「55歳からのハローライフ」第4話

NHKの土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」の第4回「トラベルヘルパー」を見ました。

第4話は、元運送会社の長距離ドライバーで、リストラされた後の今は不定期の中距離ドライバーの仕事をしながら、寂しさを隠すように暮らしている独身の下総源一(小林薫さん)が、最近になって通うようになった古本屋さんで店主の島田(麿赤兒さん)と話している時に出会った上品な雰囲気の堀切彩子(安田成美さん)に一目惚れをし、10回ほど二人でファミリーレストランでのデートを重ねた後に突然もう会えないと切り出してきた堀切さんへの気持ちを断ち切ることができず、何とか堀切さんの力になろうとして、新しい人生へと踏み出す話でした。

脚本は大森寿美男さん、演出は中島由貴さんでした。

これまでの下総さんは、スナックの女性と付き合ったり別れたりすることを繰り返す人だったようで、今一人で暮らしていることを、その結果だという風に少し後悔していました。

ドラマの冒頭は、死にたくなったというその下総さんが、両親の離婚によって預けられていた母方の祖母の海女小屋を訪ね、その中で一人で寂しそうにしている5歳の頃の自分の姿を見つめる場面だったのですが、最後も、その海女小屋の場面に戻っていました。

面白いと勧めた松本清張の『ゼロの焦点』のあらすじを、犯人とその生い立ちまで話してしまった下総さんに、彩子さんは、人は何を隠して生きているのか分かりませんね、と寂しそうに少し笑って言っていたのですが、それがその後2転するとは思いませんでした。

元小学校教師で、別れた夫の借金の保証人になっていたために人には言えないお店で働いていると彩子さんが告白したことは事実ではなく、本当の彩子さんは、慢性疲労症候群という難病を患っている元教師の夫を平日は施設に預けながら暮らしていたようでした。

シャワーを浴びながら号泣してしまうほど彩子さんに会いたくなっていた下総さんは、島田さんにしつこく頼んで彩子さんの家の場所を教えてもらい、彩子さんにプロポーズをするために田上専務(有薗芳記さん)に大型トラックとネクタイを借りて、彩子さんの帰りを夜まで待っていたのですが、帰宅した彩子さんが車椅子を押しているのを見て、事態を把握したようでした。

彩子さんは、突然訪ねてきた下総さんに困り、警察を呼びますよと言っていたのですが、それから少ししてドアを開けて、下総さんを家に上げ、本当のことを説明し、あなたが会っていたのは嘘の私だと言って、今までのことは良い思い出にしますからと俯いたまま、下総さんを帰していました。

5歳の頃の自分から、寂しいと誰かに言ったのかと訊かれていた下総さんは、本当に言いたいことは誰にも言わないし、誰からも言われない、と答えていました。

今の私にはまだはっきりとは分からないことなのですが、その下総さんの独り言のような会話を聞いていて、寂しいという個人的な状況だけでも寂しいのに、その寂しい気持ちを誰にも伝えることができないということの孤立した寂しさを思うと、それは何か本当に死にたくなるような、あるいはこの世界から消えたくなるような寂しさなのかもしれないなと思いました。

断崖に佇んでいた、そのような下総さんの後ろに、「ドリーム旅行プラン」という会社のワゴン車が停車し、現地の観光協会の人と間違えられた下総さんは、介護の必要な方に快適な旅行を楽しんでもらうという「トラベルヘルパー」の方から名刺をもらい、そのような仕事があることを知ったようでした。

両親の離婚で会うことができなくなった大好きな父親が三輪自動車で物を運ぶという運送の仕事に誇りを持っていたことや、亡くなるまで現役の海女さんだった元気な祖母(宮下順子さん)から、寂しいのは仕方がないのだから自分のやりたいことをやりなさいと言われていたことを思い出していた下総さんは、トラベルヘルパーさんの名刺を見て、彩子さんと車椅子の夫の力になる道を思いついたようで、力強く歩き出していました。

「老いらくの恋」という言葉は私も聞いたことがあるように思うのですが、その言葉の内容の重さのようなものは、私にはまだよく分かりません。でも、きっと、小学生や中学生や高校生の「恋」とは、違うのだろうと思います。

人は何を隠して生きているのか分からない、という安田成美さんの彩子さんの言葉は、私には、ミステリーやサスペンスの要素のある言葉にも聞こえます。そのため、本当にそうなのだろうなと、少し怖くも思うのですが、隠し続けたくなってしまうのには、例えば好きな誰かに自分の隠している事実を話してみて、そのことで軽蔑されるのも嫌だなと思ってしまうこともあるのではないかなと思います。彩子さんも、もしかしたらなのですが、下総さんのことを少し好きになりかけていることろがあったのかもしれません。

あと、今回の下総さんや彩子さんも、前回の主人公の中米志津子(原田美枝子さん)と同じく、第1話と第2話のマンションの住民ではなかったのですが、近所ではあるようで、下総さんは、志津子さんの勤めているスーパーマーケットへ買い物に来ていました。

今回は、サブタイトルの「トラベルヘルパー」が一体何なのか、最後の場面を見るまで私には分からなかったのですが、運ぶことで人を幸せにするという仕事を、トラック運転手の下総さんが新たに見つけることができたようですし、良かったのだと思います。

本当の気持ちを誰にも言わないし、誰からも言われないような人間にこの先生きている価値はあるのだろうか、という下総さんの迷いが、トラベルヘルパーとして?生きる道を見い出したことで、いつか解決されるといいなと思いました。

次回の最終回も楽しみにしたいと思います。
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