「相棒season12」第13話

テレビ朝日のドラマ「相棒season12」の第13話「右京さんの友達」を見ました。

警視庁特命係の杉下右京(水谷豊さん)が机のパソコンで『孤独の研究』という小説を書きながら、その文章を「心の声」のようなナレーションとしてドラマを進めていくという、小説風の構成が面白かったです。

ある日、馴染みの紅茶店で紅茶を飲んでいた右京さんは、ダックスフントを抱えている紅茶に詳しい不思議な雰囲気の無職の毒島幸一(尾美としのりさん)と知り合いになり、自宅でのお茶会に招待されていました。“相棒”の甲斐享(成宮寛貴さん)を誘って一緒に毒島さんのアパートの部屋を訪ねた右京さんは、イギリス風に改装されたおしゃれな部屋の、アンティークの紅茶のカップやたくさんの紅茶の缶の置かれた棚やミステリー小説が積まれた書斎に感心していたのですが、享さんは、毒島さんが右京さんと同じように高く上げたポットから紅茶を注ぐ様子に驚いていました。

毒島さんは、インターネットでミステリー小説の批評をしている人で、ミステリーマニアからは毒舌で的確なことを言う批評家として高い評価を得ているということでした。

紅茶の茶葉の専門店でも偶然出会うなど、右京さんと知り合いになって打ち解けるようになっていた毒島さんは、「和製シャーロックホームズ」として右京さんが紹介されていた記事をインターネット上に見つけ、警察官である右京さんに、隣の部屋で起きた、ミステリー作家の烏森凌(加藤厚成さん)が恋人の佐藤静香(佐藤寛子さん)を自身の小説に登場するナイフを使って殺害したという事件は、冤罪事件かもしれないということを話し、右京さんは、その事件を調べ直すことを約束していました。

中学生の頃に一度小説のようなものを書いたことがあるという右京さんに、毒島さんは、もう一度書いてみてはどうかと勧めていました。読んで批評してもらうことを約束した右京さんは、『孤独の研究』の主人公の「彼」を毒島さんとして書き、紅茶と犬だけを信用しているという毒島さんの、頭は良かったけれども人付き合いが苦手だったために大学院での研究者の道も閉ざされて少しずつ社会の中心から外れていった、孤独な人生を浮かび上がらせていました。

脚本は真野勝成さん、監督は橋本一さんでした。

私にとって特に面白く思えたのは、右京さんと毒島さんが紅茶談義を楽しむ前半の物語でした。右京さんが小説を書いているという構成も面白く思えていました。小説の原稿であることが途中で披露されなかったほうが、もっと良かったようにも思えるのですが、それはその辺りから、急に毒島さんの辛い、あるいは「つまらない」人生の現実感に引き戻されたような気がしたためかもしれません。それが私には、少し寂しく思えたのです。

毒島さんが隣の部屋の静さんを、一度も自分を殴らない恋人の烏森さんを死なせてしまったと勘違いして呆然としていた静さん自身に頼まれて殺害したというような展開は不要だったように、私には思えてしまいました。静さんに笑われた毒島さんが静さんを殴ったというようなところもです。

毒島さんに「尊大」なところがあったという点が描かれていたのかもしれないのですが、その結果、毒島さんが静さんを死なせてしまったことで、毒島さんは紅茶好きで似ていた右京さんとは、離れてしまったような気がします。

毒島さんは、右京さんと享さんを、和製シャーロックホームズとその助手のワトソンだと言い、孤独と孤高は違う、杉下さんは孤独ではなく孤高の人だと褒めていたのですが、そのように右京さんを褒めて終わったところも、右京さんを孤高の人、毒島さんを孤独な人として立場を明確にしまっていたように思えました。

最後、享さんは、警視庁に連れて来た毒島さんを見た捜査一課の刑事の伊丹憲一(川原和久さん)と芹沢慶二(山中崇史さん)に誰ですかと訊かれて、右京さんの友達です、と答えていて、右京さんと毒島さんは少し不思議そうに顔を見合わせていました。

尾美としのりさんの毒島さんの雰囲気が良かったので、今回は事件を描くよりも、もう少し毒島さんと右京さんの関わりを深く描いてほしかったようにも思いました。それでも、今回の第13話は、楽しい回だったと思います。
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Author:カンナ
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