「紅雲町珈琲屋こよみ」

NHKの総合テレビで放送されていた特集ドラマ「紅雲町珈琲屋こよみ」を見ました。

原作は、私は未読なのですが、吉永南央さんの小説『紅雲町珈琲屋こよみ』です。

その原作小説を知らない私は、タイトルの「こよみ」が物語に登場する珈琲屋さんの店名かと思っていたのですが、そうではありませんでした。お店の名前は「小蔵屋」でした。「KOKURAYA」と書かれた看板が出ていました。

北関東にある紅雲町という町の一角にある「小蔵屋」は、様々なデザインの和食器とコーヒー豆の販売を行うお店で、和装姿のよく似合う穏やかな雰囲気の店主の杉浦草(富司純子さん)が試飲のために淹れるコーヒーがお客さんたちに人気のようでした。

草さんは、「お草さん」と呼ばれて慕われている独り暮らしの上品な老婦人なのですが、まだ小さかった一人息子を夫の実家に奪われて離縁されたという過去のある人でした。散歩の途中、お草さんは、近所の小川にかかる橋の近くにあるお地蔵さまにお参りをしていたのですが、それはその頃一人で遊びに行った用水路の川に落ちて亡くなってしまった子供の供養のためでもあったようでした。

お草さんの他の主な登場人物は、失恋をして苦しんでいた時にお草さんに出会って救われたという「小蔵屋」の店員の森野久実(秋元才加さん)、仕事中に「小蔵屋」に立ち寄る運送屋の寺田さん(吉沢悠さん)、寺田さんの同級生で同じ野球部のピッチャーだった大竹さん(成河さん)、大竹さんがかつて働いていた楽器店に同じ頃勤めていた国際的に活躍するピアニストの清瀬小枝子(新妻聖子さん)、近所のマンションで夫とお姑さんと一人息子と暮らしている主婦の小宮山真知子(映美くららさん)、お草さんの幼馴染みで身体が不自由になったためにほとんど外出しない由紀乃さん(岩本多代さん)、由紀乃さんの家の嫁のさちこさん(大島蓉子さん)、最近になって「小蔵屋」の奥の席でコーヒーの試飲を楽しむようになったという松井さん(橋爪功さん)でした。

冒頭では、お草さんは、結婚式の引き出物に困っていた女性に頼まれて、ちょうど営業に来ていた男性に声をかけて、「幸せのおすそ分け」のキャンドルを紹介していたのですが、それは、結婚式で使ったキャンドルをリサイクルして作ったというものでした。実際にもあるものなのかもしれないのですが、確かに結婚式の度に新しいものが使われていると思われるたくさんのキャンドルはどうしているのだろうと思いますし、かわいらしい商品のような気がしました。

前半は、町で高齢者のお金が盗まれる事件が発生していたある日、15年前に野球部の仲間たちからお金を借りたまま姿を消していた大竹さんが「小蔵屋」にいた寺田さんに突然借金を返しに来たことから始まる、寺田さんと大竹さんの友情の物語でした。後半は、近所のマンションの部屋の窓に血の付いた手を見たという高校生たちの怪談話を聞いて疑問に思ったお草さんが、その部屋に暮らす小宮山家の主婦の真知子さんと、その一人息子を救う物語でした。

脚本は相沢友子さんで、演出は藤並英樹さんでした。

鋭い洞察力と推理力のある、困っている人を見ると放っておけない性格の珈琲屋さんの店主のお草さんが、お客さんたちの話を聞いて、町に起きている問題を解決する、という感じのミステリー調の物語でもあったのだと思うのですが、割れた部分を美しく修復したお草さんの金継ぎの器のように、自身も傷ついているお草さんが傷ついている人の心や人とのつながりを修復していく物語でもあったように思います。

もしかしたら少し違うのかもしれないのですが、自ら調査に出かけて謎を解き明かしていくお草さんは、ドラマを見ていた私には何となく、アガサ・クリスティの小説の名探偵「ミス・マープル」のような印象でもありました。

「小蔵屋」の全体的な雰囲気もそうなのですが、棚や広いテーブルの上に並べられていたたくさんの器や、壁の飾りなども、おしゃれな感じがしました。

お草さんのことも少し知っていた情報通の松井さんが、お草さんに頼まれて、小宮山さんの部屋から傷ついた子供を救い出すことに協力し(マンションの外まで連れ出していたのには少し驚いたのですが)、その後見返りとして、小蔵屋で珈琲の試飲をする時に気に入っていたお草さんの金継ぎのカップを持ち出していたという場面も、何だか良かったです。松井さんは、本当は泥棒稼業の人だったのでしょうか。でも、それに気付いたお草さんも少し楽しそうにしていましたし、ほのぼのとしていたように思います。

どのような作品であるのかを特に知らないまま、「紅雲町珈琲屋こよみ」のドラマを見始めたのですが、さっぱりとした優しい雰囲気の良いドラマだったように思います。富司純子さんの演じるお草さんが良かったということもあるのだと思うのですが、約1時間15分のこのドラマを、最後まで楽しく見ることができました。

「戦う!書店ガール」第3話

フジテレビのドラマ「戦う!書店ガール」の第3話を見ました。

第3話は、好きな人がいるからと自分を振った「ペガサス書房」の同僚の書店員の三田孝彦(千葉雄大さん)の、優しくて責任感の強い人という好きな人が副店長の西岡理子(稲森いずみさん)だと知り、三田さんが自分よりも理子さんのほうを好きな理由を理解できずにいた北村亜紀(渡辺麻友さん)が、ある日、携帯電話のカメラで雑誌の記事を撮影していたところをきつく注意した女子高校生3人組に逆恨みをされ土下座を強要されて困っていたところを理子さんに助けられ、理子さんを好きだと言っていた三田さんの気持ちを少し理解していく話でした。

三田さんに振られた亜紀さんは、「一つ星出版」の漫画雑誌の副編集長の小幡伸光(大東駿介さん)に漫画家(浅利陽介さん)との昼食会に招かれ、そこでどうして書店員になったのかと聞かれて、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』が好きであること、海外で暮らしていた小さい頃の友達がいなかった自分の殻を破る勇気をもらった本だということを話していました。

亜紀さんが好きな本について楽しそうに話すのを見ていた小幡さんは、昼食会の後、自分と付き合ってほしいと亜紀さんに告白をしていました。亜紀さんは、好きな人に振られて冷静な判断が出来ないからと断っていたのですが、小幡さんは、ずっと大切にするからちゃんと考えてほしいと明るく伝えていました。

一方、亜紀さんに柴田さんのことで疑ったことを謝り、亜紀さんと三田さんの歓迎会を改めて開いた沖縄料理のお店で「ユニコーン堂」の田代敏之(田辺誠一さん)に再会した理子さんは、「東京案内」を約束していた日に熱を出したことや連絡先を書いたメモを失くしてしまって連絡をすることができなかったことを田代さんに謝り、長い間待ち合わせ場所で待っていてくれたことのお礼を言っていました。

それを聞いた田代さんは、熱を出したのに待ち合わせ場所に来てくれたということは理子さんも「東京案内」を楽しみにしていたのかと嬉しそうにしていました。理子さんは、店主の屋良部守(マキタスポーツさん)の用意したメモに連絡先を書いて渡して、改めて「東京案内」の約束をしていました。

そして後日、理子さんは、日本橋の「麒麟」の像の前で待ち合わせをした田代さんと「竜馬」と書かれた赤い色の遊覧船に乗ったり、スカイツリーを真下から見せたりしていました。田代さんは船酔いをするタイプだったのですが、理子さんは高所恐怖症だったようでした。それから、理子さんは田代さんをパンケーキのお店へ連れて行こうとしていたのですが、行列が出来ていたので諦めて、もんじゃ焼きのお店へ行っていました。そこで田代さんは、理子さんのことをもっと知りたいと告白をしていて、大人だからまずは友達からゆっくりと付き合っていこうという話になっていました。

ペガサス書房吉祥寺店では、自分たちのことを万引き犯扱いしたと騒ぐ高校生たちに謝っていた亜紀さんは、誠意を見せろと「土下座コール」をする高校生たちに追い詰められ、土下座をしそうになっていたのですが、騒ぎを聞いて駆けつけた副店長の理子さんに止められ、土下座をしたいのかしたくないのかと聞かれて、土下座はしたくありませんと答えていました。すると、責任者として高校生たちに謝った理子さんは、土下座をしたくないと言っている人に対して土下座をさせるとなるとあなたたちは強要罪に問われる可能性がある、高校も退学になるかもしれないけれどそれでもいいのかと説明し、高校生たちを一先ず帰していました。

理子さんが三田さんの言った通りの人であることを少し理解した亜紀さんは、今度は、三田さんが自分の気持ちを理子さんに伝えないことに苛立っていて、ブックカフェにいた三田さんに会いに行き、理子さんが幸せならそれでいいと言う三田さんに、そんな恋愛は逃げているだけじゃないですかと大声で言い放っていました。

また、そのペガサス書房では、アイドルの写真集を万引きする常習犯の写真が店員さんたちに配られ、警戒をしていたのですが、理子さんは防犯カメラに映った犯人が本棚から取った本を自分の鞄の中に入れるのを目撃し、急いでその人物を探すと、下りのエスカレーターに乗ろうとしていた犯人に声をかけていました。

別のお客さんにぶつかって鞄を落とした犯人の男性は、写真集が床に落ちたことに動揺していたのですが、同時に飛び出したナイフを拾うと、書店から逃げるためにそれで理子さんを脅し始めていました。ナイフを持って書店員を脅す男性に気付いたお客さんたちが騒ぎ、駆けつけた三田さんは、動くことが出来ない理子さんの前にいた犯人を取り押さえようとして、混乱した犯人に脇腹の辺りを切られ、血を流してその場に倒れてしまいました。

脚本は渡辺千穂さん、演出は木内健人さんでした。

小幡さんは亜紀さんを好きで、亜紀さんは三田さんを好きで、三田さんは理子さんを好きで、理子さんは田代さんを好きで、田代さんも理子さんを好きで、という「恋愛関係」の「相関図」が出来上がったような第3話だったのですが、今回は、前回とは異なり、「万引き犯(窃盗犯)」に対応しなければならないという、本屋さんの仕事の部分も描かれていました。

ドラマの中で言われていたことによると、書店で一冊の本が盗まれるということは、五冊分の本の売り上げの損失に相当するのだそうです。

雑誌の記事を携帯電話のカメラなどで撮影する人というのは、数年前にはよく問題にされていたように思うのですが、そのようなことをする人は今でもいるのでしょうか。店員さんたちがそのようなお客さんたちにも丁寧に冷静に応対しなくてはいけないというのも、本当に大変なことなのではないかなと思います。

あと、一応“お嬢様”であるらしい亜紀さん(文具会社の会長の孫であるという具体的な描写はまだありません)が叫ぶような口調でキビキビと話すのが、私には少し騒々しいようにも思えてしまうのですが、このドラマの物語が亜紀さんの「成長物語」でもあるのだとするのなら、そのようないつも怒っているような亜紀さんの様子も、次第に亜紀さんが書店員として成長していくにつれて落ち着いていくのかもしれないなと思いました。

次回予告の映像では、理子さんが入院している三田さんのお見舞いをしているようでした。やはり「恋愛」の部分が多くなるのかもしれないのですが、私としてはもう少し「お仕事ドラマ」として書店員さんの仕事の部分が描かれていてほしいように思います。

「ようこそ、わが家へ」第3話

フジテレビの「月9」のドラマ「ようこそ、わが家へ」の第3話を見ました。

タウン誌の記者の神取明日香(沢尻エリカさん)と一緒に防犯カメラの映像を確認していた倉田健太(相葉雅紀さん)は、家の前の公園の上に人影を見つけたのですが、その怪しい人物は倉田家の玄関先に防犯カメラが設置されていることに気付いているらしく、段ボールの板で姿を隠しながら倉田家に近付き、駐車してある車に傷をつけて帰っていました。

健太さんは、それから家の玄関から見て右側の道に、バックをしてやって来て停車し、しばらくして元の方向へ帰っていく謎の車を見つけていたのですが、編集長の蟹江秀太朗(佐藤二朗さん)がその車の後部に載っている「ろくろ」に気付いていました。

注文していないのにたくさん届けられたピザをそのまま買い取ったらしい倉田家の母親の珪子(南果歩さん)は、ゼラニウムを抜き取られた玄関先に別の花を植えたようでした。

防犯カメラを玄関先から駐車場のほうの家の角に移動した健太さんは、大学生の妹の七菜(有村架純さん)にかかって来た「非通知」の電話を心配していたのですが、それに出た妹は、アナウンサーの4次試験を通過したと喜んでいました。大学では、友人でモデルの仕事をしている保原万里江(足立梨花さん)が、七菜さんのアナウンサー試験のことを一緒に喜んでいたのですが、その様子を、遠くから七菜さんの元彼の辻本正輝(藤井流星さん)が見ていて、それに気付いた万里江さんが、辻本さんを注意していました。

珪子さんは、家に同じ陶芸教室に通っている近所の主婦たち3人を招いていたのですが、その一人の、珪子さんに「不倫」を勧めるようなところのある下村民子(堀内敬子さん)から、陶芸教室の講師の波戸清治(眞島秀和さん)が珪子さんのために作ったというブローチを手渡されていました。珪子さんは少し戸惑っていたのですが、その丸い形のブローチを見ると、かわいいと喜んでいました。

母親が陶芸教室の波戸先生と「不倫」をしているのではないかと疑って心配していた健太さんは、記者の明日香さんと二人で陶芸教室の前まで行き、波戸さんの様子を窺っていました。波戸さんのことを調べていた明日香さんは、美術大学でも教えていて女子大学生たちにも人気のある波戸先生は実は熟女好きで健太さんの母親のことを好きなのではないかと推理していたのですが、その通りだったようでした。明日香さんに促されて、倉田家の近くに車を止めていた理由を直接波戸さんに尋ねた健太さんは、君のお母さんのことが好きなんです、と波戸さんに打ち明けられて困惑していました。

一方、「ナカノ電子部品」に出向中の銀行員の父親の太一(寺尾聰さん)は、部下の西沢摂子(山口紗弥加さん)と会っている写真のことで、社長の持川徹(近藤芳正さん)から注意を受けていたのですが、その後、西沢さんから、また営業部長の真瀬博樹(竹中直人さん)の不正が見つかったと言われ、もう一度一緒に闘ってほしいと頼まれて、その不正の事実を今度は社長や役員の前で真瀬部長に問い質すことにしていました。

今度の不正は、「ナカノ電子部品」が毎年一緒に「ブース」を出している別の会社とコンパニオンの女性たちを雇った費用を折半していたはずなのに、相手の会社が費用の40万円を全額支払ったことになっていて、「ナカノ電子部品」の領収書に記載されている20万円が担当の真瀬部長によって着服されているのではないか、というものでした。

真瀬部長は太一さんの主張に追い詰められそうになっていたのですが、しかし、西沢さんに直接確認してもらうと提案して西沢さんを呼び出す電話をかけると、しばらくして現れた西沢さんは、自分のミスだったと社長と真瀬部長に謝罪し、上司の太一さんも真瀬部長に謝罪させられていました。

今のところ太一さんと西沢さんに連勝中の真瀬部長は、西沢さんが高円寺のクラブで「シルビア」として働いている事実を使って、西沢さんを脅していたようでした。そして、西沢さんは、クラブを辞めることよりも、会社にその事実を秘密にしてもらうことのほうを選んだようでした。

明日香さんと蟹江編集長と一緒に再びそのクラブに来ていた健太さんは、シルビアさんを指名したお客さん(真瀬部長)が父親の勤務する「ナカノ電子部品」の社員であることを知って少し驚いていました。

帰宅した健太さんは、ドアを開けた妹の七菜さんから靴が片方しかないと言われて、ストーカーの「名無しさん」が家に入って来たのではないかという疑惑を強めていました。物音がしたため、健太さんはゴルフクラブを持って薄暗い2階へ上がったのですが、奥の七菜さんの部屋の照明を点けた時、七菜さんは、机の上にもう片方の靴が置かれているのを見て驚いていました。

机の下には、子猫のガスが隠れていたのですが、その赤い首輪には、細く畳まれた白い手紙が結ばれていて、健太さんが開くと、そこには、おじゃましました、と書かれていました。ストーカーは、健太さんの予想通り、やはり倉田家に侵入していたようでした。

脚本は黒岩勉さん、演出は中江功さんでした。

第3話では、サスペンス調の怖い雰囲気の展開が少し戻って来ていたように思います。「ストーカー」が誰なのかはまだ不明だったのですが、健太さん自身が陶芸教室の講師の波戸さんに直接話を聞きに行っていた場面(明日香さんに促されてはいたのですが)なども、健太さんが自分の家族を守ろうとしている感じが描かれているように思えて、良かったです。

防犯カメラの位置を健太さんが移動していたことについては、もう一つ買って付けてもいいのではないかとも思えたのですが、少なくとも、倉田家の玄関先は正面の公園からも良く見えるのですし、近所にもたくさんの家があるのですし、倉田家の玄関先に防犯カメラがあるという情報を簡単に知られてしまうということの原因は、倉田家の誰かが他の誰かに教えたとしても、教えなかったとしても、それ以外にもいろいろあるのではないかなと思いました。

それに、防犯カメラの位置を変えたことで、今度は玄関前の様子を見ることができなくなったらしく、いつの間にか何者かに侵入されていたということのようでした。

また、珪子さんによると、1万円が10枚入っていたはず台所の引き出しの封筒からは、その半分が無くなっているということでした。今のところ、倉田家に招かれて入って来たのは、妹の親友の万里江さんと、近所の主婦の民子さんたち3人と、地元の警察官(夙川アトムさん)だと思うのですが(明日香さんは玄関の前までしか来ていません)、この中にストーカー本人か、その仲間の人がいるということなのでしょうか。

まだよく分からないのですが、次回の物語も楽しみにしていようと思います。

ところで、このドラマの後に放送されていた昨夜の「SMAP×SMAP」には、木村拓哉さんと「あすなろ白書」で競演していた西島秀俊さんが出演していたのですが、「ビストロスマップ」に初登場という西島さんは、木村拓哉さんとは22年振りに再会したのだそうです。鈴木杏樹さんがお二人を「たっくん」とか「にっしー」とか呼んでいるなどの話も面白く思えたのですが、「月9」のドラマだった「あすなろ白書」はやはりすごかったのかもしれないなと改めて思いました。

「リキッド~鬼の酒 奇跡の蔵~」最終回

NHKのBSプレミアムの「プレミアムドラマ」の「リキッド~鬼の酒 奇跡の蔵~」の第3回(最終回)を見ました。

最終回は、12月の始め頃から2月の始め頃にかけて、「雪乙女 相楽酒造」で美山錦を使った本醸造と、石川門を使った純米大吟醸を作る場面が主だったように思います。

蒸したお米に麹菌を振りかける時には、杜氏の鷲尾勇作(津川雅彦さん)の指示の下、相楽酒造の蔵人の田島直太朗(深水元基さん)、鈴原洋次(甲本雅裕さん)、相楽直木(柄本佑さん)、そして、蔵元の相楽修一(伊藤英明さん)が参加していたのですが、次の石川門の酒米に麹菌を振る時には、清水真衣加(関めぐみさん)も、自主的に水着を着て参加していました。

でも、翌日高熱を出してしまい、お酒の神様を怒らせてしまったのだろうかと心配していました。清水さんが治った後には、今度は相楽さんが高熱を出していたのですが、離れて暮らす娘の世津(秋山菜津子さん)が、一人でお見舞いにやって来ていました。雪の舞う中に白ずくめの服装で現れた相楽さんの娘を見た鷲尾さんは、雪乙女だとつぶやき、娘は鷲尾さんを見て、鬼だとつぶやいていました。

お酒のお米の匂いは、最初は栗のような匂いがするそうで、酒母の発酵が進んだ後には、青リンゴの匂いがするのだそうです。純米大吟醸の酒母の温度管理を、鷲尾さんは、亡くした息子のような存在でもあった直木さんに任せていたのですが、直木さんは暖気樽という金属の湯たんぽのような樽を使って酒母の温度を急激に上げてしまったようで、途中、何か泡や白い雲のようにモクモクとさせてしまっていたのですが、後に鷲尾さんは、酵母との相性が良過ぎたのかもしれないと言って、直木さんを元気付けていました。そして、その酒母は無事に生きていたので、純米大吟醸をそのまま作ることができました。

相楽酒造は、「鑑評会」と呼ばれる全国のお酒コンテストに純米大吟醸を出品したのですが、金賞は轟酒造の「加賀龍」と他2つの酒蔵が受賞をしていました。しかし、飲んでいくうちに変化するような味によって、野心的で印象に残るお酒だったと評されてもいました。

相楽さんや蔵人たちは、鷲尾さんに来年もお酒を一緒に造ってほしいと頼んでいたのですが、相楽酒造で造った最後のお酒に満足している様子だった鷲尾さんは、体力が尽きたと言って断っていました。

そして、桜の咲く頃、鷲尾さんは亡くなったようでした。次の秋までの間、蔵人の田島さんは日本料理の修行を再び始め、鈴木さんは静岡の家族の元に帰り、清水さんはフランスのワイナリーに行くとかで、蔵人たちはまた相楽酒造に戻ってくると約束したということでした。直木さんは、正社員の蔵人として、相楽酒造に残っていました。

直木さんの吃音が、いつの間にか治っていたところも良かったです。完治したという感じではなかったようなのですが、お酒造りに集中している時には吃音の症状は出ないようでした。自分の話し方のことを直木さんは、鈴木さんに言われて気づいていました。

最後は、途中でタクシーを降りた相楽さんの妻の真知子(中村優子さん)と娘が、相楽酒造を目指して真っ直ぐに伸びる畦道を走っていく場面で終わっていました。

脚本(作)と演出は、源孝志さんでした。

それなりにさわやかな終わり方ではあったと思うのですが、第2回までと異なり、最終回は、ドラマらしさが少し弱まっていたような気がします。

伝説の杜氏の鷲尾さんが相楽さんや蔵人たちにお酒の造り方を教える場面も、失敗しかけた直木さんがパニックを起こす場面も、良かったように思うのですが、私としては、加賀龍の轟酒造の七代目の蔵元の轟勝久(渡辺いっけいさん)との場面がもっとあっても良かったように思えましたし、第2回に登場した石川門という酒米を作っている国重五郎(石橋蓮司さん)も、もう一度登場していてほしかったように思いました。

引きこもりがちだった一人息子を生きている価値のないダメ人間だと厳しく言った結果失ったという過去を鷲尾さんが抱えていたことや、仕事にストレスを感じながらも厳しかった父親と同じ蔵人になる道を選び積極的に取り組んでいる直木さんにその25歳で亡くなった息子の姿を重ねていたこと、お酒造りに成功したことで相楽さんの家族が相楽さんのもとに戻って来たことなどは、それが決して悪いというのではないのですが、何というか「スピンオフ」の場面であるような気がしました。

そのため、私には、最終回は少し散漫としていたような印象でもあったのですが、でも、「地域ドラマ」として、石川県の金沢のお酒造りのことが丁寧に描かれているように思えましたし、良かったように思います。

映画「塔の上のラプンツェル」

先日のフジテレビの「金曜プレミアム」で放送されていたディズニー制作の長編アニメーション映画「塔の上のラプンツェル」を見ました。

2010年に公開されたディズニーの50作目の作品で、初めて3Dで描かれた映画だということだったのですが、私は今まで見たことがなかったので、今回の放送を見るのを少し楽しみにしていました。原作は、ドイツのグリム童話の『ラプンツェル』です。「ラプンツェル」は「髪長姫」とも呼ばれているそうです。

映画は、ある王国の国王夫妻の王女として、王妃の飲んだ薬の影響で健康を保つ力のある太陽の魔法を授かって生まれた直後、その魔法の力を利用して若さと美貌を保ちたい謎の老婆ゴーテルにさらわれ、近くの森の奥に建てられた塔の最上階の部屋に18年間閉じ込められて育てられてきた「ラプンツェル」と名付けられた少女が、お城のティアラを盗んだことで追われて塔に侵入して来た大泥棒のフリン・ライダーと出会ったことをきっかけに、毎年自分の誕生日になると森の向こうの遠くの夜空に無数に浮かび上がる不思議な星のような灯りを間近に見るため、外は危ないから出てはいけないと繰り返し言い聞かせる「母親」のゴーテルを騙して塔を抜け出し、勇気を出して第一歩を踏み出した外の世界で、真実の愛と本当の家族を見つけ出す、というような物語だったように思います。

長い髪を自在に操る18歳のラプンツェルも、小さなカメレオンのパスカルも、ナルシストだけれど親切な大泥棒のフリン(本当の名前はユージーン・フィッツハーバートでした)も、警護隊長の白馬で犬のように嗅覚が鋭くて賢いマキシマスのキャラクターも、楽しかったです。

塔の外に出たラプンツェルが、楽しいのと、母親への罪悪感の間で揺れて感情を浮き沈みさせていたのも、自然な感じがして良かったです。どちらかというとネガティブの方向に考え過ぎてしまうことの多い私にも、よく分かるような気がしました。

外の世界に強く興味を持ち始めた少女が、外は危険だから出てはいけないと教え、自分の元から離そうとしない母親(養母)を退けて、ある日出会った、母親が嫌うタイプの青年と家を出て行く、そして、夢を持ち続けて人生の冒険を続けた結果、「真実の愛」を得ることができ、愛する人たちと幸せな暮らしを送る、というようなところが、何というか、「グリム童話」を原作とした作品らしく、教訓的というか、とても道徳的に思えました。年上の人が見ても楽しむことのできるアニメーション映画だったのだろうとは思うのですが、やはり、小さい人に向けて作られた作品なのかもしれないなと思いました。

この映画を好きな方はたくさんいるのだろうと思いますし、ディズニーの「プリンセス」の映画らしい、良い映画だったと思うのですが、ただ、私としては、「外の世界」を知っている人が作った物語だなという風にも、少し思えてしまいました。

そもそも、例えばもしもゴーテルがラプンツェルを塔の地下室に閉じ込めていたのなら別の物語になったのではないかとも思うのですが、18年間も塔の最上階の部屋に閉じ込められていた(軟禁状態にあった)ラプンツェルに「外の世界」を示し、「外の世界」が面白そうであることを教えていたのは誘拐犯で養母でもあるゴーテルだったのではないでしょうか。

養母のゴーテルは、魔法の力を持つラプンツェルを自身の若さを保ちたいという欲望のために利用していただけだったようなのですが、もしも少しでも、本当の母親のように、ラプンツェルを娘として大切に思っている様子が描かれていたなら、物語はもう少し複雑になったのだろうなとも思いました。

映画の物語とグリム童話の『ラプンツェル(髪長姫)』の物語とは内容が異なっていますが、自立した女性が自ら社会に出て行くという物語は、やはり何となくアメリカの作品らしい感じがします。

「結婚」が物語の最終目的ではなく、ユージーンがラプンツェルにしつこく頼まれて結婚した?というような件も、現代的な感じがしました。

「外の世界」を知っている人、「外の世界」を美しいもの、面白いもの、楽しいものなどと肯定的に捉えている人が、もうすぐ「外の世界」へ出て行こうとする人の手を、「外の世界」は素晴らしいよ、と言いながら引っ張って行くような印象の映画でした。

冒頭のナレーションはフリンだったので、もしかしたら本当の主人公はフリン(ユージーン)だったのかもしれないですし、もしそうだとするのなら、「外の世界」を知っているユージーンがラプンツェルにその素晴らしさを伝えるというか、最初から主にそのようなユージーンの視点で描かれていた作品だったのかもしれないなと思います。(フリンが死ぬという件は一体どうなったのだろうとも思うのですが、あるいはユージーンとして生き直すというような意味だったのでしょうか。)

映画のラプンツェルには、養母のゴーテルの他に、外の森から来たカメレオンのパスカルという友達もいたのですが、私としては、もしも世間から隔離された場所で生きてきたラプンツェルが「外の世界」を全く知ることのない、本当に「無」のような状態の中で純粋に育った子だったなら、どのような物語になったのだろうということも、少し気になりました。

「外の世界」を知りたい、「外の世界」へ出て行きたい、と思う人が多いということも、そのような人のほうが健全なのだろうということも分かるのですが、ラプンツェルという少女が本当に閉じ込められて育ったなら、目の前にたった一人しか存在しない人間(母親)に守られているということだけを感じて育ったなら、ラプンツェルの心境は、「外の世界」で生きている普通の人には量り知ることのできない、「外の世界」の人たちにとってのある種の人外境のものなのではないかなとも思いました。

ともかく、それでも、映画「塔の上のラプンツェル」は、楽しくてかわいい作品だったように思います。夢を持つことの大切さや、いつか必ずその夢は叶うと伝え続ける、シンプルでポジティブな感じが、明るいディズニーの作品らしく思えました。
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Author:カンナ
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