「こうのとりのゆりかご」

TBSの「テレビ未来遺産 ドラマ特別企画『こうのとりのゆりかご~「赤ちゃんポスト」の6年間と救われた92の命の未来~』」を見ました。夜の9時から放送されていた2時間ドラマです。このドラマも「平成25年度文化庁芸術祭参加作品」でした。

2007年の5月に熊本市内の慈恵病院で始まった「こうのとりのゆりかご」の開設に至った経緯と、それから今に至る6年間の間に子供を預けに来た母親たちの事情や子供の行方などを、事実に基づきつつフィクションとして紹介するドラマだったように思います。

ドラマの病院は「聖母子病院」でした。主な登場人物は、病院の速水理事長(綿引勝彦さん)、ドラマの主人公で看護部長の安田裕美子(薬師丸ひろ子さん)、看護士の及川さん(堀内敬子さん)、今野さん(江口のりこさん)、服部さん(安藤サクラさん)、百瀬さん(南明奈さん)、熊本市長(佐々木蔵之介さん)でした。

脚本は松本美弥子さん、演出は金子文紀さんでした。エンディングで流れていた歌は、薬師丸ひろ子さんが歌っていました。

「赤ちゃんポスト」と呼ばれる「こうのとりのゆりかご」を作った裕美子さんたちは、自宅で密かに子供を生んだ女子高校生(有村架純さん)や、生んだ子供を両親に反対されて家で育てることができない女子大学生(徳永えりさん)や、生活苦のためにどうしても母親になることができないという女性(吉田羊さん)や、子供を生んだ直後に養子縁組に出すと決めた女性(清水くるみさん)たちの苦しみや悩みと丁寧に向き合って、「ゆりかご」の中に預けられた子供たちを預かっていました。

「お父さんへ、お母さんへ」と書かれた手紙を受け取ると「ゆりかご」の扉が開き、その手紙が子供の親だという証明書になるそうなのですが、病院で預かるのは一週間ほどで、親が引き取ることができない場合、その後子供は乳児院に預けられたり、実の親の許可を得ることができれば養子縁組をすることになったりするのだそうです。

私も2007年の当時、この「こうのとりのゆりかご」の報道を見ていたように思います。ドラマでも描かれていたように是か非かという議論もあったと思うのですが、私はどちらかというと賛成派でした。公園やコインロッカーや押し入れやごみ置き場や土の中などに置かれるよりは、病院や施設の前に置かれていたほうが良いですし、病院がシステムとして保護してくれるということならもっと良いと思えたからです。

今でも、「こうのとりのゆりかご」の存在は、子供のことで悩んでいる人たちとその子供たちにとっては、助かるものになっているのではないかなと思います。

ドラマの最後に伝えられていたことによると、2012年に預けられた子供は9人だそうで、相談件数は1000件だったそうです。まず相談をしてくださいと病院が伝えたことで、「こうのとりのゆりかご」に預けられる子供の数は一時期よりも減り、今は、子供を預けに来る数よりも相談件数のほうが圧倒的に増えているのだそうです。

ドラマでは、裕美子さんの家族(宇梶剛士さん、渡部秀さん、波瑠さん、杉咲花さん)との場面も描かれていたのですが、それはいわゆる幸せな家族の風景だったので、やむを得ず預けに来る母親たちの生活環境との対比が際だっているように思えてしまって、ドラマを見ていて、少し複雑な感じがしてしまいました。でもそのように思えてしまうのは、私がドラマの裕美子さんとは違って「ポジティブシンキング」ではないためかもしれません。

最初の頃に預けられた子供は、今は5歳か6歳で、もうすぐ小学1年生になるそうです。

病院として、目の前の命を救うということを徹底して専念するということが「こうのとりのゆりかご」の設置につながったのだろうと思います。まだ6年ということなので、その預けられた子供たちが成長してどのような人になっていくかということは分からないのですが、ドラマの最後の5歳の子が「ありがとう」と言っていたのも実話なのだとしたら、その人がそのまま感謝の気持ちを持ち続けることができたなら、それは本当に幸せなことなのだろうなと思いました。

私にはまだよく分からないことなのですが、全ての子供が自分を生んだ親から大切な存在として扱われるわけではないのだろうと思います。それに「社会」の中で生きていかなくてはいけない人生には、辛いことも嫌なこともたくさんあるかもしれないと思うのですが、できる限り楽しいことを記憶して、いつか結果的に「生まれてきて良かった」と思うことができれば、それでいいのかもしれません。私もいつかはっきりとそう思うことができるようになるといいなと思います。

「こうのとりのゆりかご」を作ったこの熊本の病院の方たちのおかげで、どこかに捨てられていたかもしれない子供たちもその親たちも、救われているのだろうと思いました。ドラマでは描かれていない難しい部分も本当はもっとたくさんあるのかもしれないとも思うのですが、ドラマでは、前向きに、比較的幸福な部分が伝えられていたのではないかなと思います。
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