「ゴーストライター」第1話

フジテレビの新ドラマ「ゴーストライター」の第1話を見ました。初回は15分拡大版でした。

冒頭は、雨の中、似たような身なりをした川原由樹(水川あさみさん)と遠野リサ(中谷美紀さん)が、私がいないと何もできないくせにとか、あなたに何が分かるのよとか罵りながら殴り合う場面だったのですが、物語はそこから2年数ヶ月前に遡って始まっていました。

若くして大家のような扱いを受けている有名小説家の遠野リサさんは、大手出版社の駿峰社の稼ぎ頭でもありました。紙の本が売れなくなっている時代に、リサさんの小説は次々にドラマ化や映画化がなされていました。しかし、リサさんを盛り立てている愛人のような本社の編集長の神崎雄司(田中哲司さん)は、リサさんの人気が続くのはあと3年だと予測し、リサさんを「切る」準備を進めていました。

一方、幼馴染みの尾崎浩康(小柳友さん)と婚約していた小説化志望の川原由樹さんは、応募したいくつかの賞に落選し続けていたある日、「二番目のわたしへ」というタイトルの原稿を持って、担当者に会わせてくださいと、駿峰社の受付を訪れていたのですが、そこへリサさんのアシスタントを探さなくてはいけなくなった担当編集者の小田颯人(三浦翔平さん)が通りかかり、小説化志望で現在仕事をしていない由樹さんを、リサさんのアシスタントにスカウトしたのでした。

仮採用ながら憧れのリサさんのアシスタントになることができた由樹さんは、鎌倉にあるリサさんの仕事のための家へ通うことになりました。リサさんの優秀な秘書の田浦美鈴(キムラ緑子さん)からは、仕事中のリサさんには話しかけてはいけないと言われていたのですが、用意したダージリンティを部屋に運んだ由樹さんは、休憩をしているように見えたリサさんに挨拶をしてしまいました。リサさんは怒らなかったのですが、パソコンに向かっている時だけが執筆中というわけではないのだと答え、窓から差し込む光を背に、机のパソコンに向かって新しい小説の執筆を始めていました。

そのような頃、病に伏せていた大物作家の花屋敷寛が亡くなり、神崎編集長は花屋敷先生の追悼の全集を出版することになりました。お見舞いに通っていた神崎編集長は、花屋敷先生から出版の権利を許可されていたようでした。

新聞広告に掲載する花屋敷先生の追悼文の原稿を依頼されたリサさんは、喪服を取りに久しぶりに帰った実家で16歳の高校生の息子の大樹(高杉真宙さん)と対面するのですが、仕事中心に生きている母親に反発している様子の大樹さんは、反抗的な態度でリサさんに接しながら、インターネット上でリサさんの最新作が酷評されているのを教えて嘲笑していました。

実際にスランプに陥っていたリサさんは、近年の自分の作品の評判に怯えていたのですが、新しい小説どころか、新聞に載せる短い追悼文さえ書くことができずにいました。

リサさんの部屋に来た神崎編集長は、ごみ箱の中に入っていた「追悼文案」を読んで、これでいいのではないかと、スランプのリサさんに「代筆」を提案していたのですが、リサさんのプライドは自身が「ゴーストライター」を使うことを許すことができませんでした。

由樹さんの持ち込み原稿を読んで本にしたいと考えていた編集者の小田さんは、良い本よりも売れる本を出版するべきだという信念のある神崎編集長に反論できずにいたのですが、直接会った由樹さんには、本にしたいということを伝えていました。自分の作品はつまらないのではないかと思っていた由樹さんは、驚くと同時に、喜ぶというよりは困惑して、地元に帰って結婚する予定があるからという風に答えて断っていました。

その時、小田さんは、新聞に掲載する予定の花屋敷先生の追悼の広告を由樹さんに見せていて、由樹さんは、自分がリサさんの秘書に渡した「追悼文案」がそのまま遠野リサの名前で掲載されていることを知り、翌朝、リサさんと秘書の田浦さんに会うと、一言言ってほしかった、と言うのですが、追悼文案を出したのは自分の文章が認められたかったからではないのかと指摘したリサさんが由樹さんに渡した実際の新聞には、リサさん自身が書いた追悼文が掲載されていて、それを見た由樹さんはリサさんに謝っていました。

由樹さんの文章が頭を離れないと悩んでいたリサさんは、その深夜に閃いて自分の文章を書くことができ、急いで神埼編集長に連絡して、原稿の差し替えを頼んでいたのでした。

リサさんは、野心が気に入ったと、謝る由樹さんを許して、アシスタントとして正式に採用すると伝えていました。そして、海を見ながら、由樹さんが剥いてきたお皿の上のリンゴをフォークに刺してかじっていました。

脚本は橋部敦子さん、演出は土方政人さんでした。オープニングのテーマ曲は三浦大知さんの「Unlock」で、エンディングの曲はandropの「Ghost」でした。

第1話は、ドラマを見る前に思っていたよりも、面白かったです。

出版業界の裏側が描かれるような「お仕事ドラマ」の側面も面白く思えましたし、スランプに陥って苦しんでいる人気小説家のリサさんと小説家を目指しているアシスタントの由樹さん、良い本を世に出したいと願っている編集者の小田さん、人気作家をビジネスの道具として扱っている編集長の神崎さん、忙しいリサさんを支える秘書の田浦さんなどの登場人物の感情が丁寧に描かれているように思えて、最後まで緊張感が続いていたのも、良かったです。

リサさんの執筆のための白い家は由比ヶ浜の近くにあるようなのですが、その鎌倉の海と空の青が冴えている風景もきれいでした。

出版業界の裏側の部分については、最近は紙の本が売れないとか、人気作家の小説をドラマや映画の原作にすることで売り上げを伸ばすとか、私も聞いたことがあるので、はっきりとは分からないのですが、(例えば近年では宮部みゆきさんや東野圭吾さんや湊かなえさんや辻村深月さんなどかなと、その作品を未読でありながら勝手にそのような作者名を思い出し)少しリアルな感じがしました。

介護付老人ホームに入居している母親の遠野元子(江波杏子さん)のお見舞いへ行ったリサさんは、認知症の症状のあるらしい母親から、私がいなければ何もできないくせにと言われ、最後、冒頭にもなっていた雨の場面で、生まれる前からやり直して今度は偽りのない人生を送りたいと考えていたのですが、作家としての寿命はあと3年だと陰で編集長に判断されていたこの2年数ヶ月前の由樹さんを「クビ」にした場面から、復活することができるのでしょうか。それとも、編集長の予言通りに、作家生命は尽きてしまったのでしょうか。

アシスタントを「ゴーストライター」に迎える決断をしたかもしれない作家としてのリサさんもそうなのですが、16歳の反抗的な息子の母親としてのリサさんや、認知症を患っている母親の娘としてのリサさんが今後どのようになっていくのかということも気になります。

あと、これはドラマの内容そのものとはあまり関係のないことなのですが、リサさんを演じる中谷美紀さんを見ていて何となく江波杏子さんに似ているような気がしていたのですが、リサさんの母親を演じていたのが江波杏子さんだったので、勝手なことなのですが少し驚き、親子の役柄であることがよく合っているような気がしました。

この「ゴーストライター」のドラマは、昨年話題となっていた佐村河内守さんと新垣隆さんの関係性に着想を得て作られたドラマだそうで、それをすぐにドラマ化するというのは斬新だなとも思えたのですが、少なくとも第1話は、少しサスペンス風のシリアスな作りのドラマになっていて、最後まで面白く見ることができました。リサさんの書いている(キーボードでパソコンの画面上の原稿に打っている)文章が、リサさんの周囲に浮かび上がるような演出も、「言葉」が強調されている感じがして、楽しかったです。
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Author:カンナ
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