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「トーキョーエイリアンブラザーズ」第1話と第2話

日本テレビの深夜の「シンドラ」枠の新ドラマ「トーキョーエイリアンブラザーズ」の第1話と第2話を見ました。

原作は、真造圭伍さんの漫画『トーキョーエイリアンブラザーズ』だそうです。私は未読です。

地球侵略計画の実行へ向けた調査のために地球にやって来た宇宙人の冬ノ介(伊野尾慧さん)と兄の夏太郎(戸塚祥太さん)が、地球人に扮して地球人と出会い、その生活を体験しながら人間らしく成長していくという物語のようでした。

脚本は片岡翔さん、監督はマイケル・アリアスと菅原伸太郎さんでした。

宇宙人の話ということなのですが、SF要素は薄いです。兄弟は、東京スカイツリーの見える東京の下町に暮らしているのですが、兄弟が小動物(人間から見た下等動物)たちと住んでいる家は、建物の外観も内装も、置かれている小物も昭和時代を思わせる雰囲気に満ちていました。今は、「近未来」を描くのが難しいのかもしれません。

宇宙人らしさがあるとするなら、他人の記憶を書き換える能力があるとか、塩分がかかると溶ける(カタツムリやナメクジのような成分でできているのでしょうか)、兄が時々元の姿(固めのゼリー状でできた灰色の埴輪のゆるキャラのような姿)に戻るとか、そのようなことくらいでしょうか。

何というか、地球を侵略しに来た宇宙人の話というよりは、社会に上手く溶け込むことができない“社会不適合者”の兄弟が“普通の社会人”(安定した仕事と異性の恋人を持つ人)になるように努力していく話であるという印象でした。(NHKのBSプレミアムで放送されていたイギリスのBBCのドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の、ベネディクト・カンバーバッチさんの演じる私立探偵のシャーロック・ホームズは自分のことを“高機能社会不適合者”と呼んでいました。)

一見すると、白いバスローブとサンダルの服装で外出し、日本語の言葉を上手く発することができない挙動不審な兄のほうが社会不適合者なのですが、人を怖がり、人と接するのが苦手だけれど優しい性格の兄とは反対に、人当たりが軽やかで人と接するのは得意だけれど人の気持ちを理解しない弟もまた“社会不適合者”なのかなと思います。第2話では、冬ノ介さんは、動物園デートに行った女性や、犬を交通事故で亡くした派手な服装の秋子(余貴美子さん)を怒らせていました。

社会に上手く溶け込むことができない、社会と上手く馴染むことができない人というのは、この地球上では、ある種の“宇宙人”ということなのかもしれません。

このような物語には特に目新しさがあるというわけではないようにも思えるのですが、約30分のドラマということもあり、それなりに楽しく見ることができました。主題歌のHey! Say! JUMPの「COSMIC☆HUMAN」という曲の流れるエンディングの、宇宙人が東京の観光地を巡る映像も、何となくかわいいです。犬もかわいかったです。

「恋のツキ」第1話

テレビ東京の「木ドラ25」の新ドラマ「恋のツキ」の第1話を見ました。

原作は、新田章さんの漫画『恋のツキ』だそうです。私は未読です。番組表でドラマのタイトルを見て、何となく気になって録画をしておいた約30分のドラマです。

主人公の平ワコ(徳永えりさん)は、姉や多くの“普通”の女性たちと同じように、結婚して出産するということを漠然と望みながら、なかなか両親に会おうとしない交際相手の会社員の青井ふうた(ふうくん、渡辺大知さん)と3年間ほどあまり面白くない同棲生活を続けている31歳の女性でした。

そのようなワコさんは、ある日、アルバイト先の映画館イデヲン座で、顔のきれいな、右腕にギプスをしている、同じスニーカーを履く、沖原隠光監督(川谷絵音さん)の映画作品を好きな男性に一目惚れをするのですが、落ちていたパスケースの学生証を見て、15歳の高校生だと知り、衝撃を受けるのですが、学生証を探しに来たその伊古ユメアキ(神尾楓珠さん)への気持ちを抑えきれず、拾った学生証を隠して、映画館の中を案内しました。そして、学生証が見つかったら連絡すると、連絡先を交換することに成功しました。

脚本は高田亮さん、監督は森義仁さんでした。

ワコさんの働く映画館には、支配人の成瀬さん(きたろうさん)とアルバイトの学生の水野晴子(伊藤沙莉さん)がいます。

ユメアキさんは、転校を繰り返してきたという、少し大人びた雰囲気の落ち着いた少年でした。

レアアイテムが出て“運が巡ってきたことを実感”するまでガチャガチャ(カプセルトイ)を買い続けるとか、映画の椅子で眠っていたユメアキさんの首元の匂いを勝手に嗅ぐとか、学生証を盗むとか、ワコさんには意外と変態性があるように見えます。

第1話のワコさんの物語には性的な要素も多くて、その点は私には少し苦手に思えたのですが、映画のような映像は綺麗でしたし、音楽も良かったと思います。

エンディングの、朝陽か夕陽かの光の中、海か湖かの水の上に丸い風船のような透明なボールが二つ、その中にそれぞれワコさんとユメアキさんが座っていて、少し距離を置いて浮いているという映像も、良かったです。少し、詩的な雰囲気もありました。

「レア」(希少、貴重)な存在を探しているワコさんも、誰かにとっての「レア」な存在なのかもしれないなと思います。

ドラマを見ていた私には、ワコさんは(ワコさんを少し見下している)ふうくんとは早めに別れたほうが幸せになれるのではないかとも思えたのですが、そう簡単に別れることもできない何か(ふうくんのことはまあまあ好きだし、ふうくんの他に結婚できそうな人が30代の自分には見つかりそうにもないし、というような消極的な理由以外の何か)があるのかもしれません。

第1話のサブタイトルが「映画館の恋」だったので、このドラマのことをよく知らないまま見始めた私は、そのサブタイトルの字幕を見た時、ドラマ「東京センチメンタル」のように一話完結でワコさんの「恋」が描かれる物語なのかなと思っていたのですが、そうではありませんでした。

ワコさんの日常が“アラサー女性のリアルな日常”なのかどうかは分かりません。でも、「当たり前」から少し外れたところにいるワコさんのあまり変化のない日常の、少し息が詰まるような感じは、分かるような気がします。時々変態的な行動に走ってしまうワコさんの姿が痛々しくて、この人のこの恋は叶わないのではないかと、見ていて少し不安になります。それとも、15歳のユメアキさんもワコさんに惹かれていくという物語になるのでしょうか。「恋のツキ」の「ツキ」が、「運」という意味なのか、「尽きる」という意味なのかということも、少し気になりました。このドラマは、BSジャパン(秋からBSテレ東という名称に変わるそうです)で再放送されるそうなのですが、インターネット(Netflix)でも配信されるそうです。

「ラストチャンス 再生請負人」第3話

テレビ東京の「ドラマBiz」枠の新ドラマ「ラストチャンス 再生請負人」の第3話を見ました。

飲食フランチャイズビジネスを展開する「デリシャス・フード」の前社長の結城伸治(池田成志さん)がコンサルタント会社「ジャパンリンケージ」の提案に乗ってフランチャイズ権を売却して利益を水増ししていたということが発覚しました。負債が130億円ほどになると知った、「ジャパンリンケージ」から来ている現社長の大友勝次(本田博太郎さん)は、社長を辞めると宣言し、筆頭株主である投資ファンド会社「グローバル・リバイバル・ファンド」の社長の山本知也(大谷亮平さん)は、緊急取締役会でCFO(最高財務責任者)の樫村徹夫(仲村トオルさん)を次期社長に推薦しました。

樫村さんは、父親が社長になると知って喜ぶ高校生の長女の遥香(佐々木七海さん)と中学生の長男の幸太郎(渡邉蒼さん)や、妻の明子(長谷川京子さん)の応援を受けて、社長に就任することにしました。社長になる朝、樫村さんは、また遭遇した占い師(ミッキー・カーチスさん)から、定めだな、赤い辛い七味唐辛子を浴びるんだと面白そうに言われました。

樫村さんは、デリシャス・フードがフランチャイズ権を無闇に売っていたことを役員たちに打ち明け、各店舗の立て直しを頼みました。そして、責任を感じて退職願を持って来た財務部長の岸野聡(勝村政信さん)に、責任があると思っているなら再建に手を貸してほしい、この会社のことをよく知っている岸野さんには執行役員になってもらいたいと言い、岸野さんと握手をしました。

一方、大友前社長は、樫村さんのちとせ銀行時代の同期で今は経営コンサルタント会社「エムズビジネスパートナーズ」の代表を務める宮内亮(椎名桔平さん)と会っていました。

それから、樫村さんは、デリシャス・フードのメインバンクであるちとせ菱光銀行に追加融資の相談に行き、元部下で融資課の杉山誠三(町田啓太さん)と再会したのですが、飲食会社への融資を減らすという銀行の方針に従うと言う杉山さんの態度は素っ気ないものでした。

経営を立て直すため、樫村さんは、宮内さんと正式にコンサルタント契約を結ぶことにしました。その後、家族や友人とバーベキューをしていた樫村さんは、招待していた十和子フードの社長の岡田十和子(水野美紀さん)と会いました。ジャズバーの店主の塩田和男(嶋田久作さん)は、十和子社長のことを「幸運の女神」だと言いました。

岸野さんと財務部員の佐伯隆一(和田正人さん)と営業部の渋川栄一郎(石井正則さん)に宮内さんを紹介した樫村さんは、フランチャイズ権を買い戻してほしいと怒っているオーナーたちの元を回って謝罪し、もう少し待ってほしいと頼みました。7億円を今すぐ返せと会社に乗り込んで生きていた男性が、結城社長がフランチャイズ権の売買を名目にお金を借りていた金融会社の龍門興行の社長であることを知ると、樫村さんたちはその人にも謝りに行き、待ってほしいと話したのですが、社長は今すぐ返せと机を叩いて怒っていました。

宮内さんから会社の無駄を減らすことを提案された樫村さんは、営業成績のあまり良くないいくつかの直営店舗を閉鎖することにし、これまで改善策を本社に掛け合っても何もしてくれなかったのにと怒るジンギスカン料理店「モンゴルの空」の従業員たちから批判されました。高級中華料理店「北京秋天」を諦めたくない女性従業員から、社長の仕事は社員に夢を与えることだと言われた樫村さんは、十和子社長もそのように言っていたということを思い出し、もう一度チャンスをくださいと頼む従業員たちに、2か月の猶予を与えると約束しました。その頃、本社の会議室には、フランチャイズ権の買戻しを求めるオーナーたちが殺到していました。

脚本は前川洋一さん、監督は本橋圭太さんでした。

第3話は、樫村さんが経営の傾きかけているデリシャス・フードの社長に就任し、社員たちと会社の再建に向けて具体的に動き出す話でした。

すごく面白いかどうかというのとは少し異なるのですが、このドラマらしくなってきた部分もあるように思います。これからもう少し面白くなっていくのかもしれません。

私にはフランチャイズビジネスのことも、飲食業界のこともよく分からないのですが、実際の外食産業界は今も強いのでしょうか。それとも、銀行があまり融資をしたくないと考える業界なのでしょうか。私はあまり外食をしないほうなのですが(一番の理由は精神的に疲れるからだと思います)、商店街でも商業施設でも、飲食店はたくさんの人で賑わっているという印象があります。

どの組織でもそうかもしれませんが、樫村さんのような誠実な人がリーダーになるといいのかもしれないなと思います。

このドラマとは関係のないことなのですが、昨日には、会見を行うことを拒否し続けている日本大学の田中理事長や日本ボクシング連盟の山根会長の不正と独裁が報じられていました。ボクシング協会の不正に関して、「日本ボクシングを再興する会」というボクシング関係者の有志の333人の方がスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)や日本スポーツ協会などに告発したということなのですが、ロンドンオリンピックのボクシングミドル級の金メダリストでWBA世界同級王者の村田諒太さんの、「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません 新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきです」という言葉は、現代日本の社会に蔓延っている全ての卑怯で汚い大人たちへ向けての言葉であるようにも思えました。

「この世界の片隅に」第3話

TBSの「日曜劇場」のドラマ「この世界の片隅に」の第3話を見ました。

空襲が始まった昭和19年の6月、広島県の呉市の上長ノ木町の北條家は、近所の刈谷家の協力を得て、庭に防空壕を作り始めました。

第3話は、北條家の家族との生活にも少し慣れ、夫の周作(松坂桃李さん)のことを好きになってきたある日の義姉の黒村径子(尾野真千子さん)の話から夫の過去の女性関係が気になり始めた嫁の北條すず(松本穂香さん)が、砂糖を買いに行った闇市の帰りに迷子になった朝日町で二葉館の遊女の白木リン(二階堂ふみさん)と出会い、リンさんから聞いた未知のアイスクリームを、周作さんとの初めての逢引の喫茶店で初めて食べてそのおいしさに感激する、という話でした。

脚本は岡田惠和さん、演出は土井裕泰さんでした。

食料の配給が減らされてタンポポや楠公飯を食べてみることにした場面や、すずさんが晴美ちゃんと一緒に蟻の群がる砂糖の壺を見つけた直後誤って水瓶に落としてしまう場面や、行ったことがないけれど知っているという上長ノ木町への帰り道を教えてくれたリンさんに頼まれて紙に鉛筆でスイカの絵を描く場面、海軍の呉鎮守府で働く周作さんに届け物をすることになったすずさんに径子さんが白粉をはたく場面もありました。

海軍の兵士と殴り合いの喧嘩をしていた周作さんを水原哲(村上虹郎さん)が助けるという話や、リンさんが周作さんと恋仲だったというような話は、片渕須直監督のアニメ映画「この世界の片隅に」でも描かれていたのでしょうか。もしかしたら私が忘れてしまっているだけなのかもしれません。

第3話も、良かったです。

すずさんが今の生活の中で幸せを感じているということが、ドラマを見ている私にもよく伝わってきました。

今回の最後には、すずさんは、リンさんのために上長ノ木町の段々畑から見える海と呉の軍港町の風景を描いていたノートを突然現れた憲兵に取り上げられ、スパイ容疑をかけられていました。

昭和19年の戦時中の物語にしては服や小物や建物がきれい過ぎるという部分については、似たような問題はNHKの朝の「連続テレビ小説」や「大河ドラマ」にも、民放の時代劇などの場合にも、時々あるような気がします。でも、このドラマに関しては、私はなぜか今のところはそれほど気になっていません。

冒頭では、北條家の空き家を利用して喫茶店を開業しようとしている現代の近江佳代(榮倉奈々さん)が、料理教室でコーヒーの淹れ方などを習っていました。佳代さんの友人の江口浩輔(古舘佑太郎さん)によると、佳代さんは介護の仕事をしていた人だったようです。佳代さんは、そこで誰かから北條すずさんについての話を聞いて興味を持ったということなのかもしれません。ただ、今のところはまだこの現代パートの必要性は分かりません。タイトルの「この世界の片隅に」の字幕は、現代編の始まる時にも出ていて、過去編の始まる時にも出ていました。今はまだ完全に別の物語です。

こうの史代さんの漫画『この世界の片隅に』は未読なのですが、アニメ映画「この世界の片隅に」がとても良かったので、私はついその映画を思い出しながらドラマを見てしまいます。ただ、映画とドラマには、漫画『この世界の片隅に』を原作としているという以外には、直接の関係はないのだそうです。どちらにしても、次回のこのドラマの物語も楽しみにして見てみようと思います。

「限界団地」最終回

フジテレビの「オトナの土ドラ」のドラマ「限界団地」の最終話(第8話)を見ました。

孫娘の穂乃花(渡邊詩さん)を誘拐した、桜井江理子(足立梨花さん)の夫の高志(迫田孝也さん)を「あやめ町団地」から撃退した寺内誠司(佐野史郎さん)は、高志さんに従って自分を殺そうとした江理子さんに、心を入れ替えてもらいますとダンチマンのお面を渡し、私は団地を守ります、という言葉を繰り返し唱えさせました。

寺内さんは、「団地は家族」と書いた鉢巻を着けて、団地の取り壊しに反対する住民たちの一部と運動を始めました。江理子さんも違和感を感じながら息子の颯斗(前田虎徹さん)と一緒に反対運動に参加していたのですが、穂乃花さんから、本当のパパとママはおじいちゃんが殺したと知っている、颯斗くんママが本当のママになってくれたら嬉しいけど無理しないで、と言われて、穂乃花さんを守る決意をしました。私は穂乃花を守ります、と江理子さんはダンチマンのお面を切り刻みました。

小学校へ行く穂乃花さんを送り出した江理子さんは、寺内さんが目を覚ます前にその身体を拘束し、目を覚まして驚く寺内さんに、団地の屋上から飛び降りてくださいと自殺を提案し、寺内さんは自分のために穂乃花ちゃんを利用していると、穂乃花さんを解放するよう迫りました。自殺をしないなら私が殺しますと、江理子さんは用意した包丁を寺内さんの腹部に突き付け、私は寺内さんを殺すと繰り返しながら、ゆっくりと深く刺していきました。

寺内さんは死んだかに見えたのですが、驚異の体力で拘束を解いてベッドから転がり落ち、恐れる江理子さんから、これは事故です、家族の喧嘩ですと血塗れの包丁を取り上げました。その時、小学校に行ったはずの穂乃花さんが帰ってきました。包丁を手にした血塗れの祖父と江理子さんの姿を見た穂乃花さんは、おじいちゃんは颯斗くんママに何したの、殺そうとしたのと訊き、人殺し!人殺し!大っ嫌い!死んで!と部屋を飛び出しました。

寺内さんは、血を流しながら、いなくなった穂乃花さんを捜して団地の敷地内や周辺を歩き回りました。寺内さんを目撃して驚いた住民が寺内さんの家の中に血の付いた服を着て座り込んだままの江理子さんを見つけると、江理子さんはその人たちに、ごめんなさい、寺内さんは人殺しでしたと伝えました。

江理子さんは、団地の放送で、私が本当のママになるから戻ってきてと穂乃花さんに必死に呼びかけ、その声を聴いて戻って来た穂乃花さんを抱きしめて、二人で涙を流していました。一方、穂乃花さんを近くの土手まで捜しに行っていた寺内さんは、高志さんに殴られて土手の下に転落しました。

その後、団地でお葬式が行われていたのですが、それは事件から10か月後のことで、亡くなったのは団地の一人暮らしの高齢者の五木田幹朗(古川がんさん)でした。自治会長の金田哲平(山崎樹範さん)は一人であやめ町団地に残っていたのですが、江理子さんや村瀬弘志(伊藤正之さん)や八十島花子(阿南敦子さん)やリンリン(川添野愛さん)たちは、あやめ町団地を出て別の場所で暮らしていました。江理子さんは、寺内さんは自分で自分を刺したと警察に主張し、罪を免れたようでした。五木田さんのお葬式で集まった時、江理子さんは、みんな私のことが怖くないのですか、本当は私が刺したのにと謝っていました。元住民たちは、子供たちを守るためだった、このことは私たちだけの秘密だと江理子さんの味方をしていました。

10か月間、寺内さんは、病院の集中治療室に入っていたようでした。その頃、絵本作家となり、つばさ団地で息子の颯斗君と穂乃花さんと3人で暮らしていた江理子さんは、ストーカーの高志さんに寄りを戻そうと声をかけられ、もう来ないでと拒絶していました。江理子さんが激昂した高志さんに殴られたことや、江理子さんが高志さんの存在に怯えていることに気付いた穂乃花さんは、祖父のミシンを触りながら、おじいちゃん助けてと呟きました。

集中治療室の寺内さんは、その瞬間驚異的に回復して密かに病院を抜け出し、赤いスーツケースを引きずってネットカフェに入りました。そこには高志さんがいました。高志さんは、江理子さんを殺害するためのナイフを用意していました。ロープを持ってその部屋を覗いた寺内さんは、その場で高志さんを殺害したようでした。

何事もなかったかのように、元気そうに団地に戻った寺内さんは、唯一の住民の自治会長の金田さんに会いに行きました。寺内さんは、高志さんの居場所について団地探偵の金田さんから情報を得ていたようでした。今回に関しては罪悪感がないと笑う金田さんは、寺内さんから穂乃花さんの居場所を訊かれて、それには罪悪感があると、教えるのを渋っていました。

数日後、金田さんもあやめ町団地を出て行くことになったようでした。八十島さんが迎えに来ていました。金田さんは、あばよクソ団地、とあやめ町団地に別れを告げました。

夜、誕生日プレゼントは何がほしいかと穂乃花さんに訊いた江理子さんは、穂乃花さんから、おじいちゃんに会いたい、酷いことを言ったからごめんなさいしたい、と言われて、あやめ町団地の幽霊部屋に住む寺内さんを訪ねました。寺内さんは、8歳の誕生日を迎える孫の穂乃花さんのお祝いの準備をしようとしていました。寺内さんは、僕は自分のために穂乃花を利用したと言い、今暮らしている団地を良い団地にしてみせると決意している江理子さんから、穂乃花さんの書いた絵を渡されました。それは家族が団地で暮らしている明るい絵で、その風景はあやめ町団地でした。穂乃花は絵が上手いと寺内さんは感激し、私は良い母親になれますか、寺内さんに褒められると勇気が出ると言う江理子さんを、今の江梨子さんは団地妻ではなく団地の母ですと称賛しました。

幽霊部屋を出た江理子さんは、その窓を見つめながら、警察署に連絡し、私の夫が殺されました、と寺内さんのことを通報しました。寺内さんは駆け付けた警察官に逮捕され、団地の外へ連れ出されていきました。寺内さんが握っていた穂乃花さんの描いた絵は、地面に落ちて、警察官たちに踏みつけられていました。

自由になった江理子さんは、ダンチマンの歌を歌いながら、つばめ団地の自宅で絵本を制作していました。江理子さんと颯斗さんがケーキのロウソクに火をつけて穂乃花さんの誕生日のお祝いをしている時、穂乃花さんは、同級生の家が火事になったらしいと報告し、その子が意地悪で、団地のことを悪く言ってきたということを話していました。

警察署で取り調べを受けていた寺内さんは、警察官たちに回覧板は良いという話をして、私は警察署でも回覧板を回しますよと笑っていました。そして、その笑い声を遮るように青いドアが閉まると、そこには新しい(蘇った?)ダンチマンのお面がかかっていました。

脚本は香坂隆史さん、演出は千葉行利さんでした。

青いドアのダンチマンのお面と「限界団地」のタイトルロゴが表れた最後も、怖かったです。ホラー色の強い最終回でした。

狂った家族の歪んだ愛情と情熱が、寂れた団地の暮らしを変えていきました。二転三転する先の読めない展開の物語が見事に完結した最終回だったように思います。

江理子さんと穂乃花さんは、“ダンチマン”の寺内さんの魂を受け継いでいったようです。寺内さんの存在が、江理子さんや金田さんや八十島さんなどの一部の団地の人たちの人生を救っていたことも事実ですが、“古き良き昭和時代”の団地生活の幻想を追い求め、それを実現させようと周囲を巻き込んでいった寺内さんが団地を分断し、破壊したことも事実です。

寺内さんにとって団地と家族が居場所だったように、寺内さんと疑似家族になっていた江理子さんにとっても団地と家族が居場所になりました。団地や家族が自分を必要としているということと、自分が団地や家族を必要としているということは、寺内さんや江理子さんにとっては同じことで、江理子さんは団地と家族を守るために、寺内さんのようになっていくようでした。

あやめ町団地は、物理的には無くなっていくのだとしても、あやめ町団地の元住民たちの中には存在し続けるのかもしれません。

ドラマを見ていた私には超人的な寺内さんが怖くもあり面白くもあったのですが、孫娘の穂乃花さんとの団地生活を守りたかった寺内さんの願いは叶ったと言えます。寺内さんにとって江理子さんが必要な人となり、江理子さんにとって寺内さんが必要な人となっていったように、江理子さんにとって穂乃花さんは必要な人となり、穂乃花さんにとっても江理子さんは必要な人となりました。団地を舞台にした、家族の共依存と自立の物語でもあったのかなと思います。

江理子さんの息子の颯斗君は、寺内さんの孫の穂乃花さんとは異なり、ドラマの登場人物としては特別な個性の与えられていないニュートラルな存在になっていたように思うのですが、颯斗君は母親と寺内さんとその孫の穂乃花さんとの疑似家族をどのように見ていたのでしょうか。

寺内さんは、逮捕された後も、“古き良き昭和時代”の幻想に固執していました。その狂気が、昭和時代(“古き良き”という幻想の昭和時代)を知らない江理子さんや穂乃花さんにも伝播していったということは、やはり怖いことだなと思います。居場所や自分らしさを探している人たちの寂しい心の隙間に、過去の幻想に固執する寺内さんの狂気が入り込んでいったという風にも思うのですが、寺内さん自身もその寂しさを感じている一人だったということを思うと、あの時代は良かった、昔は良かったという記憶の中で再編集されて美化された懐かしさを強く持つことは、危険なことなのかもしれないなと思います。アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を思い出します。

寺内さんさんや江理子さんは、団地のない未来をいつか見つけることはできるでしょうか。それとも、団地に囚われ続けるのでしょうか。でも、確かに、どこにも「限界」はあるのだと思います。

昔の「冬彦さん」とはまた異なる狂気を持っていた、佐野史郎さんの演じる寺内さんが良かったですし、足立梨花さんの演じる江理子さんも、渡邊詩さんの演じる穂乃花さんも良かったです。サスペンスでもあり、ホラーでもあり、ホームドラマ的でもあり、意外と今が描かれている社会派のドラマでもあったように思います。団地に漂う不穏な空気や心の歪みを表すような音楽も、ドラマに合っていて良かったです。「火の粉」や「真昼の悪魔」に続く心理サスペンスシリーズの第3弾の「限界団地」は、完全オリジナルのドラマ作品ということで、完成度も高く、怖かったのですが、とても面白かったです。
プロフィール

Author:カンナ
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