「イスラム国」による「日本人拘束事件」のこと

先月の20日、中東(エジプトとヨルダンとイスラエルとパレスチナ)を訪問して「イスラム国」(「ISIS」と略称するそうです)対策の支援金の約束をしていた安倍晋三総理大臣が、民間の軍事会社?の湯川遥菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さんを人質として拘束していたその「イスラム国」に脅迫されているという報道に私も驚いていたのですが、その4日後の先週の土曜日の深夜に、偶然点けたラジオで湯川さんが殺害されたらしいというニュースを聞いて、ぞっとしました。

そして、人質解放の交渉が「膠着状態」であると伝えられていた中、昨日の日曜日の朝、私はテレビのニュース番組で「イスラム国」に人質として拘束されているフリージャーナリストの後藤健二さんが殺害されたらしいということを知りました。ぞっとしたというよりは、何か寂しい気持ちになりました。

昨日の記者会見で安倍総理はヨルダンの国王に感謝を表明していて、(国王もイスラム教の方も全く悪くないのですから)確かにそれは正しいと思うのですが、後藤さんの解放の交渉について日本政府がヨルダン政府に丸投げをしていたかもしれないということを知り、とても残念に思いました。

報道によると、日本政府は「イスラム国」の人と直接交渉することをしなかったそうで、それは、直接交渉をすると「イスラム国」の存在を認めることになるからなのだそうです。ヨルダンに拠点を置いたのは、トルコに置くよりも自然なことだからだそうです。

安倍総理は、二人の「日本人」を殺した「イスラム国」の犯人を強く非難し、「テロに屈するつもりはない」、「テロリストたちを絶対に許さない」、「罪を償わせるために国際社会と連動していく」、「これからも人道支援を続ける」などと会見で答えていました。

人質を取ったりその人を殺したりする人たちは確かにとても悪いのですが、でも、私としては、自分たちにとって不都合な、理解することの難しい武装している相手を、「テロリスト」とか「悪の枢軸」とかまとめて呼んで、「テロには屈しない」という言葉を何かの呪文のように繰り返す安倍総理や菅官房長官を始めとする日本の政府や「『イスラム国』の壊滅」を目指す「有志連合」の国(報道によると、イラクやシリアで空爆などの軍事支援を行っているのはアメリカやイギリス、オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、オランダ、フランス、ヨルダン、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の12か国だそうです)の政府のリーダーたちの様子にも、「イスラム国」と同じくらいの不気味さがあるような気がしてしまいます。

日本がこれからも「非軍事支援」の「人道支援」を中東の地域で行うというのなら、人質になっていた湯川さんと後藤さんを結果的には見殺しにしてしまったことにもなるかもしれない安倍総理には、今回の事件のことで日本が「イスラム国」にいる人たちを殺したりはしないと宣言してほしいように思います。

湯川さんや後藤さんが本当にその「イスラム国」の犯人(顔が見えているのに誰なのか判明していないのでしょうか)に殺されてしまったのだとするのなら(私はニュース番組で流れていたもの以外には、配信されているというその映像を見ていません)、それはとても悲しいことですし、家族の方たちにとってもとても悔しいことだと思うのですが、日本の人として、その犯人たちに「復讐」をするような展開にしてしまってはいけないのだと思います。今回の事件やそれが起きるきっかけになったという欧米と中東の国の「歴史」に関心を持ちつつ、冷静な気持ちでいなければいけないのだと思います。

歴史にも政治にも疎い私には、何か具体的なことを言うことはできないのですが、それでも、「悲しみが『憎悪の連鎖』となってはならないと信じています」と、「戦争のない社会を作りたい」、「戦争と貧困から子供たちの命を救いたい」という健二の遺志を引き継いでほしいと願っていた後藤健二さんのお母さまの切実な言葉が正しいように思いました。

この人質事件の報道の間、どこかの番組で自民党の方が、「集団的自衛権」などのことも絡めて、「日本だけが平和であればいいという考え方でいいのか」というようなことを言っていたのを聞いたのですが、アメリカ政府と対等な「友達」ではなくその部下か手下かのようである今の日本政府には、日本を「紛争地域」にはしていないとしても、まだそれほど日本を「平和」にすることはできていないような気がします。

昨年の謎の「イスラム国」という組織の台頭の問題とその年末の「第3次安倍内閣」が発足した時の何となくの不安が、日本にとっては「戦後70年」を迎える2015年の年始早々に、これほど早い「結果」(あるいは「積極的平和主義」の影響)として現れるとは思いませんでした。しかも、それがまだ始まりであるというのなら、本当に憂鬱なことのように思います。

安倍総理を含め、各国の政府の方はそれぞれの立場でそれなりに頑張っているのだと思うのですが、「テロの脅しに怯んではいけない」というような、「テロには屈しない」の呪縛によって、これからもしばらく世界の各国の情勢や各国民の生活は、一市民の私にははっきりとはよく分からない謎の緊張状態に包まれていくのかもしれません。

また、例えば、先日のNHKのEテレの「戦後史証言アーカイブス 日本人は何をめざしてきたのか」のシリーズ「知の巨人たち」の特集(今回もとても良い特集でした)によると、小説家の三島由紀夫や漫画家の手塚治虫の思想には、宇宙の規模で地球全体のことを想うところがあったように思うのですが、そのような繊細で先進的な感性を持つ人が「リーダー」として各国に現れるといいなとも思います。私にはできないことなので、それは「他力本願」的な希望であるかもしれないのですが、単純に、世の中から憂鬱なこと、辛いこと、怖いことがなくなるといいなと思うのです。
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