度またコガモの子供たちを連れて遊びに行くと朝倉先生に約束していました。

一方、佐々木施設長がお弁当屋の佐々木香織(鈴木砂羽さん)を時々見に行っていることをドンキ(鈴木梨央さん)から教えられて駆けつけた児童相談所の水沢叶(木村文乃さん)は、ドンキが「告げ口」をしたことに気付いた佐々木施設長から、ドンキには自尊感情が欠落しているところがあるのかもしれないということを言われて、カウンセリングを受けさせるべきか迷っていました。

そして、そのことを「お試し」に行った先の川島夫妻(松重豊さん、大塚寧々さん)にも話そうとしていたのですが、夫妻は、あの子と一緒にいたいのだと叶さんに頼んでいて、それを夫妻の家の廊下で聞いていたドンキは泣き、叶さんは、私も小さい頃に夫妻のような人たちに会いたかったと話していました。

東條さんとフットサル場に来ていたボンビは、そこにやって来た双子と合流することになって困っていました。それからボンビは双子と東條家に行ったのですが、お風呂に入ろうという話になり、その場で服を着替えることができないことを双子に嘲笑されていました。東條さんは少年をいじめる双子を注意していたのですが、ボンビは、ごめんなさい、と繰り返して、双子を残したまま、東條家を飛び出してしまいました。

夜、佐々木施設長やポストやオツボネ(大後寿々花さん)やピア美は、帰って来ないボンビを心配していたのですが、双子を怒ったポストがボンビを探しに行っている間、佐々木施設長は、ピア美と一緒にボンビを心配するドンキに、友達の心配をする振りはやめろと、ドンキの嘘を見抜いて言っていました。

佐々木施設長は、東條家が児童相談所を通さずに「コガモの家」に来たことを叶さんに言ったのも、ボンビが少年に変装していることを双子に言ったのもドンキだと言い、ドンキは他人が自分よりも幸せになろうとするのを妨害しようとしていると話していました。

はっとしていたドンキは、どうして嘘をつくのかと訊く佐々木施設長に、嘘などついていないと主張し、後ずさりをしながら足を踏み外して、階段を転げ落ちていました。しかし、顔を怪我したまま起き上がったドンキは、佐々木施設長を睨み付けると、そのまま玄関を飛び出し、お弁当屋さんへ向かっていました。

その頃、ポストは、公園のドラムの中に座っているボンビを見つけて、買ったばかりの焼き芋を手渡していました。ポストは、私が悪いと言うボンビに、たまには他人のせいにすればいいのにと言っていたのですが、ボンビは、ポストも他人のせいにしないと返していました。泣いていなかったから泣いてもいいかと訊くボンビに、もちろんさ、と言ったポストは、それから二人でドラムの上に上がり、一緒に大声で「ジョリピー!」のギャグを叫んで帰っていました。

お弁当屋さんの仕事を終えた香織さんは、お店の前で泣いているドンキを見て驚き、ドンキと一緒に「コガモの家」を訪れていました。夫が警察官の仕事を続けていると思っていた香織さんは、ドンキの言う通りに「コガモの家」の施設長が元夫だったことを知るのですが、ドンキに怪我をさせたことを怒っている香織さんは、動揺する佐々木施設長に、あなたは何も変わっていない、あなたには子供たちを預かる資格などないと言って、施設を後にしていました。

翌日、線路の前に来たポストは、ロッカーと買い物に行った帰りに線路に落とした赤いりんごを拾ったことを思い出し、それと同時に朝倉先生の娘が友達の靴を拾おうとして轢かれたことを思って、朝倉先生の家に向かっていました。

チャイムを鳴らそうとした時、陶器の割れるような音がしていたのですが、中では朝倉先生が、娘を亡くしたことを受け入れることができずに混乱している瞳さんを説得しようとしていました。アイは塾へ行っているだけでもうすぐ帰ってくるのだと主張していた瞳さんは、部屋の隅の仏壇のことを教えられて、アイはいないの?と受け入れようとし、アイは寂しがっているはずだと、取り出した包丁で自殺をしようとしていたのですが、そこにドアの開く音がして、ポストが玄関に入ったのでした。玄関の子供を見た瞳さんは、「おかえり、アイ」と笑顔で言い、ポストは、「ただいま、ママ」と明るく答えていました。

脚本は松田沙也さん、脚本監修は野島伸司さん、演出は猪股隆一さんでした。

第7話も、良かったです。ボンビは東條さんのために髪を切り、少年に変装していたのですが、そのボンビが本当の少年のように見えたというか、とても似合っていて、かわいかったように思います。

今回、安達祐実さんが出演していたのは「家なき子」のつながりなのでしょうか。でも、最後の瞳さんとポストの場面は、安達祐実さんと芦田愛菜さんでなくては成立しなかったのではないかと思えるほど、鮮やかな雰囲気があったような気がします。

全体的には良かったのですが、ただ、私には、ドンキの「自尊感情の欠落」について話した佐々木施設長が、それを「心の闇」と表現したことは、紋切り型過ぎるような感じがしてしまい、少し残念に思えました。

自分にとって簡単には理解し難い人の心理状態を「心の闇」とする言い方は、報道番組などでもよく使われていると思うのですが、私には、「闇」とすることで納得して片付けてしまっているような、少し浅い言い方のようにも思えるのです。佐々木施設長が元エリートの警察官だという設定だったとしても、今回の佐々木施設長のことは、もう少しドンキの気持ちに寄り添って考える人として描かれていてほしかったように思いました。

「希望の花」

昨日の夜の10時からNHKで放送され、録画をしておいた、第37回創作テレビドラマ大賞のドラマ「希望の花」を見ました。

この賞のドラマは毎回ドラマ化されて放送されているのでしょうか。それとも、時々映像化されて地上波で放送されるというくらいなのでしょうか。私はこの賞のことをよく知らないままです。

ドラマは、100社以上の会社の試験を落ち続けて悩んでいる就職浪人中の杉浦大樹(中村蒼さん)が、手芸店を倒産させてしまって家を差し押さえられ、娘である大樹さんの母親の千鶴(藤田朋子さん)の花屋を営む家に引っ越してきた商売好きの祖母の坪内トヨ(渡辺美佐子さん)の引き受けた仕事を手伝いながら、トヨさんの今できることをするという生き方に感化され、前向きな明るさを取り戻していく、というような物語でした。

一流商社に勤める友人の寛太(中尾明慶さん)に対して引け目を感じていた大樹さんは、会社の厳しい業務についていくことができず(「ブラック企業」だったのでしょうか)、自殺未遂で入院してしまった寛太さんの手紙に、希望が見えない、ということが書かれているのを読んで、幸せそうに見えていた寛太さんにも辛い思いがあったことを理解していたのですが、寛太さんに希望が見えないのなら、就職をすることができていない自分はもっと暗闇の中にいるのではないかという風にも落ち込んでいました。

大樹さんの父親は亡くなったようで、大樹さんは母子家庭に育っていたのですが、一人でお花屋さんを営む母親は、なぜか大樹さんにはお店の手伝いをさせようとせず、大企業の会社員になることを望んでいるようでした。ただ、時々配達の手伝いをすることはあったのか、車の免許証は持っていました。

そのような中、千鶴さんはトヨさんのアートフラワー(造花のことだそうです)の荷物を捨てようとしてぎっくり腰で入院し、その隙に花屋を手伝い始めたトヨさんは、悩んでいる孫の大樹さんを仕事に巻き込みつつ、4日後の結婚式の飾り付けという大きな仕事を引き受けていました。

トヨさんは、カサブランカを飾りたいという花嫁の周防さん(吉田桂子さん)の希望を叶えようと、市場へ行って先輩の花屋(宇梶剛士さん)に相談していたのですが、せっかく無事に集めることができたカサブランカを、数時間出かけている間に枯らしてしまったのでした。原因は、大樹さんが母親から使わないように言われていた故障間際の洗濯機を運転させたことで、ショートによる停電を起こしてしまっていたためでした。

大樹さんは先輩に相談し、カサブランカを集めたり、残ったカサブランカの復活方法を教えてもらったりしていました。その結果、無事に咲いた花もあったのですが、結婚式場に飾るためには数が足りないということで、トヨさんは、その分をアートフラワーで補うことに決めていました。

プラモデル作りを趣味にしている手先の器用な大樹さんに、トヨさんは作り方を丁寧に教えていました。そうして完成した飾り付けを、トヨさんは気に入ってくれただろうかと心配していたのですが、後日、花嫁の方からハガキが届き、そこにはトヨさんの作った永遠の花であるアートフラワーを持ち帰って大切にしているという旨のことが書かれていて、退院していた母親から受け取って読んだ大樹さんは、感激していました。トヨさんは、大樹さんの「初仕事」の成功を、おめでとうと祝福していました。お店に来ていた寛太さんは、会社を辞めたようで、また仕切り直すと大樹さんに話して明るく別れていました。諦めずに今できることを頑張ってやり遂げることの大切さと嬉しさを知った様子の大樹さん自身も、晴れ晴れとした感じで、青空を見上げていました。

脚本は藤井香織さんでした。演出は榎戸崇泰さんでした。

東日本大震災以降、NHKでは「花は咲く」というモチーフ(テーマ?)がよく扱われているような気がします。今回の「希望の花」も、最初にそのタイトルを聞いた時には、その言葉に関連した作品なのかなと思いました。

今回のドラマを見ていて、もしも大樹さんの実家がお店をお花屋さんを経営していなかったなら、もしも同居をすることになった祖母が元気で前向きな性格の商売人でなかったなら、自分の未来に対して希望の光は全く見えない、というような就職浪人中の大樹さんの感じは、もっと悪化したというか、大変だったのではないかなと思いました。

そのため、物語としては、特別変わった出来事は描かれていなかったように思いますし、新しい生き方を提示するというものでもなかったですし、いわゆる“ベタ”なドラマだったのかもしれないとも思うのですが、でも、それなりにさわやかな感じもあって、きれいにまとまっていたので、良かったのだと思います。特に渡辺美佐子さんのトヨさんの、孫を見守りつつ、自分の幸せも追求するとするというような生き方の雰囲気が良かったように思います。

現在の自分を受け入れ、折り合いをつけながら、毎日の生活を丁寧に、真面目に前向きに生きようとするような方を応援するドラマだったのかもしれないなと思いました。

「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」第8話

フジテレビのドラマ「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」の第8話を見ました。

厚生労働省の白鳥圭輔(仲村トオルさん)は、桜宮家の別荘から持ち帰ったティーカップを、「碧翠院」の地元の警察署の小幡刑事(池内万作さん)のところに持ち込み、そこに残されている指紋が、産科医の桜宮すみれ(栗山千明さん)とアルバイトの天馬大吉(上遠野太洸さん)ともう一人は誰のものか調べてほしいと頼んでいました。

その頃、心療内科医の田口公平(伊藤淳史さん)は、入院患者の赤城美智(左時枝さん)たちと一緒に料理を作ったりして馴染んでいたのですが、病院の庭のバラの花の手入れをする精神科医の桜宮華緒(相築あきこさん)が、8年前に亡くなった長男の葵(山﨑賢人さん)のことを過去形ではなく現在形で話すのを聞いて、息子が亡くなったことを今も受け入れることができずにいるのではないかと心配していました。

部屋でぼんやりとしている田口さんからその話を聞いた白鳥さんは、本当は葵さんが今も生きていて桜宮家に匿われているかもしれないということに気付き、その考えを進めることにしていました。

小幡刑事は、碧翠院の緩和ケア医の桜宮小百合(水野美紀さん)の8年前の被害事件の犯人の三田村という人の写真を白鳥さんに見せて当時のことを話していたのですが、それによると、加害者の三田村さんは、小百合さんを傷つけた5日後、何者かに襲われた様子で、家具にぶつかって頭から血を流して仰向けに倒れているところを2日後に発見されたのですが、検死をした桜宮巌雄院長(柳葉敏郎さん)は、殺人事件ではなく心不全による病死だと判断し、警察署もそのまま受理してしまったということでした。

小幡刑事から別荘のティーカップの指紋と三田村さんを殺した人物の指紋が一致したことを教えられた白鳥さんは、田口さんと地元の地図を広げ、葵さんが姉の復讐のために三田村さんを殺害後、人通りのない近道を逃げようとして崖の上の細い獣道を走り、誤って転落してしまったのではないかと推理していました。小幡刑事は、葵さんが崖から落ちるところを目撃していた漁師の通報で現場に駆けつけていたということでした。

その頃、桜宮家では、葵さんを町から出そうという話し合いがなされていました。そうして、岩場の現場を訪れていた白鳥さんと田口さんは、現れた小さな船の甲板に座る葵さんの姿を見つけ、驚いていました。

白鳥さんに声を掛けられた葵さんは、「助けて、碧翠院は一度入ったら出られない病院です。」と船の上で言い、白鳥さんたちは、手紙を送ってきた人物が葵さんだと知るのでした。

葵さんは放射線科医の立花善次(宅間孝行さん)の遺体のバラバラのCT画像を送った「タチバナ」のメールを、改めて目の前の岩場にいる白鳥さんに送っていて、そこには「たのしかったよ 葵」と書かれていました。スマートフォンを海に捨てた葵さんが杖で立ち上がろうとした時、母親の華緒さんが肩に手を乗せて止めていました。脳に後遺症が残り、時々記憶を取り戻したり、暴れたりするのだと小百合さんたちが言っていた葵さんは静かに座り、二人を乗せた船はそのまま岩場を離れて行きました。

その葵さんと船を白鳥さんは写真に収めなかったようで、証拠はメールのみのまま、とりあえず小幡刑事に、死亡届の出されている葵さんが三田村さん殺害の犯人であり、8年間家族に匿われて生きているのだということを話し、行方を捜すように言っていました。

一方、病院では、食欲を失くしていた末期癌の青山加代(大森暁美さん)が、美智さんに太巻きを食べたいと注文して、ベッドの上で少しだけ口にしようとしていました。その様子を見ていた田口さんは、加代さんがもう少しすればまた元気になりそうだと期待していたようなのですが、その後、加代さんは「螺鈿の部屋」に運ばれ、桜宮院長と小百合さんの看取りによって、息を引き取っていました。意識を失う直前の加代さんは、あなたたちが家族だったと、院長たちに感謝をしていました。

加代さんの遺体はいつものように桜宮院長によって解剖されたようでした。翌日、田口さんと白鳥さんは、終末期の患者を受け入れている碧翠院には延命治療を受けている患者が一人もいないことを話しながら、ここの患者の死は理想的過ぎると、「安楽死(尊厳死)」が行われているかもしれないことに気付き始めていました。

脚本は後藤法子さん、演出は白木啓一郎さんでした。

葵さんは車椅子に乗っているので、海岸に打ち上げられていた放射線技師の戸山久司(渡部豪太さん)を殺したのは、葵さん以外の別の誰かなのかもしれません。船の運転手は、桜宮家の人ではなかったようなのですが、桜宮家に協力する町の人の一人だったのでしょうか。

今回は、桜宮家と葵さんのことが多く描かれていたので、終末医療の、末期癌の加代さんの場面などは僅かだったように思います。でも、予告によると、次回には、最後の主な患者さんの美智さんと家族のことが描かれるようでした。もし碧翠院と「尊厳死」の契約(それと遺体の解剖の許可の契約?)をしているということなら、美智さんも亡くなるのでしょうか。それとも美智さんの死は、事前に止められるのでしょうか。

碧翠院の終末期の患者さんたちはみんな桜宮家の方針に感謝して看取られているようなので、日本の法律の問題で「尊厳死」が止められてしまうというのも、安楽死や尊厳死と殺害の違いを証明するのが難しいのだろうとは思うのですが、それを望む患者さん自身にとっては辛いことなのかもしれないなと思いました。
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Author:カンナ
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