「おそろし~三島屋変調百物語」第四夜

NHKのBSプレミアムのドラマ「おそろし~三島屋変調百物語」の第4夜「魔鏡」を見ました。

おちか(波瑠さん)は、川崎宿の母親(高泉淳子さん)が形見分けのように持たせた着物を着て、次のお客を迎える準備をしていたのですが、その日不思議な話を持って三島屋へやって来たお客さんというのは、女中頭のおしま(宮崎美子さん)が若い頃奉公へ行っていた先のお嬢さんだったというお福(佐藤江梨子さん)でした。おしまさんとお福さんは、およそ15年ぶりとなる再会を喜んでいました。

私の話を聞いた後は鏡を見るのが少しばかり嫌になるかもしれませんよ、と言ってお福さんが話し始めたのは、三代続く仕立屋だった実家の石倉屋が滅びた顛末でした。

10歳の頃のお福さん(濱田ここねさん)は、小さい頃から14年もの間、病のために大磯で療養生活を送っていた美しい姉のお彩(中村ゆりさん)が家に戻ってくるのを心待ちにしていました。父親の鉄五郎(中本賢さん)も母親のおかね(筒井真理子さん)もお福さんの兄の市太郎(井出卓也さん)も、お彩さんが戻ってきたのを喜んでいました。

石倉屋は、大名家からの注文もあるほど繁盛していたのですが、その中には、「黒い布団」の注文もあり、職人頭の宗助(久保酎吉さん)たちが外部には秘密の注文であるという感じで縫っていたのですが、それは、「女性の白い肌」をより白く見せるためのものだということでした。

三兄弟は、いつかそれぞれお婿さんをもらったりお嫁さんをもらったりして三人で石倉屋を大きくしようと、希望を持って暮らしていたのですが、いつからか、近所でも評判の美しい姉と弟だったお彩さんと市太郎さんは、お互いを恋愛対象として?意識するようになっていたようでした。

お福さんは、自分も含めて二人の間に誰かが割り込んでいたら良かったのかもしれないという風に、おちかさんに話していました。お彩さんと市太郎さんは姉と弟でしたが、小さい頃に引き離されて育ったため、市太郎さんとお福さんのような普通の兄弟の関係性ができあがっていなかったのだろうと推測していました。そして、姉や家族を振り回した姉の病のことを、病と言うよりは呪いだと、恨めしそうに言っていました。

お彩さんと市太郎さんの奇妙な様子に、女中さんたちや職人さんたちは何となく気付いて噂をしていたようなのですが、お福さんの両親は気付いていなかったようでした。みんなが困っていたある日、宗助さんは、昼間の料亭?に別々に入っていくお彩さんと市太郎さんを見かけ、夜、ついに意を決して鉄五郎さんとおかねさんに伝えたのですが、そのようなことがあるはずないと信じようとしない鉄五郎さんは、宗助さんの胸ぐらを掴んで突き飛ばし、部屋の隅の火鉢の方へ倒れた宗助さんは、酷い火傷を負ってしまったようでした。医者には、酔って階段から転落したのだと嘘を言って宗助さんを診てもらっていたらしいのですが、結局宗助さんはそのまま5日後に亡くなったということでした。

宗助さんのことを知った姉は、両親に、それは本当のことでございます、と認め、私にはそれが悪いことだとは思われません、市太郎のことが好きでなりません、と正直に打ち明けていました。弟の市太郎さんは、姉とは違い、自分の気持ちを「悪いこと」だと知っていたようでした。それでも、姉の顔を見ていると気持ちを抑えることができないのだと、両親に話していました。

本当のことを言っていた宗助さんを過って殺してしまったことにショックを受けた父親は、翌年の春に市太郎さんを知人の職人の家へ奉公に出すことに決め、そして姉のお彩さんは、弟宛に、元々いなかったものとして忘れてくださいというお詫びの手紙を書いた直後、部屋で首を吊って自殺をしたのでした。

表向きにはお彩さんを病死したことにしていたのですが、奉公人たちは次々と石倉屋を去っていき、両親は、お彩さんの遺品を全てお払いしてもらってから処分することにしました。

しかし、市太郎さんは、姉のお彩さんの愛用していた手鏡を隠し持っていました。2年間奉公へ出ることになった市太郎さんは、一人で窓辺にいたお福さんに形見の手鏡を渡し、母親に見つかったら燃やされてしまうからと、秘密にしておくよう話していました。

2年間の予定で奉公へ出た兄は、1年で実家に戻って来たのですが、一人で戻ってきたのではなく、奉公先の次女のお吉(梅舟惟永さん)というお嫁さんを連れていました。お吉さんは、美人ではないけれども明るくて気さくで、周囲の人を笑わせるような人でした。

その頃、お福さんが兄にもらって隠し持っていた姉の形見の手鏡には、時々姉の姿が映り込むようになっていました。そして、ある日、兄に手鏡を返すよう言われ、仕方なく渡すと、それはお吉さんの手に渡っていました。兄から手鏡をプレゼントされたお吉さんは喜んで、年代ものの手鏡を市太郎さんからもらったのだけれど、磨けば使えるようになるかもしれないと、義母のおかねさんに相談していたのですが、お彩さんの手鏡を見たおかねさんは驚いていました。

市太郎さんは、お福さんが勝手に隠し持っていたのだと、問い詰めに来た母親に嘘を言っていました。兄の作り話だと訴えるお福さんに、母親は、鏡には女の魂が籠もるのだと言い、お彩さんの手鏡を預かることにしました。

お吉さんの姿にお彩さんの姿を見るようになっていた両親は、時々、亡くなった職人頭の宗助さんの幽霊を見るようにもなっていました。最初は怖がっていた父親は、宗助さんは何かを伝えに来ているのかもしれないと妻に話していて、同じ部屋で一緒に聞いていたお福さんは、鏡に姉の姿が映ったことを思い出していました。

お福さんに言われて母親が取り出したお彩さんの手鏡を3人で覗くと、そこに映ったのはお彩さんではなく、お吉さんでした。鏡の中に閉じ込められてしまっていたらしいお吉さんの魂は、ここから出してくださいと、繰り返し鏡の向こうの3人に訴えていました。

衝撃を受けた母親は、鏡を手にしたまま2階の部屋へ向かい、市太郎さんが作った黒い布団に横たわっていたお彩さんをその鏡で打ち殺してしまいました。しかし、母親が殺したのは、実際にはお彩さんではなく、お吉さんだったため、母親自身も、夫である鉄五郎さんも逮捕されたようでした。お吉さんにお彩さんの姿を見ていた市太郎さんはその日のうちに姉と同じように首を吊って亡くなり、母親は百叩きの刑罰を受けた後に獄死し、父親は牢を出た後知人の職人の家で亡くなったということでした。

小さいお福さんは、父親の商売仲間の家に引き取られ、そこで女中のおしまさんと出会い、おしまさんの自然な明るさに救われていたようでした。

仕立屋の石倉屋が滅んだ顛末を話し終えたお福さんは、捨てる神あれば拾う神ありだと、自分を大切に育ててくれた父親の知人の家族と姉の幽霊に怯えていた自分を守ってくれたおしまさんのことを話し、過去の怖い出来事はもう済んだことだと理解できるようになったと言って、今のおしまさんはおちかさんのことを心から心配しているのだということを伝えていました。

半年前の悲劇に苛まれているおちかさんは、私の家の不幸は誰のせいでもない、どうしようもなかったのだと、お福さんに言われて、涙を流していました。

お福さんが三島屋から帰った後、薄暗い部屋でぼんやりとしていたおちかさんは、やって来たお民(かとうかず子さん)にお福さんの物語を話したようでした。お民さんは、宗助さんや兄嫁が哀れだと言い、20年前の出来事を話したお福さんのようにはまだおちかさんは半年前の出来事を思うことはできないだろうと、おちかさんを心配していました。

そこへ三島屋伊兵衛(佐野史郎さん)も戻ってきたのですが、三島屋さんはおちかさんに、兄の喜一(石垣佑磨さん)が明日訪ねて来るということを楽しそうに言っていました。

その頃、越後屋の清太郎(川口覚さん)は、座敷牢にいたおたか(小島聖さん)に会いに行っていたのですが、清太郎さんがおたかさんの目の中に謎の番頭風の男(村上淳さん)の影を見ると、座敷牢が揺れ始め、障子が破れて風が入り、おたかさんは、蔵が開いた、とつぶやいていました。

脚本は金子修介さん、演出は榎戸崇泰さんでした。

予告によると、「お化け屋敷」の蔵の中には、松太郎(満島真之介さん)や良助(松田悟志さん)の幽霊もいるようでした。

第4話のサブタイトルは「魔鏡」ということで、鏡にまつわる怖い話だったのだと思うのですが、そのような鏡が登場したのは僅かでした。

怖い話というよりは、第3話のおちかさんの話に近い、不幸な話だったように思います。

鏡には女の魂が宿る、とは実際にも言われていることですし、鏡の中に閉じ込められるという物語も何度か聞いたことがあるように思うのですが、でも、ドラマの中の、弟の妻の魂を閉じ込めたお彩さんの鏡については、お福さんの母親はどうすれば良かったのだろうかと、少し気になりました。

お吉さんの魂がお彩さんの鏡に閉じ込められ、その代わりにお彩さんの魂がお吉さんの身体に入ったのだとするのなら、それはお吉さんが夫の市太郎さんにもらったお彩さんの鏡を使ったからなのでしょうか。市太郎さんは、どこかで鏡の魔力の話を聞いて、それを実行したのでしょうか。もしもそうだとすれば、もしかしたら、お吉さんが鏡に閉じ込められているのを見た母親は、その鏡を、斧代わりに使うのではなく、再びお彩さんの魂にかざして映せば良かったのかもしれません。

長女の鏡の不思議な現象を見て母親は発狂したのかもしれないのですが、もう少し落ち着くことができていたなら、幽霊、あるいは妄想に振り回されることはなかったのではないかなと思いました。怖いのは、我を忘れるほど感情に支配されることなのかもしれません。

「百物語」なのですが、ドラマは全5話なので、次回が最終回です。予告の感じでは、おちかさんは自身の辛い過去の出来事と向き合うためになのでしょうか、蔵の中の幽霊に立ち向かうようでした。最終回の物語も楽しみにしたいと思います。
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