「聖女」最終回

NHKの「ドラマ10」の「聖女」の最終話(第7話)を見ました。

中村晴樹(永山絢斗さん)に拒絶された肘井基子(広末涼子さん)は、そのままタクシーで自宅に戻ると、晴樹さんに言われた言葉を思い出し、聖女なんているのかと、リビングに飾っていた「聖女プラクセデス」の複製画を切り裂いていました。

一方、結婚式の準備を進めていた晴樹さんは、母親の百合子(筒井真理子さん)と一緒に婚約者の本宮泉美(蓮佛美沙子さん)がウェディングドレスを選ぶのに付き合っていたのですが、ドレスを試着した泉美さんが晴樹さんを呼ぼうとして振り向くと、そこには基子さんが立っていました。

基子さんは、健全でかわいい泉美さんなら他にいくらでも男性はいるだろう、でも私には晴樹君しかいないのだと言って、晴樹君を譲ってほしいと頼んでいました。言い争う声を聞いて試着室に来た晴樹さんは、基子さんの姿に驚き、家にはいつ来てくれるのかと訊く基子さんに、泉美さんには近付かないでほしいと頭を下げていました。

その様子を、晴樹さんの兄の克樹(青柳翔さん)とつながっている週刊誌の記者が撮影していたのですが、それに気づいた基子さんは、記者のカメラを叩き壊すと、自ら晴樹さんとの過去を記事にしてもらうことにしたようでした。

後日、週刊誌に掲載された弁護士の晴樹さんと基子さんの過去の問題に、他のメディアも騒ぎ、婚約者の泉美さんのいる病院にも晴樹さんの家にも実家にも取材の記者が押し寄せていたのですが、その中で晴樹さんは、婚姻届だけでも出そうと泉美さんに提案していました。泉美さんは、報道を見た父親に反対されかけていたようだったのですが、説得して理解してもらうことができたようで、区役所に二人で婚姻届を提出していました。

その帰り、改めてプロポーズをしたりと楽しそうに歩いていた二人は目の前に再び基子さんが現れたことに驚き、晴樹さんは泉美さんを守ろうとしていました。基子さんは、晴樹君のことを愛しているのだと言って晴樹さんに抱きついていたのですが、突然誰かに背中を刺されていました。刺したのは、千倉泰蔵(大谷亮介さん)を転落死で亡くした妻の文江(中田喜子さん)でした。検事から基子さんを死刑にすることはできないということを聞いた文江さんは、自分で基子さんを殺しに来たのでした。

興奮状態の文江さんは、倒れていた基子さんの頭を地面に何度も打ちつけていて、それを止めた晴樹さんは、倒れている基子さんを介抱しながら、急いで救急車を呼んでいました。その後明らかになっていたのですが、本当は、千倉さんを病院の屋上から突き落としたのも、文江さんだったようでした。文江さんは、絶望した夫に頼まれて、夫を突き落としたということでした。

病室の基子さんは、文江さんに後頭部を打ちつけられた際に視神経が傷ついたことにより、失明したということでした。

失明した基子さんを、弁護士事務所の所長の前原光郎(岸部一徳さん)が訪ねて来ていて、友人として来たと言う前原さんに基子さんは、男は女を女神にしたり売女にしたり都合良く利用している、輝けと言いながら本当に女性が活躍し始めると突き落とすのだというようなことを話していたのですが、どうしてこの世には愛があるのだろう、愛なんてなければいいのにと言いながら、晴樹君と泉美さんには幸せになってほしいという願いを口にすると、自分でも少し意外だという感じで、私も自分以外の人の幸せを祈ることができるのかと喜んでいました。

退院し、白い杖を突きながら自宅に戻った基子さんは、晴樹さんを好きになったあの頃に戻ってもう一度やり直したいということの象徴でもあった海と、一人で向き合っていました。

自宅で兄がこれ見よがしにごみ袋に詰めて捨てていた基子さんと泉美さんの写真や資料を見つけ、彼女を貶す権利はない、彼女は必死に生きようとしていただけだと兄を殴っていた晴樹さんは、それからまたどのような気持ちの変化があったのか、拒絶していた基子さんの家を一人で訪ねていました。

開いていたドアから中へ入り、海に向かって開け放たれた窓から風の入るリビングに裂かれた「聖女プラクセデス」の絵があるのを見つけた晴樹さんは、急いで海へ向かい、入水自殺をしようとしていた基子さんの後を追いかけて、自殺を止めようとしていました。

それまで「肘井さん!」と呼びかけていた晴樹さんが10年前のように「先生!」と叫ぶと、基子さんはその声のするほうを振り返って、ありがとうと言う感じで、笑顔を見せていました。海に入ってきた晴樹さんが、死んじゃだめだと叫ぶと、基子さんは「じゃあ、一緒に死んでくれる?」と晴樹さんに訊いていたのですが、そこへ、どのような経緯でなのか、泉美さんも駆けつけ、泉美さんは晴樹さんを大声で呼んでいました。波の中で、基子さんと泉美さんの間で迷っていた晴樹さんは、結局、泉美さんを選んでいました。そうして基子さんは、静かに波の間に消えていきました。

基子さんの死後、控訴審は棄却されて、亡くなった基子さんの無罪が確定したようでした。基子さんの事件のことが次第に世間から忘れ去れて行く中で、一年後、基子さんが消えた海を訪れていた晴樹さんは、海に白い花を手向けていました。

作(脚本)は大森美香さん、演出は日比野朗さんでした。

このドラマの第1話を見た時、私も数年前の「連続不審死事件」のことを思い出したのですが、このドラマの基子さんが実際に木嶋佳苗被告をモデルにしていたということは、私は、先週の第6話を見た後に評論家?の方がテレビで話しているのを聞いて、本当にそうだったのかと知りました。

楽しみにしていた最終話だったのですが、千倉さんの妻に復讐されて失明し、光と晴樹さんと「聖女」になるという夢を失った基子さんが思い出の海で自殺をする道を選んでしまうという展開は、私には少し、寂しいものに思えました。基子さんが自殺をしたこともそうなのですが、それよりも、泉美さんに呼び止められた晴樹さんが基子さんを助けるのをやめてしまったことが、寂しく思えたのかもしれません。「じゃあ、一緒に死んでくれる?」と言った基子さんの気持ちを、晴樹さんが中途半端にかき消してしまったような感じがしました。

女は怖い、と前原所長や弁護士の小池賢治(田中要次さん)が話すのを聞いていた同じく弁護士の黒坂京子(田畑智子さん)が、悪いのは男ではないのかとつぶやいていた場面も、良かったと思います。社会の中での「女性」と「男性」の出来事が明確にされて描かれていたドラマだったということもあって、単純に被告の女性だけが悪いとは言い切れないということも、このドラマのテーマの一つだったのではないかなと思いました。

ドラマの全体を思い出す時、このドラマの中で一番辛いのは、「男性」に虐げられる生活の中で、気高く生きるように言い聞かせながら娘の基子さんを育てた母親の雅恵(安藤玉恵さん)であるような気もしました。

現実離れしていた基子さんは、最後は、結局憧れて続けていたけれどそうなることが叶わなかった「聖女」というよりも、「幻の女」という雰囲気だったように思います。

主題歌のJUJUさんの「ラストシーン」の歌もドラマに合っているように思えて良かったですし、世の中から忘れ去られていった基子さんの思い出の海の場面で終わっていたエンディングもきれいでした。第6話まではサスペンスドラマとして面白かったので、最終回の展開は私には少し寂しく、物足りないような終わり方ではあったのですが、良かったのだと思います。
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