「シリーズ 廃炉への道」第1回

昨夜、「NHKスペシャル」の「シリーズ 廃炉への道」の放送が始まり、私もその第1回「放射能“封じ込め”果てしなき闘い」を見ました。

2011年の3月11日に発生した巨大地震と巨大津波の後、次々と爆発しメルトダウンをした、東京電力福島第一原子力発電所の1号機と2号機と3号機を廃炉にする作業の全工程を、NHKでは長期的に記録していくことにしたのだそうです。

番組ではアメリカから借りたという大量の古いビデオテープが紹介されていたのですが、アメリカのスリーマイル島の原子力発電所の事故の記録も全て映像で残されているそうです。でも、スリーマイル島の事故では格納容器までは損傷しておらず、今回の日本のように3機の原子炉を同時に廃炉にするというのは、人類史上初のことなのだそうで、そのために作業がどのように進むのか分からないことも多いのだそうです。

現代を生きる少女が数十年後の未来を考えるというような演出でドキュメンタリーは展開していて、番組の語りは、NHKの柴田祐規子さんと俳優の西島秀俊さんでした。

放射線量が高過ぎて入ることのできない作業員の方たちに代わって、日立や三菱重工のロボットや東芝の機械が発電所の建屋の内部へ入って作業を行っていたのですが、床に散らばる瓦礫につまづいて斜めの状態になったまま動くことができなくなってしまったロボットもいて、その感じも、昨夜の番組を見ていた私には何だかとても辛く思えました。

壊れた格納容器の中には「燃料デブリ」と呼ばれる溶けた核燃料が岩のように固まっているそうです。放射性物質である燃料デブリに人間が近づくことはとても危険なため、格納容器の上にクレーンのような機械を設置して、それを少しずつ削りながら取り出すようなのですが、それはとても時間のかかる作業なのだそうです。そして、取り出した燃料デブリは使用済み核燃料と同様に、どこに置くかが決まっていない、非常に処分に困るものだということでした。

番組によると、2020年までに「冠水」を行い、その後2036年までに「燃料デブリの取り出し」を終え、2051年に「廃炉」が完了する予定なのだそうです。

番組内でも言われていたように思うのですが、気の遠くなるような、という表現が本当に当てはまっているように思いました。

工程を考えている方も大変だろうと思うのですが、現場の担当者の方や特に最前線にいる作業員の方たちは、本当に大変なのではないかと思います。

豊かでとても美しい水であるはずの福島の地下水が、原子力発電所内に溜まった「汚染水」を海に流す原因のように言われてしまう現状にも、残念で、寂しい感じがしました。

福島の漁業関係者の方たちは「風評被害」を心配していたそうなのですが、地下水を汲み上げて海に放出するという東京電力の提案を受け入れることにしたようでした。番組によると、東日本大震災から3年経って、福島の海で取れた魚の放射線量は基準値以下になっているということでした。

「風評」というのは「噂」という意味だと思うのですが、ただ、例えば一市民の私には、何百トンという大量の汚染水が海に流れ出ているという事態にも関わらず放射性物質がその近海で暮らす魚類や貝類や海藻類にほとんど蓄積されていないということを、本当にそれは事実なのだろうか、そのようなことがあるのだろうかと、理論的に詳しく説明されていないために、少し不思議に思えるというところもあるのではないかと思います。それは、お米などの地上の作物に関してもそうだと思うのですが、当初言われていた危険説がはっきりと否定されていないまま、2、3年前よりもニュース番組などで報道されなくなっていることもあって、曖昧になってしまっているような気もするのです。

例えば初夏の頃になると「潮干狩り」が始まるニュースなどが楽しそうに伝えられると思うのですが、そのようなニュースやバラエティ番組で、同時に放射線量のことなどを伝えないのは、なぜなのでしょうか。放射性物質の含まれた汚染水が海に流れ出ているという事実は、現在進行形のことだと思うのですが、報道番組とドキュメンタリー番組とバラエティ番組で扱われている世界が、同じ場所を扱っているとしても、まるで別の世界のことのようなのです。そのような点も、私には少し不思議に思えます。不気味のようにも思えます。政府から何かの指示が出ているのでしょうか。

40年以上かかるらしい廃炉への道筋や、作業に携わっている方たちや周辺地域の方たちの暮らしは、きっと私がすぐに想像することができないほど本当に大変なものなのだと思います。番組を見ていてそのことを改めて思い、少し暗い気持ちになりました。今は停止している原子力発電所が今後いつか再稼動されてしまうのかということを思っても、やはり少し不安な気持ちになります。私自身も世の中も、6年後にどのようになっているのかはまだ分からないことではあるのですが、「東京オリンピック」が開催されるとしても、そのお祭の雰囲気は、日本のごく一部の、表面的なもののような気もします。

また、「NHKスペシャル」の次回の予告が廃炉の第2回と若い人の貧困問題だったので、日本の未来(あるのなら、私の未来も含めて)あまり幸福なものではないような思いもしてしまい、暗い気持ちになったというところもあります。

でも、本来はこの「廃炉への道」も、暗い気持ちになるための番組ではなく、未来志向の、とても有意義なシリーズだと思うので、NHKでは他にもEテレの「ETV特集」などでも時々、岡野博士たちの計測した放射線量の高いホットスポットの地図の特集を放送していますし、被災地から離れた場所にいる私も忘れることのないように、これからもこのような番組を見ていこうと思います。
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