「ゴーストライター」第9話

フジテレビのドラマ「ゴーストライター」の第9話を見ました。

遠野リサ(中谷美紀さん)が駿峰社を訪れる一ヶ月前、小説家を辞めたリサさんは、家事を楽しむようになっていて、ジャムを作ったり、スコーンを作ったりしていました。荷物を取りに戻って来た息子の大樹(高杉真宙さん)は、そのような母親の姿を見て、まだそっけない態度を取ってはいたのですが、手作りのお菓子を一つ食べてから帰っていました。

ゴーストライターの騒動から約一年が経ち、遠野リサの「元ゴーストライター」として人気作家になっていた川原由樹(水川あさみさん)は、トークショーなどのイベントの仕事もこなしながら忙しく過ごしていました。由樹さん付きの編集者の小田楓人(三浦翔平さん)は、由樹さんの新しい本の帯の見本に「元ゴーストライター」と書かれている見て、その肩書きを由樹さんから外したいと考えていたのですが、駿峰社の取締役兼編集長の神崎雄司(田中哲司さん)に、読者は作家の名前や表紙や帯で本を買うのだ、「元ゴーストライター」で売れるうちはその肩書きを使うのだということを言われて、諦めていました。

由樹さんを刺そうとして間違えてリサさんを刺してしまった元秘書の田浦美鈴(キムラ緑子さん)は、精神科の病棟に入院していました。お見舞いに来ていたリサさんに、田浦さんは、小説家の先生と小説家の由樹さんがどこか分かり合えていることに嫉妬をしていたのだと話して、由樹さんへの謝罪の手紙をリサさんに託していました。出しておくと伝えていたリサさんは、手紙を由樹さんに直接手渡すことにして、由樹さんの部屋を訪ねていました。

リサさんは、由樹さんの長野の元婚約者の尾崎浩康(小柳友さん)ことなどを持ち出して他愛のない話をしていたのですが、帰り際、もう書かないのかと訊かれ、あなたはどうして書くのかとの質問に、仕事ですからと由樹さんが答えるのを聞いて、私は書くなんて苦しいことはもうしない、と答えていました。

玄関をリフォームしたらしいリサさんは、認知症を患って介護付き高級住宅のマンションに入居している母親の元子(江波杏子さん)を自宅に連れて来て、二人でカレーを作ろうとしていました。ニンジンの切り方を教わった元子さんは、ジャガイモを切らずにニンジンを何本か切り、気が済むと、リサさんに任されたジャガイモも切っていました。カレーを食べながら、元子さんは、娘はカレーが好きだから娘の分も取っておいてほしいとリサさんに頼んでいて、リサさんも嬉しそうにしていたのですが、『小説駿峰』を買ってきてほしいと頼む元子さんが、遠野リサの小説は三文小説だから読みたくないと言うのを聞くと、今日は帰ったほうが良さそうねと、本当は自宅に泊めようとしていた元子さんをマンションの部屋に連れて帰ることにしていました。

由樹さんの『白と黒のカノン』が出版された頃、リサさんは、母親が入居しているマンションの廊下で、同期の作家の向井七恵(山本未來さん)と再会し、何と声をかけていいか分からずに困っている向井さんに自分から声をかけていました。向井さんは父親の入居先を探していたようで、リサさんと喫茶店で親が認知症になるかもしれないことの辛さを打ち明けていたのですが、リサさんは、母親が記憶を失っていることについて、私のことで苦しまなくて済むのだからむしろ幸せかもしれないと話していました。リサさんは、小説をもう3年書いていないと向井さんに言っていたのですが、それを聞いた向井さんは、そろそろ書き出す頃かもしれないと思ったようでした。

書店の一角で『雨翔の空を見る』のサイン会を開催していた由樹さんには、まだ「元ゴーストライター」の肩書きが付いていて、通りすがりの高校生たちに笑われたり、並んでいたお客さんの一人からは、あなたの小説は遠野リサの全盛期とは比べ物にならないと言われたりもしていました。帰宅した由樹さんは、本棚に並んでいる川原由樹の本の「元ゴーストライター」の帯を破り捨てていました。

そしてさらに由樹さんは、「元ゴーストライター」の肩書きで売れる間は売りたいと説明する編集者の小田さんからも、ゴーストだった時と比べて作品のクオリティーが低くなっていると指摘され、ショックを受けていました。

『小説駿峰』を持って母親の元子さんの部屋を訪ねたリサさんは、目次を見る母親に「遠野リサ」は小説家を辞めたのだと静かに教えていたのですが、動揺する母親が慌てた様子で娘を止めに行こうとし、あの子が自分で選ぶと失敗する、あの子は私がいないと何もできないのだと「呪い」の言葉を言うのを聞くと、はっとしたように、遠野リサにとって人生を失敗することがあなたへの復讐になるのだと自分の苦しみを母親に訴えて母親を苦しめていました。

自宅に戻ったリサさんは、穏やかな様子で料理を作っていたのですが、味見をしながら突然泣き出し、それから部屋のパソコンに向かい、「私の愛しい人」という小説を書き始めていました。一晩中書き続け、翌朝には完成させていました。そして、完成した「遠野リサ」の新作小説を、リサさんは、駿峰社に持ち込んでいました。久しぶりにリサさんに会った神崎編集長は、リサさんの持ち込み原稿を受け取らずに、うちでは出せないと断っていたのですが、書けるようになったのかと小説家・遠野リサの復活を喜んでいるようでもありました。

出版社を出たリサさんは、電話で呼び出されて、鎌倉の海にいた由樹さんと楽しそうに会っていたのですが、浮かない表情の人気小説家の由樹さんを見て、小説を書くことができなくなっているということをすぐに見抜き、私の名前では売れないからと、遠野リサの新作小説の原稿のデータの入ったUSBメモリーを手渡していました。書くことは苦しいと思っていたけれど違った、苦しくて仕方がないから書くのだとリサさんは由樹さんに話していました。

夕方、部屋に戻ってパソコンに向かった由樹さんは、リサさんにもらった「私の愛しい人」の小説を読み始め、読み終わった夜、その原稿の「遠野リサ」の名前を「川原由樹」に書き換えていました。

「ようやく気付いた。私にとって書くことは、苦しみや悲しみを吐き出すことだ。書かなければ、私は生きていられない」とリサさんは、小説家・遠野リサとしての自分自身を取り戻していました。

脚本は橋部敦子さん、演出は佐藤源太さんでした。

第9話も、とても面白かったです。

今回は、いつまでも娘を認めようとしない母に対する自身の苦しみを遠野リサの小説として再び昇華させたリサさんと、「元ゴーストライター」の肩書きが一年経っても消えないことに苦しみ、スランプに陥って小説を書くことができなくなっていたリサさんのように、一行も書き進めることができなくなってしまった自分に戸惑う由樹さんの「逆転」が鮮やかな印象でした。

由樹さんが本当にリサさんの原稿を自分のものとして使ってしまうのかどうかは、まだ分からないことなのですが、原稿を書くことができない自分のために名前を書き換えたくなってしまう心理も丁寧に描かれていたように思います。

小説家の方が小説を書く理由はそれぞれ異なるのかもしれないのですが、小説家にしても、画家にしても、音楽家にしても、作品の制作をせずには生きていくことができないという方は、やはり本当の芸術家なのかもしれないなと思います。

予告によると、次回が最終回だそうです。

編集者の小田さんは、良い本よりも売れる本を作るべきだと考える神崎編集長に次第に似てきていたのですが、予告の印象では、その小田さんの変化も、物語の展開に生かされているようでした。どのような最終回になるのか、来週の放送も楽しみにしたいと思います。
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