「福家警部補の挨拶」第6話

フジテレビのドラマ「福家警部補の挨拶」の第6話「愛情のシナリオ」を見ました。

冒頭では、1914年、島村抱月と作った芸術座の舞台「復活」でヒロインのカチューシャ役を演じて一躍人気女優となった松井須磨子が、5年後に道具部屋で首を吊って自殺をした、ということが伝えられていました。

第6話の犯人は、女優の小木野マリ(若村麻由美さん)でした。ハリウッドの人気監督による「東京ローズ」という映画の主人公の少女の母親役を射止めるため、オーディションに参加をする予定だったマリさんは、夜、ライバルの女優の柿沼恵美(黒沢あすかさん)のマンションの部屋で、マリさんと映画プロデューサーの密会現場を撮影した写真を見せられ、それを公表されたくなければオーディションには参加をするなと柿沼さんから言われていました。渡された数枚の写真を見たマリさんは、最後の一枚の写真を公表すれば、柿沼さんにとっても不利益なのではないかと訊いていたのですが、柿沼さんはオーディションを勝ち抜くためにはそのくらいのことは気にしないという様子でした。

オーディションに出るのを辞めると諦めたように答えたマリさんは、部屋で育てている小鳥と話しながら単純に喜ぶ柿沼さんのために、コーヒーを淹れることを提案していました。密かにハンカチで柿沼さんの常用している睡眠導入剤のカプセルを掴んだマリさんは、柿沼さんの台所へ行き、手袋をはめて、柿沼さんが買ってきたばかりのインスタントコーヒーの新しい瓶を開けて、カップの中に薬のカプセルの中の粉を入れて、柿沼さんのコーヒーを用意していました。

眠った柿沼さんの前のテーブルに置こうとしてカップのコーヒーをこぼしてしまったマリさんは、テーブルを拭いてその上にあったコーヒーのかかった小物や紙類を回収し、ベランダの窓を全開にしていました。そして、柿沼さんを背負って移動し、柿沼さんをマンションから落として殺害したのでした。

前の道に落ちた直後、そこを通りかかった人が発見して通報したので、すぐに警察が到着し、現場鑑識係の二岡友成巡査(柄本時生さん)や強行犯第十三係の筆頭主任の田所勉警部補(中本賢さん)や主任の福家警部補(檀れいさん)が駆けつけて、柿沼さんの部屋を調べていました。

福家警部補は、冬の窓が全開であることや、かわいく飾り付けられた鳥かごの中の文鳥の餌がほとんどなくなっていること、コーヒーの瓶の内側の紙の蓋がきれいに半分開いていることなどに着目し、ポラロイドカメラで写していました。

男性がお弁当屋さんにクレームを付けて暴力を振るっている現場を止めに入った福家警部補は、それがドラマの撮影現場だったことに驚いていたのですが、お弁当屋さんを演じていたマリさんの演技に感心していました。

撮影のために借りた完全禁煙のビルで隠れてたばこを吸っていたという若手女優の吉野利香(高月彩良さん)に厳しく注意をしていたマリさんに会いに行った福家警部補は、マリさんの飲んでいるコーヒーの蓋が、柿沼さんの死んだ日の台所にあった新しいコーヒーの瓶の開け方と同じであることを指摘し、柿沼さんの開け方は汚かったことから、その日柿沼さんは誰かとあっていたのではないかと、マリさんに話して尋ねていました。

定食屋さんで食事をしていた福家警部補は、二岡巡査から、柿沼さんの左目のコンタクトレンズがなくなっているという報告を受けていました。福家警部補は、そのことをマリさんに話し、顔色を変えないマリさんの二面性を指摘していたのですが、マリさんは、それは福家警部補にもあることを言って、普段は喜怒哀楽がないような顔をしているけれど、本当は激しい怒りの気持ちを持っていてそれを隠しているのではないか、でもどちらも本当のあなたの顔だというようなことを福家警部補に話し、過去に何かあったでしょうと訊いていました。

遺書があったことから柿沼さんの転落死を自殺と考えていた強行犯第十三係係長の石松和夫警部(稲垣吾郎さん)は、マリさんによる他殺と考えている福家警部補に、マリさんを容疑者とすることはイメージが大切な女優の女優生命に関わることになるのだから君も刑事生命をかけて捜査をするようにと話していました。

福家警部補は、柿沼さんのマンションの転落現場を歩き、部屋の前まで来ていたのですが、そこで配達票をドアの隙間に差したばかりの宅配の人と遭遇し、柿沼家の人と間違われて、鳥の餌(バードフード)を受け取っていたのですが、それは再配達だったようでした。

マリさんを柿沼さんの部屋に呼んだ福家警部補は、柿沼さんが取り寄せていた文鳥の餌の再配達を頼んでいたのは殺される直前だったことをマリさんに話し、そこで宅配業者に残されていた番号に電話をかけると、鳴ったのはマリさんのスマートフォンでした。事件の夜の柿沼さんはコーヒーを飲む少し前に勝手にマリさんのスマートフォンを触っていて、怒るマリさんに「不倫」の写真を見つけようとしていたと弁解していたのですが、本当は宅配業者に再配達を依頼していたようでした。

福家警部補は、窓の全開は演出であり、柿沼さんを眠らせたマリさんは、柿沼さんの5階の部屋のベランダではなく屋上へ柿沼さんを運んで突き落としたのだと推理していました。コンタクトレンズは、屋上で発見されたということでした。

そのような時、オーディションの結果の連絡が来て、マリさんは、主役の娘の役には吉野さんに決まってマリさんは落選したことを知り、溜息を付くように落胆していました。

石松警部が刑事部長に柿沼さんの死は自殺だという報告書を提出した矢先、田所警部補がやって来て、マリさんが自首してきたことを伝えていました。刑事部長は、見なかったことにすると言って、受け取ったばかりの報告書を石松警部に返していました。

拘置所のマリさんに会いに行った福家警部補は、マリさんには本当は子供がいるのではないか、その子は施設で育った吉野利香さんなのではないかと訊いていました。柿沼さんがマリさんに見せていた写真の最後の一枚は、吉野さんが麻薬を吸っている現場を押さえた写真でした。柿沼さんは、マリさんを陥れるために、若い頃のマリさんが生んで施設に預けた子供だった吉野さんを非合法の薬物の世界に誘い、写真に残していたのでした。福家警部補は、マリさんが新人女優である娘の薬物のスキャンダルを隠すために、知人のカメラマンに自分の「不倫」のスキャンダルを撮らせたのではないかと推理していました。

子供を生んだのに分からないのですかと苛立っていた福家警部補は、世の中には親を知らない子供、親の愛情を知らない子供がたくさんいることを話し、吉野さんに母親であることを打ち明けて助けることができるのは今だと言っていたのですが、マリさんは自分は母親ではないと否定し続けていました。その写真は雑誌に掲載され、吉野さんが主役を降板したことを聞いてマリさんは唖然としていたのですが、それでも母親であることを否定していました。

私は母親なんかじゃない!私は女優よ!死ぬまで女優なのよ!と自分を納得させるように開き直るマリさんに、ガラス越しに見せていた吉野さんの記事の載った雑誌を閉じて諦めた様子の福家警部補は、分かりました、いつまでも演じていてください、と答えて面会室を後にしていました。

脚本は正岡謙一郎さんと麻倉圭司さん、脚本協力は丸茂周さん、演出は岩田和行さんでした。

石松警部や田所警部補や二岡巡査の場面も、前回よりは多く描かれていたような気がします。その辺りは良かったようにも思えるのですが、第6話は、中心のミステリーの要素に、何というか、もう少し鮮やかさが足りなかったような気もしてしまいました。

若村麻由美さんの女優のマリさんの迫力のようなものは良かったと思うのですが、事件の、深夜に照明の点いている明るい部屋のベランダの窓を全開にして、ソファで眠って重くなっている柿沼さんを背負ったマリさんが部屋を出て鍵を閉めて屋上まで運んで柿沼さんを落とし、誰にも見つからずにマンションを出るというところが、もう少し丁寧に描かれていると良かったのかもしれません。その場面は描かれず、福家警部補の推理の解説のみでした。防犯カメラについても、何も言われていなかったような気がするのですが、このマンションにはなかったということなのでしょうか。

その辺りが少し気になってしまったのですが、今回は、犯人が女優さんということで、福家警部補の二面性というか、過去に何かがある人だということに触れられていたので、そのことを描きたかったのかもしれないなとも思いました。

次回は、「オッカムの剃刀」の前編だそうです。数年前、同じタイトルの作品が永作博美さん主演のNHKのお正月のドラマとして放送されていたようなのですが、私はなぜか見逃してしまい、見ることができませんでした。
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