人形劇「シャーロックホームズ」第1回から第3回

先日の25日の夜の7時半からNHKで3夜連続で放送されていた、三谷幸喜さん脚本の新しい人形劇「シャーロックホームズ」の第1話から第3話までを見ました。

2009年の頃に放送されていた「新・三銃士」と同じく、人形のデザインは井上文太さんによるものでした。人形制作と演出は、スタジオ・ノーヴァです。

「シャーロック・ホームズ」の人形劇が放送されると知った時には、少し驚いたのですが、私も「シャーロック・ホームズ」の小説を好きなので、三谷さんの人形劇ではどのような物語になるのだろうと、見るのを楽しみにしていました。

私は7時半からの放送時間には見ることができなかったので、録画をしておいた3作を後でまとめて見たのですが、この作品を見る前に思っていたよりも、面白かったです。

原作はアーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズの小説なのですが、今回の三谷幸喜さんの人形劇では、タイトルのホームズの名前の間に「・」がなく、舞台がロンドン郊外の全寮制のビートン校になっていて、シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトソンは15歳の生徒になっていました。

そして、ある冬の日、オーストラリアから転校してきたジョン・H・ワトソン(声・高木渉さん)は、ベイカー寮の221B室に案内され、同室になった生徒は3日でノイローゼになるというシャーロック・ホームズ(声・山寺宏一さん)と出会い、初対面のホームズに、ラグビー部だったこと、左膝を怪我して選手を辞めたこと、それ以降将来の目標を見い出せずにいるなどを見抜かれ、驚いていました。

その第1回は「最初の冒険・前編~『緋色の研究』より~」で、第2回は「最初の冒険・後編~『緋色の研究』より~」、第3回は「困った校長先生の冒険~『ボヘミアの醜聞』より~」でした。(第1回と第2回の演出は杓瀬真実さん、第3回の演出は吉川邦夫さんでした。)

ミステリーというよりは、15歳のホームズ少年やワトソン少年の「冒険」ということのようでした。原作のタイトルが副題として付けられているので、その点も分かりやすいのですが、学校内で起きる事件をホームズたちが推理する物語の展開そのものも分かりやすく、楽しいものになっていたように思います。半分ほど過ぎた途中のところで「ワトソンメモ」という短いコーナーが挟まれて、事件の内容や関わる人物の名前などが簡単に紹介されるので、多少聞き逃してしまっていても物語についていくことができるようになっていました。そのメモをもとに、ワトソン少年は壁新聞を作って、学校内の問題を解決する名探偵ホームズの活躍を伝えていました。

ホームズとワトソンの他の主な登場人物は、手作りクッキーを生徒たちに半ば強制的に食べさせる世話好きで猫好きの寮母のハドソン夫人(声・堀内敬子さん)、ホームズたちの同級生で生活委員のレストレード、カバの石膏像を壊していたベッポ(声・梶原善さん)、ホームズが尊敬の念を込めて「あの人」と呼ぶ美人で聡明な保健室のアイリーン・アドラー先生(声・宮沢りえさん)、奥さんがいるのにアドラー先生と不倫をしていたホルムシュタイン校長先生(声・中村梅雀さん)、アドラー先生と付き合っている美術のノートン先生、顔が四角くて大きい生活指導担当のロイロット先生(声・浅野和之さん)、そして、モリアーティ教頭先生(声・江原正士さん)でした。

モリアーティ教授がモリアーティ教頭というところが、少し意外にも思えたのですが、面白いようにも思いました。どのように生徒のホームズと対決をしていくのでしょうか。ロイロット先生によると、ホームズの学業の成績は「下の下」なのだそうです。ホームズの作ったカバの石膏像を見たワトソンは、ピーナッツみたいと笑っていました。

声の出演者には毎回「ゲスト」がいるそうで、「最初の冒険」のゲストは、父親の形見の懐中時計を大切にしていた気の弱いジェファーソン・ホープの声の妻夫木聡さんでした。

今回の人形劇の「シャーロックホームズ」は「学園もの」ということなので、腐ったゆで卵を食べて食中毒になるとか、図工の時間に作ったカバの石膏像が割られるとか、校長先生が不倫をしているとかいうことはあったのですが、殺人事件は起きないのだそうです。ところどころ教育的でもありました。そして、少年らしく?人の話を聞いていなかったり考えごとをしたりする時のホームズが、パイプの代わりに吹き戻しの笛(ぴろぴろ笛?)を吹いていたのも、何だかかわいくて面白かったですし(シルエットではパイプに見えるのです)、転校生のワトソンが生徒たちに認知されていなかったり、校長先生に「奥さんがいるのに!?」としつこく驚いたりしていたところも、面白かったです。

NHKの人形劇らしい動き方も面白いのですが、登場人物の人形には、顔だけではなくて手にも表情があるので、本当に人形たちが生きていてその感情で動いているように見えます。

主題歌は、ナノさんという方の「Scarlet Story」でした。ゴシック風?の雰囲気のオープニングの映像とよく合っていたような気がします。

今回の3作は先行放送ということで、8月の頃に続編の3作が放送されて、全何話なのか分からないのですが、10月にはEテレで改めて1話から放送されるのだそうです。

私は、以前NHKのBSプレミアムで放送されていたのを見て(5月にはシーズン3が放送されるそうです)、ベネディクト・カンバーバッチさん主演のイギリスのBBCのドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」を好きになったのですが、今回の人形劇の「シャーロックホームズ」も、新しいシャーロック・ホームズの物語として、たくさんの人に親しまれる作品になるのではないかなと思いました。

「なぞの転校生」最終回

テレビ東京のドラマ「なぞの転校生」の第12話(最終話)を見ました。

高校のSF研究会の岩田広一(中村蒼さん)と後輩の鈴木拓郎(戸塚純貴さん)と太田くみ(椎名琴音さん)は、映画の撮影をするために公園に来ていたのですが、脚本担当の太田さんは、自分がヒロインを演じるのでは合わない気がすると、広一さんに香川みどり(桜井美南さん)や九条アスカ(杉咲花さん)を呼んでほしいと頼んでいて、広一さんが電話をかけると、ちょうどみどりさんは同じ公園にいて、アスカと山沢典夫(本郷奏多さん)と3人で、ピクニックを楽しんでいるところでした。

やって来た広一さんに、アスカは手作りのサンドウィッチを手渡し、自分のことで考えさせてしまって済まなかったと謝ると、私もいろいろ考えたが、これからはせっかく来たD12世界の一日一日を楽しむことにすると明るく話していました。

SF研究会の太田さんがみどりさんとアスカと山沢さんに配った脚本の表紙には、「なぞの転校生」と書かれていて、転校生は実はパラレルワールドから来た異界人だったという、太田さんの説明する物語の内容は、山沢さんとアスカのことのようでした。楽しそうに聞いていたアスカは、異界人の山沢さんが本当はアンドロイド(ヒューマノイド)だったというのはどうかと提案し、太田さんはそれを脚本に書き加えていました。

公園のベンチに座ってたくさんの花から花弁を集める準備をしていたみどりさんは、隣に座っている山沢さんに、好きだという気持ちを伝えようとしていました。たぶん君は僕のことが好きなのだろうとみどりさんに言った山沢さんは、自分には人間と同じような感情はなく、自分が話している言葉も言葉でしかなく、それはAIによって作られたもので、プログラムによるリアクションに過ぎないのだということを、説明していました。アンドロイドも夢を見るが、その夢は情報の処理やバグの修復なのだと話していました。

音楽室で山沢さんのピアノの音を聴いた時から山沢さんのことが気になって仕方がなくなっていたということをみどりさんが山沢さんに言うと、山沢さんも、ショパンの「雨だれ」を弾いた時から、それより前の、日曜日に花をもらった時から君のことを忘れることができなかったのだと、みどりさんに伝えていました。心臓がドキドキすることを、自分には心臓がないのだからこのような気持ちになるようにしかできていないのだと、どうしてもプログラムを理由にする山沢さんに、みどりさんは、そこまで思うのなら人間と変わらない、あなたにそんなことを言われたら私もこんな気持ちになるようにしかできていないと、思いを伝えていました。

陽射しが傾きかけた頃、映画の撮影が始まり、なぞの転校生で異界の姫役のアスカは、夕日の公園を見渡して、この世界は美しい、と広一さんに言い、自分の故郷の世界のことを思いながら、文明も人類も思っているより脆いものだと話し、モノリスのないD12世界はD8世界と同じ滅び方はしないかもしれないけれど、まだ不安は拭いきれない、だからこの世界を、友達を、大切にしてほしいと伝えていました。カメラのそばにいた脚本の太田さんは、すごいアドリブだとアスカの言葉に感動していました。広一さんは、アスカを抱きしめて泣き、二人が去った後の広一さんとみどりさんの上には、用意していた色鮮やかな花びらが、舞い落ちてきていました。

翌朝、登校した広一さんとみどりさんが、山沢さんとアスカの座席が空いているのを気にしていると、教室に入ってきた担任の大谷先生(京野ことみさん)は、二人はご家族の事情により転校しましたと事務的な感じで生徒たちに言って、ホームルームを終えていました。

それから一ヶ月後、みどりさんとの下校途中の夕方、公園に佇む江原正三(ミッキー・カーチスさん)を見かけて広一さんが声をかけると、江原さんはどちら様でしたかと隣の部屋の広一さんのことを忘れていたのですが、少しして思い出したような様子で、二人のことは頼んだよ、と言いながら、今入っているという迎えに来た施設の職員さんと帰っていました。

二人で出かけようとみどりさんに言われていた翌日の日曜日、広一さんは寝坊をして母親(濱田マリさん)に起こされていたのですが、すでに来て待っていたみどりさんと団地の廊下へ出ると、江原さんの部屋を気にするみどりさんとそのドアの前に立っていました。何か音がするとみどりさんが言い、みどりさんと広一さんが屋上へ向かうと、そこには透明な四角形の連なる通路のようなものが現れていて、白い服を着た人たちが下りてきたのですが、その人たちは、広一さんの父親(高野浩幸さん)と同級生の春日愛(宇野愛海さん)と大森健次郎(宮里駿さん)と鎌仲才蔵(葉山奨之さん)にそっくりで、そのアイデンティカのようでした。

その人たちは、自分たちをD15世界から来た次元調査団だと言い、先頭にいた広一さんの父親によく似た人は、D8世界は滅んだこと、王家をD12誘導したのも自分は岩田広一のアイデンティカで成長した姿なのだと、ナギサのアイデンティカの広一さんに話していました。

モノリスを使って江原さんの部屋に入った調査団と広一さんとみどりさんは、奥の寝室に山沢さんがいるのを見つけていました。ベッドの上には、包帯を巻かれた姿で酸素を吸入しているアスカの姿がありました。「転校」をしてから一ヶ月の間、二人はずっと江原さんの部屋にいたようで、アスカ姫の命によって、山沢さんはこのことを広一さんとみどりさんには言わないでいたようでした。

DRSのプログラムデータは試してみたのかと訊く調査団の才蔵さんのアイデンティカに、山沢さんは、モノリスが足りないのだと答えていたのですが、200テラくらい必要だと聞いた調査団は、D15世界に行けばたくさんあるから大丈夫だと山沢さんに言っていて、アスカが助かると知ったみどりさんと広一さんは喜んで、山沢さんを抱きしめていました。病床のアスカも涙を流していました。

そうして、アスカさんをD15世界へ運ぶ支度を始めていた、広一さんの父親によく似た調査団のリーダーは、モノリオが「山沢典夫」と名乗っていることを広一たちから聞いて少し笑い、それはD6世界の私の友の名だと言って、この世界は無限に広がっている、そのことを知ってしまったら後戻りはできないが、知って良かったと思うこともあると話して、自分のアイデンティカの広一さんと妻のアイデンティカのみどりさんに会うことができたと嬉しそうにしていました。

D15世界では君たちは夫婦なのだと教えたその人は、さて、君たちはどうなるかな、と楽しそうに言い、江原さんの部屋に入ろうとしていた自分の娘を呼び止めていたのですが、その顔はみどりさんにそっくりで、驚くみどりさんにその少女は手を伸ばし、初めまして、と握手をしていました。

調査団はタンカーに乗せたアスカ姫を部屋から運び出し、屋上の透明な通路の中へ消えていきました。山沢さんは、岩田君、いろいろありがとう、と広一さんにお礼を言い、広一さんは、また会おうと明るく言っていました。香川さん、とみどりさんに向き直った山沢さんは、みどりさんと握手をして、恭しく手の甲に唇を触れる挨拶をしていました。元気でね、と3人は手を振って別れ、白い光に背中を押されるように透明な通路の中に入った山沢さんは、空気のように遠い青空の中へ消えていきました。

白い光は最初の流れ星のように空を上がり、それから広一さんとみどりさんの記憶は遡って、最初の夕闇の土手の場面になっていました。夜空を上がるように移動する不思議な流れ星を見たみどりさんは、あ、流れ星、と言い、何お願いした?と訊く広一さんに、言わない、と何かを思うように答えていました。

企画プロデュースと脚本は岩井俊二さん、監督は長澤雅彦さんでした。

とても良い最終回でした。

山沢さんたちを乗せた青空へ消えていく光を、広一さんとみどりさんの記憶を遡って、最初の夜空を上がっていく流れ星に重ねる終わり方が、何というか、鮮やかで、美しかったです。

時間も空間も次元も越えて、それは私の知っているところで起きていることかもしれないし、知らないところで起きていることなのかもしれないけれど、全ての人はそれぞれの、様々な出会いと別れを繰り返しているのかもしれないなと思いました。広い宇宙のつながりの中にいるのかもしれないということが、ドラマを見ている私にも、よく伝わってきたような気がします。

もう少し早く次元調査団がD12世界へ到着していたなら、王妃さまも、アゼガミもスズシロも、助かっていたかもしれないなと思いました。

桜井美南さんの「今かわるとき」のオープニングと清水翔太さんの「DREAM」のエンディングの音楽や映像が、これまでの感じと変わっていなかったところにも、ほっとしました。最後の「ありがとう 僕に出会ってくれて」という歌詞が、このドラマによく合っていたのだということを、改めて思いました。

光の表現も、言葉も、桑原まこさんという方の音楽も、そして物語の人物を演じていた俳優の方たちも、とても良かったです。全てに「調和」というようなものがあって、バランス良く描かれていたのだと思います。全12話のドラマでしたが、1話が約30分というところも、ちょうど良かったのかもしれません。

SF作品として、説明の少ない専門用語などを少し難しく思えるところもあったのですが、それも含めて、面白く、楽しかったです。

「ジュブナイル」ということなので、このドラマを、例えば小学生や中学生の頃に見ていたなら、きっともっと影響を受けていたのではないかなと思います。

私は眉村卓さんの原作の小説も未読ですし、昔の「なぞの転校生」のドラマのことも知らないのですが、今回のこのドラマは、とてもすてきなドラマ作品でした。

このようなタイプの?ドラマの中では、私は以前NHKの夕方に放送されていた「六番目の小夜子」というドラマを好きで見ていたのですが、今回の「なぞの転校生」のドラマのことも、きっと長い間憶えているのだろうと思います。

第1話を見た時には、このドラマを面白いかどうか、私にはよく分からないようにも思えていたのですが、少しずつ、不思議な魅力に惹かれていったのだと思います。そのままこの作品を見続けることにして、毎週楽しみにして最後まで無事に見ることができて、本当に良かったです。

「福家警部補の挨拶」最終回

フジテレビのドラマ「福家警部補の挨拶」の最終話(第11話)「女神の微笑」を見ました。

冒頭では、1947年に警察法が定められてから行われているという警察官の誓いの時の言葉が、福家警部補(檀れいさん)の写真と共に伝えられていました。

第11話の犯人は、後藤喜子(八千草薫さん)と後藤秀治(山本學さん)の老夫婦でした。公園にいた車椅子の喜子さんは、転がり落ちたミカンを拾ってほしいと、黒い鞄を持って携帯電話で話をしていた男性に声をかけ、その男性が仕方なさそうに鞄を置いてミカンを拾っている間に、大きなリュックサックを背負った秀治さんが別の黒い鞄とすり替えて男性の鞄をリュックサックの中へ仕舞い込んでいました。喜子さんは、お礼としてその男性にミカンを一つ手渡して別れた後、秀治さんと二人でその黒い鞄を抱えた男性の後を付け、男性の入ったアパートの前の、道を挟んだ向かいの喫茶店へ入り、秀治さんにある番号を教えていました。

秀治さんがすり替えた鞄の中に入っていたのは、白と黒の砂のようなものが小さな瓶の中に詰まった爆弾でした。喫茶店のテーブルに着いた秀治さんは自分の鞄の中にテレビのリモコンのようなものを持っていたのですが、それは爆弾のスイッチとなる無線機で、喜子さんの指示通りの数字を秀治さんが押し、最後に電源ボタンを押すと、目の前のアパートの一室が爆発したのでした。

現場に到着した警視庁捜査一課の強行犯第十三係主任の福家警部補は、集まっていた野次馬の人たちに紛れていた車椅子の喜子さんにぶつかり、道に落ちた喜子さんの補聴器を拾って手渡していました。喜子さんは、持っていたミカンを福家警部補に渡そうとしていて、少し困っていた福家警部補は一つ受け取ったのですが、老夫婦と別れた直後、上に投げたミカンを掴むのに失敗して道に落とし、鑑識員の二岡友成巡査(柄本時生さん)?に踏まれてしまったのを見て、慌てて老夫婦のほうを振り返っていたのですが、見えたのは野次馬を離れて帰っていく老夫婦の後ろ姿でした。

夜、秀治さんは、黒い鞄をどこかのビルの上から海のほうへ投げ捨てていたのですが、その鞄に入っていたのは拳銃だったようでした。爆弾で殺された3人は、以前銀行強盗をして人を二人殺したことのある犯人たちで、銀行強盗を計画し、もう少しで実行するところでした。

現場に来ていた強行犯第十三係筆頭主任の田所勉警部補(中本賢さん)は、係長になるのだということを福家警部補に強気の感じで言っていたのですが、二岡さんによると、田所警部補は、強行犯第十三係係長の石松和夫警部(稲垣吾郎さん)の後に入るということでした。

石松警部は警視に昇任するらしく、警視と呼ぶよう福家警部補に言っていたのですが、福家警部補の経歴を知って何かの処分を考えていた石松警部は、福家警部補を警部に昇任することに決めていたようで、そのことを福家警部補に伝えていたのですが、福家警部補は困った様子で断ろうとしていて、嬉しそうではありませんでした。

後藤夫婦は、すぐに自分たちを訪ねてきた福家警部補に驚いていたのですが、喜子さんは少し楽しそうに、ミカンを踏んでしまったことを正直に謝る福家警部補を迎えていました。

爆弾で殺された人たちが手配中の銀行強盗犯だったことや、アパートの他の部屋には害虫駆除のお知らせの紙が入れられていたために住民は外出していて無事だったことなどを伝える福家警部補の質問に、喜子さんは積極的に答え、答えることを面白く思っている様子の喜子さんの隣で、秀治さんは少し心配そうにしていたのですが、喜子さんは訊かれるままに、15年前に亡くなった娘のあかりさんの部屋へ福家警部補を案内し、プラモデルやラジコン作りが趣味だったことや、今は自分がこの部屋を使っていることなどを話していました。

玄関で福家警部補を見送った喜子さんは、福家警部補が車椅子のレンタル会社の札をさりげなく見ていたことを秀治さんに話し、福家警部補のことを面白い人だと言って楽しそうにしていました。

石松警部は、あかりさんの名前を知っていて、その15年前のあかりさんの事件をきっかけに自分の人生の方向性が変わったというようなことを、福家警部補に話していました。

事件の現場には焼け焦げたミカンもあって、二岡さんから二種類の爆弾が使われたらしいことや、公園の防犯カメラの映像に犯人たちの乗った車を見つめる後藤夫妻が映っていたことを聞いて後藤夫妻を訪ねた福家警部補は、後藤夫妻が以前化学肥料の会社を経営し、喜子さんが技術部にいたことから、喜子さんには爆弾を作ることができるのではないかと言い、さらに補聴器が外れても自分と会話をすることができたことから、喜子さんには読唇術で会話の内容を知る能力があり、それで車の中で話していた犯人たちの計画を知ったのではないかと言って、後藤夫妻の犯人説を主張していたのですが、静かに話を聞きながら、「それで?」と聞き返す喜子さんの余裕のある態度に、それ以上問いつめることができなくなっていました。

防犯カメラの映像を見返していた福家警部補は、犯人の一人が後部座席の誰かに話しかけていることに気づき、犯人たちは3人ではなく4人であり、事件はまだ終わっていないことを石松警部に慌てて話していました。

福家警部補と石松警部は後藤夫妻の家に向かったのですが、留守でした。娘のお墓参りに行った時、そこに来ていた福家警部補に、あかりさんがストーカー被害に遭い、家に来たその男性に母親である自分も背中を刺され、動くことができない自分の前で娘を滅多刺しにされて殺されたこと、犯人は勝手に自殺をしたことを話して、警察は何もしてくれなかった、娘を助けてくれなかった、警察が守ったのは規則や法律で私の娘ではなかったと悔しそうに訴えていた後藤夫妻は、人を殺しても罪を問われない人や、すぐに釈放される人、全く反省をせずに犯罪を重ねる人が世の中にはいるのだと言い、爆弾で殺された犯人たちには天罰が下ったのだと怒っていたのですが、最後に後藤夫婦が車で向かったのは、その4人目の犯人の暮らすアパートの前でした。

4人目の部屋を川を挟んだ道に止めた車の中から見ていた後藤夫妻は、改造したリモコンの数字のボタンを押して、犯人が部屋から出て、アパートの階段の下の駐車場に止まっている車の下に置いた段ボール箱の中の爆弾の近くまで来るのを待っていました。

しかし、そこへ福家警部補たちが駆けつけたのを見て、喜子さんは秀治さんの手を止めていました。石松警部は4人目の犯人を取り押さえ、後藤夫妻がいるのを見つけてその車に向かって何かを叫んでいた福家警部補は、、爆弾の入った箱を探し出し、爆弾から離れるよう近くにいた人たちに叫んでいたのですが、後藤夫妻の車がいなくなっているのを見て、それがもう爆発しないことを理解していました。

後藤夫妻の家を改めて訪ねた石松警部と福家警部補は、爆発しなかった爆弾から指紋が検出されたと言っていたのですが、それは喜子さんのものではなく、福家警部補が最初に後藤家に来た時にあかりさんの部屋で触った福家警部補の指紋でした。

先の福家警部補の言葉を読唇術で聞いていた喜子さんは、福家警部補が、私は信じています、と叫んでいたことについて、何を信じているのかと訊いていたのですが、私も殺したいほど人を憎んだことがあるから分かると言った福家警部は、でも私にはどうしても人を殺すことはできないと言い、私は、人は人を救うことができると信じています、と訴えていました。それは、人は人を憎しみから救うことができると信じている、ということのようでした。

出頭します、と石松警部と福家警部補に告げた喜子さんは、あかりの部屋へ行くから少し待っていてほしいと福家警部補に言って、秀治さんとあかりさんの部屋へ向かったのですが、そこで車椅子の喜子さんは膝の上に段ボール箱を抱え、もう終わりにしましょうと夫の秀治さんに言い、秀治さんと手を取り合っていました。

少し静かなのを気になった福家警部補があかりさんの部屋の前まで行き、「奥様?」と声をかけて少しすると、何も音のしない部屋は突然爆発し、福家警部補は爆風に吹き飛ばされていました。外で警察署に連絡をしていた石松警部は爆発の音を聞いて駆けつけ、玄関先で倒れながら「奥様!」と叫んで起き上がろうとする福家警部補を止めていたのですが、福家警部補が目を覚ますとそこは病室で、はっとしてあのご夫婦はどうしたのかと尋ねる福家警部補に、石松警部は首を横に振って答えていました。

そして、福家警部補のような人を昇任させることで警察の体質を良い方向へ変えたいと思っていた石松警部は、警部に昇任するというのは取り消すと福家警部補に話し、君は君の道を目指して頑張ってください、というようなことを言って、病室を出ていき、福家警部補は後藤夫妻を救うことができなかったことを思って悔しそうに泣いていました。

脚本は麻倉圭司さん、演出は佐藤祐市さんでした。

あまり最終回らしくない最終回だったようにも思うのですが、それでも、このドラマらしい、何というか、潔い終わり方だったと思います。

主人公の福家警部補の他は、二岡巡査と石松警部と田所警部補がこのドラマの毎回の主な登場人物だったのですが、福家警部補以外はほとんど同じくらいの感じで抑えられて描かれていたような気がします。

そのため、警察の人物の印象は薄いかもしれないのですが、福家警部補と犯人とを際だたせるためだったのかもしれないなとも思いました。

「外事警察」だった頃の福家警部補の辛い体験というものが、海外の紛争地帯での体験という以外には詳しくは描かれていなかったのですが、それは警察の仕事に関わる問題としても辛い体験だったということなのでしょうか。公安部にいた福家警部補がどうして自ら捜査一課へ来たのかというところが、(もしかしたら私が聞き逃してしまったのかもしれないのですが)私にはよく分かりませんでした。

倒叙ミステリーのドラマとしては、最初の頃にあったように思えていた「短編小説」の雰囲気は、回を追うごとに少しずつ減っていってしまっていたような気もするのですが、私はこのドラマの真面目な印象を好きだったようにも思えるので、やはりそれなりに良かったと思います。エンディングの写真の映像から浮き上がっていた何かは、様々な人の思いを表したものだったのかなと思いました。

最終回では特に、自分の「正義」を貫こうとする八千草薫さんの喜子さんが、とても良かったのだと思います。福家警部補も自身の「正義」を貫こうとしている人でしたが、私には、「正義など存在しない」と断言する人よりも、「正義」の存在を信じて向き合っている人のほうが、何か、正しい人のようにも思えます。喜子さんの、事件の被害者としても辛さや、裁かれない殺人犯を憎む気持ち、娘のような福家警部補に出会って楽しそうだった様子が、丁寧に描かれていました。少し違うのかもしれないのですが、喜子さんは、テレビ朝日の「相棒」に登場して右京さんと仲良くなっていても不思議ではないような気がしました。

ところで、この「福家警部補の挨拶」のドラマそのものとは関係のないことなのですが、最終回のエンディングの直後、すぐに次の新ドラマの予告編が流れていたのが、私には少し残念に思えてしまいました。「この番組は御覧のスポンサーの提供でお送りいたしました」の時にもその新しいドラマの映像が流れていたので、まるで「福家警部補の挨拶」ではなくその新ドラマが放送されていたかのようにも見えました。その新しいドラマが悪いというわけではないのですが、何か放送局の事情があるのだとしても、エンディングの直後に何の余韻も残さずに次のCMを流すというのは、あまり良くないことというか、少しもったいないことのように思います。次のドラマの予告編を流すのは、「御覧のスポンサーの提供で」のアナウンスの後でも、十分だったのではないでしょうか。

「LEADERS(リーダーズ)」

TBSの二夜連続大型ドラマ「LEADERS(リーダーズ)」の前編と後編を見ました。

ドラマの主人公は、父親の成功させた自動織機の会社で常務を務めていた愛知佐一郎(佐藤浩市さん)でした。その他の主な登場人物は、父親の代から務めている副社長の石山又造(橋爪功さん)、戦後日本銀行の総裁になった財部登(中村橋之助さん)、その秘書の山梨良夫(香川照之さん)、愛知佐一郎さんの甥の愛知正二(椎名桔平さん)、工場長の太田耐介(緋田康人さん)、経理の近藤利郎(萩原聖人さん)、労働組合の代表を務めた北川隆二(吉田栄作さん)、アイチ自動車に理解を示した自動車販売店の店長の神田征太郎(神保悟志さん)、アイチ自動車への融資を拒否した西国銀行の児島正彦(吹越満さん)、経営難による人員削減に反発する桜井武(金子賢さん)などでした。“豪華キャスト”のドラマらしく、登場人物の多いドラマだったという印象があります。

物語は、その愛知さんが、アメリカで見た自動車産業を忘れることができず、国産自動車を作ろうと、購入したアメリカの車を分解し、エンジン部分を一から研究して会社の仲間たちと試行錯誤を繰り返し、工場を失いながらも太平洋戦争時代を乗り越えると、日本の経済を立て直すためには自動車産業を復興させなくてはいけないとして、GHQや日本銀行の管理下に置かれながら、「アイチ自動車」を日本一の自動車会社に育てようとするという話で、主に昭和25年?の頃に愛知さんが亡くなるまでのことが描かれていたように思います。

脚本は橋本裕志さん、演出は福澤克雄さんでした。

ドラマの原案は、私は未読なのですが、『小説 日銀管理』と『トヨタ自動車75年史』だそうです。トヨタ自動車の物語なので、ドラマの愛知佐一郎さんは、本当はトヨタ自動車の創業者の豊田喜一郎さんのことのようなのですが、ドラマの中では名前も会社のロゴも、なぜか「アイチ」となっていました。「GHQ」や「日銀」などはそのままでしたが、他の銀行の名前もドラマ上の名前だったようでした。

アメリカの自動車産業に感動した愛知さんが仲間を集め、みんなでエンジンの型を取るところから国産の自動車を作り上げていったというところは、その情熱が伝わってくるような感じがして良かったと思いますし、NHKのBSプレミアムで先日まで放送されていたドラマ「下町ボブスレー」で描かれていた職人の方たちのようでもあって、そのように独自に研究して完成させるということは本当にすごいことだなと思いました。

ただ、このドラマを好きな方もいると思うので、あまりいろいろ言ってはいけないのかもしれないのですが、前編も後編も、ドラマを見ながら私は少し眠いように思えてしまっていました。先週のテレビ朝日で放送されていた木村拓哉さん主演の二夜連続の時代劇「宮本武蔵」(唐突な終わり方には驚きました)の時にもそうでした。その時代劇にしても、今回のドラマにしても、決して俳優の方たちが悪いというのではなく、私には、物語の作り方や展開の仕方が少し浅いというか、何か表面的な感じに思えてしまったのだと思います。

何というか、ドキュメンタリー番組の中の再現ドラマのようにも思えてしまいました。戦前の場面であっても、戦前の雰囲気のようなものがあまり描かれていなかったような気もするのです。私はこのドラマに描かれていた時代を生きたことがないので、勝手な印象なのですが、ドラマの画面から伝わってくる建物や衣装などの中には(クラシックカーは登場していましたが)、そのような時代の雰囲気は、少なかったように思います。ドラマの中の戦前も、愛知さんの晩年の昭和20年代も、何となく、「高度経済成長期」と同じような時代のように、私には見えてしまいました。

私は「半沢直樹」のドラマをあまり面白いという気持ちで見ることができなかったのですが、もしもそのドラマを好きだったなら、今回のこのドラマの雰囲気も、もう少し楽しむことができたのかもしれません。

人員削減案に怒った桜井さんが、組合員たちを扇動して工場の機械を破壊し始めた場面を見ていて、少し嫌な気持ちにもなったのですが、止めに入った工場長の太田さんが桜井さんに、機械は何も悪くない、それでも自動車会社の人間か、とはっきりと言ってくれたので、そのようなところには少しほっとしました。

いろいろなことがあった大きな会社の長い間の歴史の物語を、前後編合わせて4時間半ほどの短時間でまとめるのは大変だったのではないかなとも思うのですが、車作りのことや銀行の融資関連のことだけではなく、自動車販売店でセールスをしていた人たちのことや(数年前にNHKで放送されていた「トップセールス」というドラマも面白かったのです)、実際にアイチ(トヨタ)の車を使い続けていた地元の人たちのことなども描かれていると、もっと良かったのかもしれないなとも思いました。

「なぞの転校生」第11話

テレビ東京のドラマ「なぞの転校生」の第11話を見ました。

ピクニックに来た公園で王妃さま(りりィさん)が刺されたことに気付いたモノリオの山沢典夫(本郷奏多さん)は、逃げる犯人のハーデス(翁華栄さん)を追いかけ、木の枝を足元に投げて転ばせるのですが、落ち葉の斜面を転がり落ちたハーデスは、勝ち目がないからヒューマノイドとは戦わないと落ち着いた調子で言い、これでやっと解放されるとつぶやくと、紫色の光を点滅させるモノリスを浮かばせ、現れた黒い点に覆われて、落ち葉と同化するように消えていきました。

脇腹の辺りから大量の血を流す王妃さまは膝掛けの毛布で頭から覆われ、岩田広一(中村蒼さん)と香川みどり(桜井美南さん)が車椅子を押して、王妃さまを団地の部屋まで運んでいました。姫の九条アスカ(杉咲花さん)と車椅子の後ろを走っていた山沢さんは、伊達医師を呼ぼうと考えていたのですが、操っていた伊達医師にもアクセスすることはできなくなっていたようでした。

部屋の主のレビー小体型認知症を患う江原正三(ミッキー・カーチスさん)は、意識が戻っているのかいないのか、一人で居間でお酒を飲んでいました。廊下に血の痕を残しながら王妃さまは寝室へ運ばれ、広一さんとみどりさんは、山沢さんやアスカたちの行動を戸惑いながら少し不審そうに見守っていました。

山沢さんは仕方なく「外部」の救急車を呼ぼうとしていたのですが、王妃さまはそれを拒否し、広一さんとみどりさんを寝室に呼んで、自分たちがどこから、なぜこの世界に来たのかということを、四角い黒色のモノリスを見せながら、孫のアスカやモノリオと共に話し始めていました。

アスカたちは、モノリスはマルスという植物と動物の特徴を持つ鉱物から作られていること、反重力の作用のあるマルスには次元を移動する力もあったこと、それがD1世界で発見されたことがD8世界の滅亡の全ての始まりであることを、広一さんとみどりさんに説明していました。

アスカたちの話によると、マルスの力に頼りきるようになったD8世界の人々は、マルスを集めたグランドというものを作り、さらにマルスを得るためにD4世界やD5世界を滅ぼしたようで、そして15年前の夏の7月のある日、ゾーンからD8世界に爆弾が投げ込まれ、マルスはアンゴロモアの火として燃え始めたようなのですが、今度は100つものゾーンから同時に爆弾が投げ込まれて、それがプロメテウスの火として燃え続け、D8世界は放射能に汚染されてしまい、人口を減らしながら生き延びてきたものの、ついにD12世界へ移ることにしたのだということでした。

アスカと山沢さんは、D8世界やD12世界について広一さんから訊かれて、この世界にモーツァルトがいてショパンがいないという例を挙げて、似て非なる「パラレルワールド」なのだと説明し、このD12世界を発見したのは、この世界ではSFの小説家でD8世界では物理学者のH・G・ウェルズなのだと話していました。

そして、アスカは、広一はアスカの許婚のナギサのアイデンティカであり、自分のアイデンティカは広一の妹だったと話し、モノリオは、ある一定の確率でアイデンティカは必ず存在すると、広一さんたちに説明していました。広一は王になる資格があると言った王妃さまは、モノリオに書状を持って来させ、4羽の鳥が星を囲うように飛んでいるという感じの紋章の描かれたその書状を示しながら、心が決まったらサインをしてほしいと広一さんに頼み、これで私の役目はおしまいだと少しほっとしたように言っていました。

そして、このD12の世界は美しい、空も花も雨さえも美しい、と感嘆し、もっと見ていたいと言っていたのですが、今は眠りたいとつぶやき、様子を見守っていたモノリオは、崩御されました、とアスカに伝えていました。

アスカは、みどりさんにもらったバラの花束を亡くなった王妃さまの胸の上に手向け、モノリオの山沢さんは、モノリスを中に浮かべて、王妃さまの亡骸をゾーンに落としていました。D12世界と同期していないゾーンへ落とすと、跡形もなく消滅するということでした。黒い点に覆われていった王妃さまは、毛布ごとベッドの下に消えていき、そこには赤い血の痕だけが残されていました。

江原さんは、「ナンマイダ」と早口で繰り返しながら部屋の中を歩き回っていました。広一さんはとりあえず廊下の血を拭こうとしていて、みどりさんもタオルを取りに向かったのですが、みどりさんは脱衣所で悲鳴を上げ、驚いた広一さんとアスカと山沢さんが駆けつけると、空の浴槽の中でアゼガミ(中野裕太さん)とスズシロ(佐藤乃莉さん)が口の端から血を流して亡くなっていたのでした。

このことは秘密にしておいてほしいと自分たちのことを頼んだアスカは、広一さんに、王になるという話は忘れてほしい、我らにはもう統べる民はいないと話し、うんざりしないでもう少し聞いてほしいと言うと、自身の長い髪を手で梳いて、大量に抜けた髪を二人に見せると、プロメテウスの火を見てしまったから私はじきに死ぬのだと寂しそうに言い、私の話を信じてほしい、二人には私たちの世界のことを記憶に留めておいてほしいと頼んでいました。

広一さんは、信じるよ、と言い、みどりさんは、私何も分かってなかった、ごねんね、と謝っていました。何かをみどりさんに言おうとして立ち上がったアスカは倒れ込んでしまい、山沢さんは緊張の糸が切れたのだろうと話していました。

帰り際、心配する広一さんとみどりさんが、本当にアスカを助ける方法はもうないのかと尋ねると、山沢さんは、あったらとっくにやっていると突き放すように答えて、玄関のドアを閉めていました。

みどりさんを送っていくため、広一さんはみどりさんと遮断機のある線路を渡り、土手を歩いていました。きれいな月ね、と言ったみどりさんは、一緒に流れ星を見たのもここだったと思い出して話していると、突然広一さんはみどりさんを抱きしめて、やっぱりみどりのことが好きだと言っていました。

目を覚まし、部屋の窓から月を眺めていたアスカは、泣いてみよ、とモノリオに言っていて、涙を流さないヒューマノイドのモノリオは、泣いてみたいです、と切実な感じで答えていました。そして、一人になっても私は王女アスカだ、と少し前向きな感じで言ったアスカは、明日からは好きなことをする、と明るくモノリオに言って笑っていました。

企画プロデュースと脚本は岩井俊二さん、監督は長澤雅彦さんです。

第11話も、とても良かったです。

でも、夜の土手の広一さんとみどりさんの場面を見て、少し寂しいような気持ちになりました。広一さんがみどりさんに「告白」をしたことで、二人がアスカや山沢さんから離れていくような、世界が分けられていくような感じがしたのかもしれません。

あるいは、それと同時に、これまでD8世界から見られていた(認識されていた)D12世界が、今度は反対に、D8世界を見る側になったような、それによって、「パラレルワールド」として、ドラマの中で、何か不思議なすごい存在だった消えゆくD8世界が、より小さく遠ざかっていくような感じがしたのかもしれません。

ドラマの中に、D8世界などの「パラレルワールド」の具体的な描写はなく、山沢さんやアスカたちによる説明でしか伝えられていないにも関わらず、それでも本当にそのもう一つの世界があるように思えるのですが、それはこれまでの物語の中で、山沢さんやアスカや王妃さまやアゼガミやスズシロの異世界の人としての描写がしっかりとなされていたからだと思うので、何というか、すごいなと思います。

次回が最終回だそうです。予告によると、「ラスト10分」に何か衝撃的な展開が描かれるのだそうです。どのような結末になるのか、最終回も楽しみにしたいと思います。
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