「相棒season13」最終回

テレビ朝日のドラマ「相棒season13」の第19話「ダークナイト」を見ました。夜の8時から放送された、最終回2時間スペシャルです。

IT会社社長が何者かに顔を殴られるという事件が発生し、その冒頭で描かれていた、フードをかぶり犯行後に赤い上着を裏返して着ていた人物は、甲斐享(成宮寛貴さん)でした。被害者の目撃証言から、赤い上着を着た犯人は警察が捕まえることのできない悪人に鉄拳制裁を加える「ダークナイト」と呼ばれる人物だと考えられたのですが、そのダークナイトは、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊さん)によると、平成25年の7月、同じ年の12月、平成26年の5月、同じ年の10月、そして今回と、この2年の間に5件の事件を起こしていました。被害者は、麻薬の密売や未成年を働かせるなどをしていた暴力団に関係している者ばかりのようでした。

右京さんは、ダークナイトと呼ばれる犯人が何を目指しているのか、なぜ履き違えた正義を遂行するのかを知りたいと、ダークナイトに興味を持っていました。

白血病と妊娠で入院中の笛吹悦子(真飛聖さん)は、インターネット上で支持を集めているダークナイトについて、お見舞いに来ていた右京さんに、許せないのではないかと訊いていたのですが、一緒にいた享さんは、自分は純粋に正義を信じているわけではないからと、ダークナイトの犯行を部分的には支持するというような発言をしていました。

その頃、享さんは、ある女性のお葬式に参列していたのですが、それは高校時代の同級生の妹の三回忌ということでした。享さんは、ボクシングを続けているという友人の梶さんのことを、自分よりも「ヤンチャ」な人物だったと説明していました。

そのようなある夜、ダークナイトによると思われる6件目の事件が発生するのですが、被害者は「暴力」には関わっていない政務活動費の不正流用が疑われていた都議会議員で、しかも、殴られた末に死亡していました。ダークナイトが殺人犯になったことで、インターネット上の支持率は激減したようでした。

享さんは、6件目の犯行は「ダークナイト」の「模倣犯」である可能性が高いと主張し、犯行の夜に右手の骨折で病院を訪れていた種村というボクシングをしている人物を捜し出し、逮捕されたその人が自分がダークナイトであると自供して6件の犯行を認めたため、内村刑事部長(片桐竜次さん)と中園参事官(小野了さん)は、特命係の二人を呼び出して褒めていました。

それでも、享さんは、「模倣犯」の説を主張し、捜査一課の伊丹憲一(川原和久さん)と芹沢慶二(山中崇史さん)に証拠を持って来いと言われて、証拠探しに動き出していました。

自分が「ダークナイト」であるという主張を変えない種村さんは、拘置所の枕の下に、手紙があるのを見つけていました。そして、そのまま送検されることになった種村さんは、検察で取り調べを受けた後に隙を見て警察官を殴って逃走し、ホテルの部屋にいたところを、赤い上着を着た何者かに殴られ、再び逮捕されたのですが、種村さんが逃走したということについての享さんの言動に、右京さんは違和感を感じたようでした。

右京さんは、悦子さんに、その日お見舞いに来ていたはずの享さんが何時頃までいたかという、享さんの「アリバイ」を訊き、それから一人で自動車整備会社で仕事をしていた、享さんの友人の梶さんを訪ね、その日どこにいたのかを訊いていました。

そこに慌てて駆けつけた享さんは、梶さんは「ダークナイト」ではないと右京さんに言っていました。梶さんが「ダークナイト」であるとは疑っていないと言う右京さんは、享さんに、「模倣犯」の種村さんが襲われた時刻に本物の「ダークナイト」はどこで何をしていたのかを訊き、追い詰められた享さんは、杉下さんと一緒にいたと答えていました。

梶さんは、享さんに協力して、偽者のダークナイトである種村さんを殴りに行っていたのですが、それは、妹を殺したのに、犯行時には脱法ドラッグを使用して心神喪失状態だったという理由で?なぜか無罪とされて釈放された通り魔の男性に対する復讐を、享さんが代わりにしてくれたからだということでした。警察官の享さんは、犯人を殺しに行こうとした梶さんを止めて、代わりに、犯人を殴り倒しに行ったのでした。

3年の間に積み重ねてきた享さんへの信頼を裏切られた右京さんは、右京さんに気付かれた点を思い出して後悔していた享さんに、悔いるべきはそこじゃないだろう、と声を荒らげていました。

その頃、享さんが「ダークナイト」であることを知った父親の、警察庁の次長の甲斐峯秋(石坂浩二さん)は、警視庁警務部首席監察官の大河内春樹(神保悟志さん)に連絡をしていました。右京さんと伊丹さんと芹沢さんに、享さんと梶さんが、部屋のクローゼットから「ダークナイト」の衣装の赤い上着やブーツを取り出して見せていた時、そこに大河内監察官が現れ、享さんの身柄を預かっていました。

享さんの取り調べをしていたのは、大河内監察官でした。享さんは、梶さんの妹を殺した男性を殴った後に思わず浴びた「喝采」によって、その後も悪人を懲らしめるために暴力を振るう犯行を繰り返してしまったということを供述していて、その様子を隣の部屋から右京さんが見ていました。

息子の享さんに、懲戒免職と実刑は免れないだろうが便宜は図ると話していた甲斐峯秋次長は、その後右京さんに会うと、享さんが「ダークナイト」になったことについて、右京さんに原因があるかのように言っていました。右京さんは、言い掛かりのように聞こえると言っていたのですが、次長は、目の前にいる杉下右京という大きな存在を乗り越えようとしていたのではないかというようなことを言い、君は自分で思っている以上に危険な存在だと右京さんに話していました。

伊丹さんや芹沢さん、角田課長(山西惇さん)、米沢守(六角精児さん)は、享さんのことを「バカ野郎」と言って俯いていました。

それから、上司として責任を取る形で停職になったらしい右京さんは、自分のだけ残されていた、名前の書かれた札を裏返して、特命係の部屋を出ていました。空港に着くと、そこには父親に便宜を図ってもらったという享さんが伊丹さんと芹沢さんと一緒に来ていて、もう会えないのかと嘆く享さんに、右京さんは、まだ二人は途中じゃないですか、待っています、と伝えて、飛行機に搭乗していました。どこへ行くのかは描かれていませんでした。

脚本は輿水泰弘さん、監督は和泉聖治さんでした。

確かに、「衝撃の最終回」でした。現役の警察官、しかも、カイトと呼ばれて親しまれていた特命係の右京さんの3代目の「相棒」の甲斐享さんが、2年前、つまり「season11」の時期にも重なっているかもしれない頃にはすでに「ダークナイト」と後に呼ばれる傷害事件の犯人だったという結末だったからです。

2時間と少しの最終回の物語自体は決して悪くはなかったですし、むしろ面白かったように思います。見ながら眠い気持ちになってしまうようなこともありませんでした。冒頭で享さんが「ダークナイト」であることが示されていたので、ドラマを見ていた私には、本当に特命係の享さんが犯人なのか、犯人は享さんによく似た人物ということなのかを気にしながら見ていた部分もあったのですが、見ていくうちに、やはり本当に享さんが犯人ということらしいということが分かりました。

正義を純粋に信じている右京さんが、信頼している享さんに疑惑の目を向け、次第に享さんを追い詰めていく感じも、以前の右京さんらしい雰囲気があって、良かったです。

でも、今回の、警察官の享さんが裏では実は犯罪者だったという最終回の物語は、享さんの婚約者の悦子さんが突然白血病になったことと同じくらい、私には、甲斐享さんの「卒業」のために作られた急な設定の物語だったようにも思えてしまいました。

ドラマの最後、飛行機の中の右京さんと、警察車両の中の享さんが、過去の二人の出来事を回想する場面がありましたが、その頃の享さんの正義感の強さや熱血さまでもが、「ダークナイト」という犯罪者だったという、最終回で突然描かれる後の事実によって、汚されてしまうというか、台無しにされてしまうというか、そのような気がしました。

あるいは、もしも仮にこの「卒業」に至る今回の享さんの設定がかなり以前から考えられていたものだったとしたなら、より寂しいような気もしました。テレビ朝日では、夕方に「相棒」シリーズの再放送をしていますが、3代目の相棒の享さんのいる回を見る度に、享さんが実は裏では「ダークナイト」という犯人であるということを、これからはどうしても思い出してしまうのではないかなと思うからです。

享さんの父親の甲斐峯秋次長が、息子の享さんを庇おうとしたり、特命係の右京さんを危険人物と見なそうとしたり、「人材の墓場」だと改めて言ったりしていた場面は、「権力者」の嫌な感じが出ていて、それなりに良かったように思うのですが、どうして享さんを犯罪者にするという最終回にしてしまったのだろうということは、やはり不思議に思います。

“相棒”の中で警察官として残っているのは、今のところはまだ、これまでと同じように、及川光博さんが演じていた2代目の神戸尊さん一人です。いつか享さんが出所したとしても、享さんが警察官や特命係に復帰することはないと思いますし、ある意味では、岸部一徳さんの演じていた小野田官房長のように「殉職」をするよりも、「衝撃的」だったということなのかもしれないのですが、私には、残念というか、もったいないというか、寂しいというか、そのような展開の最終回の「甲斐享の卒業」だったように思います。

右京さんがどこへ旅立ったのかも分からないですし、次回作があるのかどうかは、私にはまだ分からないのですが、もし作られるのだとしたなら、そこに4代目の相棒がいるとするなら、今度はやはり、純粋に正義を貫こうとする右京さんとは異なるタイプの、“大人”な性格の人物が新しい「相棒」になるといいのかなという風にも思いました。
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