「BORDER」第6話

テレビ朝日のドラマ「BORDER(ボーダー)」の第6話「苦悩」を見ました。

マンションの屋上から女子大学生が転落死し、現場を訪れた鴨川管理官(北見敏之さん)は自殺だろうと決めつけていたのですが、特別検視官の比嘉ミカ(波瑠さん)は、遺体の左手の中指だけが不自然な死後硬直をしていたことや、屋上の柵に付けられた両手の痕や、靴の前に置かれていたという両端を加工した小枝を見て、自殺ではなく他殺ではないかと考えていました。

転落した舞子さんには自殺未遂をした過去があり、兄(大和田健介さん)は鬱症状のあった妹の様子を見ようと部屋を訪ね、鍵の開いていたドアから中に入り、暗い部屋のベランダの外に、落ちていく人影を見たのでした。

比嘉さんは、兄に解剖を提案し、一時は解剖の準備もされていたのですが、これ以上娘を傷つけたくないと両親が反対をしたらしく、解剖は中止となっていました。両親の気持ちも分かると、解剖に立ち会う予定だった警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係第一班の刑事の石川安吾(小栗旬さん)と立花雄馬(青木崇高さん)に言っていた比嘉さんは、頸椎が折られていた被害者のレントゲン写真を見せて、何者かに首を絞められて殺され、突き落とされたのではないかと話していました。そして、犯人が置いた小枝について、ダンテの『神曲』の地獄篇の、自殺をした者は自分の体に暴力を加えた罰として枯れ木にされるという箇所に結びつけたものではないかと推理していました。

別の夜、また女子大学生がマンションの屋上から転落死し、自殺と断定する鴨川管理官の言葉を無視して調査を行った比嘉さんは、屋上に同じような小枝が落ちていたのを見つけて、石川さんに相談していました。

安置所で二人目の被害者の遺体を見せてもらった石川さんは、比嘉さんを返した後、現れた女子大学生の幽霊に誰に殺されたのかを訊いていたのですが、その学生は、マンションの廊下で突然誰かの腕が首に巻き付いてきたということまでしか覚えていないと答えていました。そして、自殺未遂をしたこともあるし、また自殺をしようと思ったけれど、両親が悲しむことを知って生きようと決めていたということを話し、私を殺した犯人を捕まえてくださいと石川さんに頼んでいました。

二人が通っていた精神科の病院を訪れた石川さんは、患者の女子大学生の悩みにつけ込んで食事に誘う医師に会いに行ったのですが、医師は守秘義務があるからと言って詳しいことは黙っていました。石川さんは帰り際、本棚に『神曲』が並んでいるのを見ていました。

ハッカーのサイモン(浜野謙太さん)とガーファンクル(野間口徹さん)は、一人目の被害者のサイトの履歴を調べ、数ヶ月前には自殺関連のサイトを見ていたけれど、最近はチョコレートの通販サイトや旅行のサイトを見ていて、沖縄旅行のチケットも買っていたということを突き止めていました。

被害者が生きようとしていたということを確認した石川さんは、少し疲れた様子で、サイモンさんとガーファンクルさんに、大学生だった20歳の頃のある朝、優しかった兄が自殺をしてしまったという話を打ち明けていました。石川さんは、自殺をする直前の兄からの電話を受けながら、その時兄の異変に気付くことができなかったと後悔していました。その話を聞いた一人っ子のサイモンさんとガーファンクルさんが、石川さんにチョコをあげて元気付けようとしていたのが、何だかかわいい感じがしました。それからサイモンさんとガーファンクルさんは、患者に付きまとうその精神科の医師の悪い情報を病院のホームページ上に流すということをしたようでした。

しかし、それから石川さんは、二人の被害者には、自殺未遂をした時に運び込まれた病院という共通点もあったことに気付いていました。比嘉さんも、『神曲』に書かれているのは心のことではなく、肉体を傷つけることだけだと思い出していました。二人の家は5kmほど離れていて、運び込まれた病院を調べた石川さんは、当日の担当医が同じ津川利雄という医師であることを知ったのですが、その人は2ヶ月ほど前に病院を辞めたということでした。

石川さんに協力を頼まれた立花さんは、三人目の被害者がマンションの廊下で襲われる直前に犯人の津川利雄(弓削智久さん)を捕まえたのですが、犯人は立花さんの隙を付いて逃げ出し、廊下の階段を駆け上がって屋上へ向かい、石川さんと立花さんが止めるのを聞かず、足下に小枝を置くと、あっという間に柵を乗り越えて、地面に転落していきました。石川さんは走って止めに向かったのですが、間に合わず、犯人は石川さんの目の前で自殺をしてしまったのでした。

マンションの玄関前で遺体を見つめていた石川さんの前に、津川さんの幽霊が立っていました。どうして大学生を殺したのかと訊く石川さんに、津川さんは、小学生の頃、学校から帰ると姉が目の前に落ちてきた、という話をして、大切な人に目の前で死なれた気持ちが分かるかと言い、自殺未遂をして運び込まれてきた患者の治療をしても、その4割はまた自殺未遂を繰り返して運ばれてくるのだということを辛そうに話し、治療をしても意味がないと思った、彼女たちはこれからも自分を苦しめる、その苦しみから解放されたかったのだと、殺した理由を説明していました。

それを聞いて、目の前で津川さんに死なれてしまったばかりの石川さんもまた辛そうでした。比嘉さんと立花さんは、石川さんの様子がおかしいことを気にしていました。最後、兄のお墓の前に立っていた石川さんは、兄に会って自殺の理由を聞きたかったようなのですが、昔に亡くなった兄は姿を現さなかったようでした。

原案と脚本は金城一紀さん、監督は波多野貴文さんでした。

第6話も、良かったです。今回は、石川さんが休日で現場に立ち会っていなかったということもあって、なかなか幽霊が現れなかったのですが、特別検死官の比嘉さんが捜査をしない上司に反発して活躍していたのも良かったように思います。

実際にも、自殺未遂を繰り返しては救急車で病院に運び込まれてくる患者さんに悩んでいる医師の方もいるのではないかなと思いました。当然のことながら、勝手な思い込みによる自殺幇助のつもりで、自殺未遂をしたことのある人を殺してはいけないのですが、今回のドラマでは、自殺をする人も悩むし、自殺をされた人も悩むので、まさに「苦悩」の連鎖だなと思いました。

私も時々死にたいような気分になることがあるのですが、実際に自殺行為をしたことはないですし、それは現実的なものではなく、自分自身や今いるこの世界から離れたいというような、少し憂鬱な、漠然としたものなのだろうと思います。そのため、私から見ると、自殺(最近では「自死」という言い方もよく聞きますが)を決行して完遂した方も、それが未遂で終わった方も、心が弱いのではなく、むしろ勇気があるようにも思えるのですが、自分にはできそうにないことを行うことのできる人のことを勇気があると言うのは、このような場合にも通用するのでしょうか。

私には、「自殺」そのものを常に悪い行為だと思うことはなかなかできないのですが、でも、例えば好きな人に自殺をされてしまったら悲しく思うだろうなというような気持ちは、分かるような気がします。

『神曲』を読んでいた犯人の津川さん自身も、自殺未遂者(あるいは自殺行為)を憎みながら、結局自殺をしてしまいましたし、その行為をした人の気持ちを誰かに説明するのはやはり簡単なことではないのだろうなということも、改めて思いました。
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