「化石の微笑み」

テレビ朝日の「第13回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」の大賞受賞作品のドラマ「化石の微笑み」を見ました。昨夜の11時40分頃から放送されていた、約1時間のドラマです。

母親の雅恵(堀内敬子さん)と二人で、認知症を患って若い頃の記憶に支配されてしまう祖母の井沢幸子(草笛光子さん)の介護をする日々を送っていた高校生の中村彩美(杉咲花さん)は、ある日、神社の木の根元を掘っていた祖母を助けた同じクラスの宮原和哉(小関裕太さん)を、祖母が亡くなった夫の忠信さんだと勘違いしたことから次第に意識し始めるようになり、優しい宮原さんのことを好きになるのですが、その宮原さんには、小さい頃からの潔癖症のために、人の肌に触れることが苦手という悩みがあった、というような物語でした。

脚本は吉田光洋さんでした。演出は河合勇人さんでした。

「化石の微笑み」というタイトルから、私は勝手に化石の関わる物語なのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。「化石」は、古い記憶とか、昔の自分とか、そのようなものを指していたようでした。

宮原さんが助けた時の彩美さんの祖母の幸子さんは、戦時中に夫と神社の木の根元に埋めた母親の形見のペンダントを探そうとしていたのですが、実際にはすでに掘り出されていて、妹の京子(草村礼子さん)が持っていました。京子さんは、姉のためにそれを彩美さんに渡していて、ある日縁側で目を覚ました幸子さんは、自身の手の中に探していたペンダントを見つけて、孫の彩美さんと暮らす、今の本当の幸子さんに戻っていました。

宮原さんは、潔癖症だった自分をいじめていた小学校時代の同級生の深田健介(山田裕貴さん)が同じ高校に通っていたことを知り、最初はその深田さんを拒絶するのですが、深田さん自身も中学校時代にはいじめに遭い、誰も知っている人がいない遠くの高校へ入学したのだということを聞かされて、少し親近感を持ち始めたような感じで、深田さんを許して受け入れていました。そして、深田さんと握手をすることができたことで、それまでの潔癖症を少し克服することができたようでした。

彩美さんとも手をつなぐことが出来た宮原さんは、同じクラスの他の男子生徒たちとも、腕相撲で遊んだりすることができるようになっていました。

ドラマの主人公は、杉咲花さんの演じる彩美さんと、小関裕太さんの演じる宮原さんの二人だったのでしょうか。でも、ドラマは宮原さんのナレーションで始まっていましたし、どちらかというと、潔癖症に悩んでいた宮原さんのほうに重点が置かれていたように思いました。

小学校時代に宮原さんを「潔癖症」と呼んでいじめていた同級生の深田さんが宮原さんの前に現れた時には、どうなるのだろうと少し心配に思えたのですが、中学校でいじめられる度に宮原さんのことを思い出していたという深田さんは、宮原さんを良い方向へ変えるきっかけの人物になっていたので、その展開には少しほっとしました。

彩美さんと宮原さんと彩美さんの祖母の幸子さんの物語でも十分に良かったのですが、そのような展開の後半を見ていて、私としては、彩美さんと宮原さんと深田さんの物語でも良かったような気がしてきました。

彩美さんがマフラーを巻いていたので、高校に入学してすぐの春の物語ではなく、秋か冬の初めくらいの物語だったのではないかと思うのですが、その季節の感じも良かったように思います。

「お兄ちゃん、ガチャ」最終回

日本テレビの深夜のドラマ「お兄ちゃん、ガチャ」の最終回(第12話)を見ました。

前回の最後、トイ(岸優太さん)への想いに苦しんでいた小学生の雫石ミコ(鈴木梨央さん)は、トイから預かっていた記憶を失くすための赤い錠剤を飲んでいたのですが、洗面所で倒れていたところを少女漫画家の母親のリコ(野村麻純さん)や姉のマコ(小山内花凜さん)、弟のリク(羽村仁成さん)、妹のカコ(三宅希空さん)たち家族に発見されたようでした。でも、ミコは本当は薬を飲んでいなくて、御手洗四葉(原涼子さん)と一緒に駆けつけたトイによると、飲んだとしてもガチャの薬はミコには効かないということでした。記憶喪失の振りをしていたのを「ファーストキス」をしようとしてきたトイに見抜かれていたミコは、トイと二人で笑い合っていて、置き去りにされていた四葉は少し不満そうな様子でした。

バレエ教室の蛇崩ナツコ(木内舞留さん)は、「お兄ちゃんズ」の5人の中からついに一人を選んだのですが、その赤いネクタイのお兄ちゃん候補から「辞退」されていました。他のお兄ちゃんたちも、一人にはなりたくないと、ナツコのお兄ちゃんになるのを辞退していて、消去されることも拒んでいました。

ナツコが困っていると、そこへマコが来て、レイ(宮近海斗さん)の赤いリボンの女の子が母親のリコだったことをみんなに話していました。そして、二つの月が浮かぶ夜の公園のバスの中で、レイはリコと再会していました。リコさんは、どうしてもレイ君のことを思い出すことができないと申し訳なさそうにしていたのですが、漫画家を目指している自分をいつも誰かが応援しているような気がすることはあったようでした。謝るリコさんにレイ君は、妹を見守ることができた自分は決して不幸ではなかったということを話して、ガチャを引いたリコさんに決断を迫っていました。リコさんは、あなたを消去しますとレイに告げて、泣いていました。バスの外から見守っていたカコが、泣く母親の姿を見て、どこか痛いの、と訊くと、ミコは、心がね、と答えていました。

夜、眠ることができなかったミコは、リビングのソファにトイがいることに驚いていたのですが、まだ雫石家の鍵を持っていたトイによると、本契約をするのをもう少し待ってほしいと頼んだ結果、四葉に追い出されたということでした。トイの話を聞いていたミコは、妹の二股をするのかと言ってトイをゲームセンターに連れて行き、母親と一緒に待っていた四葉の前にトイを押し出していました。ミコに促されて四葉に謝ったトイは、四葉に本契約を頼み、ミコを見て少し涙を流しながら、卜部一郎博士(西原純さん)が用意していた紫色の錠剤を四葉と母親と3人で飲んでいました。

翌日、バレエ教室では、「お兄ちゃんズ」がナツコの兄になるのを辞退した本当の理由を打ち明けていたのですが、それは、ナツコの両親がガチャのお兄ちゃんたちをナツコの恋人とは認めても、本当の兄として、会社の跡継ぎになることは認めないからだということでした。「お兄ちゃん」にこだわるナツコにガチャのお兄ちゃんたちは、もう少し大人になったらナツコも「恋」をするのだと話し、ナツコにすてきな彼氏ができるまでもう少し一緒にいたいと頼んでいました。ナツコは、自分の恋人でもなく、お兄ちゃんになることもできないお兄ちゃんたちとの関係性を思って大粒の涙を流していました。

ナツコの涙を見ていたミコは、バレエ教室の外に雨が降ってきたことに気付きました。「少女ズ」たちもナツコも、傘を持つお兄ちゃんたちと帰って行きました。そして、四葉のところにも、傘を持ったお兄ちゃんが妹のお迎えに来たのですが、ミコがトイだと思っていた四葉のお兄ちゃんは、妹の親友のミコに「アキヒコです」と自己紹介していました。本当の家族になった四葉とトイは、お兄ちゃんガチャだったトイの記憶を失くしていました。

アキヒコになったトイは、お迎えに来てくれるお兄ちゃんのいないミコに持っていた白い傘を渡した後、妹の四葉と仲良く一つの赤い傘を差して帰って行きました。

ミコが雨の中を一人寂しく帰宅すると、そこには旅に出ていた父親のケーゴ(喜屋武豊さん)が戻って来ていて、失恋から立ち直るには新しい恋をするのが一番だと、ケーゴさん自身がどこかのゲームセンターで引いたものなのでしょうか、お土産と言ってミコにガチャの水色のカプセルを渡していました。

翌朝、ミコがバスルームのドアを開けると、浴槽には新しいお兄ちゃん(ジェシーさん)が現れていました。肩に「S」の印があるのを見て、ミコはトイなのかレイなのかと考えていたのですが、そのお兄ちゃんは両肩に「S」の印のある、「SSランク」?のお兄ちゃんだったようでした。自信に満ち溢れた感じのお兄ちゃんに促されて、「私のお兄ちゃんになってくれますか」と訊いたミコに、そのお兄ちゃんは「うん。いいよ。ずっと一緒だ」と答えていました。

「本当!?」とミコが嬉しそうにしていたところでドラマは終わっていたのですが、「おわり」の字幕はすぐに「?」に変わっていました。

脚本は野島伸司さん、演出は大谷太郎さんでした。

最後の「?」は、ドラマを見ていた私の印象でもありました。本編の直後に「DVD-BOX」の発売のお知らせが挟まれていたこともあって、余韻の残らない(残さない?)終わり方というか、何というか、何か押し切られたような形の終わり方だったようにも思えました。

ナツコにはお兄ちゃんが出来ないことになったようでしたし、本当の兄と妹になったトイと四葉の雰囲気にも、(ミコの視点で描かれていたからかもしれないのですが)何か少し寂しさを残していたような気がします。

「ハッピーエンド」と言えるような、言えないような最終回だったように思うのですが、少なくとも、20年以上前にリコさんに引かれたガチャだったレイ君が、卜部博士の切望で助手としてこれからもゲームセンターに残ることになったというところは良かったですし、「ハッピーエンド」になっていたように思います。

最終回を見終った直後の私には、何かいまいち納得することができない最終回だったようにも思えたのですが、それでも、第11話までは、あるいは最終回の途中までは、とても面白いドラマでした(しばらくして、もう一度最終回の物語を見直してみたなら、もしかしたら、今の印象はもう少し変わるのかもしれません)。深夜の放送なので、私は録画をして見ていたのですが、「お兄ちゃん、ガチャ」の毎回の物語を、毎週楽しみにしながら見ることができました。

ガチャで理想の「お兄ちゃん」を引くという設定も斬新で面白かったですし、毎回新しいお兄ちゃんが登場するというのも新鮮な感じがしました。ミコやトイ、ナツコや四葉たちなど登場人物たちのやり取りもテンポが良くて、演出も美術も音楽もポップな印象で、時々ミュージカル風になる歌の場面も楽しくて、全体的に、とてもかわいいドラマでした。

ミコの「乙女心」が描かれていた後半の少女漫画風の展開も含めて、第1話でナツコが歌っていたように、まさに「ラブ・ファンタジー」でした。ガチャのお兄ちゃんたちをどこか「恋人」のように描きつつ、それでもあくまでも優しい「お兄ちゃん」であるという部分が貫かれていたというところも、良かったです。

ガチャのお兄ちゃんたちを演じていた「ジャニーズJr.」の方たちも、良かったのだと思います。「ジャニーズJr.」に詳しくない私には、まだいまいち見分けが付かない部分もあるのですが、いつかどこかで見た時には思い出すのかもしれないなと思いました。このドラマを私も最後まで無事に見ることができて、本当に良かったです。

「マッサン」最終回

NHKの連続テレビ小説「マッサン」の最終週「人生は冒険旅行」、第145回から最終回の第150回までを見ました。

亀山政春(通称・マッサン、玉山鉄二さん)と一緒にお酒を造っていた八澤俊夫(八嶋智人さん)とその妻のハナ(小池栄子さん)とハナさんの父親の熊虎(風間杜夫さん)が広島へ行った後の最終週は、お酒が自由販売になって半年後の1949年(昭和24年)に「ドウカ」の「余市の唄」という三級ウイスキーが人気を博したという辺りから始まっていたのですが、翌日の第146回では、一気に時代は進んで、急に12年後の1961年(昭和36年)になり、戦後に養子となった、広島の姉の岡崎千加子(西田尚美さん)の息子の悟(泉澤祐希さん)と共に造ったという本格ウイスキーの「スーパードウカ」も売れているということでした。

日本軍や進駐軍にお酒を販売することで?戦争時代を乗り越えたマッサンの会社が「三級ウイスキー」というウイスキーの原酒を薄めた安いお酒を造るところまでは、一応ドラマで描かれていたのですが、本来のマッサンの目的だったはずの「本格ウイスキー」を造る場面は、飛ばされてしまっていました。

「ニッカウヰスキー」の創業者の竹鶴政孝さんとリタさんのことをモデルにしたドラマの「マッサン」は、本場のウイスキーに感動したマッサンが日本の地で本格ウイスキーを造ることを目指し、留学先のスコットランドで出会ったエリー(シャーロット・ケイト・フォックスさん)と結婚して帰国し、やがて北海道の地で「ドウカウイスキー」を創業するという物語というよりは、やはりマッサンとその妻のエリーの夫婦愛の物語だったので、特に最後の最終週は、その部分を描くことに集中していたのかなと思います。

以前の連続テレビ小説の「純と愛」の時ように、広島編とも、大阪編とも、つながってはいませんでした(私としては、大阪編の、堤真一さんの演じていた鴨居社長にもいつか再登場してほしく思えていました)。

最終週に突然現れた「主治医」の川上一恵(天海祐希さん)にエリーさんの余命が短いことを教えられたマッサンが(あるいは視聴者が)エリーさんが亡くなるのを待つことになるような雰囲気が、私には少し残念に思えてしまいました。エリーさんが亡くなるということ自体は、ドラマの第1回ですでに描かれていたことでもあると思うのですが、どこで倒れるのだろう、いつ亡くなるのだろう、というところに迫っていくような展開は、私にはあまり良いものとは思えませんでした。

第149回は、病に倒れたエリーさんが、マッサンと二人で娘(養女)のエマ(木南晴夏さん)の国際結婚を認めた後、マッサンに見守られながら自室で息を引き取るという回でした。生まれ変わったらまたマッサンのお嫁さんにして、ということができたエリーさんは、日本に来ていろいろ大変なこともあったのだろうとは思うのですが、幸せな人生を送ることができたのだろうなと思える最期の場面だったのだと思います。でも、夫のマッサンと二人で過去の写真を見ていた亡くなる少し前のエリーさんの時間を、「初めて訪れた優しく穏やかな最後の時間」と表現していたことには、少し驚きました。エリーさんにとって「優しく穏やかな時間」は「初めて訪れた」のだろうかと少し不思議に思えたからです。それとも、「初めて訪れた」は、「最後(最期?)」にかかっていたのでしょうか。

最終回の第150回は、エリーさんの死後2日ほど部屋に閉じこもっていたマッサンが、エリーさんから死の間際に手渡されていた英文の手紙を読み、(実はスコッチウイスキーの味がよく分からなかった)エリーさんが愛してくれた自分のウイスキーを再び作り始めるために自ら釜に火を入れる、という話でした。そして、それからあっという間に10年が過ぎ去り、第1回の冒頭で描かれていた1971年(昭和46年)の、スコッチウイスキー「スーパーエリー」の授賞式の場面になっていました。

授賞式の最中、「蛍の光」の原曲となった英語の歌を小さくつぶやくように歌っていたマッサンは、その後、シクラメンの花に囲まれたエリーさんのお墓にウイスキーをお供えしていました。墓石に掛けていたエリーさんのペンダントは、手芸用の指貫だったように思うのですが、ベルのように音が鳴っていました。最後は、「マッサン」と呼ぶエリーさんの声を聞いたマッサンが思い起こしていた、結婚したばかりのマッサンとエリーさんが手を取り合ってスコットランドの真っ直ぐな道を「冒険旅行」の出発に向けて幸せそうに駆け抜けて行く場面で終わっていました。

作(脚本)は羽原大介さん、最終週の演出は野田雄介さんでした。語りは松岡洋子さんでした。

私には、特に養女のエマさんがマッサンとエリーの亀山夫妻の間に登場した辺りからは、この物語に少しついて行くことができないように思えてしまっていたのですが、それでも、一応毎回の物語を見ていました。

例えば、前作の「花子とアン」の時も少し思えたことなのですが、「マッサン」でも、「戦争」の要素を描くのなら(原爆のことも、シベリア抑留のことも、その部分を描くのなら)もう少し丁寧に描いてほしかったように思えました。

ドラマの主人公のマッサンとエリーさんにモデルとなった実在の人物がいるのなら、できるだけその方の史実に沿った物語にしてほしいように思えましたし、マッサンがウイスキー造りの仕事の部分で社会的に成功をした人物なら、妻のエリーさんが日本に馴染んでいこうとする日常生活をエリーさんの視点で描くのだとしても、その仕事の場面ももう少し紹介してほしかったようにも思えました。

紙芝居や絵本のように、ナレーションで登場人物の感情や状況を解説してしまうというところも、(これは「ごちそうさん」の時もそうだったように思うのですが)ドラマを見ている私には、少し残念に思えてしまいました。

このドラマを好きな方もたくさんいると思うのですが、そのようなこともあって、「マッサン」は、残念ながら、私にはすごく楽しむことができた物語というわけではありませんでした。

でも、最近の「連続テレビ小説」は、「大河ドラマ」と同じように、「町興し」の印象があるので(「あまちゃん」の頃から特に)、実際にウイスキーの人気も上がったそうですし、そのような点では良かったのかもしれないなと思います。オープニングで流れる、中島みゆきさんの「麦の唄」の主題歌も良かったです。広島の竹鶴酒造や、北海道のニッカウヰスキーの余市蒸溜所などの風景もきれいでした。

週のサブタイトルには今までは諺が使われていたのですが、最終週のサブタイトルの「人生は冒険旅行」は、諺ではなく、亀山夫妻の座右の銘?でした。そのように何にでも挑戦をして冒険的に生きることのできる人は、その後の結果はともかく、本当にすごいなと思います。

「カーネーション」(このドラマは私もとても好きで見ていました)の時には、ドラマのモデルとなったファッションデザイナーの「コシノ3姉妹」とそのお母さまの小篠綾子さんの特集が放送されていたように思うのですが、「花子とアン」の時には村岡花子さんの詳しい特集はそれほど放送されていなかったような気がします。

今回の「マッサン」の放送時期にも、実際の竹鶴政孝さんとリタさんの特集は放送されていませんでした。もしかしたら、どこかで放送されていたのを私が見逃してしまっただけなのかもしれないのですが、「大河ドラマ」の時には、その登場人物のことなどが、例えばNHKの「歴史秘話ヒストリア」などで特集されるので、「連続テレビ小説」の時にも、モデルとなった実在の人物のことを、そのような番組などで取り上げると、もっと良いのではないかなと思いました。

映画「ももへの手紙」

先日の深夜にTBSで放送され、録画をしておいたProduction I.Gのアニメーション映画「ももへの手紙」を見ました。

2012年の春に公開された映画です。私がこのアニメ映画のことで知っていることといえば、ただ、主題歌が原由子さんの「ウルワシマホロバ ~美しき場所~」ということくらいだったのですが、地上波初放送されるということで、何となくの気持ちで見てみることにしました。

見始めた頃は、美しい風景の描写に驚きつつ、登場人物の実写に近いようなリアルな描写の絵には少し怖いというか、慣れ難い感じもしていたのですが、物語はシンプルで、私には少し無理矢理の感じに思えてしまったところもあったのですが、見終わった後には、比較的自然であるような印象が残ったような気がします。

海洋学者の父親のカズオ(声・荒川大三郎さん)を交通事故で亡くした後、東京から、母親のいく子(声・優香さん)がかつて暮らしていたことのある、親戚のいる瀬戸内海にある広島の汐島というところへ親子で引っ越して来た小学6年生の宮浦もも(声・美山加恋さん)は、母親との結婚記念日よりも研究のための出張を優先した亡くなる前の父親に、お父さんなんか嫌い、もう帰ってこなくていいよ、と言ってしまったことを後悔し、父親の机の引き出しに残されていた「ももへ」とだけ書かれた一枚の便箋を見つけ、父親が自分に何を言いたかったのかを気にする日々を送っていました。

その頃、空から3粒の雨粒のような水玉が、汐島へ渡るフェリーの甲板に出ていたももの頭の上に落ちていました。フェリーを降りたももの後を新しい家まで付いて行った水玉は、ももが屋根裏部屋で開けた箱の中に入っていた古い妖怪の本に描かれていた妖怪の姿を借り、イワ(声・西田敏行さん)、カワ(声・山寺宏一さん)、マメ(声・チョーさん)と名乗って、ももの前に現れました。

そして、同じ小学6年生だった陽太(声・藤井皓太さん)やその妹で時々妖怪を見ることができる5歳の海美(声・橋本佳月さん)など、川に飛び込む遊びをする元気な島の子供たちとも馴染むことができないももは、亡くなった父親が空へ到着し父親の魂自身で家族を見守ることができるようになるまでの間の「見守り隊」として、ももの周囲に居続ける妖怪の姿をしたイワたちと夏の毎日を過ごしながら、父親の思いや、喘息だった母親の思いを知り、いく子さんの一人娘として、島の子供として、成長していくのでした。

原作・キャラクターデザイン・脚本・監督は沖浦啓之さんでした。作画監督は安藤雅司さんでした。音楽は窪田ミナさんでした。

「地上波初放送」といっても、もしかしたら、「ノーカット」ではなかったのかもしれません。例えば、嵐の夜、今治の病院へ行くために、ももと母親の幼馴染みの郵便局員の幸市(声・小川剛生さん)が妖怪たちのトンネルに守られながら大橋を渡った後の場面がなかったからです。その直後に描かれていたのは、翌日の早朝の汐島の病室で母親が眠っている場面でした。ももの計画通りに、今治から医師を連れて来ることなどは出来たのでしょうか。

ももがイワたちに託した父親への手紙の返事は、「奉納」と書かれた藁船を海に流すお祭りの後に届いていました。その手紙も、ももにしか見ることができない文字で書かれていたようなのですが、妖怪たちとの出来事は、もしも、ももがそのことを主張しないのなら、ももの「妄想」や「幻覚」などで片付けられてしまいそうな範囲のものだったように思います。

畑の作物が盗まれたり、畑を荒らされたり、トロッコのような畑の乗り物(運搬する機械)が破壊されたり、商店の品が盗まれたり?していたのは、ももの体験と記憶では、イワたちの仕業でしたが、その後、そのような出来事の問題は無事に解決されたのでしょうか。

すごく面白い作品だったという風には、私にはまだ思うことができないのですが、映画の中で描かれていた風景は確かにきれいだったように思いますし、父親の死に関する後悔を一人で抱え込んでいた小学生の少女が引っ越した先の島で出会った妖怪たちとの交流によって成長するある夏の日の物語、というような作品としては、それなりに良かったのではないかなと思います。

あと、これはテレビの放送なので仕方のないことなのかもしれないのですが、私としては、原由子さんの主題歌が流れていた映画のエンドロールの部分も最後までちゃんと放送してほしかったように思いました。

「デート~恋とはどんなものかしら~」最終回

フジテレビの「月9」のドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の最終回(第10話)を見ました。最終回も15分拡大版で放送されていました。

前回の最後、依子さんの誕生日まで「あと7日」となっていたのですが、今回の第10話の冒頭で、29歳だった藪下依子(杏さん)は、30歳の誕生日の3月22日の日曜日の朝を迎えていました。

依子さんは、結婚の計画を達成できないまま30歳の誕生日を迎えたことを気にしながら、携帯電話の画面もちらちらと気にしていて、誰からも掛かって来ないので、自分から鷲尾豊(中島裕翔さん)にかけたのですが、仕事が忙しいからと振られ、父親の俊雄(松重豊さん)からも仲間と飲みに行くからと振られてしまい、仕方がないので一人で路線バスの周遊の旅に出掛けたところ、本屋さんへ買い物に出かけていた35歳の谷口巧(長谷川博己さん)と偶然再会したのでした。

最後部の座席に座っていた依子さんの隣に座ることになった巧さんは、誕生日という「特別な日」に路線バスに乗っている依子さんを不思議に思っていたのですが、路線バスに乗るのは依子さんの趣味でした。鉄道も好きなのかと訊かれた依子さんは、鞄から一枚の切符を取り出して見せていたのですが、それは21年前の「3478」という番号の切符でした。足したり引いたり掛けたり割ったりすると「10」になるというその切符を依子さんはお守りのように大切にしていたのですが、巧さんが切符を持っているということは「キセル」じゃないかと言い出したので二人で口論になって、床に落とした切符を拾おうとした依子さんは手を誤って巧さんに踏まれてしまい、立ち上がろうとした依子さんの頭にぶつかった巧さんは鼻血を出していました。

そのような二人に、斜め前の座席に座っていた老婦人(白石加代子さん)は、お似合いだと声をかけていました。依子さんと巧さんは否定していたのですが、老婦人は、楽しいだけの「恋」はおままごとみたいだと笑い、身の上話をしながら、「恋」は苦しいものであり、永遠に続く底なし沼のようなものだと表現して、降りる時、依子さんに、誕生日プレゼントだと言って、赤いリンゴを手渡していました。

このような場面から、最終回の物語は始まっていました。そして、島田佳織(国仲涼子さん)からの電話に出て、巧さんの母親の留美(風吹ジュンさん)が倒れたと聞いた依子さんは、巧さんと一緒にバスを降りて急いで谷口家へ向かうのですが、誰もいない薄暗い部屋の中央に下がっていたくす玉の紐を見つけて引くと、佳織さんとその兄の宗太郎(松尾諭さん)と、留美さんと父親の俊雄さんと鷲尾さんが現れ、「サプライズ」の依子さんの誕生日パーティーが始まりました。

そこで依子さんは、宗太郎さんが家を出て行った妻に戻って来てもらうことになったこと、父親が年下の看護師との再婚を考えていること、留美さんが教育評論家としてやり直そうとしている夫の谷口努(平田満さん)を手伝うことにしたこと、絵画教室は佳織さんが継ぐことになったこと、そのために巧さんは絵画教室の出身者のアーティストをマネジメントすることになったことを聞き、特に巧さんのことについては、それは営業だ、働いている、と驚いていたのですが、それも全て「恋の奇跡」によるものだと感激していました。

しかし、誕生日会がお開きになり、鷲尾さんと出かけようとしていた依子さんは、再び巧さんと口論になってしまうのでした。出会った頃から今までの出来事のことで言い合いになっている二人を、みんなは心配そうに見つめていて、それに気付いた巧さんは、依子さんに、鷲尾さんとの思い出を話すように言ったのですが、依子さんが思い出すのは、鷲尾さんとのサッカーデートの思い出やボウリングデートの思い出ではなく、サッカーの思い出やボウリングの思い出ばかりでした。

その様子を困ったように見ていた鷲尾さんは、本当は予約していたレストランでしようとしていたことを、ここでやります、と気合を入れて、依子さんに指輪を差し出してプロポーズをしていました。突然のことに驚いていた依子さんは、イエスですか、と訊かれて、イエスです!と答えていたのですが、サイズが合っているはずの指輪は左手の薬指にはどうしても入りませんでした。何と、路線バスの中で巧さんに手を踏まれたことで、左手の薬指だけが大きく腫れ上がっていたのです。

バスの中で再会したのが「偶然」ということにも不安を感じていた佳織さんは、依子さんと巧さんの「恋」に運命的なものを感じていたようでした。それでも依子さんは否定していて、谷口巧さんの話をするのはやめてほしいと言う鷲尾さんに教えてもらった、最初に付き合った人のことを忘れる方法を実践していると、巧さんの嫌いなところを書き綴るノートを取り出して鷲尾さんに見せていたのですが、表紙に「谷口巧」と書かれたそのノートには、小さい文字でびっしりと巧さんの悪口らしきものが書き連ねてあって、しかもそれは3冊あり、まだ完結していないということでした。

そのノートを見た鷲尾さんは、依子さんの頭の中は谷口巧でいっぱいだ!と膝から床に崩れ落ちるように座り込んで、涙を流していたのですが、この場面もとても良かったです。

二人がくっ付けばいいと思う人、という呆れたような宗太郎さんの提案に、佳織さんも鷲尾さんも諦めて、みんなで手を挙げていて、その場面も何だか面白かったのですが、依子さんと巧さんは、それでもお互いの間に「恋」の気持ちがあることを否定していました。そして、お互いに、相手が自分と結婚したら不幸になるからかわいそうだと、巧さんは頑張り屋の依子さんと結婚してあげてくださいと鷲尾さんに頼み、依子さんは繊細で傷付きやすい巧さんと結婚してあげてくださいと佳織さんに頼んでいました。

相手のことを思い遣って必死に頼む二人に、みんなはそれが「恋」なのだと教えていました。父親の俊雄さんも、「恋」をしている娘に頑張れと声を掛けて、二人を残して谷口家を後にしていました。

21年前、母親の小夜子(和久井映見さん)は、大学の講義の中で、運命の相手は決まっている、ということを話していました。一番前の席で聞いていた依子さん(内田愛さん)は、そのことをずっと憶えていて、考え続けていたようでした。そして、30歳の誕生日当日の朝の時と同じように、黒い服を着て現れた母親の幻をかき消そうとした依子さんは、テーブルの上から赤いリンゴを落としていました。

床に落ちた赤いリンゴは巧さんの足元に転がっていたのですが、みんなが二人を置いて出て行った後、そのリンゴを静かに拾い上げた依子さんは、「恋」を地獄の底なし沼だと話していた老婦人から渡されたその“禁断の果実”を、何か覚悟をしたように一口かじると、それを巧さんに手渡し、巧さんも一口かじって依子さんに手渡す、ということを、赤いリンゴが芯になるまで黙々と繰り返していました。

夜、巧さんと縁側に座っていた依子さんは、その人がいないと生きてはいけないという感情が「恋」なのではないかと理解したように言っていたのですが、それでも二人は、そのような「恋」は他の人たちにはできたとしても自分たちにはとても無理だと話し合っていました。「運命」の相手はこれから現れるかもしれないとも言い合っていました。

でも、21年前の電車の中で、実は二人は出会っていたのでした。切符を見つめていた依子さんは、「3478」が「10」になったのを喜んで、その切符をお守りにしたいと隣の母親の小夜子さんに話していました。切符は駅で渡さないといけないから無理だと小夜子さんに言われて残念そうにしていた依子さんは、そこである少年に声をかけられ、その人が差し出した切符をもらっていたのですが、その少年は巧さん(山崎竜太郎さん)でした。大きくなった依子さんと巧さんは、そのことを忘れているようだったのですが、後に運命的な?出会いをする二人の、それが本当の最初の出会いだったようでした。お守りの切符を持って駅のホームに降りた子供の頃の依子さんが、巧さんの乗っている電車を見送っていた場面も、とても良かったです。

その後、若い看護師さんとの再婚を考えていた俊雄さんは、ナース服を着た小夜子さんの幻に、退職金目当てかもしれないとか脅かされていました。宗太郎さんは、再び妻に振られたようでした。留美さんは、自信を失くして原稿を出版社に持って行っていなかったことに呆れつつも、努さんを支えていました。失恋をした佳織さんと鷲尾さんは、一緒に飲み歩きながら、今度付き合うなら体育会系の年下の男性がいいとか、サバサバとした性格の年上の女性がいいとか言い合っていました。

そうして、4月5日の横浜で、春らしい?カエルのブローチや指輪を着けた派手なピンク色のコートの依子さんは、待ち合わせていた巧さんとお花見デートに出かけ、青空の下の一本の満開の桜の木を、しばらくじっと見つめていました。

依子さんがもうそろそろいいかと帰ろうとすると、巧さんは依子さんの手を握って、もうしばらく見ましょうと引き止め、二人は手をつないだまま、じっと桜を見上げていました。

脚本は古沢良太さん、演出は武内英樹さんでした。

「デート~恋とはどんなものかしら~」の最終回は、このような物語だったように思います。いつものことながら私には上手く伝えることができないのですが、本当にすてきな最終回でした。

どのような最終回になるのだろうと思いながら見ていたのですが、このような展開の最終回になるとは、私は全く思いませんでした。最終回に来て、「恋の奇跡」が花開いたというか、一気に「恋」の物語になっていたのですが、巧さんのことを書き連ねた依子さんのノートを見た鷲尾さんが泣き崩れる場面もはっとするような感じでしたし、老婦人から渡された「禁断の果実」のような、「毒リンゴ」のような赤いリンゴを依子さんと巧さんが交互にかじる場面は、本当にすごかったです。

赤いリンゴをかじるということで「恋愛」が表現されていたことにも驚くのですが、それだけではなくて、それを象徴的に使って描いていた感じが、何というか、ドキドキとする感じでした。

私は、どちらかというと恋愛要素の強いドラマを少し苦手に思えてしまうほうなのですが、今回のドラマは、タイトルに「恋」とあるものの、恋愛のドラマというよりは、「恋愛不適合者」の依子さんと巧さんが「恋」というものを知って成長する物語だったように思います。

それでも、特に昨夜の最終回を見終わって、私の中では、何となく、昔の「月9」枠のドラマの「やまとなでしこ」(私もとても好きで見ていました)に近い印象のドラマになりました。ドラマ(単発でも連続でも良いのですが)には、一度最後まで見るとそれで終わってしまうようなドラマと、もう一度最初から見たくなる、あるいはもう一度最初から見ることになって、見始めるとつい見続けてしまうようなドラマとがあるように思うのですが、今回のドラマは、その後者のようなドラマなのではないかなと思います。

最初はよく分からないように思えていた、鷲尾さんや佳織さんや宗太郎さんなどの、依子さんと巧さん以外の主な登場人物たちも、回を追うごとに個性が出て来ていて、その役割も明確になっていました。和久井映見さんの演じていた、依子さんや俊雄さんの記憶の中や、助言をする幻として目の前に現れていた小夜子さんの存在も良かったのだと思います。

ドラマを見始めた頃は、少数派?の依子さんや巧さんに少し冷たいところのあるドラマなのかと勝手に心配していたのですが、このようなすてきな物語だったことが分かった今では、見ることにして、見続けることにして、最後まで見ることができて、本当に良かったと思います。

エンディングで流れるchayさんの「あなたに恋をしてみました」の主題歌も、例えばDREAMS COME TRUEの「うれしい!たのしい!大好き!」のような、かわいい雰囲気の曲で、ドラマによく合っていたように思います。オープニングのザ・ピーナッツの「ふりむかないで」も、昔の曲ということもあって最初はどうしてこの曲なのだろうという風にも私には思えていたのですが、ドラマを見ているうちに、いつの間にか楽しく思えるようになっていました。

本当に、完璧と言ってもいいほどの、完成度の高い最終回だったように思います。物語の構成も、展開も、見事でした。最終回の物語に向かって、第1話から物語は進んでいくのですが、依子さんと巧さんの二人の思い出が、小夜子さんの言っていた「運命」につながっていく過程も、回想の場面も、良かったです。

ともかく、とてもすてきな「恋」のドラマだったのだと思います。「恋とはどんなものかしら」ということは、ドラマの中の依子さんや巧さんのように、私にもまだはっきりとは分からないことでもあるのですが、依子さんと巧さんの「恋」が、上手く続いていくといいなと思いました。見ていて少し辛い気持ちになってしまうところもあったのですが、依子さんと巧さんを見守る感じが優しいドラマで、二人が桜を見上げる最後まで、とても楽しかったです。
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Author:カンナ
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