「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」第2話

フジテレビの「月9」枠のドラマ「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」の第2話を見ました。今回も、15分拡大版で放送されていました。

第2話は、繰り上げ当選によってあおば市議会の新人議員となり、初めての議会の場で、市議会の「ドン」の異名を持つ犬崎和久(古田新太さん)の派閥のナンバー2と言われるベテラン市議の前田康(大澄賢也さん)の居眠りを注意して話題となった佐藤智子(篠原涼子さん)が、新人議員の集められた部屋で、日本民政党の犬崎派の藤堂誠(高橋一生さん)や元グラビアアイドルの小出未亜(前田敦子さん)、共進党の河原田晶子市長(余貴美子さん)の派閥の岡本遼(千葉雄大さん)、無所属の園田龍太郎(斎藤司さん)と交流をする中、入りたい委員会に入るために、「数は力」の論理通りに最大会派の犬崎派に所属して犬崎さんの方針に従う議員になるべきか迷う話でした。

犬崎議員から派閥に入ることを勧められ、考えておきますと断ろうとした智子さんは、千葉報知新聞の人事課に産休後の女性社員の左遷されている実態をまとめた書類を提出して記者に復帰することができるかもしれないことになった平田和美(石田ゆり子さん)が娘を夫の公平(田中圭さん)に預かってもらいたいと自宅に相談に来ていたある夜、犬崎議員からの届け物を受け取りました。佐藤夫妻に頼まれた和美さんが開けると、そこには犬崎議員の妻からの手紙と、高級そうな黒のハイヒールの靴が入っていました。犬崎派は身内には甘いことで有名ということでした。

靴に釣られた智子さんは、小出議員と一緒に犬崎議員たちの集まる高級料亭に出かけ、犬崎派の新人として挨拶したのですが、それを見た藤堂議員はすぐに帰ってしまいました。議会で前田議員に謝罪するよう言われた智子さんは、犬崎さんの私設秘書の若宮寛(若旦那さん)から、赤い印を付けておいたという封筒を渡されました。帰宅後、夫が封筒を開けると、中には賛成する案と反対する案の表のようなものと、「可」と赤いペンで書かれた、公園を取り壊して迂回道路を建設するという案に関する書類が入っていました。夫に言われて、添付されていた一件の公園取り壊し反対の陳情書を読んだ智子さんは、翌朝、その公園へ向かいました。すると、公園のベンチでなぜか藤堂さんが待っていました。

藤堂さんは、智子さんが来ることを期待していたようでした。そして、智子さんに、公園の取り壊しに反対している山下圭子(水川あさみさん)を紹介しました。子供と公園に遊びに来ていた山下さんは、中学生の頃いじめられていて学校へ行くことができずに公園でお弁当を食べていたということを智子さんに打ち明け、残念ながらいじめはなくならないと思う、この公園がなかったら今の自分はなかったと話しました。

智子さんが議会で反対しようと考えていると、自分は反対しないという藤堂さんから、反対しているのは一人で他の多くの人たちは賛成していると言われました。藤堂さんは、智子さんならどうするかを見たいのだということを、智子さんに話していました。

帰宅途中、トラックで果物を売る女性から、応援していると声をかけられ、私たちのことも幸せにしてほしいとリンゴを手渡された智子さんは、ハイヒールかリンゴかの間で迷っていたのですが、ある決断をしました。

議会の採決の場で、他の犬崎派の議員たちと同じように賛成の起立をした智子さんは、手を挙げて前に出ると、山下さんが壊すことに反対しているのは、あの公園そのものではなく、いじめの避難場所としての公園であり、私はそのような場所を作りたいと訴え、犬崎さんに言われたように前田議員に謝罪しないと希望する委員会に入れてもらえないのかと言いました。そして、鞄の中に入っていた息子の駿平(鳥越壮馬さん)の音の出るおもちゃのボールに慌てながら、栃木県の中学校の校長先生を務めている義母の佐藤悦子(田島令子さん)から同棲記念に?プレゼントされたという赤い色の国語辞典を開いて「政治家」を引き、「政治を職業とし、専門的に関わる人」にはなりたいけれど「揉め事の調整や駆け引きの上手い人」にはなりたくない、希望の委員会に入りたければ前田議員が居眠りしていたことは嘘だと言えというのはおかしい、嘘吐きが正直者よりも得をする社会で子育てしたくないと演説しました。

動画を見れば居眠りをしていたことは明らかです、前田議員、居眠りしないでくださいと終えた智子さんの演説を聞いていた犬崎さんは、思わず笑ってしまい、智子さんを面白い人だと思い始めていました。市長も、新人議員たちも笑っていました。藤堂さんは、“デリヘル嬢”の莉子(今田美桜さん)からは、人をバカにしたような?笑顔を注意されていたのですが、智子さんからは少し褒められていました。

脚本は黒沢久子さん、演出は金井紘さんでした。

第2話も、面白かったです。議会場で国語の辞書を取り出そうとした智子さんが息子のおもちゃを散らかしてしまうという場面には、有り得ないことであるようにも少し思えたのですが、そのようなバタバタとした智子さんの場面も含めて、第2話も最後まで楽しく見ることができました。

犬崎議員と対立している河原田市長は、智子さんの騒動を面白がり、秘書の望月守(細田善彦さん)にもっと油を注ぐようにと指示していました。望月さんと若宮さんの秘書対決もあるのでしょうか。

市議会についての解説が時々盛り込まれているのも、政治に詳しくない私には、分かりやすくて良いように思えました。

政治家一家に生まれたことで市議会議員になったらしい藤堂さんは、議員でいる時と、一人暮らしの部屋?に戻った時とで差があるのですが、そのような暮らしぶりがそのうち誰かに公表されてしまうのかもしれません。藤堂さんにとって智子さんは、自分がしたくてもできないことを自由に正直に行うことのできる人というような存在であるようでした。

自由でありながら、嘘を吐いてはいけないとか、少数の意見を無視してはいけないとか、政治家としての基本を素朴に体現している新人政治家の智子さんは、いわゆる「偉大なる素人」ということなのかもしれないなと思います。

このドラマの初回の放送は衆議院議員選挙の期間中だからというような理由で一週間延期されていましたが、衆議院の解散に伴う総選挙の期間中だということなど気にせずに、もしも当初の予定通りの月曜日に初回が放送されていたなら、もっと話題になったのではないかなと思います。

どのような物語になるのか分からないように思える部分もあるのですが、次回の物語も楽しみにしていようと思います。


ところで、昨日には、与党の自民党が、若手議員たちの要望を受けて、国会での質問時間を今回の選挙結果の議席の数に応じた配分にしようとしているという報道があり、驚きました。国会に提出され、審議される法案は、与党が話し合って決めて内閣を通して提出されたものなので、与党議員の間での質疑応答になるなら、それはただの与党によるプレゼンテーションのようなものというか、自分たちの提出した法案がいかに良いものであるかを一方的に説明するだけのものになってしまうのではないかと思います。

税金の使われ方や情報公開の在り方が問われている学校法人・森友学園や加計学園への不正疑惑(便宜供与疑惑)について与党議員を追及する野党の議員の質問の仕方や内容が同じようなものになっていたことにも問題があったのだろうと思いますが、複数の法案を一つにまとめて強行的な採決を行ったり、国会議員でありながら国会を開く回数を減らしたりしている自民党の議員が、政権運営の在り方や法案の欠点を指摘するための野党の質問時間をも減らそうとしているということなら、自民党は(まだ決まったわけではないようですが)改めて議会制民主主義というものを否定しているということになるのではないかなと思います。与党の議員たちが選挙期間中だけ「謙虚」になるというのはいつものことなのかもしれませんが、先の総選挙で自民党議員に投票した方たち、自民党議員に票が集まるように応援した方たち、棄権して安倍自民党政権の存続を望んだ方たちは、このような(今のような)自民党で本当に良いと思っているのかなと、少し気になりました。(報道によると、自民党議員の小泉進次郎さんは、先月22日の選挙後のNHKの番組内で、国民は安倍政権に「だんだん飽きてきている」と言ったそうですが、最初に聞いた時は「呆れる」の間違いではないかと思いました。あるいは、この小泉さんの言葉が「嫌気が差している」という意味であるなら、新聞などで文字に表す場合は、「飽きる」よりも「厭きる」のほうが正しい印象になるのではないかと思います。)

昨夜のNHKの「クローズアップ現代+」の「“プルトニウム大国”日本 ~世界で広がる懸念~」や「時論公論」の「日本の『核廃絶決議』~橋渡しになりえたか~」も良い特集でしたが、また昨日には、引退を撤回した(長編を製作すると一度燃え尽き症候群のような状態になるのかもしれません)スタジオジブリの宮崎駿監督の新作が「君たちはどう生きるか」だということが報じられていました。

新作映画では、1937年(昭和12年)に出版された吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』を扱うようでした。私は、昔にこの小説を読もうと思ったことがあるのですが、途中で読むのをやめてしまいました。説教風に思えるようなところが私には少し気になってしまったのだと思います。でも、今読んでみたなら、以前とは違う印象を持つかもしれません。今度読み直してみようと思います。戦争時代を描いた映画「風立ちぬ」に続き、社会派の作品になるのでしょうか。宮崎駿監督には今の世の中を生きていく若い人たちに伝えたいことがたくさんあるのかもしれないなと思いました。

「アシガール」第6回

NHKの土曜時代ドラマ「アシガール」の第6回を見ました。

速川唯(黒島結菜さん)が戦国時代からタイムマシンで送った、胸部から血を流している瀕死の青年・羽木九八郎忠清(健太郎さん)の出現に、弟の尊(下田翔大さん)や父親の覚(古舘寛治さん)や母親の美香子(中島ひろ子さん)は驚くのですが、医師である美香子さんの治療により、一命を取りとめました。尊さんは、脇差型のタイムマシンのスイッチと共に床に落ちていた唯さんからの手紙を拾い、事情を理解していました。

一方、戦国時代の唯さんは、3分経てば若君は戻ってくるはずだと考えていたのですが、若君は1時間経っても戻って来ず、高山にさらわれたのではないかなどの騒ぎとなり、天野信茂(イッセー尾形さん)は天野小平太(金田哲さん)たちに若君を捜し出すよう命じました。

450年後の平成時代に来た若君の若君らしい振る舞いに、速川家の家族は魅了されていきました。唯さんの部屋で休んでいた若君は、唯さんの写真を見つけ、弟の尊さんから、唯さんがただ若君を助けたい一心で戦国時代へ行ったという話を聞きました。黒羽城に戻ると言う若君を、尊さんは黒羽城跡に連れて行くことにしました。それを聞いた両親は、羽木家が滅亡したことは話さないほうがいいのではないかと尊さんに言いました。

不登校の尊さんの制服を若君に着せた美香子さんは、似合うと喜んで二人を送り出しました。尊さんは、道行く女子高校生たちの若君を見る視線に動揺していたのですが、若君は、道路をすごい速さで走る車に興味を持っていました。そうして若君と歩いていた尊さんは、不良青年たちに絡まれている木村先生(正名僕蔵さん)を見かけ、関わらないようにしようとしていたのですが、若君は、近くにいたお年寄りから杖を借り、不良たちに立ち向かい、あっという間に倒してしまいました。若君は、木村先生の鞄を奪って逃げようとする不良を追うよう尊さんに言い、尊さんは、無理だと言いながらも勇気を出して不良を捕まえに行き、不良に叩かれて思わず叩き返してしまった自分自身に驚いていました。

不良たちは近くにいた別の大人たちに捕まり、盗まれそうになっていた鞄は木村先生のもとに戻りました。若君は、家臣の木村政秀にそっくりの木村先生を見て、不意打ちに弱いと見えると笑っていました。腰を抜かしたように座り込んでいた尊さんが、ケンカをしたのは初めてだと言うと、若君は、戦わずに生きることができるのは幸せだと言って、尊さんに手を差し伸べていました。

公園の一角に残る黒羽城跡の苔生した石垣を見た若君は、羽木家の行く末について尊さんに訊ね、言うべきか迷っていた尊さんは、「武士(もののふ)」として正直に、羽木家の滅亡を教えました。唯さんが自分を助けるために戦国時代へ行ったということを考えていた若君は、自ら羽木家の運命を変えようと決意しました。若君は、戦国時代へ戻る次の満月の日に備えて剣術の訓練を始めていて、若君に感化された尊さんは、自分にも教えてほしいと若君に頼み、覚さんも一緒に習うことにしたようでした。若君は、優しい唯さんの家族に馴染んでいました。

若君の帰りを待つ戦国時代の唯さんは、高山の者と手を組んで若君を暗殺しようとした僧・如古坊(本田大輔さん)のことを調べるため、若君の異母兄の羽木成之(松下優也さん)に会いに行ったのですが、縁側で花を活けるている兄に、兄のことを話している時の若君が嬉しそうだったと話している時、兄の背後から唯さんに向かって小刀が飛んできました。気配を察した成之が刀で払い落としたので唯さんには当たらなかったのですが、黒羽城の馬小屋に戻った唯さんは、自分が若君誘拐の容疑をかけられて指名手配されていることを馬係の仲間たちから教えられて知りました。そうして、逃げるためのお金と熊の毛皮を渡された唯さんは、町に貼られていた“足軽の唯之助”の似顔絵の前に集まっている人々の間を抜けて、山の方へ逃げていきました。

若君のいなくなった黒羽城では、成之が父親の羽木忠高(石黒賢さん)に、若君が戻って来るまでの間、その代わりを務めることを申し出ていました。

夜の山中を走り続け、空腹と疲労で倒れ込んでいた唯さんは、許婚の若君に会うために黒羽城へ向かう途中で道に迷っていたらしい松丸家の阿湖姫(川栄李奈さん)と出会いました。阿湖姫は、唯さんに水筒の水を分けてくれたのですが、唯さんはその姫が若君の許婚の姫だとは気付いていませんでした。名前を訊かれた唯さんは、阿湖姫の一行を迎えに来た羽木家の家臣たちの姿を見て、名乗るほどのものではありませんと姫にお礼を言って走り去りました。

平成時代の速川家の若君は、満月の夜の来るのを待っていたのですが、その前日、高熱を出して倒れてしまい、戦国時代へ戻ることができなくなってしまったようでした。

脚本は宮村優子さん、演出は伊勢田雅也さんでした。

第6回も、面白かったです。

下々の者たちを励ます若君、唯さんが弟に買った?変なTシャツが似合う若君、木村先生を助ける若君、レンコンのはさみ揚げのおいしさに感動する若君など、平成時代でも若君らしさを発揮する若君の描写が楽しかったですし、唯さんが好きになった若君を速川家の家族みんなが好きになっていたところも良かったです。

若君は18歳で、現代なら高校生ということなので、唯さんが高校2年生で尊さんが高校1年生ということは、3人は1歳違いの兄弟のような感じなのかなと思いました。

若君は、黒羽城跡を見て羽木家の滅亡を知ったのですが、次の満月までの1か月の間に、歴史の資料などは読まなかったのでしょうか。例えば若君が日本史の木村先生に歴史を習う様子なども、少し見てみたいように思いました。

前回の第5回も少ししんみりとした雰囲気の終わり方になっていたように思うのですが、今回も、そのような終わり方でした。何か、歌が流れていました(これまでの回には、歌はなかったような気がします)。

予告によると、若君の失踪の関係者として追われる身となった唯さんは、若君の兄に捕まってしまったようでした。全8回のドラマということなので、あと2回になりますが、次回の「アシガール」の物語も楽しみにしたいと思います。

「BORDER 贖罪」

テレビ朝日のドラマスペシャル「BORDER 贖罪」を見ました。

私は2014年の春頃のドラマだった「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」を好きで見ていたので、また、先日2週連続で放送されたスピンオフドラマ「BORDER 衝動~検視官・比嘉ミカ~」の前後編が良かったということもあり、3年前の連続ドラマの最終回の続きとなる今作を見るのを楽しみにしていました。(このドラマは本当は22日の日曜日に放送される予定だったのですが、衆議院解散総選挙の開票特別番組のため、1週間延期になったということでした。)

そうして、夜9時からのTBSの日曜劇場の「陸王」の第2話や、夜10時からのNHKのBSプレミアムの「山女日記 山フェスに行こう~常念岳~」は録画をしておくことにして、夜9時の少し前の「カウントダウン」から始まっていたこのドラマを、どのような新作になっているのだろうと見始めたのですが、3年前の最終回の最後の場面からの冒頭の部分から、本当に“3年前の最終回の続き”でした。

先日の金曜日の夕方頃まで、「BORDER」の数話が再放送されていましたが、3年前に続きを撮影しておいたのかなと思えるほど、その3年前の最終回(第9話「越境」)から少しも違和感なく今回の新作の「贖罪」に続いているという感じが、少し不思議な印象でもありました。

銃撃事件を捜査中、頭部に被弾し、脳底動脈近くに留まった銃弾のためか、死者(殺人事件の被害者)と対話をすることができるようになった警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の刑事の石川安吾(小栗旬さん)は、母親とショッピングモールに来ていた5歳の天川弘志君を誘拐して殺害した、幼児誘拐殺人事件の犯人であるショッピングモールの出入り業者の玩具会社の社員だった安藤周夫(大森南朋さん)をマンションの屋上の端に追い詰めたのですが、「悪」を体現する安藤の、あなたは中途半端な正義を実践しようとして常に私に敗北するとの挑発に乗り、安藤を掴んでいた両手を離して屋上から落としてしまいました。地面を覗き、安藤が転落死しているのを見た石川さんが震えていると、その肩に手が置かれ、背後に立っていた安藤の霊に「ようこそ、こちらの世界へ」と告げられました。

昨夜の「贖罪」では、安藤さんの幽霊に重なるように石川さんの肩に手を置いたのは、様子のおかしい石川さんを心配して駆け付けた、同僚の刑事の立花雄馬(青木崇高さん)でした。

特別検視官の比嘉ミカ(波瑠さん)や班長の市倉卓司(遠藤憲一さん)も心配する中、安藤殺しを疑われた石川さんは、警視庁の監察管理官の久高喬(國村隼さん)の取り調べを受けることになりました。

比嘉さんと立花さんが石川さんを助けようと決意していた頃、石川さんの捜査に陰で協力する情報屋の赤井(古田新太さん)、便利屋のスズキ(滝藤賢一さん)、ハッカーのサイモン(浜野謙太さん)とガーファンクル(野間口徹さん)も、石川さんが安藤を殺した容疑で聴取されているという情報を得ると、石川さんを助けるべく団結していました。

石川さんは、悪のための殺人と正義のための殺人とは何が違うのかと、付きまとってくる安藤の霊から繰り返し問い掛けられて黙っていました。嘘を吐くか、正直に話すべきか迷い、聴取をする久高管理官に、何も思い出せません、と答えていた石川さんは、石川さんの様子を鋭く観察する久高さんの提案で、安藤の転落現場へ赴くことになりました。その頃、サイモンとガーファンクルは近所のマンションに入り、WIFIのパスワードを解除していました。スズキさんは、喪服を来た天川夫妻とすれ違っていました。

車で現場へ向かう途中、石川さんは、交差点の中央付近に立ち止まる女性の姿を見かけました。現場に到着した石川さんは、そこでも、何も思い出せないと久高さんに話していたのですが、そこに再び女性の霊が現れました。女性は、あなたは警察官なのですが、私はある男に殺されました、そいつのことを教えますから捕まえてください、早くしないと死体が処分されてしまいます、警察官ならあなたの仕事全うしてください、と訴えていました。

警察署に戻った石川さんは、久高管理官の助手にコーヒーを頼んで一人になると、殺されたという須藤真実(中村ゆりかさん)の霊に、事件について教えてもらいました。そして、久高管理官に、取り調べを拒否しますと告げ、何か思い出したら必ず戻りますと約束し、釈放された石川さんは、その夜、サイモンとガーファンクルに電話をかけ、「原口知幸」という人物について調べてほしいと頼みました。石川さんが元気そうなのを確かめてほっとしていたサイモンとガーファンクルは、調べた情報をすぐに石川さんのスマートフォンへ送りました。

マンションの下で帰宅する原口知幸(満島真之介さん)を待っていた石川さんは、車で駐車場へ向かう原口に警察手帳を見せて、あなたの部屋から女性の悲鳴が聞こえたと通報があったと声をかけたのですが、原口は石川さんを適当にあしらって駐車場へ入って行きました。

石川さんは、マンションの前の喫茶店で、遺体をどこかへ捨てに行くであろう原口を見張り続けていたのですが、その気配がありませんでした。喫茶店で待つ石川さんの隣に現れた真実さんは、石巻出身の女性で、津波で家族を失っていたようだったのですが、デパートの販売員の仕事をしていた時、優しそうな雰囲気の原口と出会い、身寄りがないと知ってお金を貸してほしいと言うようになった原口にお金を貸していたある日にプロポーズされて仕事を辞め、結婚の話をするために呼ばれた原口の部屋でいきなり絞殺されたということでした。

スズキさんを呼んだ石川さんは、原口が外出したのを見計らって二人で原口の部屋に侵入し、隠されているはずの遺体を探したのですが、見つかりませんでした。石川さんには、きれい好きで部屋に動物はいないと真実さんが話していた原口の部屋の隅に置かれていた、動物の毛が付いている掃除用具のことが引っかかっていたのですが、喫茶店で原口の動きを見張っていたある夜、マンションの住民が犬を連れ出てきたのを見て、管理人に動物を飼っている住民について教えてもらい、ハワイに行って留守にしている原口の隣の部屋にたどり着きました。スズキさんと二人で侵入したリビングに、スーツケースが置かれていました。その部屋には、猫がいました。

原口は、猫の世話を引き受けた隣人の部屋に置いていたスーツケースを、部屋に呼び出した“婚約者”の光岡さんに預けました。そして、レンタカーで光岡さんの部屋に向かうと、重いスーツケースを受け取って車に載せ、ある民家に運びました。外から見ると普通の戸建ての家なのですが、その家の奥には手術室のような部屋があり、遺体を解剖・解体するための道具が並べられていました。原口さんは、スーツケースを開けて真実さんの遺体を取り出そうとした時、スーツケースの中に発信機が入っているのを見つけました。その直後、家の呼び鈴が鳴りました。警察でした。驚きつつ、ドアを開けた原口さんは、警察官から、このようなものがインターネット上で話題になっていると、死体運搬中継なるサイトを見せられました。家の中を調べると言われた原口さんは、観念したのか、薄く笑っていました。

連続殺人犯だったかもしれない原口の逮捕について石川さんは、スズキさんのおかげだと、スズキさんに感謝していました。その翌日の雨の中、スズキさんは、児童ポルノの犯罪に関わっているらしい吉岡という男に声をかけると、その罪を公表しない代わりとして、あることを頼みました。それは、石川さんと安藤がマンションの屋上でもみ合っていた時の目撃者になり、石川さんに有利な証言をすることでした。

久高管理官を待つ警察署内で赤井さんから連絡を受けた石川さんは、久高管理官に、嘘の証言をしました。転落死した安藤が他人の戸籍を使って成り済ましていた身元不明の人物だと知った久高管理官は、目撃者の証言とも一致するとして石川さんを釈放したのですが、石川さんが安藤を殺したことは間違いないと確信していて、石川さんを追い詰めることを決意していました。

赤井さんたちは、正義感の強い刑事の石川さんを、闇の世界にいる自分たちの罪を贖うために存在する希望の光だと考えているようでした。自分たちの光であり続けてほしいと、石川さんに話していました。

刑事として生きるために殺人を認めず、悪の世界にいることを選んだ石川さんは、安藤の霊から、改めて、こちらの世界へようこそ、と告げられました。

石川さんの前に現れた真実さんの霊は、ありがとう、安らかに眠ることができますと感謝していました。あなたが生きている間に助けたかったという石川さんに、その言葉を聞けただけで十分ですとお礼を言って消えていました。

真実さんが消えた後現れた安藤の霊に、石川さんは、死者と話ができるようになってから正義のプレッシャーに押し潰されそうになっていた、悪の世界に行くことができて気持ちが楽になった、と感謝するように話していました。そして、安藤の命を奪った罪を贖うために悪の世界から正義を実践していく、死者の魂を救済すると決意していました。

負け惜しみだと苛立つように言い返した安藤は、あなたは背負ったものの大きさに気付いていない、私のような人間を引き寄せるだろうと石川さんに言い残して消えました。

最後は、公園の場面でした。安藤に殺された天川弘志君の遺体が放置されていたベンチには、花束が手向けられていました。公園の遊具で遊んでいる子供たちを見つめるように立っている男の影が、子供たちの声を闇で包み込むように広がっていきました。

原案と脚本は金城一紀さんです。監督は、「衝動」の時と同じ常廣丈太さんでした。連続ドラマの時と同じく、音楽は川井憲次さんで、オープニングの主題歌はMAN WITH A MISSIONの「evils fall」という曲でした。オープニングの映像も、連続ドラマの時と同じでした。

スピンオフドラマの「衝動」も面白かったですし、3年前の最終回の続きとなる今回のドラマスペシャルの「贖罪」も面白かったです。

刑事の石川さんを取り巻く「表の世界」の人物たちも、「裏の世界」の人物たちも、そのままちゃんと描かれていて良かったです。

私は連続ドラマを見ていたため、今作の物語にも付いて行くことができましたが、登場人物などの説明が少なかったので(それは連続ドラマを見ていた人にとっては良いことだと思うのですが)、連続ドラマを見たことがない人にも楽しむことのできる作品になっていたかどうかは少し分からないようにも思えました。

安藤を名乗っていた殺人犯は、悪のためなら死ぬことができるとも言っていたのですが、そのように何かの目的を達成するために自分の命を差し出す(奪う)覚悟をしている人というのは、ある目的を達成するために他人の命を奪うことについても、躊躇しない部分があるのかもしれません。

ドラマを見ていて、例えば、「国のため」に戦うある国の兵士たちが敵国の兵や敵国の市民を殺害する場合にも、自分の命を捨てる覚悟をしている者の他者の命を奪うことへのハードルの低さを表しているのかなと思いました。

悪のための殺人と正義のための殺人の違いは何か、という疑問を石川さんに投げかける安藤の「悪」の言葉は、石川さんの心の声のようでもありました。ただ、通常は、殺人は「悪」です。仏教でもキリスト教でも、殺人はしてはいけないものとされています。

石川さんは、「正義のための殺人」というような、正当化される殺人はないことを刑事としてもよく知っている上で、命懸けで悪を倒そうとする正義が悪に転じてしまうという矛盾を体現しているのかなと思います。

このドラマがまたいつか作られるのかどうかは分かりませんが、死者と話す能力を持つ石川さんは被害者の無念を晴らすための刑事の仕事を続けていくようでしたし、新たな犯罪者も現れそうでしたし、「BORDER」の物語は続いていくのだろうなと思いました。

今作も重い話でしたが、誠実に作られていたように思いますし、無事に最後まで見ることができて良かったです。良い刑事ドラマでした。

「おんな城主 直虎」第43回

NHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第43回を見ました。

武具の手入れをこなしたことを徳川家康(阿部サダヲさん)に認められた井伊万千代(菅田将暉さん)と小野万福(井之脇海さん)は小姓に昇進しました。先輩小姓たちに仕事を分けてもらえない万千代と万福は、庭の水たまりに土を足して埋めたり、長篠の合戦の武功を伝えに来た家康の家臣たちが殺到する玄関で草履番をしている本多正信(六角精児さん)を手伝ったりと、自ら仕事を探していました。夜、家康の寝所に薬を持参した万千代は、書類に囲まれながら長篠の合戦の論功行賞に悩んでいた家康に、表にしてまとめることを提案し、徹夜で作業を行いました。

一方、井伊谷では、瀬戸村の甚兵衛(山本學さん)が大雨による山の土砂崩れに気付き、おとわ(直虎、柴咲コウさん)に報告しました。木の乱伐によるものと察したおとわは、植林を行うことを領主の近藤康用(橋本じゅんさん)に進言し、お金がかかると渋る近藤康用を、植えた松は「近藤の松」と呼ばれるかもしれない、村を救った領主として後世に名が残る、と説得しました。織田信長にもらった黒茶碗を売ってお金を作るという案は受け入れられませんでした。

昊天(小松和重さん)たちに薬の作り方を習っていた万千代は、養生に興味のある家康の薬係になろうと思い付き、おとわに頼らずに井伊谷から薬を得たいと考えていたのですが、浜松城に来た松下常慶(和田正人さん)から、絵が上手いという理由で、井伊谷の山の植林のための図を描くことを頼まれると、その代わりとして、薬を持ってきてほしいと頼みました。

龍潭寺の南渓和尚(小林薫さん)から植林の図を見せられたおとわは、万千代が描いたものとすぐには気付かなかったのですが、お世話係をしていた奥山六左衛門(田中美央さん)は虎松の絵だと気付いて喜んでいました。

薬を持って家康の寝所へ行こうとした万千代は、先輩小姓たちに薬を奪われそうになると、殿のご寵愛を受けた、と「色小姓」を切り札として利用して先輩小姓たちを絶句させていて、そのことを聞いた家康は笑っていました。井伊谷の薬だと気付いた家康は、万千代に、直虎は私欲がなく井伊谷の民のことだけを考えていると感心していました。それから、家康は、万千代の作った表を見ながら、武将の首を取るなどした浜松勢の武功と、岡崎勢の武功に差があることを気にしていました。自分ならどうするか訊かれた万千代は、殿が岡崎勢の武功を知っていると伝えることだけでも励みになると話し、岡崎の軍勢として戦っていた今川に諏訪原城を任せることを提案しました。酒井忠次(みのすけさん)たちは反対していたのですが、その提案に納得した家康は、正室の瀬名(築山殿、菜々緒さん)の親戚でもある万千代に、岡崎行きを命じました。

岡崎城へ行った万千代は、瀬戸方久が家康に贈ったという舶来品のサボン(石鹸)を瀬名に贈り、家康の嫡男の信康(平埜生成さん)に頼まれて囲碁の相手をしている時、岡崎に来た本当の目的は何かと訊かれて、諏訪原城を今川に任せるという話を伝えました。信康は、父親の家康が岡崎を思って決めたことだろうと理解していました。浜松城へ戻った万千代に家康は、長男の信康のことを自慢そうに褒めていて、万千代は、若に仕えるために今は殿の下で励むと家康に伝えていました。

井伊谷の山では、瀬戸村や祝田村の人々がおとわと一緒に松の苗木を植えていました。松が大きくなった頃には井伊谷はどうなっているだろうと言う甚兵衛に、先のことは分からない、甚兵衛の孫が治めているかもしれないと笑っていたおとわは、松を植えながら、木を切ったら植えるということを伝えていかなければいけないと話し、これは「甚兵衛の松」だとみんなと繰り返していました。

それから時が経ち、天正6年(1578年)になっていました。山の松の木は3メートルほどに成長していたようだったのですが、その頃、甚兵衛はすでに他界していたようでした。

おとわが龍潭寺に戻ると、なつ(山口紗弥加さん)が来ていました。そして、おとわは、髪を下ろそうと思うと言うなつさんから、万千代と万福の初陣が決まったと教えられました。

作(脚本)は森下佳子さん、演出は藤並英樹さんでした。

井伊家の再興を願っている南渓和尚は万千代のことをいろいろ知っているようなのですが、井伊家の再興を積極的には目指していないおとわには、万千代の情報はあまり直接には伝えられていないようでもありました。

今回も、面白かったです。万千代(虎松)と家康の場面と、おとわ(次郎法師)と井伊谷の村人たちの場面がバランス良く描かれていたように思います。

「清風明月を払い、明月清風を払う」という以前におとわが言っていた禅の言葉を、甚兵衛がおとわに話していたのも良かったのですが、甚兵衛が亡くなったことまで丁寧に清らかに表現されていて、すごいなと思いました。

昨日にはまた台風(22号)が来て大雨になっていたので、ドラマの中の井伊谷の大雨と現実とが偶然にも重なっているように思えました。

おとわが甚兵衛たちと井伊谷の山で植林の作業をしながら名付けていた「甚兵衛の松」というのは、実際にその名前で残っているというわけではないようなのですが、静岡県の浜松市では500年ほど前から材木のための植林が行われていたのだそうです。

「直虎紀行」では、静岡県島田市の諏訪原城跡を紹介していました。武田勝頼が遠江侵攻の拠点として築城した山城なのだそうです。城内には諏訪大明神が祀られていたそうで、跡地となっている今は神社になっているようでした。戦国大名としての今川家は滅亡していたのですが、家康の庇護を受けて徳川の戦にも参加していた今川氏真が、その城番を家康に任されたということでした。今川氏真は、剃髪して「宗誾(そうぎん)」と名乗るようになっていたそうで、1年ほど城番を務めた後、文化人として戦国時代を生き抜いていくことになったそうです。

予告の映像によると、次回は万千代と万福の初陣の話と、おとわの母の祐椿尼(財前直見さん)の話になるようでした。次回の物語も楽しみにしたいと思います。

「この声をきみに」第6回

NHKの「ドラマ10」の「この声をきみに」の第6回「もつれる2人」を見ました。

江崎京子先生(麻生久美子さん)の部屋で朝を迎えた穂波孝(竹野内豊さん)は、まだ眠っている京子先生の本を片付けながら、本棚の奥に壊れた古い腕時計を見つけました。そして、目を覚まして驚く京子先生とお互いに本を読んだ以外に何もなかったことを確認しつつ、磯崎泰代(片桐はいりさん)の分析を思い出して、動揺しながら部屋を出て行きました。

風邪を治した京子先生は、何事もなかったように佐久良宗親先生(柴田恭兵さん)の朗読教室「灯火親」に戻って来ました。教室では、声優志望の大学生の稲葉実鈴(大原櫻子さん)が河合雄一(戸塚祥太さん)を好きになったことを熊川絵里(趣里さん)に話して盛り上がっていたのですが、発表会の題材として河合さんが選んだ本は『数学的媚薬』(作はアレックス・ゴールトさん、訳は畔柳和代さん、装画は祖田雅弘さん)で、河合さんはその朗読の相手役を穂波さんに頼みました。

『数学的媚薬』は、アメリカのラジオのリスナーの話を小説にしたものだそうで、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』(ポール・オースター編)の中の短編のようでした。数学者の穂波さんが数学者の役になり、河合さんがその相手の人の役になっていたのですが、「親和数」で愛情を伝えるという二人の世界が良かったです。

朗読を終えた河合さんは、佐久良先生や京子先生、朗読仲間の柏原喜巳子(堀内敬子さん)や福島邦夫(杉本哲太さん)、磯崎さん、稲葉さん、熊川さん、穂波さんに、みんな気付いているだろうと思うけど、と前置きをして、トランスジェンダーだと思うと打ち明けていました。男性たちの中にいるよりも、喜巳子さんや泰代さんたちと話していたほうが楽しいということだと説明していました。そうかもしれないと思っていた仲間たちはすぐに受け入れていたのですが、河合さんを好きになっていた稲葉さんは少し失恋したような気持ちになっていたようでした。

朗読教室のみんなが帰った後、残っていた穂波さんは、先日のことを謝る京子先生に、あなたのことをもっと知りたいと切り出し、困惑する京子先生から、これ以上深入りしないでください、あのことは忘れてくださいと言われました。穂波さんは、京子先生と朗読した夜の複雑な感情を上手く言葉に表すことができずにいたのですが、「恋」とでも言うつもりですか、離婚を決めたばかりなのに、と京子先生に言われて、黙ってしまいました。

そこへ、柏原さんが戻ってきました。柏原さんがボランティアで朗読に行く施設の一覧表の中に、父親の定男(平泉成さん)が入っている老人ホームを見つけた穂波さんは、佐久良先生から渡された、『おじさんのかさ』(作と絵・佐野洋子さん)を朗読することにしました。穂波さんは、離婚することを父親に報告した後、息子のものは全部捨てたと言う父親とケンカになっていたのですが、団地の父親の部屋を掃除している時、「孝」と書かれた段ボール箱を見つけ、父親の字で日にちの書かれた、数学の賞を取った時などの新聞記事のスクラップブックも見つけました。頑固で不器用だけれどどこか愛らしい主人公が穂波さんと似ている、というような理由で『おじさんのかさ』を佐久良先生から渡されていた穂波さんは、その主人公に父親の姿を重ねていたようでした。

朗読の当日、老人ホームには稲葉さんと河合さんも来ていました。一番後ろの席に一人で離れて座っていた定男さんは、朗読の舞台に出てきた4人の中に息子が入っているのを見て驚いていたのですが、息子の朗読する『おじさんのかさ』の世界に惹き込まれていきました。

雨の日にも差さないほど傘を大事に持ち歩いている「おじさん」になった穂波さん親子が、「雨に唄えば」のように、二人で雨の公園でダンスを踊る場面がまた良かったです。『おじさんのかさ』のおじさんが最後に傘を開いたことは、心を開いたということでもあるのかなと思います。朗読会の後、穂波さんは、仲直りした父親に、一緒に暮らそうと提案していました。

最後、古書店の本棚の前にいた京子先生は、結び目と位相幾何学に関する本を見つけて手に取っていたのですが、その時、入ってきた穂波さんに気付いて本を棚に戻しました。穂波さんは、憶えていないかもしれないけれど、僕たちは12年前に一度会ったことがあると、教会で会った時のことを話し、そう言われた京子先生は、自分の過去を穂波さんに話す決心をしたようでした。

脚本は大森美香さん、演出は上田明子さんでした。

第6回も、面白かったです。

河合さんが朗読教室のみんなにトランスジェンダーを告白するという、驚きのような驚きではないような場面も、温かい雰囲気でまとまっていて良かったです。河合さんの人物設定がゲイではなくトランスジェンダーというところも、このような言い方で合っているかどうか分からないのですが、戸塚祥太さんの演じる河合さんの穏やかな雰囲気に合っていたのかもしれないなと思います。

河合さんと穂波さんの朗読する『数学的媚薬』の世界も、穂波さんが主人公に父親を重ねて朗読していた『おじさんのかさ』の世界の演出も良かったですし、『おじさんのかさ』に登場する子供が穂波さんの子供たち(定男さんの孫たち)だったところも良かったです。

穂波さんは、京子先生に惹かれているのですが、離婚することになった妻の奈緒(ミムラさん)や長女の舞花(安藤美優さん)と長男の龍太郎(加賀谷光輝さん)のことも、当然のことながら忘れることができず、頻繁に思い出しているようでした。

予告によると、京子先生の過去を知ることになるらしい穂波さんは、京子先生を救うヒーローになりたいと思うようでした。次回の物語も楽しみにしたいと思います。


ところで、このドラマの途中、画面の上部に、カタルーニャ自治州政府がスペインからの独立を宣言したという趣旨のニュース速報の字幕が出ました。歴史上では、スペインが統一されてカタルーニャ王国が政治的独立性を失ったのは1479年のことだそうで、日本では、その文明11年というのは、「応仁の乱」が終わった2年後だそうです。ブルボン王朝が崩壊した後の1936年に始まったスペインの内戦では、ファシストのフランシスコ・フランコの率いる保守(反共産主義)の軍隊がバルセロナやゲルニカを空爆するなどして勝利し、スペインの初代総統として独裁者のフランコが就任すると、バスク州のバスク語と共にカタルーニャ語の使用を禁止して弾圧したのだそうで、それは1975年にフランコが死去するまで続いたのだそうです。

スペインの画家フランシス・デ・ゴヤの版画集『戦争の惨禍』は、ブルボン王朝時代のスペインの、ナポレオン率いるフランスからの独立戦争(1807年から1814年頃)を描いたものだということなので、スペインの内戦とは異なるのですが、展覧会で見たゴヤの戦争版画はあまりにも怖い絵でしたし、スペインの内戦時の写真の残酷さも衝撃的だったので、私はいつも同時に思い出してしまいます。現代のスペインで内戦が再び起きるとは思いませんが、世の中が不穏な感じに進んでいるので、「統一」が必ずしも良いものではないように、「分断」が必ずしも悪いものだとも思わないのですが、何があるか分からないという気もします。独立を願う自治州の方たちが(中国のチベット自治区やウイグル自治区などもそうかもしれませんが)無事に温かい雰囲気の中で独立することができれば一番良いのではないかと思うのですが、統治する政府側からは簡単には認められそうにないですし、どうなるのかなと、遠くから勝手に少し心配に思いました。
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