民主化を求める若者たち(「立ち上がる夜」と「傘兵」)

NHKのBS1の「ドキュメンタリーWAVE」の、「激論 パリの広場で~労働法をめぐり立ち上がる若者たち」と「傘兵はどこへゆくのか~民主主義を求める香港の若者たち」を見ました。

先々週に見た「激論 パリの広場で~労働法をめぐり立ち上がる若者たち」のドキュメンタリーが良かったので、予告で伝えられていた先日の「傘兵はどこへゆくのか~民主主義を求める香港の若者たち」を録画をしておいたのですが、この二つのドキュメンタリーのどちらも、10代や20代や30代くらいの若い人たちが中心となって、選挙のことしか考えていないような政治家たちの作る今の与党政治の動きを変えようと活動していることを伝える良い特集でした。

フランスのパリの市民集会は「立ち上がる夜」と呼ばれていて、与党に強行採決された、企業側に有利な労働法の改正案に反対し、撤回を求めて抗議をする若者たちが広場に集まり、格差社会の問題や、雇用の問題、住宅の問題、パナマ文書の問題などについて、議論を交わしていました。「立ち上がる夜」に参加している若者たちの特徴の一つとして、「高学歴」であるということが挙げられるそうです。

先日の報道番組でも、今フランスの全土に広がっているという抗議活動のことが報道されていましたが、オランド大統領は労働法改正案を撤回するつもりはないと発言しているそうです。

香港の「傘兵」というのは、2014年の香港(1997年にイギリスから中国に返還されました)で起きた選挙制度の民主化を求める「雨傘革命(雨傘運動)」に参加していた30万人ほどいると言われている若者たちのことだそうです。「雨傘革命」は、香港の特別行政区政府によってデモ隊が強制排除されたり逮捕されたりすることなどによって終わったのですが、その後の香港では、その傘兵の方たちが次々と新政党を作っていて、今では9つの新政党ができているのだそうです。

傘兵の若者たちは、自分たちの故郷である香港の街が中国風に変わっていくことを危惧していました。香港らしい飲食店のあった街のお店は、中国からの“爆買い”の人たちを呼び込むための宝飾店や薬局など替わっているのだそうです。学校などでは中国の国旗を掲げることを(半強制的に?)推奨されているそうです。

しかし、香港の中には「新中派」も多いそうです。議席の7割は「新中派」の政党が占めていて、残りの3割の議席を「傘兵」の方たちの新政党で争うことになるそうなのですが、「傘兵」の方たちが作った政党にも、香港の独立のためには多少の暴力行為もやむを得ないと考える過激派や、民主的な話し合いで解決するべきと考える非暴力の穏健派などに分かれているようでした。

民主派の傘兵の方が参加していた、フィリピンのマニラで行われたという民主化を求める若者たちの集まりには(今年でしょうか)、フィリピンやベトナムやミャンマー(ビルマ)や台湾や香港などの10の国と地域の若者たちが参加したそうで、日本からは「安全保障関連法」の時に国会の前で反対のデモを行っていた「SEALDs(シールズ)」の方が参加していました。

日本の60年代、70年代の学生運動の写真(東京大学の安田講堂の事件風景)が紹介されると、シールズの方たちは当時の学生の破壊的な活動について質問されていて、暴力的な活動をしたり警察と武力衝突をしたりしても何も変わらないということを日本は学んだと思うということを、流暢な英語で話していました。

「激論 パリの広場で~労働法をめぐり立ち上がる若者たち」と「傘兵はどこへゆくのか~民主主義を求める香港の若者たち」を見ていて、今の世界はどこも似たような状況になっているのかもしれないと思いました。

「立ち上がる夜」の若者たちの抗議活動は政府に通じていないようですし、香港の民主化のために新政党を作ろうとしている傘兵の若者たちも多数の「新中派」には苦情を言われているようですし、日本の「シールズ」の方たちも、一部の芸能人や安倍首相を支持する方たち?から悪く言われています。

私は、「シールズ」の方たちの「安全保障関連法」に反対するデモ活動には参加していないのですが、それが「無駄」なものだったとは思いません。政府には通じなかったけれど、「安全保障関連法」に賛成する人たちばかりではない、反対している人もいるのだということを伝えることはできたのではないかなと思います。(「安全保障関連法」に賛成の方たちの中には、反対の意見ばかりがメディアで取り上げられていて不公平だと言う方もいるようですが、「違憲」だと言う憲法学者の方が現れるまで、テレビなどの大手のメディアは反対派の意見をほとんど取り上げていませんでしたし、読売系の日本テレビや産経系のフジテレビでは賛成意見のほうが中心的に扱われていたように思います。)

日本の若者は政治に無関心だと言われていますが、香港の「傘兵」の方たちも、「雨傘革命」が起きる前には政治にも政治活動にもあまり関心がなかったのだそうです。台湾の「ひまわり運動」の若い人たちも、フランスの「立ち上がる夜」の若い人たちも、もともと常に政治活動に関心があった、というような人たちではないのではないかなと思います。

タイでは今、「新憲法」の草案を国民に認めさせたい軍事政権によって「言論統制」が行われているそうなのですが、そのような中でも民主化運動を頑張っている方たちはいるのかもしれません。

先日の報道番組では、タイの軍事政権が出している新憲法の草案の内容が少しだけ伝えられていたのですが、軍人でも首相になることができるとか、国家権力を制限するための憲法が国民の権利を制限するものになるとか、今の日本の自民党が出している憲法草案にも似ているように思えて、同じだなと、不気味に思いました。

私は法律に詳しくないので、漠然としたものではあるのですが、昨年に成立した日本の「改正派遣法」も企業側に有利になる部分の多い、派遣労働の仕事をしている方たちの生活が良くならない法律のようですし、今のフランスの労働法の改正の問題にも似ているように思えます。

「グローバル社会」というのは、この言葉が使われ始めた当初のような、明るいものではないのかもしれません。政府が進めようとしている「同一労働同一賃金」なるものも、低いほうに合わせられるのではないかなという気がします。雇用に関して女性が不利な状況は直らないような気がします。

また、叙勲や褒章などの栄典授与に「女性枠」を設けるという提言が政府の有識者会議によってなされていると先日少し報道されていましたが、それも女性蔑視というか、女性差別的であるように思えます。女性でも男性でも性別に関係なく何かの賞に相応しいという人が選ばれるのなら、どうしてわざわさ性別の「枠」を設ける必要があるのでしょうか。本当に奇妙です。

番組が取材をしていたフランスの青年は、自分の道を進むよう父親に励まされて、「政府は財界から距離を取れ」というチラシを道行く人たちに配っていました。「公共の空間は商業のためのものではない」という垂れ幕の言葉も印象的でした。ウルグアイのムヒカ元大統領が、お金が好きな人は政治家に向いていないという趣旨のことを言っていましたが、本当にそうなのだと思います。

ドキュメンタリー番組の中でフランスの若者や香港の若者たちが言っていたように、政治家という「権力」のある立場に固執し、選挙のために政治を行うという政治家ばかりなのかなと残念に思います。それとも、そもそもそのような、国民全体の生活や福祉には興味のない、お金と権力を求めるような人たちが政治家や官僚の仕事を志すのでしょうか。それとも、政治家や官僚になってしばらくすると誘惑に負けて変わってしまうということなのでしょうか。中には誠実な政治家や官僚の方もいるかもしれないのですが、今の政権の中にはいないのかもしれないなと、何となく思います。

最近は舛添東京都知事のことがメディアで話題になっていますが、公私混同的な税金の無駄遣いのこともそうなのですが、お給料や退職金の多さにも驚きます。政治家や知事などには、特に「退職金」は必要ではないような気がしました。

昨日に決まった、全てを社会福祉の財源にするという消費増税法まで作られた、消費税を10%にするという増税の再延期(2年半先送り)の問題も、自民党の安倍首相や周辺の政治家や財界が選挙のことばかり考えていることの表れであるような気がします。消費税は上がらないほうがいいし、あるならむしろ5%に戻されればいいのにと、一消費者としては思いますが、福祉対策のことを考えると、10%になるのも仕方がないことのような気がします。(例えば、国民が「保険料」を支払わなくてはいけないようにされている健康保険や年金について、全ての国民の平等のために一元化されて完全に消費税で賄われることになるとするのなら、20%でもいいのかもしれないと思うこともあるのですが、どうでしょうか。私は経済に疎いので、正しくないかもしれませんが、どうなのかなと思います。)それとも、消費税を上げたりしなくても実は国のお金は足りているということなのでしょうか。

そして、このようなことがあっても今のマスコミは安倍首相のことを「ぶれている」とは言わないのだなとも思うのですが、よく衆議院の解散をしていた昔の自民党は(すぐに首相が代わるのを外国からは面倒に思われていたと聞いたこともありますが)本当に潔かったのだなと思います。

これからの報道番組や情報番組では、自民党の進める経済政策のことばかりではなく、ちゃんと今の「日本国憲法」と各政党の草案の条文の内容の違い、憲法の改憲の是非の問題も分かりやすく伝えてほしいと思います。もしもこれから選挙になるのなら、「争点」にしなくてはいけないのはきっとその憲法の問題だと思うからです。

「民主主義」を考える日本の若い人たちの活動も、「立ち上がる夜」や「傘兵」の若者たちの活動ほどには目に見えて活発ではないかもしれないのですが、冷静に続けられていくことが大切なのだろうと思います。

一国の大統領とか、一国の総理とか、東京都の知事とか、そのような方たちも一国民、一市民であるはずなのに、一体誰がそのような方たちを「偉い人」にしているのだろうと、いつも少し不思議に思います。「偉い人」とは、本当には、弱い立場の存在を救う人のことなのではないかなと思います。

「ラヴソング」第8話

フジテレビの「月9」のドラマ「ラヴソング」の第8話を見ました。

医師の増村泰造(田中哲司さん)の勧めで喉の精密検査を受けた佐野さくら(藤原さくらさん)は、手術を受けたら声を失うかもしれないということを不安に感じていました。野村健太(駿河太郎さん)と結婚するために部屋を出て行く親友の中村真美(夏帆さん)は、さくらさんに結婚式のスピーチを頼んだのですが、いつもとは違うさくらさんの様子を心配していました。

真美さんのいなくなった部屋に一人残されたさくらさんを心配した天野空一(菅田将暉さん)は、気分転換にさくらさんを海に連れて行きました。海に向かって叫んだり、神代広平(福山雅治さん)に振られたことを話したりしたさくらさんは、波打ち際で空一さんと遊びながら明るい気持ちを少し取り戻していました。その時、二人は浜辺に一人の少女がいることに気付きました。

話しかける空一さんに答えようとする少女の様子を見ていたさくらさんは、その子が自分と同じ吃音の症状のある子であることに気付き、話し方を笑われると泣く女の子に、自分も話し方を笑われてきた、意地悪な人ばかりだと思っていたれど、でも吃音でいいこともあった、人の優しさを知った、音楽に出会って世界ががらっと変わった、強くなったと話しました。そして、強くなったら幸せになれる、だから強くなりな、と女の子を励ましていました。

さくらさん自身も、悪性の腫瘍があると診断された喉の手術を受けることを決めました。付き添ってきた空一さんと一緒に増村さんにそのことを増村医師に伝え、手術は1か月後ということになりました。

さくらさんは、歌うことができるのはこれで最後になるかもしれないと、単独ライブを開催することにしました。チラシを作って、勤務する自動車整備会社の同僚たちや、上司の滝川文雄(木下ほうかさん)にも、来てくださいと言って配り、滝川さんは、さくらさんのライブのチラシを会社の掲示板に貼るよう部下に頼んでくれました。

さくらさんはカウンセラーの宍戸夏希(水野美紀さん)にもチラシを渡し、夏希さんの亡き姉の春乃(新山詩織さん)の曲が使われている歌を使っていいかと訊いて、歌の許可を得たさくらさんは、喉に癌があることを夏希さんに打ち明けました。そして、人気アーティストのシェリル(Leolaさん)の曲作りを始めている神代さんにもチラシを渡しました。神代さんは、さくらさんが単独でライブを行うということに少し驚いていたのですが、必ず行くと答えていました。

単独ライブの当日の夜、ライブハウス「S」には、真美さんや会社の人たちが集まってきました。神代さんが来ていないことを気にしていたさくらさんは、夏希さんから神代さんが急にシェリルに呼び出されたと聞いてすこしがっかりとしていました。空一さんは、神代さんに怒っていたのですが、さくらさんは、神代さんを待たずにライブを始めることにしました。

ギターを抱えてステージの椅子に座ったさくらさんは、私は吃音です、恥ずかしいから隠してきたけれど、今日は本当の私を見てくださいと素直な挨拶をして、「好きよ 好きよ 好きよ」の歌を歌い始めました。歌が流れていたのは途中までで、何曲歌ったのかは分からないのですが、初めての単独ライブは成功したようでした。さくらさんは、真美さんや会社の人たちや他のお客さんたちからの拍手の音に包まれていました。

ライブ後、屋上にいたさくらさんに声をかけた空一さんは、さくらのことが好きだ、さくらがそばにいない人生なんて考えられない、と改めて告白をして、これからもそばにいると言うさくらさんにキスをしていました。

その頃、さくらさんを歌手としてデビューさせるために、音楽事務所の人たちと一緒にシェリルとの打ち合わせを始めることになった神代さんは、シェリルから「老けた」と言われていました。シェリルさんは、春乃のアルバムのジャケットに映っていた頃の神代さんはアイドルみたいで好みだったのにと笑い、打ち合わせを始めたい神代さんからどのような曲にしたいのかと訊かれて、売れる曲だと答えていました。

脚本は倉光泰子さん、演出は相沢秀幸さんでした。

最近の神代さんには、話し方や動作などのためか、何か少し性格が悪く見えるようなところもあるような気がするのですが、これで良いのでしょうか。

今回から「第3章」(「最終章」でしょうか)ということで、さくらさんが喉の癌を患うという展開ではあったのですが、その病気の原因と吃音とは全く関係がないということがはっきりと台詞の中で言われていたところも良かったように思います。

恋愛の要素は、さくらさんと空一さんの「キス」の展開になっていたのですが、私としては、それが神代さんではなかったことに少しほっとしました。その時のさくらさんと空一さんの会話の、幼なじみらしい、軽いような誠実のような雰囲気も良かったです。

今回は、さくらさんの心の強さが描かれていたのかなと思います。さくらさんが、空一さんと出かけた海辺でさくらさんと同じような症状に悩む少女と出会うという場面も、良かったように思います。ドラマを見ていた私も、さくらさんのように強く生きることができるようになりたいなと思いました。次回の物語も何となく楽しみにしていようと思います。

「火の粉」最終回

フジテレビの「オトナの土ドラ」のドラマ「火の粉」の最終回(第9話)を見ました。録画をしておいたものです。

第6話以降の感想を書くことができずにいたのですが、毎回の物語を見ていました。

最終回は、殺人犯の武内真伍(ユースケ・サンタマリアさん)のことを好きな佐々木琴音(木南晴夏さん)が墓地で池本亨(佐藤隆太さん)を刺殺した後、警察署で取調べを受けた梶間雪見(優香さん)が武内さんのことも琴音さんのことも警察には言わなかった、というところから始まっていました。武内さんは、武内さんを助けたかったと言う琴音さんに、やり過ぎだと話していました。

それから、家族が大声で話すのを聞いて泣き出したまどか(庄野凛さん)に近付こうとした武内さんを止めるため、俊郎(大倉孝二さん)が持っていたスタンガンで武内さんを倒し、奥の部屋で目を覚ました武内さんに対して、元裁判官の勲(伊武雅刀さん)が「裁判」の開廷を告げました。

武内さんは勲さんに無罪とされた過去の殺人、梶間家の祖母と弁護士と琴音さんの夫を殺したことを認めると、勲さんは、池本さんを殺したのも武内さんだと言い出しました。武内さんは勲さんがそう言うなら罪を認めると答えました。一部冤罪の勲さんの「裁判」で「死刑」を宣告された武内さんは、勲さんに殺されそうになったのですが、俊郎さんが勲さんを止めたため、武内さんの死刑(私刑)執行は中断されました。

そして、琴音さんと一緒に自首をすると梶間家の家族に約束した武内さんは、梶間家と「最後の晩餐」をすることになりました。梶間家は食事がしたいという武内さんの提案を受け入れ、尋恵(朝加真由美さん)が料理は私が作ると言いました。玄関に出た雪見さんは、郵便ポストに琴音さんからの、「武内家の宝物」だという毒物の入った小瓶が届けられているのを見つけました。

一旦自宅へ帰った武内さんは、琴音さんに盗られたうちのもう一つの毒の小瓶を見ながら、いつものようにバウムクーヘンを焼きました。作ったばかりのケーキを床に打ち棄て、新しいものを作って梶間家へ持っていきました。

それからの、梶間家の家族と殺人犯だった隣人の武内さんの不思議な最後の晩餐の場面は、少し長くも思えたのですが、梶間家のスープや武内さんの枇杷のジュースには毒が入っているのだろうか、と思わせる“ロシアンルーレット”のような展開には、緊張感もありました。

晩餐は何事もなく続き、まどかさんが先に休んだ後、梶間家の家族は武内さんに促されて、夫婦が出会った経緯を話し始めました。穏やかに話を聞いていた武内さんは、少しでもずれていたら今の梶間家はなかった、自分が梶間家の「家族」にはなることはできないのだという事実を理解していました。俊郎さんは、武内さんは殺人さえしなれば良い人なのに、と話しました。梶間家は、殺人犯である武内さんを、武内さんとしては受け入れていました。

梶間家を後にして自宅へ戻った武内さんは、自分が床に叩き落したバウムクーヘンを拾い上げ、口に入れました。武内さんは、毒を入れたバウムクーヘンを棄てて、毒の入っていないほうを梶間家の最後の晩餐に持参していたのでした。

翌朝、武内さんがソファの上で亡くなっているのを、梶間家の家族が発見していました。

最終回の脚本は香坂隆史さん、演出は森雅弘さんでした。原作は、私は未読なのですが、雫井脩介さんの小説『火の粉』です。

梶間家の家族が武内さんが自殺をすることを予想していたのだとするなら、梶間家の「最後の晩餐」は、『北風と太陽』の「太陽」の作戦だったのかなと思います。

私が以前に見た2時間ミステリーの「火の粉」の物語とは異なっていたのですが、ユースケ・サンタマリアさんの演じる武内さんが良かったですし、気に入った人に対して依存してしまうような武内さんの精神的な問題と、表面的には幸せそうだった梶間家の家族の間の問題が重ねられて描かれていたところも、良かったように思います。

第7話では梶間家の家族がマッサージチェアに座らされて武内さんに説教をされるという展開があって、その場面は私には何だか、怖いというよりは、一体何なのだろうと少し面白くも思えてしまいました。「昼ドラマ」の東海テレビ制作のドラマらしさなのかなとも思ったのですが、でも、その奇妙な感じが、武内さんと梶間家の関係の異常さを表していたようにも思えました。

武内さんがバウムクーヘンを自宅でよく焼いていたのは、武内さんの母親がよく作っていたお菓子だったからということなのですが、武内さんが自宅で焼くものが「お菓子」だったところも、武内さんの怖いような優しいような感じに合っていたのかなと思います。(私はバウムクーヘンを焼くための自宅用の専用の機械?があるのを知らなかったのですが、武内さんの母親もあのような機械でお菓子を焼いていたのでしょうか。)

このドラマの良かったところというか、少し不思議に思えたところは、家族の幸せに恵まれないうちに亡くなった母親の教えを守って「良い子」になろうとしていた武内さんだけが異常な人という風には描かれなかったところだと思います。

武内さんだけではなく、梶間家の人たちも、後半の物語の重要人物だった琴音さんも、少し変わっていました。変わっているように見えるように描かれていたというか、あるいは、このドラマを見ている「普通」のはずの視聴者たちに、ことわざの「人の振り見て我が振り直せ」を思い起こさせるように描かれていたというか、そのような感じにも思えました。

あと、武内さんの「趣味の悪い」プレゼントは、相手を試すためにあえてずらしていたのではなく、本当に武内さんが真剣に選んだ結果のものだったということなのでしょうか。最初の頃に失踪した勲さんの姉の相田満喜子(大島蓉子さん)は見つかったのでしょうか。池本さんの妻の杏子(酒井若菜さん)は夫が殺された後どうしていたのでしょうか。勲さんは過去の裁判の失敗を公に認めるでしょうか。この辺りのことは、ドラマでは描かれなかったので、よく分からないまま終わってしまったように思います。

武内さんが逮捕されずに自殺をしてしまうという展開も、私には少しもったいないようにも思えてしまったのですが、このドラマの哀しい雰囲気の武内さんには、その選択肢しかなかったのかもしれないなとも思います。擬似家族に幸福を求め続けては破綻して自ら壊していく武内さんの、もう疲れた、という言葉がそのようなところを表していたのかなと思いました。

武内さんが琴音さんからの愛情を受け入れないというところも、琴音さんを第二の武内さんとする展開のためだったのかもしれないのですが、武内さんの個性でもあるような感じがして、良かったように思います。

上手く伝えることができないのですが、世の中には、自分のことを好きだと言う人のことを好きになる(好きになることができる)人もいるのかもしれないのですが、愛されることを求めてはいても、自分からその人のことを好きになるのでなければ、自分のことを好きだという誰かのことを好きになるということはないという人もいるのだと思います。

例えば、ラジオの恋愛相談企画などで、片思いをしている相手に告白をするかどうかを迷っている相談者のリスナーに対して、誰かに好きだと言われて嬉しく思わない人はいない、と告白をすることを勧めるように答えるパーソナリティーの方が時々いますが、あなたに好きだと言われたら(たとえあなたのことを好きではなかったとしても)相手は少なからず嬉しく思うはずだというような発想は、私には、とても奇妙に思えるのです。

自分の厚意(あるいは好意)を相手に押し付けて受け入れてもらおうとする(時にはその上に感謝してもらおうとする)、“ストーカー”のような、このドラマの武内さんのような発想に近いものであるようにも思えます。

自分と他の人との間に良い距離感を保つということは、少し難しいことでもあるかもしれないのですが、「親しき仲にも礼儀あり」の精神は、世の中で大切にされていくといいなと思いますし、私も大切にしていきたいと思います。

ともかく、サスペンスの連続ドラマとして、今回の「火の粉」を最後まで面白く見ることができました。エンディングに流れることの多かった、主題歌の鈴木雅之さんの「Melancholia」という曲も、ドラマに合っていたように思えて、良かったです。

「奇跡の人」第6話

NHKのBSプレミアムの「プレミアムドラマ」の「奇跡の人」の第6話を見ました。

ある日、亀持一択(峯田和伸さん)が、鶴里花(麻生久美子さん)の娘の海(住田萌乃さん)と公園で遊んでいると、海さんと同じくらいの年の太(上野蒼真さん)という少年が目の見えない耳の聞こえない海さんに興味を持って近付いて来たのですが、太さんの顔を触った海さんはすぐに穏やかな太さんに馴染み、一択さんは自分の時とは違う海さんの態度に少し嫉妬していたのですが、その3人の様子を見かけた花さんも、少し複雑そうにしていました。

花さんは、海さんを盲学校に通わせていた時に海さんが同級生の女の子を突き飛ばして大怪我をさせてしまったことを都倉アパートのみんなに話し、海さん自身が自分の知らないところで人を傷つけてしまうということへの不安を打ち明けていました。

一択さんは、海さんが太さんと仲良くしているのを見て、「恋」をしているのではないかと喜んでいたのですが、花さんは、海に「恋」などできるはずはないと不機嫌になっていました。

海さんの「できないこと」を数えて将来を悲観する花さんに、一択さんは、「できること」を数えたほうがいいと話し、花さんが生花店の仕事に出かけている間、福祉を学ぶ大学生のフクシくん(福地正、浅香航大さん)と美大生の佳代(中村ゆりかさん)に頼み、佳代さんの部屋で海さんに新しい体験をさせることにしました。絵の具を踏んだ海さんは、手のひらに付いた絵の具をキャンバスに付け、それは偶然なのですが、それを面白く思った一択さんと佳代さんとフクシくんは、海さんの手のひらでキャンバスの上に絵を描くということを始めました。

しかし、帰宅した花さんは、海さんの描いた絵を見せられると苛立ち、海さんのことを天才だと言う一択さんたちに、海は普通の子だ、障害のある子には何か特別な才能がないといけないのかと怒り出しました。大家の都倉風子(宮本信子さん)は、海さんが熱を出していることに気付き、一択さんと一緒に急いで海さんを病院へ連れて行った花さんは、環境の変化に伴う「知恵熱」だろうと医師に告げられた帰り道、海さんを環境の変化にさらした一択さんに、海ちゃんは世界を掴み始めているのではないかと言われると、私たちにはもう関わらないでと一択さんを突き放して帰りました。

花さんに嫌われた、と落ち込む一択さんは、友人の自称詩人の馬場三太(勝地涼さん)と居酒屋で飲みながら、いまさら現実路線にキャラ変更するのもおかしいと慰められていたのですが、二人でロックとは何かについて話していたところへ、風子さんが声をかけました。

一択さんと馬場さんによると、「ロック」とは、空気を読む、の反対で、空気を読まないこと、空気を読まずに切り裂くことなのだそうです。私も「ロック」とは何なのかをよく知らないのですが、一択さんと馬場さんと風子さんの話を聞いて、空気を切り裂くというのはかっこいいなと思いました。

花さんの元夫の正志(山内圭哉さん)は、自身の嫌いな「ロック野郎」である一択さんを、ドラマの冒頭から見張り続けていました。風子さんの説によると、家族を捨てたことに少し罪悪感のある正志さんが、ダメな一択さんが自分と同じように海さんのことを諦めるのを見届けようとしているのではないかということでした。

正志さんは居酒屋でも一択さんを見張っていたのですが、そこへ突然花さんがやって来ました。熱のある海さんの世話を続けていた花さんは、部屋のドアのところに一択さんが置いて行った海さんの絵を見返し、素直に喜ぶことができなかったことを反省していました。そして、海さんのことをフクシくんと佳代さんに頼んで、一択さんが出かけた居酒屋へ向かったのでした。

突然現れた花さんに驚く一択さんは、表へ出ろと言われて少し戸惑いながらお店の外へ出たのですが、そこで花さんから言われたのは、もう一人は嫌なんだよ、結婚してやるよ、愛してやるって言ってるんだよ、というまさかのプロポーズの言葉でした。抱きしめろよ、と言われて花さんを抱きしめてみる一択さんの様子を見ていた、風子さんと馬場さんは嬉しそうだったのですが、正志さんはビールのグラスを握りつぶして割っていました。

脚本は岡田惠和さん、演出は狩山俊輔さんでした。

第6話も良かったです。まさか一択さんが花さんからプロポーズをされる展開になるとは思わなかったので驚きました。

花さんは、「できること」が少ない娘の海さんが一択さんと出会ったことによって少しずつ自分の世界を広げていることを素直に喜ぶことができずにいたのですが、それは、花さんが未来のことを悲観的に考えてしまうからのようでした。

一択さんの、一見無責任のようであっても何か信頼できるような「大丈夫」という楽観的な思いが、一人でいると暗い気持ちになってしまう今の花さんには重要で、いつの間にか花さんの心のバランスを取るような支えの存在になっていたのかなと思いました。

予告によると、次回には再び一択さんと正志さんの決闘?が行われるようでした。次回も楽しみにしたいと思います。

「OUR HOUSE わたしたちのいえ」第7話

フジテレビのドラマ「OUR HOUSE わたしたちのいえ」の第7話を見ました。

第7話は、小さい頃横須賀で暮らしていたアリス(シャーロット・ケイト・フォックスさん)と父親探しの旅に出かけた伴桜子(芦田愛菜さん)が、スナック「アリス」のママ(美保純さん)との暮らしが長く、娘のアリスの記憶が全くなくなっていた認知症を患う父親のことをママに託す決断をして諦めてアメリカにも日本にも居場所を失いかけていたアリスを、「わたしたちのいえ」に受け入れる話でした。

脚本は野島伸司さんです。今回の演出は野田悠介さんでした。

元軍人というアリスの父親は、脊髄を損傷して仕事を辞め、お酒の量が増えてアリスの母親とのケンカが絶えなくなり、母親はアリスを連れてアメリカへ帰国し、再婚してアリスの妹を生んだということでした。最初は妹をかわいく思っていたアリスは、次第に自分はこの家族にはいらない存在なのではないかと気にするようになり、高校卒業後、母親に家を出て行くと告げた時には母親は少しほっとした顔をしていたと、アリスは桜子さんに話していました。

アリスが父親をスナックのママに託すことにした決断を、桜子さんは、簡単に諦めるのかと納得がいかず、「簡単」ではないと怒るアリスと言い合いになっていたのですが、その夜、アリスの部屋へ行き、アメリカの家族と馴染むことができなかったと言うアリスに、アリスは逃げてきただけだ、本当に自分から家族を求めたことがあるのかと問い詰め、「ここが私のいる場所、居場所だと言いなさいよ!」とアリスに言い、桜子さんの真意に気付いて「ここが私のいる場所、居場所だ」と断言したアリスと一緒に、「OUR HOUSE わたしたちのいえ」なのだと確認し合っていました。

その頃、桜子さんとアリスを送り、焼き鳥屋の営業を始めていた三上丈治(塚本高史さん)は、夫の赤尾拓真(高山善廣さん)を試し過ぎて嫌われた赤尾琴音(松下由樹さん)の愚痴を聞いていたのですが、そこへ、丈治さんのいとこだという女性が入ってきたのですが、その姿に酔った琴音さんは自分の目を疑っていました。丈治さんのいとこは、雨の中、紫陽花色の傘を差してライブハウスへ向かい、サックスを演奏していた奏太(山本耕史さん)の前に進みました。いとこの女性は、奏太さんの亡き妻の蓉子(渡辺舞さん)と瓜二つの女性だったのでした。

丈治さんのいとこで、しかも丈治さんの姉の蓉子さんと外見がそっくりということなら、親戚の奏太さんも桜子さんたちもすでに知っているのではないかなと思うのですが、どうなのでしょうか。

蓉子さんにそっくりのいとこが現れる場面も、そのような物語の展開も、このホームドラマのファンタジーらしさが表れているように思えて、良かったです。まだどのような展開になるかは分からないのですが、子供たちが偽物の母親に惹かれていくという次回も楽しみにしていたく思いました。

桜子さんの弟の新太郎(寺田心さん)と妹の桃子(松田芹香さん)が、祖父の奏一郎(橋爪功さん)が「認知症」で自分たちのことを忘れてしまうと思って号泣していた場面も、新太郎さんや桃子さんのように不安に思う子供は実際にもいると思うので、リアルな感じがして、良かったように思いました。
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