「福家警部補の挨拶」第1話

フジテレビの新ドラマ「福家警部補の挨拶」の第1話を見ました。夜の9時に放送が始まった初回は、15分拡大版でした。

タイトルの「福家警部補」を最初に聞いた時、どこかで聞いたことがあるように思えていたのですが、数年前に永作博美さん主演の「福家警部補の挨拶」のスペシャルドラマがNHKで放送されていたようでした。でも、おそらく、私はそのドラマを見ていないのだと思います。内容を思い出すことができないからです。

CMなどでこのドラマの予告編を見て、檀れいさん主演の探偵風の刑事ドラマらしいというということもあって、私も見るのを楽しみにしていました。

原作は、大倉崇裕さんの小説『福家警部補の挨拶』です。私は未読なので、原作とも、数年前のドラマ化された作品とも比較をすることはできないのですが、昨夜の「福家警部補の挨拶」の第1話は、とても面白かったです。

最初に犯人の視点から犯行の様子が描かれ、その後に警察官や探偵が犯人の隠している真相に迫っていく様子が描かれる作品は「倒叙ミステリー」と呼ばれているのですが、原作者は「刑事コロンボ」を好きな方なのだそうです。昨夜のドラマの中でも、反町隆史さんの演じる犯人は、しつこい福家警部補のことを「コロンボみたいだ」と2度ほど言っていました。

私は「刑事コロンボ」のこともその名前しか知らないので、「古畑任三郎」の手法だったことを少し思い出したのですが、昔フジテレビで放送されていたドラマ「古畑任三郎」の脚本家の三谷幸喜さんも「刑事コロンボ」を好きだといつか言っていたように思います。

冒頭では、1932年にリンドバーグの息子が誘拐されて殺害され、捕まった犯人は犯行を否定したまま死刑判決を受けたが、その事件にはリンドバーグの狂言だったという説もあるということが伝えられていました。

そして、第1話の事件は、人気脚本家の藤堂昌也(反町隆史さん)が、自分の脚本の作品への出演を切望する三室勘司(小林且弥さん)を誘拐と監禁と傷害の犯人としてアリバイ作りに利用し、秘書の大城加奈子(水崎綾女さん)に偽の誘拐の電話をかけ、デビュー作が高校時代の友人の盗作だったという事実を当時の原稿を発見したことで知ってから藤堂さんを脅すようになった骨董屋の辻伸彦(有薗芳記さん)を殺害するというものでした。

精神安定剤で眠らせていた三室さんが目を覚ますと、藤堂さんは、三室さんが作品のために藤堂さんに頼まれて用意していた本物の拳銃を三室さんに向け、本気で殺されるかもしれないことに怯えた三室さんが攻撃してきたのを、外に警察が到着したのを見計らって「正当防衛」として撃ち殺し、三室さんによる監禁事件の被害者として、強行犯第十三係係長の石松和夫警部(稲垣吾郎さん)と筆頭主任の田所勉(中本賢さん)の聴取に応じていました。

石松警部は、「刑事さん」と呼ばれたり「係長」と呼ばれたりするのを、すぐに「警部です」と訂正する人でした。石松警部は、骨董店の辻さんの放火殺人事件を担当しているはずの強行犯第十三係主任の福家警部補が藤堂さんに会おうとしているのを面倒そうに断っていたのですが、それを無視してやって来たマフラーをぐるぐる巻きにした黒縁メガネと黄色のコートと紫色の手袋とカーキ色のバッグの福家警部補(檀れいさん)は、藤堂さんの仕事用のノートパソコンを届けにいくということで病室に現れ、福家警部補が来るかもしれないことを石松警部の電話から予期していた藤堂さんに、毎日充電すると言いながらバッテリーが充電されていないことや、辻さんとの関係を聞いていて、それから毎日のように藤堂さんを訪ね、現場鑑識係の二岡友成巡査(柄本時生さん)の協力を得ながら、辻さんと三室さんが殺された事件の真相に迫っていました。

脚本は正岡謙一郎さん、脚本協力は麻倉圭司さん、演出は佐藤祐市さんでした。

オープニングは、ポラロイドカメラを構えた福家警部補が何かを撮影し、出てきた写真を見せると、第1話のタイトルの「失われた灯」が浮かび上がるというもので、そのような演出も面白いなと思いました。

二宮さんと事件現場を調べていた福家警部補は、辻さんの骨董店でも藤堂さんの別荘でも、愛用と思われるキャメル色のポラロイドカメラで写真を撮っていました。今時どうしてデジタルカメラではないのだろうとも思ったのですが、無駄に撮影しないためかもしれないなとも思いました。

忙しい福家警部補に振り回される自分について自問自答しながらも協力している柄本時生さんの二岡さんも、何だか面白かったです。

被疑者の死亡を「つまらない」と言いながらも、藤堂さんの三室さん殺害を「正当防衛」だろうと考えていた石松警部は、記者会見を開くことを福家警部補に伝えていたのですが、福家警部補から、三室さんの服の袖は手首が隠れるほど長いものだったにも関わらずその遺体の手首には三室さん自身の血が付いていたのは、三室さんが両手を挙げて命乞いをしていたからではないか、その三室さんを藤堂さんは撃ったのではないかと聞くと、福家警部補の「独断捜査」を続けても良いという態度を示していました。

盗作も殺人も否定する藤堂さんに、福家警部補は、「でも、あなたが犯人です」と言っていました。そして、記者会見の直前、福家警部補は、以前事務所で藤堂さんが最後にあった殺害日の3日前の辻さんの部屋で見たものとして福家警部補の撮影したポラロイドの写真を見ながら答えていた黒か濃い緑色のような色の「カップ」が本当は「燭台」の一部であったこととを示し、それを購入した人物の証言から、犯行時刻の30分ほど前までは、壊れる前の燭台の形として辻さんの家にあったことを証明して伝えていました。

確かに、ドラマの初めのほうの、藤堂さんから札束の入った鞄を受け取ろうとしていた殺される直前の辻さんの家のテーブルには、白いキャンドルが数本置かれていたような気がします。その福家警部補の様子を見ていた石松警部は、記者会見を中止にするよう田所さんに命じていました。

4年前に亡くなった高校時代の友人の作品を盗作して人気脚本家となり、それを知って脅してきた骨董屋の辻さんを殺して友人の原稿と一緒に燃やし、三室さんを利用して殺したことを認めて自白し、「完全犯罪」に失敗したことを残念そうにしている藤堂さんに、福家警部補は、完全でないから人は人を殺すのだと話していました。

捜査に熱心で忙しい福家警部補の台詞は早く、内容は凝縮されて詰め込まれていました。そのため、圧倒的で、目を離すことができないような雰囲気から少し息が詰まるような感じもするのですが、論理的で無駄がなく、簡潔な展開でもあったように思います。

ドラマの本編が終わってすぐのエンドロールの部分が、ポラロイドカメラの写真の映像と音楽だけだったところも、良かったです。

短編小説のような世界観がしっかりと丁寧に作られているように思え、真面目で真剣な雰囲気があって、硬派な作品という感じにもに思えました。

福家警部補の捜査を石松警部や田所警部補が特別妨害するようなことがなかったところも、冷静な感じがして良かったです。

犯人がミスをしたのはどこか、福家警部補がどこに注目して犯人のミスに気付き、どのように真相に迫っていくのか、というところを見るのが倒叙ミステリーのドラマなのだと思うのですが、今回のドラマは、第1話の印象では、視聴者も事件の推理をしながら見ることのできるドラマというよりは、二岡巡査がそうであるように、福家警部補の言動と存在感に引っ張られていくドラマでもあるように思いました。

昨夜の「福家警部補の挨拶」を見終わった後、このミステリードラマが夜の9時台で「チーム・バチスタ4」が次の10時台のドラマであるのを、逆の放送時間でも良いような気がして少し不思議にも思えたのですが、私にはどちらのドラマも楽しみに思えているので、次回の放送もまた楽しみにしたいと思います。
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