69年目の終戦の日

今日は、69年目の終戦の日です。

この日を「終戦の日」と言うべきなのか、「敗戦の日」と言うべきなのか、どちらを使うのが本当は正しいのかが、私には最近よく分からないように思えているのですが、特に毎年8月になると、第二次世界大戦や太平洋戦争のことが本や新聞やテレビなどのメディアでよく取り上げられているので、69年前の戦争時代を生きたことのない私も、その時のことを少し知ることができます。

テレビ番組では、今年も特集番組や報道番組の中の企画などでいろいろ放送されていると思うのですが、例えばTBSの「NEWS23」の「若者たちの戦争」(恒例の「綾瀬はるか戦争を聞く」を含む)のシリーズも良かったですし、NHKスペシャルの「水爆60年目の真実」、BS1スペシャルの「女たちのシベリア抑留」、TBSの報道特集の長崎の原爆投下直後の映像の特集(NHKスペシャルのものは台風のために放送が延期になったようでした)、日本テレビのNNNドキュメントの「続・放射線を浴びたX年後」、テレビ朝日の「ザ・スクープスペシャル」の日本軍の毒ガス兵器開発の特集、一昨日のNHKスペシャルのペリリュー島の記録映像の特集など、見ていて辛い気持ちにもなるのですが、良かったです。

EテレのETV特集の「肢体不自由児たちの学童疎開」と、昨夜のNHKスペシャルの「少女たちの戦争~197枚の絵日誌~」も、とても良かったです。東京の世田谷の光明学校の松本保平校長先生や、滋賀の大津市の瀬田国民学校の5年生の担任の西川綾子先生の児童たちを戦禍から守ろうとした優しい気持ちがよく伝わってきました。

「絵日誌」は、戦争の情報ばかりの中で、感受性豊かな子供たちに文化を与えたいと、担任の西川先生が昭和19年の4月から始めたものでした。チューリップの絵が本当に生き生きと描かれていたのですが、当初は、学習園という菜園で育てた花や野菜の成長記録や田植えの様子など、のんびりとしたものだったそうなのですが、秋の頃になると身内を兵士として送り出したり、アメリカのB29が飛来したりという具体的な戦争の様子が描かれ始め、悲しさや寂しさは隠したまま、軍国主義的に「敵」への憎しみの気持ちを表現するようになったそうです。内容は硬いままエスカレートしていき、翌3月の黒塗りのB29の日誌を見て、西川先生は終わりにしましょうと、「絵日誌」を書くことをやめさせたのだそうです。

その昨夜の「絵日誌」の特集の最後の、終戦後、6年生になった児童に作文を書かせた西川先生が、先生も同じ気持ちですと言って読んだという、「家族が仲良く、瀬田町が仲良く、日本が仲良く、そして世界中が仲良くなるのがいいと思います」という素直な文章を聞いていて、私も本当にその通りだと思いました。でも、69年経った今でも多くの人がそう思っているかもしれないのに、あまり良い方向には進展していないのではないかなという気持ちにもなりました。

しかも、今年は第一次世界大戦の開戦から100年目の年でもありました。BS1でもその特集が放送されていましたが、今の日本の場合は、安倍内閣の政策によって集団的自衛権の行使容認の閣議決定されたりや武器の輸出が一部解禁されることになったりということもあって、より「戦争」の雰囲気が近づいているような気もします。

昨夜には、沖縄の辺野古をアメリカ軍の基地にする計画の一環で海の上に立ち入り禁止区域を設けたという報道がありましたが、アメリカとのつながりを強化するために、辺野古移設反対派の方たちの意見は無視することに決めたということなのでしょうか。

戦争は日本の中でも遠い時代の「歴史」ではないのだと、改めて思います。

8月6日は広島に、8月9日は長崎に原爆が投下された日でした。先日の式典での松井広島市長の平和宣言は、どちらかというと核廃絶を訴える普遍的なもので、その中では集団的自衛権の行使容認などについては触れられていなかったのですが、3日後の田上長崎市長の平和宣言は、もっと具体的なものでした。核廃絶のことだけではなく、東京電力福島第一原子力発電所の事故のことにも触れ、集団的自衛権の行使を容認することへの市民の不安や反対の気持ちをはっきりと伝えていました。

それに対して安倍首相の広島の式典での挨拶文と長崎の式典での挨拶文の前半は「広島」と「長崎」を入れ替えているだけの内容で、特に後半はほとんど同じ文章でした。唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界を実現していく努力をしていく、世界恒久平和のために力を尽くす、というような自身の政治家としての主張を繰り返すばかりだったように、私には思えてしまいました。

式典後、安倍首相と直接会った被爆者の方が集団的自衛権の行使には反対ですとはっきりと言っていた時にも、安倍首相は国民の皆様に理解していただけるようしっかりと説明していきたい、というようないつもと同じ言葉を淡々と繰り返すだけだったので、その報道を見ていて、残念でもあるのですが、また寂しくも思えました。

安全保障の話をする時の安倍首相の言葉には、心がこもっていないようにも思えるというか、安倍首相自身の言葉になっていないような気がする時もあります。

安倍首相が経済の建て直しを目指していることは分かるのですが、その一部が原子力発電所を外国に販売するとか、軍需産業に手を出すとかでは怖いなと思いますし、第一次安倍内閣の時に戦争を知らない世代の初の総理と言われていたように、安倍首相はやはり「戦争を知らない世代」なのだなと思います。安倍首相の言う国民への「説明」は、「説得」という意味に近いのだと思います。そして安倍首相の話の中ではいつも被害者になるかもしれないということばかり言われていて、加害者になるということは言われていないように思います。

現代の若い人や中高年の人だけではなく、戦争時代を生きてきた方たちが集団的自衛権の行使容認についていつか戦争につながるかもしれないと感じているのに、安倍首相や安倍内閣は「日本は戦争をしない」と言い張るだけなのです。一体どうして「戦争をしない」、「戦争にはならない」と言い切ることができるのでしょうか。今の政府の言う「戦争をする国にはならない」は、単純に、日中戦争や太平洋戦争のようなことはしない、日本からは宣戦布告をしない、というだけのことなのではないでしょうか。相手の国のあることなのに、絶対に戦争にはならない、と言い切ることができるのは、少し奇妙です。

例えばアメリカが同時多発テロの被害に遭った時のように、集団的自衛権を行使した結果復讐されて戦闘になるというようなことは、政府としては全く想定しないのでしょうか。

それに、自衛のための戦いの権利なら、集団的自衛権を取り入れなくても、個別的自衛権で対応できるような気がします。違うかもしれないのですが、もしも「集団的自衛権の行使容認」が日本とアメリカの連携を強化したいためのものなら、そのように説明したほうがまだ分かりやすいような気もします。

先日のNHKの特集によると、自衛隊の方たちはこの60年間、実戦では一発の銃弾も撃っていないそうです。挑発的な行動を取るような相手に対しても気持ちを抑制して、忍耐をして、冷静に応対できるようにしているそうです。

最近、何かと「世界に誇る」という言葉を頭に付けて日本の良いものを誇らしげに紹介するような風潮があって、私にはそれがあまり良いことのようには思えないのですが(日本の美徳だったはずの謙虚さはどこへ行ってしまったのでしょうか)、自衛隊の方が60年間戦闘で撃っていないということは、それこそ日本の誇りにしても良いほどのすごいことのように思えました。

「現地の目線に立つ」というのが日本の自衛隊の「お家芸」だと外国から言われているというのにも驚いたのですが、「異文化への理解」という言葉を使わなくても、相手の立場に立って考えるということは、普通のことのはずですし、安倍総理にも、戦争を体験した方たちの不安の思いをもっと理解してほしいように思いました。一般市民も、自衛隊の方も政府が守らなくてはいけない同じ国民のはずです。自衛隊が、休戦中の軍隊、という感じにはならないといいなと思います。

今の日本の暮らしは先人たちの犠牲の上に成り立っているということも分かるのですが、戦闘地域となった各地で戦った兵士の方や戦死した兵士の方、戦闘の犠牲になって亡くなった一般市民の方だけではなく、戦争の狂気のために「加害者」となってしまった方も、当時の各国の軍人的な性格の政治家たちが選んだ戦争の被害者なのだということを、戦争の話を聞いたり読んだりしていると、改めて思います。今もそのような不穏な過渡期なのではないかと、憂鬱な気持ちにもなります。

戦争(紛争、戦闘)の被害者になってしまうかもしれないのも、加害者になってしまうかもしれないのも、嫌なことです。戦争を体験した方の話を間接的に聞くだけでも、そう思います。

第二次安倍内閣になってから、メディアはあまり自由な政府批判をしなくなってしまったように思うのですが、安倍内閣の政策の全部が悪いというわけではないのかもしれないですし、もしこのまま続くのなら、安倍内閣の確立したいと思っている安全保障上の「抑止力」というものが、暴力的なものではなく外交の会話の能力だけで、世界の平和につながるようになるといいなと思います。そして、平和のためにも(と言ってはいけないのかもしれないのですが)、これからも天皇陛下と美智子さまがいてくださるといいなと思います。
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