「さよならポワロ!」

昨夜、NHKのBSプレミアムの「さよならポワロ!~世界が愛した名探偵・25年の軌跡~」という特集番組を見ました。

私もNHKのBSで時々放送されてきた「名探偵ポワロ」のドラマシリーズを好きなので、今回このような番組が放送されると知り、見るのを楽しみにしていました。

来週の月曜日から、「名探偵ポワロ」の新作が放送されるということで、その事前番組ということも兼ねていたのだと思うのですが、新作の5話は「ファイナル・シーズン」だそうで、25年に渡って制作されてきたアガサ・クリスティー原作の「名探偵ポワロ」のドラマは、「カーテン」でついに最終回を迎え、アガサ・クリスティーのポワロさんの小説の映像化は完結するのだそうです。

25年と聞いて、長いなと驚きました。番組によると、これまで世界100カ国以上で放送され、約7億人の人が見たのだそうです。本当に人気のドラマシリーズなのだなと思います。

そして、昨夜のこの「さよならポワロ!」の番組では、25年間名探偵エルキュール・ポワロを演じてきたデヴィッド・スーシェさんが、ドラマのポワロとアガサ・クリスティーの原作のポワロの足跡を辿り、ゆかりの人たちに会っていました。

スーシェさんは、ドラマが開始される25年前には、アガサ・クリスティーの夏の別荘でアガサ・クリスティーの娘の方に会ったそうで、原作のポワロに合っているというお墨付きももらったそうなのですが、「ポワロと共に微笑んでほしいが、ポワロを笑ってほしくない」と言われたのだそうです。すごい言葉だなと思いました。アガサ・クリスティーに私のポワロを見てほしかった、とスーシェさんが言っていたのも印象的でした。

地元の博物館にはポワロの部屋があって、ポワロだったスーシェさんは自分の部屋のように馴染んで気楽にしていました。博物館の人にステッキを手渡していたのですが、寄贈したのでしょうか。

「スタイルズ荘の怪事件」のプロットが書かれたノートをスーシェさんが見せてもらっていたのですが、それによると、アガサ・クリスティーは、小柄で仰々しい名前で口髭を生やしたおしゃれでうぬぼれた卵形の頭の男というポワロさんのキャラクターのことを途中から少し嫌いになっていたようでした。それを楽しそうに聞きながら、スーシェさんは、アガサが嫌ったポワロを人々が愛したことの自分はその証明だと話していました。

スーシェさんは、アガサ・クリスティーが看護師の仕事をしていたというエメラルドグリーン色の壁のホールや、最初にポワロの劇が上演された劇場を訪れていて、ポワロは探偵にならなかったなら俳優になっただろうと、過去のポワロのドラマを回想していました。

1988年にスーシェさんはドラマのポワロの役のオファーを受けたそうなのですが、それから小説を読み込んで、93項目ものポワロの特徴を一覧表に書き出したそうです。そのレポート用紙を持って話していたのですが、すごいなと思いました。ポワロのキャラクター作りのために声のことを考え、ポワロさんが冷静な頭脳の男だということから、頭から声を出すようにしたのだそうです。それからせかせかとした気取ったポワロさんの歩き方も身につけたのだそうです。

ドラマのポワロさんの部屋があるのは、チャーターハウススクエアのホワイトヘブンマンションというところだそうです。ポワロさんはそこで初代のプロデューサーの方と会っていたのですが、そのマンションが選ばれた理由は、ポワロさんらしい、左右対称だったからだということでした。

TV版は、1930年代の設定ということなのですが、プロデューサーの方は、ある年代に固定した方がいいと考えたそうです。数年前、私はポワロさんのドラマが近年作られた、現在進行形で作られているドラマだと知って驚いたのですが、ずっと同じ時代の空気感を表現しているというのは、もしかしたら少し大変なことかもしれないのですが、とても良いことだなと思いました。

スーシェさんもプロデューサーの方も、共演者に恵まれたとか、小道具もロケ地も良かったとか、作品そのものが良いのだと評価していました。

「名探偵ポワロ」のドラマのテーマ音楽もとても雰囲気があって良いのですが、スーシェさんはその作曲家のクリストファー・ガニングさんにも会いに行っていました。そのテーマ曲も、1930年代の雰囲気なのだそうです。ガニングさんは、最初は、何曲か提出した中の、今使われている曲とは違う曲を気に入っていたそうです。

テーマ曲を手元のピアノで弾いていたのですが、このように作られたのかと、それを聞いていて何だか嬉しい気持ちになりました。そのテーマ曲も、初めはもう少し明るい曲調だったのを、暗くGマイナーに変えて、アルトサックスでも吹くことができるくらい、重みのある曲調にしたそうです。ポワロは軽くないですからね、と話していました。

スーシェさんは、ポワロの故郷のベルギーのブリュッセルの有名な広場のグラン・プラスを訪れていました。そこへ向かう列車の中で、スーシェさんは、ポワロとの共通点として、自分はイギリス人だけれども親戚の多くはリトアニア人で、なかなかイギリス人には見られないのだと話していました。

スーシェさんと会ったベルギーの推理小説家の方は、名探偵ポワロを、小柄で優しい、典型的なベルギー人だと嬉しそうに話していました。二人がオープンカフェで話していると、口髭をつけていないのに、通りすがりの人たちにすぐに「ポワロがいる」と気付かれて囲まれていました。

白バイに先導された警察の車に乗って、スーシェさんはベルギーの街を移動し、ブリュッセルの市長と警察本部長にも会っていました。市長さんたちも、ポワロはベルギー人の誇りだと言っていました。イギリス人にも解けない謎を解く、と楽しそうにしていました。

ポワロの出生地と思われている町はいくつかあるそうなのですが、スーシェさんはそのうちの一つのエルゼルという町を訪れ、「出生証明書」に驚いていました。提出日は、エイプリルフールの4月1日なのだそうです。

それから、豪華なオリエント急行に乗り、「オリエント急行の殺人」のドラマを振り返っていました。この作品は、アガサ・クリスティーのポワロの作品の中のいわば「聖域」なのだと、スーシェさんは話していました。私は最近になってNHKのBSで放送されていたのを見たのですが、2008年に作られた作品ということでした。スーシェさんも言っていたように、ポワロの正義も苦しみも祈りも丁寧に描かれていて、とても良い作品でした。敬虔なカトリック教徒としてのポワロさんの要素も強く描かれていたように思います。

できる限り小説に忠実に表現しようと、撮影の前に本当のオリエント急行に乗ったそうで、その体験を生かすことができ、シリアスな原作のイメージに近づけることができたと、スーシェさんは話していました。今回の旅では、親しくなった駅員さんとも再会していたようでした。

そして、その5年後の2013年の6月、スーシェさんは、名探偵ポワロの最後の撮影を終えたそうです。ポワロさんが息を引き取る場面の後、明るく終わることができるように、アガサ・クリスティーの家をロケ地に借りて、明るい場面を撮影して終わったそうです。

最後のカットがかかっていたのは、その家の正面玄関のドアの前にポワロさんが立っていた時でした。

ポワロの伝記作家の方は、全てがすばらしいと、ドラマの世界観を絶賛していました。きれい好きで細かいところによく気がつき、(頭脳の面で)情熱的というところも、ポワロさんとスーシェさんの共通点なのだそうです。

全70話の作品の撮影を無事に終えたスーシェさんは、寂しいけれど幸せ、四半世紀が過ぎたのはあっという間だった、今まで楽しく事件を解決することができた、まさに神の贈り物だと、25年のポワロとしての自分を振り返っていました。

本当に人気のキャラクターなのだと思いますし、名探偵ポワロをずっと演じてきたスーシェさんはすごいと思います。

スーシェさんの演じる「名探偵ポワロ」のドラマシリーズを、私はNHKの放送(再放送も含めて)で見ることが多く、これまでの(25年前からの)全ての作品を見ることができたわけではないのですが、熊倉一雄さんの吹き替えのポワロさんを好きで見てきたので、スーシェさん自身の声は新鮮に思えました。熊倉さんの声とは異なり、もっとすっとした若々しい感じの声でした。でも、これからもしばらくは、私は見やすい吹き替えでドラマを見ようかなと思います。

25年間ポワロを演じてきた俳優のスーシェさんがポワロについて語る今回のドキュメンタリーの特集も楽しかったですし、来週から放送が始まるという最終シーズンの「名探偵ポワロ」のドラマを、私も楽しみにしたいと思います。
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Author:カンナ
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