「美の壺」の図書館の特集と、TBSの特番の中田英寿さんのことなど

昨夜のNHKのBSプレミアムの「美の壺」は、図書館の特集でした。図書館には、今、家庭や学校とは異なる“第三の居場所”としての役割が求められているということが番組の中でも言われていたのですが、実際にそのような場所であるように思いますし、これからもそのような場所であってほしいと思います。私も、学校の中では教室よりも図書室のほうが好きでしたし、学校に居たくない時に図書館へ行ったこともあります。そこに自由に読むことができる本がたくさんあるというだけで、息苦しさや憂鬱さから少し解放されるような気がします。

紹介されていたいくつかの図書館を見ながら、地方都市には大きくてきれいな図書館がたくさん作られているのだなと驚いたのですが、その中の一つの図書館は、先日に最終回を迎えたTBSのドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」の近未来的な雰囲気だった「桃乃園学院」でした。坂茂さんという方が設計した、東京の武蔵野市にある成蹊大学の図書館なのだそうです。私は知らなかったのですが、もしかしたら有名な図書館なのかもしれませんし、私が気付かなかっただけで、「花のち晴れ」のエンドクレジットにも学校名などが書かれていたのかもしれません。

私の通っていた学校の図書館は、特別なおしゃれ感のない、ごく普通の図書館でした。全体的にやや薄暗くて、床は軋む音のする木の板で、窓からは校舎の中庭が見えたのですが、本棚のすぐ上の低めの天井には、倉庫のような無機質な蛍光灯の照明がついていました。図書館に来ている学生の数がいつも比較的少なかったので、誰もいないと思っていた場所での突然の物音に驚くということも度々ありましたが、本や新聞や雑誌を読んだり、持っていったラジオを聴いてみたり、置いてあるパソコンを使ってみたり、誰にも干渉されずにのんびりと自由に過ごすことのできる、好きな場所でした。


ところで、これは図書館とは全く関係のないことなのですが、昨夜、TBSでは「緊急生放送」としてFIFAワールドカップ2018ロシア大会の日本代表の特別番組が放送されていました。極楽とんぼの加藤浩次さんと俳優の竹内涼真さん司会の番組でした。その中で、前園真聖さんが“旅人”の中田英寿さんにインタビューをしていたのが、短かったのですが、面白かったです。今は日本酒を海外に紹介する会社の社長をしているという中田英寿さんは、サッカー選手になったばかりのことはお酒を好きではなく、全く飲まなかったそうなのですが、前園さんにお酒を飲まされるようになってから、次第に慣れて?お酒を好きになっていったのだそうです。おしゃれな内装の会社で担当者と話していた中田英寿さんは、梅酒味のキットカット?の開発に関わっているようだったのですが、前園さんと話している時の中田英寿さんの楽しそうな雰囲気が良かったです。

中田英寿さんはサッカーをするのが好きで、見るのは別に好きではないそうです。日本代表の試合は、それなりに、何となく気にはなっているようでした。今の西野監督の日本代表については、今回のワールドカップで結果を出せばいいという考えでは日本のサッカーのためにはならないと思うと話していて、外国人監督の契約を打ち切って日本人監督にするくらいなら最初から日本人監督にして3大会を任せるようにするなどしたほうがいいし、外国人監督にするにしても2大会は任せるようにするなど長期の計画で考えないと積み上げることができないというような趣旨のことを話していました。私には、中田英寿さんのその意見は正しいようにも思えたのですが、スタジオの方々は、代表監督のことについて特に何もコメントしていませんでした。

中田英寿さんがテレビで日本のサッカーについて話すのは珍しいので、前園さんにはもっと訊いてほしいようにも思えたのですが、中田英寿さんの的確な考えは日本サッカー協会の方針とは相容れないということなのかもしれないなとも思いました。


あと、昨日の報道によると、アメリカを除く11か国が参加した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)関連法案や、過労死の遺族の方たちも反対していた残業という概念をなくす「高度プロフェッショナル制度」を含む8本の労働法改正案を1本にまとめた「働き方改革関連法案」が、参議院で賛成多数により可決・成立したということなのですが、法案を提出した与党の自民党と公明党の議員は一人も反対しなかったのでしょうか。著作権保護期間がアメリカに合わせて50年から70年に20年延長されるという改正案も謎に思えるのですが、経営者側の希望によって作られたという「高度プロフェッショナル制度」は、政府によるデータの捏造が指摘されていた「裁量労働制」の一種ということなので、制度の開始後すぐには広がらないとしても、今のような政府が続くのなら、年収や職業の規定が少しずつ変えられて、適用範囲が拡大されていく恐れというものはあると思います。

西日本では大雨の他に竜巻や突風の被害もあったそうなのですが、東日本では早くも梅雨明けしたそうで、6月に梅雨明けをするのは1951年の観測以来初めてのことなのだそうです。1日の内には様々な種類のニュースがあるので、情報弱者の私は、報道番組等で一般に伝えられていることを意識して見たり聴いたりしなかったなら、“世の中”の出来事などすぐに分からなくなってしまうのだろうなと思います。

昨夜のサッカー日本代表の試合、「ドカベン」、「働き方改革関連法案」のことなど

昨夜、フジテレビで生中継されていたFIFAワールドカップ2018ロシア大会の日本代表とポーランド代表の試合を、また眠い気持ちになりつつ見ていました。

TBSでは、安住紳一郎アナウンサー司会の「CDTV'18上半期SPエンタメまとめ総決算」という生放送の歌番組があって(9時台にはKing & Princeが「シンデレラガール」を披露していました)、その番組が終わる頃に丁度試合が始まるという感じでもありました。NHKでは、同じグループHのコロンビア代表とセネガル代表の試合が生中継されていました。

ボルゴグラードの気温は36度だったそうなのですが、湿度は約30%と低かったようです。スタートメンバーは6人が入れ替わっていました。コロンビア代表が先制点を取ったという状況のまま、引き分け以上なら決勝トーナメントに進めるという日本代表は、ポーランド代表に先制点を取られた状況で、後半の40分頃に長谷部選手が入った後、後ろでずっとパス回しをしていていて、何だろうと思っていたのですが、それは時間稼ぎをするための作戦だったようでした。

「このまま行けば日本代表は決勝トーナメント進出」というような字幕が画面に出ていました。私は「フェアプレーポイント」というものを知らなかったのですが、このロシア大会で初めて導入されたという、イエローカードやレッドカード(警告や退場)の数によってマイナス点になるという「フェアプレーポイント」によって、1-0でポーランド代表に負けた日本は、勝ち点4・得失点差0・総得点4でセネガル代表と並んでも、セネガル代表に勝ったコロンビア代表と共に、決勝トーナメントに進出することが決まったということでした。

良い内容の試合というわけではなかったようにも思えますし、攻めることなく(敗退が決まっていたポーランド代表も1点取って勝つという状況を守ろうとしていましたが)時間稼ぎのパス回しをして終わったという決勝トーナメントの進出の仕方には、どうなのかなと思ってしまう部分もあるのですが、あまりすっきりしない決勝トーナメントへの進出の仕方だったとしても、進出すること自体は良いことですし、これはこれで「日本らしいサッカー」ということなのかなとも思いました。

10人になったコロンビア代表との試合に勝ち、動きの速いセネガル代表との試合に引き分け、後のないポーランド代表との試合に負けた日本代表ですが、決勝トーナメントに進出すること、16強に入ること自体が「勝つ」ことであるなら、この勝ち方で良かったのかなという風に疑問に思えてしまう部分はどうしてもあって、イエローカードを出されるかもしれないというリスクを恐れた西野監督の時間稼ぎのパス回しの作戦が(今のところ)決してルール違反ではないのだとしても、やはり最後まで正々堂々と戦ってほしかったように思います。

昨夜の試合を(眠くなりながらですが)見ていた一視聴者の私としては、少し複雑です。「(決勝トーナメントへの進出が決まったという)結果が全て」ということなのかもしれないのですが、この試合を見ていたであろうサッカーを好きな日本中の子供たち、世界中の子供たちはどのように思ったのかなということや、引き分けに持ち込むつもりで最後まで戦い抜くことができるくらいの実力が今の日本代表にはもう少し足りないということを西野監督自身が判断した結果でもあったのかなということも、何となく思いました。決勝トーナメントでは、日本代表はベルギー代表と試合をすることになるそうです。


ところで、私は昨日知ったのですが、1972年から続いていた水島新司さんの漫画『ドカベン』シリーズが46年の歴史に幕を下ろしたのだそうです。水島新司さんは、もうすぐ80歳になるそうです。NHKの「クローズアップ現代+」では、「人生を変えるスポーツ漫画 ~ドカベン その半世紀が残したもの~」という『ドカベン』の特集が放送されていました。私は、昔にテレビで再放送されていたアニメの「ドカベン」を見ていました(昔は朝や夕方にアニメの本放送や再放送がありました)。野球のことはよく知らなかったのですが、野球部を強くするために様々な特技のある人をスカウトするというところも面白くて、“ドカベン”の山田太郎や葉っぱをくわえている岩鬼やピアノの得意な殿馬さんや繊細な里中君などの個性的で優しいキャラクターたちが好きでした。

スポーツアニメとしては、サッカーを知らなくてもアニメの「キャプテン翼」は見ていました、バスケットボールを知らなくても「スラムダンク」は見ていました。私は最近ほとんど漫画を読んでおらず、約30分の連続アニメもあまり見ていないのですが、私が知らないだけで、面白い作品は今も新しく作られているのかもしれません。


昨夜のNHKやTBSやテレビ朝日の報道番組では、明日の(つまり今日ですが)国会で「TPP」や、残業時間という概念をなくすことで過労死する人をさらに増やすことになると警告されている「高度プロフェッショナル制度」を含む、8つの労働法改正法案が1つにまとめられた「働き方改革関連法案」の採決が行われて、可決・成立する見通しであるということが報じられていました。

「高度プロフェッショナル制度」は、日本の多くの一般国民の労働者たちからの要望ではなく、安倍内閣の支援者である経済界の人々からの要望で作られた経営者側のためのものだということを、安倍首相自身も認めたそうなのですが、この法案が成立するということは、安倍内閣がアメリカ政府や経団連の意向に従う内閣だということを改めて露呈する出来事であるような気がします。加藤厚生労働大臣も含め、安倍政権の与党議員たちの答弁は本当に酷いと思いますが、それでも安倍内閣を支持するという約40パーセントの国民の方たちが、弱い立場の人々に寄り添う考え方をしない与党議員たちの不誠実さを不気味に思うようにならない限りは、与党の提出する怪しい法案が“強行採決”的に通ってしまう今の政治の状況は変わらないのかもしれないなと思います。

東日本大震災の頃、当時の与党・民主党が原発事故関連の議事録を残していなかったということを報道で知って酷いと思いましたが、その頃の民主党の政治手法の悪い部分を引き継いでしまったのが今の与党・自民党(と公明党)の安倍政権であるような気がします。


それにしても、熱中症になりそうなくらい、今日も気温と湿度が高いです。報道によると、大雨が降って、川が濁流になっている地域もあるそうです。私が小学生の頃には、夏に気温が30度になるということも珍しいことでした。最近の夏の日は簡単に30度を超えますし、40度近くになる日も多くなっています。日本の四季の自然風景もまた少しずつ変わっていくのかもしれません。

ドラマ「R134/湘南の約束」

NHKのBSプレミアムで放送されていた神奈川発地域ドラマ「R(ルート)134/湘南の約束」を見ました。NHK横浜放送局制作のドラマです。

10年前のある出来事から5年間一度も故郷の葉山町に戻っておらず、何事にも真剣に向き合うことができないまま運送会社の仕事をクビになって横浜のバーでやけ酒を飲んでいた須和洸太(宮沢氷魚さん)が、洗面台に置き忘れられていたタンザナイトの指輪を盗もうとしたことをきっかけに、その指輪の持ち主だった、バーで歌うアメリカ出身の老婦人のマリア・モーガン(ニーナ・ムラーノさん)を江の島が見える場所に連れていくことになり、老婦人の恋人だというアメリカ兵の写る古い写真と同じ江の島の見える海の風景を探す旅に半ば強引に付き合わされる形で、海岸沿いの国道134号線の道を歩き、避けてきた故郷の葉山町で車椅子に乗る弟の須和海翔(佐久間悠さん)と再会する、という話でした。

脚本は桑村さや香さん、音楽は荻野清子さん、演出は藤並英樹さんでした。

何気なく見てみることにしたドラマだったのですが、良い話で良かったです。

ルート134というのは、国道134号線のことで、海岸通りと呼ばれているそうです。その湘南を舞台にしたドラマということで、七里ヶ浜や稲村ヶ崎や由比ヶ浜やサザンビーチちがさきなどの浜辺が紹介されていました。鎌倉から逗子を過ぎて、葉山町まで歩いていたのですが、どのくらいかかるのでしょうか。ドラマでは、様々な人たちと話しながらゆっくり歩いていたということもあるかもしれないのですが、朝から夕方になっていました。

洸太さんは10年前、キャッチボールをしようとどこまでもついてくる弟を疎ましく思い、釣りに出かけた海岸の岩場で、ここを飛び越えることができたらキャッチボールをすると約束したのですが、飛び越えるのは無理だろうと思いながらそう言った洸太さんの目の前で、約束だからねと念を押して飛んだ弟は岩場の隙間に転落してしまい、命は助かったものの、脊髄を損傷して下半身不随となってしまいました。責任を感じていた洸太さんは、しかし、歩けなくなったことを気にしないかのように常に笑顔で話しかけてくる弟の存在に耐えきれなくなり、高校を卒業すると家を飛び出したということでした。

弟との約束から逃げ続けていた洸太さんが、アメリカ海兵隊の兵士として日本に渡った昔の恋人との約束を信じ続けるマリアさんと海岸通りの旅を続ける中で、少しずつ良い方向へ変わっていく様子が、丁寧に描かれていたように思います。

登場人物たちの服装からすると、冬の終わりか春の初め頃の季節の物語だったように思うのですが、湘南の海の風景もきれいでした。海は心の鏡だと、マリアさんは洸太さんに話していたのですが、そうかもしれないなと思いました。マリアさんによると、その海の青のようなタンザナイトの石には、人生を良い方向へ導く力があるのだそうです。

葉山へ近づくことを恐れていた洸太さんは、昔の恋人のジャックを探し続けるマリアさんにジャックは死んだのだと言い、傷ついたマリアさんが翌朝、指輪を残して消えた直後に道で聴いた救急車の音に、弟の時のことを重ねて衝撃を受けていたのですが、実際に病院に運ばれていたマリアさんと再会すると、マリアさんが自分をジャックと呼ぶことに戸惑いました。

病院に駆け付けたマリアさんの孫の天野リサ(池田エライザさん)は、ジャックは自分の祖父だと洸太さんに言い、日本の米軍基地からベトナム戦争に参加して負傷した祖父はアメリカに戻って祖母と結婚したのだが、祖父が亡くなって日本で暮らす息子夫婦と暮らし始めた祖母は少しずつ祖父のことを忘れていき、江の島へ連れていくと約束した祖父に会うために日本に来たのだと思うようになって、時々祖父を探しに出かけるようになったということを話しました。

マリアさんの事情を知った洸太さんは、僕をアメリカ人にしてください、とリサさんに頼み、マリアさんの夫だった昔の恋人のジャックになりきって、バイクにマリアさんを乗せて湘南の旅に出かけ、鎌倉の観光などをした後、細い路地を歩いて、ある海岸へ案内しました。富士山と江の島を臨む写真の海岸は、葉山の海岸だったのでしょうか。私はその場所を知らないのですが、遠くに小さな赤い鳥居と赤い橋が見えました。洸太さんが子供の頃よく遊びに来ていた海岸であり、弟が事故に遭った海岸でもあるということでした。マリアさんと二人だから来ることができたけれど、もしも一人だったらここへ来ることはできなかったと言う洸太さんに、最初からか、途中からか、アメリカ兵の“ジャック”が洸太さんだと気付いていたマリアさんは、洸太さんにありがとうと伝えていました。

マリアさんとの旅で弱い自分を叩きのめすことができたという洸太さんは、自分を待っていてくれた弟に会いに行き、自宅から取ってきたグローブを渡して、キャッチボールをする約束を果たすことにしました。弟の海翔さんは、兄が自分を責めているのが辛くて自分は何も変わっていないと笑顔を見せていたが、それが余計に兄を追い詰めていたのかもしれないと心配していました。今はヨットを頑張っているという海翔さんは、兄ちゃんの本当は優しいところは昔と変わっていないと喜んでいました。

洸太さんのスマートフォンの翻訳アプリのことをマリアさんは魔法みたいだと感激していたのですが、何というか、波のきらめきもそうなのですが、魔法のような小さな奇跡が積み重なっている印象のすてきなドラマでした。

故郷に戻ることを恐れていた洸太さんの固まっていた心が少しずつ柔らかくなっていった後の、最後の穏やかな洸太さんと車椅子の海翔さんのキャッチボールの場面も、さわやかで良かったです。約束の中には果たされないままになっているものもたくさんあるのだろうなと、ドラマを見ていて思いました。信じて待ち続ける人の強さというものも、すごいなと思いました。

兄弟の絆の物語としては、桑村さや香さんの脚本のドラマということもあり、物語の内容は全く異なるのですが、私は昔のフジテレビヤングシナリオ大賞のドラマ「輪廻の雨」のことを少し思い出しました。昨夜の「R134 /湘南の約束」は何気なく見始めた作品だったのですが、見ることができて良かったです。

「花のち晴れ~花男 Next Season~」最終回

TBSの火曜ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」の最終話(第11話)を見ました。

英徳学園高等部の「C5」のリーダーの神楽木晴(ハルト、平野紫耀さん)に幸運をもたらすブタを返しに行くことにした江戸川音(杉咲花さん)は、1日目の柔道の試合で右手首を怪我した晴が道場で弓道の練習をしているところに遭遇しました。桃乃園学院の副生徒会長の近衛仁(嘉島陸さん)が自分を襲わせた犯人たちに絡まれているのを目撃した音さんは、晴さんにそのことを話しました。晴さんは震えながらも犯人たちに立ち向かっていったのですが、逃げた犯人たちをその場で取り押さえたのは桃乃園学院の生徒会長で婚約者でもある幼馴染みの馳天馬(中川大志さん)でした。

音さんの言った通り近衛さんが音さんを襲わせた犯人だったと知った天馬さんは、音さんを傷つけた近衛さんに自分の前から消えるよう言うと、一人にしてほしいと落ち込んだ様子で二人の前を去っていきました。そして、動揺していた天馬さんは、2日目の弓道の試合で失敗し、右手の力が入らないという怪我の功名で成功した晴さんに敗れました。

道場で剣道の練習を始めた晴さんの前に、西留めぐみ(飯豊まりえさん)がお弁当を持って現れたのですが、めぐみさんは、思い切り晴君を応援したいからと、晴さんに別れを切り出しました。晴さんを「解放する」ことにしためぐみさんは、めぐみさんに謝る晴さんに、好きを諦めない、と伝えて笑顔で道場を出て行きました。階段で泣いていためぐみさんの背中に、小さなボールが飛んできたのですが、そこに現れたのは「C5」の真矢愛莉(今田美桜さん)でした。

その頃、音さんは、近衛さんと連絡が取れないと心配する天馬さんと二人で、近衛さんが行きそうな場所を探していました。天馬さんと初めて出会った場所かもしれないと気付いた音さんが天馬さんと一緒に歩道橋に向かうと、近衛さんがいました。天馬さんと音さんを見た近衛さんは、音さんに向かってごめんなさいと土下座をして謝りました。許さない自分にはなりたくないと言う音さんに許された近衛さんに歩み寄った天馬さんは、剣道の練習の相手になってほしいと近衛さんに頼みました。

音さんは、愛莉さんに誘われて、めぐみさんと3人でたこ焼きパーティーの準備をしてコンビニエンスストアの先輩店員の紺野亜里沙(木南晴夏さん)の部屋を訪ねました。ドアが開けた紺野さんは、部屋に飛び込んできた彼氏のミータン(浜野謙太さん)に突然指輪を見せられ、プロポーズされました。たこ焼きパーティーの時、めぐみさんは、音さんに、晴さんと別れたことを伝えました。それでも音さんは、自分は天馬さんを応援すると決めていました。

3日目の剣道の試合が始まると、晴さんは、「F4」の茶道の家元の西門総二郎(松田翔太さん)に教えられた「抜き胴」を失敗したのですが、好きを諦めない、江戸川が好きだ、と繰り返し唱えている中で「突き」が決まり、一本勝ちしました。三種目の武道の内二種目に勝った晴さんは、試合を見に来ていた父親の神楽木巌(滝藤賢一さん)に、完璧になれるよう努力すると伝えました。父親は、いつものように、完璧な息子しかいらないと晴さんのことを切り捨てて立ち去ろうとしたのですが、立ち止まって振り返り、今日は10点中6点だったと褒めていました。その言葉を聞いた晴さんは、父親に少し認められて嬉しそうにしていました。

音さんの母親の由紀恵(菊池桃子さん)と試合を見ていた天馬さんの継母の利恵(高岡早紀さん)は、こんな試合で天馬さんの人生が決められるのかと不満そうだったのですが、マグロ漁船?から一時的に東京に戻って来ていたらしい誠(反町隆史さん)は、子供たちの決めたことを尊重して応援したいという趣旨のことを利恵さんに話していました。

試合に勝ったら恵比寿ガーデンプレイスで待っていると晴さんに言われていた音さんは、試合後、負けた天馬さんのもとへ向かいました。天馬さんは、音の野菜炒めが食べたいと言いました。アパートの部屋で音さんの作った野菜炒めをおいしそうに食べた天馬さんは、音さんとの思い出がたくさんできたことに感謝し、音さんに、音を変えたのは神楽木晴だ、自分の心に従ってほしい、最後まで僕を選ぼうとしてくれてありがとうと伝えました。そして、行ってこい、と晴さんのもとへ行くことを迷っていた音さんの背中を押しました。

走り出した音さんを少し寂しそうに見送った天馬さんは、愛莉さんに声をかけられました。愛莉さんは、めぐみさんや「C5」の平海斗(濱田龍臣さん)と成宮一茶(鈴木仁さん)と栄美杉丸(中田圭祐さん)と遊びに出かける途中でした。あんたかっこいいよ、と天馬さんの背中を叩いた愛莉さんは、失恋の先輩として言っておく、これから楽しいことがいっぱいあるよ、と天馬さんを元気付けました。

継母の利恵さんは、負けを知って強くなると、天馬さんを家で待っていることにしたようでした。天馬さんは、人混みの中を一人で歩きながら、空を見上げていました。その頃、晴さんは、恵比寿ガーデンプレイスで音さんを待っていました。音さんは、神楽木に会ったら大好きだと言おう、これから神楽木としたいことがたくさんある、それから、それから、と晴さんとの楽しい未来を考えながら、晴さんに会うために街を走っていきました。

脚本は吉田恵里香さん、演出は石井康晴さんでした。

めぐみさんは晴さんから、天馬さんは音さんから、自ら身を引くという結末でした。音さんと晴さんは、相手を積極的に振ることなく、相手が身を引いたことで、解放されて自由になり、自分らしく生きることができるようになりました。

「好きを諦めない」まま、好きな人を自由にするために自ら別れを切り出しためぐみさんと天馬さんの決断が、切なくもあったのですが、本人たちが納得しているという感じでもあったので、比較的後味は悪くないというか、さっぱりとしたさわやかな結末でもあったように思います。(「好きを諦めない」という言葉を聞いて、私は「ユリ熊嵐」というアニメのことを思い出しました。)

私は、このドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」の後半からは、天馬さんと晴さんの間で揺れる音さんや、音さんを好きなままめぐみさんと付き合うことにした晴さんのことよりも(杉咲花さんの演じる音さんも、平野紫耀さんの演じる晴さんも良かったのですが)、どちらかというと、中川大志さんの演じる天馬さんや飯豊まりえさんの演じるめぐみさんや今田美桜さんの演じる愛莉さんのことが気になっていました。主役の二人以外の重要な人物たちの感情も、最後まで丁寧に描かれていて良かったです。「C5」自体の全体の存在感はやはり薄かったような気もするのですが、早めにすっきりと晴さんを諦めた愛莉さんの存在感は大きかったと思います。

登場人物(出演者)たちが名前を書いたりタイトルのパネルを持ったりしていたオープニングの映像もかわいかったですし、主題歌のKing & Princeの「シンデレラガール」もドラマに合っていて良かったです。挿入歌として使われていたイメージソングの宇多田ヒカルさんの「初恋」は、決して悪いということではないのですが、曲が流れる場面がその場面でいいのかがよく分からないように思えるところもありました。あと、最近の宇多田ヒカルさんの歌を聴いていると、もしかしたら亡くなられたお母様のことを歌っているのかなと、どうしても思えてしまいます。

ドラマでははっきりとは描かれていなかったと思うのですが、音さんと天馬さんの婚約は正式に解消されたのでしょうか。天馬さんが幼馴染みの音さんと婚約を続けていた背景には、病気で亡くなった母親の美代子(堀内敬子さん)との約束もあったのではないかと思いますが、音さんから身を引いた天馬さんはその寂しさからも解放されたということなのかなと、何となく思いました。

私は神尾葉子さんの原作の漫画も未読ですし、約10年前のTBSのドラマ「花より男子」もよく知らないのですが、その続編にあたるという今作の「花のち晴れ~花男 Next Season~」のドラマは、「ラブコメディー」にしては見ていて複雑な気持ちになるところや、音さんと晴さんの妄想?の映像で終わるという最終回に少しすっきりとしない部分はあったものの、それでも、音さんや晴さんや愛莉さんや天馬さんやめぐみさんたちの成長物語として、最後まで楽しく見ることができたように思います。

今春からTBSの「火曜ドラマ」の枠のドラマは“15分拡大版状態”が通常の放送時間になっているのですが、その点は、上手く作らないと難しそうというか、良し悪しであるような気もしました。

ドラマ「あにいもうと」

TBSのドラマ特別企画「あにいもうと」を見ました。

東京の下町で工務店を営む赤座家は、大工の棟梁の忍(笹野高史さん)とその妻のきく子(波乃久里子さん)、大工職人の長男の伊之助(いの、大泉洋さん)と運送会社のトラックの運転手をしている長女の桃子(もん、宮﨑あおいさん)と心理学を学ぶ大学生の次女の佐知(瀧本美織さん)の5人で仲良く暮らしていた家族だったようなのですが、ある日、伊之助が自分の娘のようにかわいがって育てて来た妹の桃子が交際相手の男性との間にできた子供を妊娠し死産したことを家族に打ち明けたことから、兄の伊之助は激怒して妹の桃子と殴り合いの大喧嘩となり、出て行けと言われた桃子は家を出て近所のアパートで一人暮らしを始めました。

半年後、伊之助は、父親の忍の古希のお祝いを計画しました。妹の桃子に帰ってきてもらうためでした。妹の佐知からそのことを聞いた桃子は、仕方なく兄のいる家に帰ることにしたのですが、その頃、赤座家には、桃子さんに会いたいと、突然桃子の交際相手だった小畑裕樹(太賀さん)が訪ねて来ました。小畑さんが差し出した名刺によると、東京大学の研究室で働いている人のようでした。父親の忍は、桃子の妊娠を知らなかったと謝罪する小畑さんを丁重に追い返したのですが、玄関先で小畑さんの姿を見かけた兄の伊之助は、話があると小畑さんを荒川の土手に連れて行き、娘のように育てて来た大切な妹を傷つけた小畑さんを一方的に殴り倒し、二度と来るなと帰しました。古希のお祝いに来た桃子は、兄の伊之助が小畑さんに暴力を振るったことを知って激怒し、再び兄と殴り合いの大喧嘩になりました。

その後、体調を崩した父親は、先代から受け継がれてきた大事な大工道具を長男の伊之助に譲りました。伊之助は、大工の棟梁となりました。40歳独身の伊之助を心配していた家族は、近所で花屋を営んでいる岡村咲江(西原亜希さん)が最近子供を連れて離婚したことを知ると、咲江さんを伊之助の結婚相手として考えるようになりました。アパートの近くの行きつけの女将のシマ(一路真輝さん)が営む小料理屋で小畑さんと再会した桃子は、兄に一方的に殴られたのにお兄さんからは妹への愛が溢れていたと感動している様子で話す小畑さんと、再び付き合うことにしたようでした。

一年後、父親の忍は他界していました。伊之助と再婚したらしい咲江さんと母親のきく子は、着物を着ていました。その日は、桃子と小畑さんの結婚式だということでした。しかし、兄の伊之助は、結婚式には行かないと拗ねていました。桃子は、ただ座っているだけでいいから結婚式に来てほしい、最後亡くなった父親の代わりに挨拶をしてほしいと兄に頼みました。兄は、それでも行かないとごねていたのですが、妹たちが出掛けると、やっぱり行くと、弟子の三四郎(七五三掛龍也さん)のバイクに乗って結婚式の会場へ向かいました。妹の佐知の語りによると、兄の伊之助は挨拶をしようとして泣き、その場にいた参加者全員も泣くという、感動的な結婚式になったということでした。

脚本は山田洋次さん、音楽は木下忠司さん、演出は清弘誠さん、プロデューサーは石井ふく子さんという作品でした。

原作は、私は未読なのですが、1934年(昭和9年)に発表された詩人で小説家の室生犀星の小説『あにいもうと』です。

私は知らなかったのですが、これまでに何度も映画化やドラマ化がなされてきた有名な作品だそうです。山田洋次さんの脚本、木下忠司さんの音楽、石井ふく子さんのプロデュースというのは、TBSの「東芝日曜劇場」の枠で1972年にドラマ化された時と同じだそうで、その時には映画「男はつらいよ」シリーズの俳優さんたちが出演していて、渥美清さんが兄の伊之助を演じ、倍賞千恵子さんが妹の桃子を演じていたということでした。

兄の伊之助さんは、両親にかわいがられていた下の妹の佐知さんのことよりも、気性が近い?上の妹の桃子さんのことをかわいがってきたということなのですが、それは妹としてというよりも、父親代わりとしてということのようでした。赤座家の長男と長女と次女の年齢差がよく分からなかったのですが、「サザエさん」の磯野家の姉と兄妹のように、長男は妹たちよりも年齢が離れていて、長女と次女は年齢が近いように見えました。

ただ、もしも「あにいもうと」というタイトルではなかったなら、このドラマの物語が兄と妹の物語であるということに、もしかしたら気付かなかったかもしれません。「あにいもうと」というタイトルを念頭に置きながら見ると、確かに兄と妹の物語に思えるという感じでした。

ドラマの解説には「野性味にあふれ本能的に生きる一家を舞台に、兄と妹の狂おしいほどの情愛を通して家族の在り方を見つめる人間ドラマ」と書かれていたのですが、私がこのドラマを見た限りでは、それは少し違っていたようにも思います。

父親のような兄の、その娘のような妹の自立に対する葛藤は描かれていたと思うのですが、「野性味にあふれ本能的に生きる」や「狂おしいほどの情愛」が描かれていたのかどうかは、私にはよく分かりませんでした。いわゆる「シスターコンプレックス」と呼ばれるような種類のものとも、少し違うような気がしました。東京スカイツリーの風景や電化製品や伊之助に日本の大工仕事について質問する建築デザイナーのパティ(シャーロット・ケイト・フォックスさん)などに現代らしさもありましたが、ごく普通のというか、昭和的な生活を送る仲の良い家族を描いた、少し古風な雰囲気のドラマでした。でも、それなりに見やすいホームドラマになっていたように思います。

映画は、1953年(昭和28年)に公開された成瀬巳喜男監督の大映映画(主演は京マチ子さん)や、1976年(昭和51年)に公開された今井正監督の東宝映画(主演は秋吉久美子さん)が有名だそうです(兄の名前は伊之助ではなく、伊之吉となっているようです)。

私は室生犀星の小説を少ししか知らないのですが、読んだことのある中では、『後の日の童子』という短編小説がとても好きです。怪談の部類に入っているようなのですが、本当に美しい名作だと思います。
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Author:カンナ
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