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「命売ります」第3話

BSジャパンの「連続ドラマJ」の「三島由紀夫 命売ります」の第3話を見ました。

母親の八重子(酒井若菜さん)を亡くして一人になった高校生の井上薫(前田旺志郎さん)を助手にした山田羽仁男(中村蒼さん)の元にやって来た3番目のお客さんは、死にかけた羽仁男さんが搬送された病院の看護師の木島由紀(谷村美月さん)でした。

あなたの命を買いたいと300万円を羽仁男さんに渡した木島さんは、その理由を話し始めました。それは、エリート医師の娘である外科医の城山愛理(壇蜜さん)はいつも笑顔を絶やさない美人で、医師や看護師や職員の間でも患者の間でも男女問わず人気があるが、実際は患者を自分のキャリアを積むための道具としか考えておらず、有力な上司たちと体の関係を持っていて医療ミスを起こしてももみ消される上に、患者の男性とも体の関係を持つような汚い医師だから、患者さんを守るためにも明らかな医療ミスを起こさせて病院から追放したい、だから羽仁男さんには城山先生の手術中の医療ミスで死んでほしい、というものでした。

木島さんは、入院患者の峰岸邦夫(森本レオさん)からもらったというカスミ草の栞を見せて、患者さんを助けるためだと訴えていました。木島さんの話を聞いた羽仁男さんは、それで自分が死ねるのならと、台所の洗剤を一気に飲み干して病院に搬送され、医師の城山さんに自分の手術をさせるべく近付いていき、入院患者となって城山さんや木島さんの働いている様子を見ていく中で、患者さんを守りたいと話していた木島さんの城山さんへの嫉妬心に気付いていくのでした。

脚本は大林利江子さん、監督は金澤友也さんでした。

今回は、女性の嫉妬と悪意の物語でしたが、前田旺志郎さんの演じる薫さんが入ったことで、喫茶店の杏子(YOUさん)や常連客の宮本さん(田口浩正さん)との場面の明るさも増したような気がします。

羽仁男さんの助手になった薫さんは、死にたがっている羽仁男さんが自殺をしないように見張っているという感じでもありました。

看護師の木島さんは、自分の仕事に誇りを持って真面目に取り組んでいる一方で、華やかで人気者の医師の城山さんの裏の性格の悪さに自分以外の誰も気付いていないということを腹立たしく思っていたようでした。

担当患者の峰岸さんに城山さんへの怒りを出した木島さんは、落ち着いてと戸惑う峰岸さんから、峰岸さんからもらった栞のカスミ草をくれたのは城山さんであることを打ち明けられ、人の美しさを認めることのできる人だけが美しい心を持つことができるのだというようなことを言われていました。

峰岸さんは木島さんに、木島さんは笑顔が無い分、嘘が無いとも言っていました。「いつも笑顔を絶やさない人」に好印象を持つ人は多いのかもしれないのですが、私は(「いつも不機嫌そうな人」と同じくらい)少し苦手に思えるので、ドラマの峰岸さんの言葉を聞いて、そういうことはあるかもしれないと思いました。

木島さんは、城山さんが体の関係を持った男性患者のことを気にしていたのですが、5年前の浮気のことは忘れたほうがいいと木島さんに言っていた城山さんによると、その男性患者は木島さんの交際相手?だったようでした。

木島さんは、城山さんと体の関係を持った羽仁男さんを「私のもの」だと言い、城山さんと同じことを羽仁男さんにしました。そして、手術の日、羽仁男さんを「さようなら」と送り出した木島さんは、結局、羽仁男さんを助けてしまったようでした。看護師だからというよりは、城山さんと同じように羽仁男さんと関係を持ったことで何かすっきりとした気持ちになり、城山さんと自分を比べることを止めたら気持ちが楽になったからというようなことがその理由でした。城山さんの医療ミスに見せかけて羽仁男さんを死なせる必要がなくなったのです。

しかし、峰岸さんは、本当に城山さんの手術中の医療ミスで死亡してしまいました。城山さんは、峰岸さんを身寄りのないお年寄りと思っていたのですが、遠い親戚がいるということでした。上司は、訴えられるかもしれないと城山さんを怒っていたのですが、結局、必死に謝罪する城山さんを許したようでした。城山さんのファンの患者さんたちは、そのことも含めて、城山さんに敬服しているようでした。反対に、看護師の木島さんは、自分が城山さんにしたのと同じように、患者の羽仁男さんとの写真を病院の玄関脇に貼り出されていました。木島さんのほうが病院を追い出されてしまうことになるのかもしれません。

死にたがっている羽仁男さんの命懸けの自己犠牲的行動は、今回の城山さんへの嫉妬心に駆られていた木島さんの心も救ったのですが、羽仁男さんの死にはつながりませんでした。羽仁男さんの命はまた売れ残ってしまいました。まだしばらくは羽仁男さんの命は売り切れないのだろうと思いますが、面白いので、次回物語も楽しみにしたいと思います。

「きみが心に棲みついた」第3話

TBSの火曜ドラマ「きみが心に棲みついた」の第3話を見ました。

下着メーカーの材料課に勤める小川今日子(吉岡里帆さん)は、大学の先輩でもある上司の星名漣(向井理さん)から八木泉(鈴木紗理奈さん)のチームの企画か堀田麻衣子(瀬戸朝香さん)のチームの企画かどちらか一方だけしか採用しないと言われてその競争に勝てるかどうか不安になっていたある日、新作下着の発表会が開催されることになりました。

その準備に忙しく動き回っていた今日子さんは、星名さんに会場の隅に呼び出され、下着の入った袋を手渡されました。今日子さんはしばらく泣いていたのですが、星名さんから“卒業”できないことを自覚した今日子さんは、大学時代の星名さんにした、星名さんのためだけに生きるという約束を破ってしまったことの罪滅ぼしのため、星名さんから渡された下着を身に着けて、外国女性のモデルばかりだった発表会のショーの最後、ランウェイを歩き出し、発表会を見ていた人々やスタッフたちを唖然とさせました。

漫画家のスズキ次郎(ムロツヨシさん)を連れて堀田さんに招待された発表会に来ていた出版社の漫画編集者の吉崎幸次郎(桐谷健太さん)は、舞台の上を下着姿でおどおどと歩いていた今日子さんが転んだのを見ると、居たたまれなくなってスズキさんを連れて舞台に上がり、スズキさんが面白い話をして観客を引きつけている間に、今日子さんを帰しました。その様子を、星名さんが悔しそうに見ていました。

発表会の終了後、会場の外で待っていた吉崎さんに事情を訊かれた今日子さんは、吉崎さんが助けてくれたことに心の中では感謝しつつも、吉崎さんには関係ない、私なんかに関わらないでくださいと言い残してその場を去りました。

会社に戻った今日子さんは、星名さんの言う通りにしたのだからこれで星名さんに振り向いてもらえると星名さんを探し回ったのですが、見つけた星名さんは、星名さんの部屋に行きたいと言う飯田さんに鍵を渡しているところでした。まだ振り向いてもらえないと分かった今日子さんは、「本音は何だ」と問う八木さんに、私は卑劣なことを考えていますと言い出すと、突然提出していた「自然体になれるランジェリー」という企画書を破り捨てると、代わりに「抱きたくなるランジェリー」という企画書を提出し、突き返してくる八木さんに、堀田さんに負けるのか怖いのですかと言いました。八木さんと堀田さんは同期のライバル関係にありました。今日子さんは、男性に媚びるランジェリーを作ってもいいのではないかと言うと、メンズにいた経験を活かしてほしいと八木さんに訴え、飯田さんのいる堀田さんのチームに勝ちたい気持ちを前面に出しました。

その後、会社から帰宅途中の今日子さんは、吉崎さんが成川映美(中村アンさん)と路上でキスをしている現場を目撃したのですが、吉崎さんを見ないように、はっとしている吉崎さんの脇を通り過ぎていました。

その頃、星名さんは、飯田さんが待っている自宅マンションの部屋に帰り、谷山祥子という人物からの封筒を見つけて、中の手紙を読みました。そこには、母親が出所するというようなことが書かれていました。

脚本は徳尾浩司さん、演出は福田亮介さんでした。

向井理さんの演じる星名さんの「キョドコのくせに」が少し怖いのですが、今日子さんが星名さんにこだわっているのと同じように、星名さんが今日子さんにこだわっていることにも何か理由があるのかもしれません。

挙動不審の今日子さんに興味があるらしい、ムロツヨシさんの演じる漫画のスズキさんも面白いです。スズキさんの存在が、おしゃれな雰囲気なのに何となく重い感じのするこの恋愛ドラマ?の中のアクセントになっているという印象です。

今日子さんがいつも身に着けている巻物の「ねじねじ」(俳優の中尾彬さんの巻物のようなねじねじです)は、大学時代の星名さんが今日子さんの「編み込み」の髪形の代わりに作ったもので、今日子さんにとっては、そのままの自分でいいということを初めて他人に認められたことのの象徴ということなのだろうと思うのですが、編み込みの髪形は母親(中島ひろ子さん)が、その代わりとなったねじねじは星名さんが、今日子さんの心を縛り付ける鎖になっているということなのかもしれないなと思います。

今日子さんと星名さんは共依存の状態になっているのかなとも思うのですが、そのコンプレックスの背景にはいわゆる「毒親」の存在があるようです。星名さんは、自分自身の傷を埋めるために、今日子さんの心を深く傷つけようとしようとしているようにも見えます。

それから、今回は、星名さんのために新作ランジェリーの発表会のショーに出た、吉岡里帆さんの演じる今日子さんの場面が少し衝撃的だったのですが、この場面を興味本位的に第3話の予告編のCMに使わなかった(少なくとも私が見た第3話の予告CMの中には使われていませんでした)スタッフの方の判断はすばらしいと思いました。

「恋愛ドラマ+お仕事ドラマ」という風に見るとまだよく分からないようにも思えるのですが、このドラマは登場人物の複雑な心理が面白いドラマであるように思います。何となく物語の続きが気になりながら、最後まで見てしまいます。

あと、今回のドラマのサブタイトル?の解説には「目を覚ませダメ女!」と書かれていたのですが、今日子さんは「ダメ女」ではないように思います。今日子さんを「ダメ女」という括りにして突き放すことはできないように思えます。傷つきながら星名さんを追い求める今日子さんに共感できるというわけではないのですが、ドラマを見ていると、何となく理解はできます。

「トドメの接吻」第4話

日本テレビの「日曜ドラマ」の「トドメの接吻(キス)」の第4話を見ました。

個人資産100億円のホテル王・並樹グループの令嬢の並樹美尊(みこと、新木優子さん)が血のつながっていない兄の尊氏(新田真剣佑さん)と婚約したことを知った東京新宿の歌舞伎町のホストクラブ「ナルキッソス」のNo.1ホストの堂島旺太郎(山﨑賢人さん)は、佐藤宰子(門脇麦さん)を雑居ビルの屋上に呼び出し、旺太郎さんのことを自分のことしか考えない寂しい人だと評し、キスはしないと言う宰子さんの目の前で屋上から飛び降り自殺を図り、驚いて困惑しながらも助けることにした宰子さんのキスの力によって、後輩ホストの小山内和馬(カズマ、志尊淳さん)から美尊さんを守った直後の7日前の、1月11日の病院に戻りました。

尊氏さんの先を越したい旺太郎さんは、その場で美尊さんに結婚してくださいとプロポーズをし、翌日から乗馬倶楽部に通い始め、美尊さんと親しくなっていきました。その夜、社長の並樹尊(山田明郷さん)が危篤状態になり、社長秘書の新井郡次(小市慢太郎さん)から密かに12年前のクルーズ船の事故の防犯カメラの映像が収められているというテープを見せられた尊氏さんは、義妹の美尊さんと結婚して会社を継ぐよう言われました。社長が一命を取り止めた後、尊氏さんは、迷いながらも美尊さんに話しかけようとするのですが、しかし、尊氏さんがプロポーズをすることを知っている旺太郎さんが美尊さんのそばをなかなか離れないのでした。

尊氏さんを美尊さんから引き離した旺太郎さんは、地元の友人から送られてきたという結婚式の招待状のカードを落とし、それを拾った美尊さんに、「堂島旺太郎」が自分の本当の名前だと伝えました。子供の頃には良い思い出がないと言う旺太郎さんを説得しようとした美尊さんは、旺太郎さんの友人の結婚式に付き添うことにし、14日、その結婚式に参加しました。

美尊さんは、旺太郎さんの友人である新婦(大西礼芳さん)から、旺太郎さんは子供の頃に両親が強盗に殺されているのだという話を聞き、結婚式後の誰もいない教会で、天涯孤独の旺太郎さんを守りたい気持ちに駆られていたのですが、旺太郎さんの過去の話は嘘であり、新婦は旺太郎さんに雇われた協力者でした。

それとは知らない美尊さんは、あのホストは財産目当てだと言う兄の尊氏さんに、あの人はそんな人じゃないと言い返し、いつもお兄ちゃんに守られてきたけれど初めて男の人を守りたいと思ったと話していました。

旺太郎さんは、美尊さんの苦手な赤いバラの花束を持って病院の美尊さんの「パパ」に挨拶に行こうとしていたようだったのですが、ホームレスの青年(菅田将暉さん)にそのことを話している時、背後に宰子さんが現れ、パパには会えない、と突然キスをしました。ホームレスの青年は、旺太郎さんと宰子さんがキスの直後に死ぬのを目撃しました。

7日前の1月14日の教会に戻った旺太郎さんは、食事に行こうと言う美尊さんの誘いを断り、時間を戻した宰子さんに文句を言うために会いに行ったのですが、部屋で落ち込んでいた宰子さんが、祖母の死ぬ前に戻ったことを知ると、会っても死ぬと言う宰子さんを、会えないほうが辛いと説得しました。

特別養護老人ホームのベッドの上で苦しんでいた祖母は、お見舞いに来た宰子さんの姿を見て、よく来てくれたねと喜ぶと、少し元気を取り戻したようでした。宰子さんは、外のベンチに座っていた旺太郎さんに、前(タイムリープ前)より長く生きていると伝えました。宰子さんは、子供の頃事故に遭って二人の男の子に助けてもらったのにその二人は死んでしまった、自分だけ幸せになるわけにはいかないと旺太郎さんに話し、旺太郎さんは、自分も昔事故に遭ったと話すと、俺たちは幸せになれる、またキスしたくなったらいつでも言えよと明るく言ってその場を立ち去りました。宰子さんが病室の祖母から幸せになってねと言われているのを陰で見届けた旺太郎さんは、キスの契約成立を予想して喜んでいました。

その頃、病室の社長のお見舞いへ行った尊氏さんは、美尊を支えてくれ、約束を忘れるなと養父に言われ、12年前の約束を思い出していました。クルーズ船のクリスマスパーティーを楽しんでいた小学生の尊氏さんは、養子だけれど家族には愛されていると思っていた時、養父母である美尊さんの両親が、美尊が生まれると知っていれば尊氏を養子に迎えなかったと話しているのを偶然聞いてしまい、ボイラー室で一人で泣いた後、持っていたクリスマスプレゼントの馬の像を投げつけ、機械を壊してしまったようでした。それがきっかけで火災が発生し、船は沈没したようだったのですが、その尊氏さんが像を投げて機械を壊す様子が防犯カメラに映っていたのでした。

尊氏さんは、その映像を隠蔽することにした養父から、美尊を支えて生きるよう約束させられました。病室の尊氏さんは、社長に、12年前の約束なら憶えていますと答えた後、陰で支える人生にはうんざりだ、これからは好きにさせてもらうと社長に断言し、発作に苦しみ出した社長がナースコールに手を伸ばそうとしているのを見下ろしていました。

社長が亡くなると、尊氏さんは、美尊さんに、養子関係を解消する、美尊と会社を守りたいから結婚してくれとプロポーズしました。美尊さんは戸惑っていたのですが、結婚話は進んだようで、役員会議で尊氏さんの新社長就任が決定しました。

社長が死亡したことを知った旺太郎さんは、過去が変わっていることに驚いていました。宰子さんは、無事に看取ることができたらしい祖母の遺品の入ったみかん箱を抱えて歩いている時、底が抜けて遺品を拾っている中に、12年前の海難事故後に祖母から事情を訊かれた時に見せられた、「光太」と書かれた白い靴を見つけました。宰子さんは、その光太さんが旺太郎さんの弟であることをまだ知りません。宰子さんは、ホームレスの青年に、どこかで会ったことがあると話しかけられていました。

脚本はいずみ吉紘さん、演出は明石広人さんでした。

第4話も、面白かったです。新社長への野望に突き進んでいく最後の尊氏さんの表情も良かったです。

宰子さんのキスでタイムリープする世界に変化が出てきました。菅田将暉さんの演じるホームレスのミュージシャンのことは、まだほとんど描かれていないのですが、宰子さんと旺太郎さんがキスで作り出した平行世界(パラレルワールド)を自由に行き来することのできる人のようでもあり、あるいは、時間の影響を受けない人のようでもあります。

Ken Araiさんのオープニングの音楽も楽しいですし、旺太郎さんと尊氏さんという野心家同士の対決も、面白くなりそうです。

野心というか、幸せになりたいと願う強い気持ちと行動力が今生きている世界を変えるということなのかなと思いました。

宰子さんと旺太郎さんがベンチで話していた場面も良かったです。宰子さんは、自分を助けてくれた少年たちが死んで自分一人が助かったと思い、自分だけ幸せになってはいけないと考えていました。宰子さんも旺太郎さんがその時の少年だとは気付いていないのですが、旺太郎さんも、宰子さんが12年前に自分と弟が助けようとした少女だとは全く気付いていません。

宰子さんの祖母が光太さんの白い靴を持っていたということは、旺太郎さんたち家族はその靴を事故後一度も見ていないということでしょうか。宰子さんのキスには、記憶を持ったまま7日前に時間を遡る(その世界では死んで7日前の世界の自分として生き返る)という力(旺太郎さんは「神の力」と呼んでいました)があるのですが、もしもその日のうちにすぐにキスを繰り返したなら、7日前、14日前、21日前という風に、タイムリープすることもできるのでしょうか。できるとするなら、どのくらい前まで遡ることができるのでしょうか。何となく、少し気になってしまいました。

「西郷どん」第4回

NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第4回を見ました。

第4回は、薩摩藩の重臣で師匠のような存在の赤山靱負(沢村一樹さん)の切腹と父親の西郷吉兵衛(風間杜夫さん)による介錯の一部始終を見届け、父親から赤山さんが着ていた血染めの白装束を渡されて泣き崩れた西郷吉之助(鈴木亮平さん)が、薩摩藩の悪政を終わらせるため、江戸薩摩藩邸の島津斉彬(渡辺謙さん)に手紙と赤山さんの遺品の白装束を送り、現藩主の島津斉興(鹿賀丈史さん)を引退させる決心をし、薩摩へ戻って来た江戸生まれ江戸育ちの島津斉彬を新しい薩摩藩主として、村人たちと共に歓迎する、という話でした。

脚本は中園ミホさん、演出は野田雄介さんでした。

赤山さんを目の前で失った直後の吉之助さんの世界が白黒で表現されていたのも良かったです。白装束の血の赤を見て、斉興の側室の由羅(小柳ルミ子さん)を斬りに行こうと走り出した吉之助を、父親が必死に止めていました。

赤山靱負という人を私はこの「西郷どん」のドラマを見るまで知らなかったのですが、鹿児島では有名な方なのだろうと思います。西郷さんが尊敬していた人ということならきっと立派な人なのだろうと思うのですが、よく知らないので、いつか歴史番組(NHKなら「歴史秘話ヒストリア」や「知恵泉」のような番組)で特集されるといいなと思います。

あれほど民衆たちが力強く島津斉彬を歓迎していたのが事実なら、斉興の政治は本当に酷いものだったのだろうとも思いました。

藩主が島津斉彬に代わった後、薩摩藩の政治は良くなったのでしょうか。斉彬さんが江戸生まれの江戸育ちだということを私は今まであまり考えたことがなかったのですが、江戸で得た知識の他に、江戸で培った感覚のようなものも、斉彬さんの薩摩藩の政治に役立っていたということなのかもしれないなと思いました。

ところで、Eテレの「100分 de 名著」では、今は西郷隆盛の『南洲翁遺訓』が特集されているのですが(解説は先崎彰容さんです)、これもとても良いです。このように豊かな思想(純粋なので使う人によっては危険な思想にもなり得るようですが)を持つ日本人を明治新政府は失ってしまったのだなという寂しさもあるのですが、明治以後の日本社会の未来(現代)を予見しているような、西郷さんの先見の明に驚きます。

「未解決事件 File.06 赤報隊事件」第1夜と第2夜

NHKの「NHKスぺシャル」の「未解決事件 File.06 赤報隊事件」の第1夜「実録ドラマ」と第2夜「ドキュメンタリー 赤報隊事件 戦慄の銃弾 知られざる闇」を見ました。

第1夜の「実録ドラマ」は、「精霊の守り人~最終章~」の最終回の放送前の時間の、午後7時半から8時45分頃まで放送されていたものです。私はこのNHKの「未解決事件」のシリーズを見ているので、「未解決事件 追跡プロジェクト」でキャスターを務めていた草彅剛さんが「未解決事件」の大型シリーズの6作目の実録ドラマで主人公を演じるということを知り、その点でも見るのを楽しみにしていたのですが、6作目が「赤報隊」を扱うと知った時には少し驚きました。驚いたというか、今の安倍政権の時代に大丈夫なのかなと、何となく心配に思ったという感じでもあります。

1987年の5月3日(日曜日)の午後8時15分、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局に侵入した「目出し帽」の男が、2階の編集室の黒いソファに座って話をしていた3人の記者の内、小尻知博記者と犬飼兵衛記者に向けて猟銃の散弾銃を発砲し、撃たれなかった高山顕治記者の通報によって病院に搬送された小尻記者は深夜の1時過ぎに死亡、携帯していた金属のボールペンによって一命を取り止めた犬飼記者は右手の小指と薬指を失ったということでした。

その約3か月前の1987年の1月には、朝日新聞の東京本社の2階の窓ガラスが散弾銃で撃たれるという事件が発生し、「日本民族独立義勇軍 別動 赤報隊一同」を名乗る人物による犯行声明が出されたそうなのですが、5月3日の朝日新聞阪神支局での小尻記者殺害事件以降の犯行声明文(時事通信社と共同通信社に送られてきたようでした)には「赤報隊一同」とだけ書かれるようになったそうです。

その後の「赤報隊」による事件としては、1987年9月には朝日新聞名古屋本社の社員寮が襲撃されるという事件、1988年3月11日には朝日新聞静岡支局に時限爆弾が仕掛けられるという事件、その同じ日には中曾根康弘元総理大臣と竹下登元総理大臣の事務所に脅迫状が送り付けられるという事件、1988年8月には「リクルート事件」の江副浩正リクルート元会長の自宅に散弾銃が発砲されるという事件、平成時代に入った1990年5月には名古屋の愛知韓国人会館が放火されるという事件が起きたと報道されています。

「赤報隊」による事件は「広域重要指定116号事件」と呼ばれていたそうなのですが、当時の殺人の自公は15年だったため、2002年の5月3日には朝日新聞阪神支局の小尻記者殺人事件は時効となり、2003年の3月11日には「116号」に指定された「赤報隊」関連の全ての事件が時効となったのだそうです。

実録ドラマは、同僚を殺された朝日新聞の記者たちが警察とは別に独自に犯人を捜し出すために結成した「特命取材班」の一人に選ばれた、殺された小尻記者(笠原秀幸さん)の後輩の樋田毅記者(草彅剛さん)が、仲間の辰濃哲郎記者(上地雄輔さん)や粕谷卓志記者(長谷川朝晴さん)、岡田伸之記者(丸山智己さん)たちと共に、事件関係者として名前の挙がってきた右翼系の宗教組織や右翼団体の人々の居場所を突き止め、直接話を聞きに行くというものでした。

「犯行声明文」(番組内では全てが朗読されていたわけではありませんでした)に書かれていた「反日分子を処刑する」という感じの文章を読んだ記者たちの間には、右翼関係者かもしれないという意見もあれば、右翼関係者と見せかけているだけなのかもしれないという意見もありました。ただ、最終的には「特命取材班」の記者たちは、(銃の扱いになれている元自衛隊員?)の右翼団体関係者の中に犯人、または犯人を知る人がいるのではないかという風に推理していったようでした。

言論を暴力によって封じようとする行いは言論の自由を求める全ての国民に対する暴力であるという趣旨の考えを、草彅剛さんの演じる樋田記者は、村田雄浩さんの演じる右翼の人に力強く訴えていました。樋田さんの話を聞く前の、村田雄浩さんの演じる右翼の人が、激昂しながらも樋田記者のことを「樋田さん」と丁寧に呼んでいたことも、私には少し印象的だったのですが、これは事実なのでしょうか。

2017年の12月に、65歳の樋田さんは朝日新聞社を定年退職したそうです。ドラマでは、退職した樋田さんは、上地雄輔さんの演じる辰濃記者に、小尻記者を殺した犯人が見つかるまでこの事件を追い続けると話していました。現在でも、実際に事件を追い続けているそうです。

脚本は田子明弘さん、演出は谷川功さんでした。語りは、伊東敏恵アナウンサーです。番組のテーマ曲の、川井憲次さん作曲のおおたか静流さんの「ラビリンス」が相変わらず良いです。

ドラマの中で樋田さんが訴えていた、言論を暴力で封じようという行いは自由を求める全国民への暴力に等しい、言論には言論で戦うべきだという意見は、正しいと思います。

事件を起こした人物が使った「赤報隊」は、幕末の赤報隊から取ったのではないかと言われています。赤報隊は、幕末に官軍となった長州藩と薩摩藩の新政府軍の一部隊として旧幕府軍に対抗していたのですが、後に新政府から偽官軍との烙印を押されて消された部隊です。駿河の侠客の清水次郎長の“敵”として時代劇などに登場する甲斐の侠客・黒駒勝蔵も、赤報隊に入っていたそうです(黒駒勝蔵は明治新政府に処刑されました)。

「赤報隊」を名乗る人物が起こしたテロ事件の中で、実際に人が殺傷されたのは、小尻記者が殺され、犬飼記者が重傷を負った「朝日新聞阪神支局襲撃事件」のみのようです。「犯行声明文」を出した「赤報隊一同」が本当に犯人なのか、犯人は(小尻記者と犬飼記者を殺傷した人のように)一人なのか、それとも複数者なのか、右翼団体関係者なのか、左翼団体関係者なのか、新聞記者たちの「特命取材班」はともかく、警察は全く犯人にたどり着くことができなかったのでしょうか。

15年とされていた殺人事件の時効が撤廃されたのは、2010年です。「赤報隊事件」も「未解決事件」なので、小尻記者を散弾銃で殺した殺人犯を、警察は捕まえることができなかったということになりますが、本当に残念なことだと思います。

「赤報隊事件」のようなテロ事件は、今でも起こりそうなテロ事件に思えます。先日には、奈良県の安堵町の増井敬史さんという町議員の方がフェイスブックに投稿していたという差別主義的発言が問題になっていましたが(「オウム真理教」の事件関連の中で報道されていた、「ポア」という殺人を示唆する言葉をその方が普通の日本語のように使っていることにも驚きました)、報道で紹介されていたその文章も、日本のためだと言いながら「反日」や「反中」や「反韓」や「工作員」というような言葉(書店の棚にこのような言葉が使われたタイトルの本が積まれているのを見かけると、何か寂しい気持ちになります)を使って、自分の考えと合わない人を排除しようとする、実録ドラマの中で伝えられていた「赤報隊」を名乗る人物による「犯行声明文」の言葉によく似ているものだったように思います。

自民党議員の安倍首相の夫人の昭恵さんと何度も会っていたという日本会議の元会員で学校法人・森友学園の元理事長の籠池泰典さん(昨年の夏に詐欺容疑で逮捕された籠池夫妻はなぜか半年ほど経った今も大阪拘置所に勾留中のままなのだそうです)も、日本初の神道の小学校を建設・開校するための大阪府豊中市の国有地払い下げ事件発覚後の当初には、記者会見の場で、「朝日新聞は嫌いだ」と言っていました。

第1夜の後の「ETV特集」では「砂川事件 60年後の問いかけ」(岸信介政権下の日本政府が在日アメリカ軍を「日本国憲法」に違反していないと認めさせた経緯が伝えられていました)が再放送されていました。そして、昨日の大河ドラマ「西郷どん」第4話の後の夜9時に放送されていた第2夜「ドキュメンタリー 赤報隊事件 戦慄の銃弾 知られざる闇」では、竹下登総理大臣が「赤報隊」を名乗る人物に脅迫されたことの被害届が島根県警に提出されたにもかかわらず、島根県警はなぜか机の引き出しにしまったまま公表せず、捜査もしなかった上に、兵庫県警などの他県警にも伝えなかったということが今回の取材で明らかになった、ということも伝えられていて、驚きました。

番組で伝えられていたことによると、脅迫されているということが世間に知られると現職の総理大臣のイメージが悪くなるという風に考えた人が島根県警察署内にいたらしく、「忖度」によって竹下登総理大臣を脅迫した犯人の捜査をしなかったようなのですが、脅迫されている側のイメージが悪くなるという発想も、捜査をしないことがなぜ現職総理のためになるのかも、よく分からないことのように思えました。

「グリコ・森永事件」や「ロッキード事件」の時もそうでしたが、今回の「赤報隊事件」でも、取材内容を聴いていると、警察の上層部が途中で現場の捜査を中止にしているようなところがあるように思えるのですが、もしもそうなのだとすれば、警察の上層部や政治家の一部は、犯人が何者なのかを本当は知っているということにもなるような気がします。

何となくなのですが、一般市民の私には、警察の「未解決事件」の中には、単純な理由で「未解決事件」になってしまっているものと、複雑な裏事情があるために「未解決事件」と見せかけてうやむやにしているものとがあるように思えます。

インタビューに答えていた、大正生まれの91歳という石原信雄元内閣副官房長官は、竹下登元総理大臣から村山富市元総理大臣の頃までの7つの内閣の副官房長官を務めた方だそうです。今、朝日新聞の記者を殺した「赤報隊事件」の犯人を賛美する人たちが出てきているということについて(デモ隊の報道映像は衝撃的でした)、石原さんは、自分たちと異なる意見を持つことを問答無用で排除しようとした戦前の「二二六事件」の頃の国粋主義につながるという趣旨のことを話し、異なる意見を持っているということをそれぞれがお互いに認めなくては社会は成立しない、民主主義には我慢強さが必要だと伝えていました。

私は「右翼」や「左翼」が何なのかをよく知らないのですが、昨日のドキュメンタリーによると、「右翼」の人の中にも、右翼が「赤報隊事件」の犯人なら「侍」なのだから(日本社会党の浅沼稲次郎委員長殺害事件のように)顔も名前も出すはずだと言う方もいれば、自分たちが「赤報隊事件」の犯人なら捕まってしまうのだからそうだと言うはずがないと言う「侍」とは反対の方もいて、例えば「仏教」や「キリスト教」にいろいろな宗派があるように、「右翼」と一言で言ってもその中にはいろいろな種類があるのかもしれないなと思いました。

「赤報隊」を名乗った人物によると、「テロリスト」は国内にたくさんいるそうです。私には1年半前に神奈川県相模原市の障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件もテロ事件に思えているのですが、日本国内でテロ事件を起こすのは、有名なイスラム過激派組織「IS」やアフガニスタンの反政府勢力「タリバン」などの外国の人たちだけではないということを、自分たちの信じる「正義」や「大義」の実現のための暴力行為や殺人であるなら「愛国者」が行う正しい「義挙」なのだとテロを容認する(ごく一部の)「右翼」の方たちの出演していた昨夜の番組を見ていて改めて思いました。

私は、昔には、「右翼」の人々は謎のカーキ色や黒色の街宣車で大きな音を出しながら道路を走る少し怖い感じの人々だと単純に思っていたのですが、その後、(雰囲気は怖そうだけれど)天皇皇后両陛下を尊敬しているのなら実は善良な人たちなのかもしれないなどとも思うようになっていました。

一方で、天皇家の方々のルーツは朝鮮半島にあるとも言われていて、天皇家の方々もそのことは認めていらっしゃるそうです。でも、番組で流れていた映像の、道路を歩きながら「赤報隊事件」を称賛していたデモ隊の方たちが持っていた旗の中には、「反日」や「在日特権を許さない」という言葉の書かれた旗がありました。この赤報隊事件賛美デモを行っていた方たちが「右翼」の方たちなのかどうかは私にははっきりとは分からないことではあるのですが、もしも「右翼」なのだとするのなら、天皇家の方々のルーツが朝鮮半島にあるということを皇室の方々がごく自然に受け止めていらっしゃるのに、そのデモ隊の人々がどうして朝鮮半島にルーツを持つ人々のことを悪く言い、排除したい人々のことを「在日朝鮮人」と呼ぶのかということが、よく分からないことにように思えます。それとも、その方たちは、天皇皇后両陛下や皇族の方々のことを尊敬していない種類の「右翼」?の方たちなのでしょうか。番組を見て、「右翼」にもいろいろな種類があるかもしれないとは思ったのですが、やはり少し不思議に思えます。

番組で紹介されていた「赤報隊一同」を名乗る人物による「犯行声明文」の文書の日付には、「皇紀(神武紀元)」が使われていたように見えました(一瞬そう見えただけなので、もしかしたら記憶違いかもしれません)。今年は、元号では平成30年、西暦では2018年ですが、皇紀では2678年になります。初代天皇とされている神武天皇(実在の人物なのか神話上の人物なのかは不明だそうです)が即位した年という皇紀元年は紀元前660年に当たるということですが、先日の群馬県の草津の本白根山の噴火は約3000年ぶりだということなので、それが本当だとするなら、普通に考えると、紀元前7世紀代の縄文時代晩期というところは同じだとしても、初代天皇とされている方は前回の本白根山の噴火の頃にはまだ日本に存在していないということになります。

長く続いていたという縄文時代の前には旧石器時代もありますし、(地球の歴史と比べるとさすがに短いですが)日本列島に人間たちが暮らしている歴史は長いなと思います。

小尻記者を殺した犯人が使ったという「赤報隊」という名称が、幕末の「赤報隊」に因んだ意味なのか、戦前に「共産主義者」のことを指していたという「赤」に「報いる」という意味なのか、ということも分かりませんが、「赤報隊」を名乗った人物による朝日新聞の小尻記者と犬飼記者を殺傷した事件は、今も続いている、ヘイトスピーチ問題を含む社会問題の象徴的なものでもあるということなのかもしれないなと思いました。

当時警察に疑われたという宗教団体の具体的な名称などは伏せられたりもしていましたが、今回の2夜連続の、草彅剛さんが樋田記者を演じていた実録ドラマとドキュメンタリーの「未解決事件 File.06 赤報隊事件」も良かったです。

あと、これはNHKの「未解決事件」の番組自体とは関係のないことなのですが、1987年5月3日の「朝日新聞阪神支局襲撃事件」は、「朝日新聞阪神支局記者殺傷事件」というような事件名に変えたほうが良いような気がします。「襲撃事件」では、「殺傷事件」だということが伝わり難いように思えるからです。
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