「世にも奇妙な物語’14春の特別編」

フジテレビの「土曜プレミアム」で放送されていたドラマ「世にも奇妙な物語'14春の特別編」を見ました。

最近の「世にも奇妙な物語」はほとんど普通の短編ドラマ集のようになっているような印象もあるのですが、それでも毎回、何となく見ています。複数の作品の中の一作品でも良かったなら、それでいいのかもしれないと思うようにもなってきました。

今回は、就職浪人中の若者(「ニート」ではなかったように思います)が格安で国の少子化対策のために作られ、ホームネットワークシステムの取り入れられた公団住宅に入居して一人暮らしを始める「ニートな彼とキュートな彼女」(玉森裕太さんと木村文乃さん出演)、共同墓地を購入した女性が隣のお墓を購入していた孤独な女性に追い詰められていく「墓友」(真野響子さんと渡辺えりさん出演)、歴史小説好きの女子高校生がバスの中で目の前に立つ老人に席を譲るべきかどうかを歴史上の人物に当てはめながら迷う「空想少女」(能年玲奈さん、入江甚儀さん出演)、恋人と喧嘩別れをした直後に工事現場の事故で亡くなったテレビ局の映像ディレクターの女性が亡くなった人たちの見る「走馬燈シネマ」の編集を頼まれる「ラスト・シネマ」(榮倉奈々さん、きたろうさん、金子ノブアキさん出演)、中学生の頃体育教師から酷い体罰を受けて脚に治らない傷を負った医師が脚に怪我をして入院している子供の父親だったその元体罰教師に復讐をしようとする「復讐病棟」(藤木直人さん 赤井英和さん出演)の、5作品が放送されていました。

ストーリーテラーは、いつもと同じく、タモリさんです。

どこかで見たような作品が多いように思えてしまうことは、もう仕方のないことなのかもしれないのですが、例えば病室の隣のベッドで治療を受けている場面が「墓友」と「ラスト・シネマ」で続いたりしていたことには、少し意外な感じもしました。似たような場面は、少なくとも同じ回の中では、ないほうがいいような気がしました。

そのような今回の5作品の中では、私は、「墓友」が良かったように思います。

最近には「終活」という不思議な言葉もあるのですが、その一つ?でもある「墓友」という言葉自体がそもそも奇妙に思えるので(「ママ友」なども奇妙な言葉のように思えます)、そのまま、その奇妙さを広げて短編のサスペンスとホラーのドラマにしたような印象の作品でした。

予告編を見た時には、何かにつけて「墓友でしょう?」と軽部千代美(渡辺えりさん)に言う伊能夕子(真野響子さん)の感じに、あまり目新さのようなものはないように思えていたのですが、このドラマは、伊能さんの孤独が狂気となった物語でした。

身内も友達も一人もいない天涯孤独の伊能さんは、桜の木の下に作られた共同墓地を購入した際、隣の墓地を購入した明るい性格の軽部さんから「墓友」という言葉を教えられ、最初は戸惑っていたのですが、「私たち墓友じゃないの」と気軽に親しまれて、「墓友」を生涯の「親友」のように理解してしまったようでした。そして、軽部さんを独占しようとして伊能さん自身も追い込まれ、共同墓地を解約しようと思い立った軽部さんを道連れに、自殺を遂げるのでした。

伊能さんが暮らしているアパートの異様さのようなものも含めて、孤独のあまり初めてできた「墓友」という「友」に執着する伊能さんの個性が、よく描かれていたのだと思います。伊能さんがすごく異常な人として描かれていたわけではないですし、「世にも奇妙な物語」を見たことで、普段の日常の世界をそれまでとは少し違った世界のように思えるようになるというような点では、この「墓友」の物語が、今回の中では一番「世にも奇妙な物語」に合っているドラマだったのではないかなと思いました。

ただ、良くなかったのは、これは物語そのものが良くなかったということとは違うのですが、5作目の「復讐病棟」の最後の「のろうさぎ」の声の音量が、突然大きくなったことです。「のろうさぎ」は藤木さんの演じていた医師の生徒時代のあだ名だったのですが、このあだ名よりも、医師と元教師の会話の中で突然その音量が大きくなったことに驚いてしまいました。この音のために心臓を悪くした方もいるのではないかと思えるほどでした。ドラマを見ている人を驚かす演出だとするのなら、内容だけで十分のように思います。

いつか「世にも奇妙な物語」が放送されることがあったら、また見たいとも思うのですが、一視聴者として勝手ながら、今度はもう少し「奇妙」で面白い短編ドラマが揃うようになっているといいなと、今回の2014年の「春の特別編」を見ていて改めて思いました。
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