「デート~恋とはどんなものかしら~」最終回

フジテレビの「月9」のドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の最終回(第10話)を見ました。最終回も15分拡大版で放送されていました。

前回の最後、依子さんの誕生日まで「あと7日」となっていたのですが、今回の第10話の冒頭で、29歳だった藪下依子(杏さん)は、30歳の誕生日の3月22日の日曜日の朝を迎えていました。

依子さんは、結婚の計画を達成できないまま30歳の誕生日を迎えたことを気にしながら、携帯電話の画面もちらちらと気にしていて、誰からも掛かって来ないので、自分から鷲尾豊(中島裕翔さん)にかけたのですが、仕事が忙しいからと振られ、父親の俊雄(松重豊さん)からも仲間と飲みに行くからと振られてしまい、仕方がないので一人で路線バスの周遊の旅に出掛けたところ、本屋さんへ買い物に出かけていた35歳の谷口巧(長谷川博己さん)と偶然再会したのでした。

最後部の座席に座っていた依子さんの隣に座ることになった巧さんは、誕生日という「特別な日」に路線バスに乗っている依子さんを不思議に思っていたのですが、路線バスに乗るのは依子さんの趣味でした。鉄道も好きなのかと訊かれた依子さんは、鞄から一枚の切符を取り出して見せていたのですが、それは21年前の「3478」という番号の切符でした。足したり引いたり掛けたり割ったりすると「10」になるというその切符を依子さんはお守りのように大切にしていたのですが、巧さんが切符を持っているということは「キセル」じゃないかと言い出したので二人で口論になって、床に落とした切符を拾おうとした依子さんは手を誤って巧さんに踏まれてしまい、立ち上がろうとした依子さんの頭にぶつかった巧さんは鼻血を出していました。

そのような二人に、斜め前の座席に座っていた老婦人(白石加代子さん)は、お似合いだと声をかけていました。依子さんと巧さんは否定していたのですが、老婦人は、楽しいだけの「恋」はおままごとみたいだと笑い、身の上話をしながら、「恋」は苦しいものであり、永遠に続く底なし沼のようなものだと表現して、降りる時、依子さんに、誕生日プレゼントだと言って、赤いリンゴを手渡していました。

このような場面から、最終回の物語は始まっていました。そして、島田佳織(国仲涼子さん)からの電話に出て、巧さんの母親の留美(風吹ジュンさん)が倒れたと聞いた依子さんは、巧さんと一緒にバスを降りて急いで谷口家へ向かうのですが、誰もいない薄暗い部屋の中央に下がっていたくす玉の紐を見つけて引くと、佳織さんとその兄の宗太郎(松尾諭さん)と、留美さんと父親の俊雄さんと鷲尾さんが現れ、「サプライズ」の依子さんの誕生日パーティーが始まりました。

そこで依子さんは、宗太郎さんが家を出て行った妻に戻って来てもらうことになったこと、父親が年下の看護師との再婚を考えていること、留美さんが教育評論家としてやり直そうとしている夫の谷口努(平田満さん)を手伝うことにしたこと、絵画教室は佳織さんが継ぐことになったこと、そのために巧さんは絵画教室の出身者のアーティストをマネジメントすることになったことを聞き、特に巧さんのことについては、それは営業だ、働いている、と驚いていたのですが、それも全て「恋の奇跡」によるものだと感激していました。

しかし、誕生日会がお開きになり、鷲尾さんと出かけようとしていた依子さんは、再び巧さんと口論になってしまうのでした。出会った頃から今までの出来事のことで言い合いになっている二人を、みんなは心配そうに見つめていて、それに気付いた巧さんは、依子さんに、鷲尾さんとの思い出を話すように言ったのですが、依子さんが思い出すのは、鷲尾さんとのサッカーデートの思い出やボウリングデートの思い出ではなく、サッカーの思い出やボウリングの思い出ばかりでした。

その様子を困ったように見ていた鷲尾さんは、本当は予約していたレストランでしようとしていたことを、ここでやります、と気合を入れて、依子さんに指輪を差し出してプロポーズをしていました。突然のことに驚いていた依子さんは、イエスですか、と訊かれて、イエスです!と答えていたのですが、サイズが合っているはずの指輪は左手の薬指にはどうしても入りませんでした。何と、路線バスの中で巧さんに手を踏まれたことで、左手の薬指だけが大きく腫れ上がっていたのです。

バスの中で再会したのが「偶然」ということにも不安を感じていた佳織さんは、依子さんと巧さんの「恋」に運命的なものを感じていたようでした。それでも依子さんは否定していて、谷口巧さんの話をするのはやめてほしいと言う鷲尾さんに教えてもらった、最初に付き合った人のことを忘れる方法を実践していると、巧さんの嫌いなところを書き綴るノートを取り出して鷲尾さんに見せていたのですが、表紙に「谷口巧」と書かれたそのノートには、小さい文字でびっしりと巧さんの悪口らしきものが書き連ねてあって、しかもそれは3冊あり、まだ完結していないということでした。

そのノートを見た鷲尾さんは、依子さんの頭の中は谷口巧でいっぱいだ!と膝から床に崩れ落ちるように座り込んで、涙を流していたのですが、この場面もとても良かったです。

二人がくっ付けばいいと思う人、という呆れたような宗太郎さんの提案に、佳織さんも鷲尾さんも諦めて、みんなで手を挙げていて、その場面も何だか面白かったのですが、依子さんと巧さんは、それでもお互いの間に「恋」の気持ちがあることを否定していました。そして、お互いに、相手が自分と結婚したら不幸になるからかわいそうだと、巧さんは頑張り屋の依子さんと結婚してあげてくださいと鷲尾さんに頼み、依子さんは繊細で傷付きやすい巧さんと結婚してあげてくださいと佳織さんに頼んでいました。

相手のことを思い遣って必死に頼む二人に、みんなはそれが「恋」なのだと教えていました。父親の俊雄さんも、「恋」をしている娘に頑張れと声を掛けて、二人を残して谷口家を後にしていました。

21年前、母親の小夜子(和久井映見さん)は、大学の講義の中で、運命の相手は決まっている、ということを話していました。一番前の席で聞いていた依子さん(内田愛さん)は、そのことをずっと憶えていて、考え続けていたようでした。そして、30歳の誕生日当日の朝の時と同じように、黒い服を着て現れた母親の幻をかき消そうとした依子さんは、テーブルの上から赤いリンゴを落としていました。

床に落ちた赤いリンゴは巧さんの足元に転がっていたのですが、みんなが二人を置いて出て行った後、そのリンゴを静かに拾い上げた依子さんは、「恋」を地獄の底なし沼だと話していた老婦人から渡されたその“禁断の果実”を、何か覚悟をしたように一口かじると、それを巧さんに手渡し、巧さんも一口かじって依子さんに手渡す、ということを、赤いリンゴが芯になるまで黙々と繰り返していました。

夜、巧さんと縁側に座っていた依子さんは、その人がいないと生きてはいけないという感情が「恋」なのではないかと理解したように言っていたのですが、それでも二人は、そのような「恋」は他の人たちにはできたとしても自分たちにはとても無理だと話し合っていました。「運命」の相手はこれから現れるかもしれないとも言い合っていました。

でも、21年前の電車の中で、実は二人は出会っていたのでした。切符を見つめていた依子さんは、「3478」が「10」になったのを喜んで、その切符をお守りにしたいと隣の母親の小夜子さんに話していました。切符は駅で渡さないといけないから無理だと小夜子さんに言われて残念そうにしていた依子さんは、そこである少年に声をかけられ、その人が差し出した切符をもらっていたのですが、その少年は巧さん(山崎竜太郎さん)でした。大きくなった依子さんと巧さんは、そのことを忘れているようだったのですが、後に運命的な?出会いをする二人の、それが本当の最初の出会いだったようでした。お守りの切符を持って駅のホームに降りた子供の頃の依子さんが、巧さんの乗っている電車を見送っていた場面も、とても良かったです。

その後、若い看護師さんとの再婚を考えていた俊雄さんは、ナース服を着た小夜子さんの幻に、退職金目当てかもしれないとか脅かされていました。宗太郎さんは、再び妻に振られたようでした。留美さんは、自信を失くして原稿を出版社に持って行っていなかったことに呆れつつも、努さんを支えていました。失恋をした佳織さんと鷲尾さんは、一緒に飲み歩きながら、今度付き合うなら体育会系の年下の男性がいいとか、サバサバとした性格の年上の女性がいいとか言い合っていました。

そうして、4月5日の横浜で、春らしい?カエルのブローチや指輪を着けた派手なピンク色のコートの依子さんは、待ち合わせていた巧さんとお花見デートに出かけ、青空の下の一本の満開の桜の木を、しばらくじっと見つめていました。

依子さんがもうそろそろいいかと帰ろうとすると、巧さんは依子さんの手を握って、もうしばらく見ましょうと引き止め、二人は手をつないだまま、じっと桜を見上げていました。

脚本は古沢良太さん、演出は武内英樹さんでした。

「デート~恋とはどんなものかしら~」の最終回は、このような物語だったように思います。いつものことながら私には上手く伝えることができないのですが、本当にすてきな最終回でした。

どのような最終回になるのだろうと思いながら見ていたのですが、このような展開の最終回になるとは、私は全く思いませんでした。最終回に来て、「恋の奇跡」が花開いたというか、一気に「恋」の物語になっていたのですが、巧さんのことを書き連ねた依子さんのノートを見た鷲尾さんが泣き崩れる場面もはっとするような感じでしたし、老婦人から渡された「禁断の果実」のような、「毒リンゴ」のような赤いリンゴを依子さんと巧さんが交互にかじる場面は、本当にすごかったです。

赤いリンゴをかじるということで「恋愛」が表現されていたことにも驚くのですが、それだけではなくて、それを象徴的に使って描いていた感じが、何というか、ドキドキとする感じでした。

私は、どちらかというと恋愛要素の強いドラマを少し苦手に思えてしまうほうなのですが、今回のドラマは、タイトルに「恋」とあるものの、恋愛のドラマというよりは、「恋愛不適合者」の依子さんと巧さんが「恋」というものを知って成長する物語だったように思います。

それでも、特に昨夜の最終回を見終わって、私の中では、何となく、昔の「月9」枠のドラマの「やまとなでしこ」(私もとても好きで見ていました)に近い印象のドラマになりました。ドラマ(単発でも連続でも良いのですが)には、一度最後まで見るとそれで終わってしまうようなドラマと、もう一度最初から見たくなる、あるいはもう一度最初から見ることになって、見始めるとつい見続けてしまうようなドラマとがあるように思うのですが、今回のドラマは、その後者のようなドラマなのではないかなと思います。

最初はよく分からないように思えていた、鷲尾さんや佳織さんや宗太郎さんなどの、依子さんと巧さん以外の主な登場人物たちも、回を追うごとに個性が出て来ていて、その役割も明確になっていました。和久井映見さんの演じていた、依子さんや俊雄さんの記憶の中や、助言をする幻として目の前に現れていた小夜子さんの存在も良かったのだと思います。

ドラマを見始めた頃は、少数派?の依子さんや巧さんに少し冷たいところのあるドラマなのかと勝手に心配していたのですが、このようなすてきな物語だったことが分かった今では、見ることにして、見続けることにして、最後まで見ることができて、本当に良かったと思います。

エンディングで流れるchayさんの「あなたに恋をしてみました」の主題歌も、例えばDREAMS COME TRUEの「うれしい!たのしい!大好き!」のような、かわいい雰囲気の曲で、ドラマによく合っていたように思います。オープニングのザ・ピーナッツの「ふりむかないで」も、昔の曲ということもあって最初はどうしてこの曲なのだろうという風にも私には思えていたのですが、ドラマを見ているうちに、いつの間にか楽しく思えるようになっていました。

本当に、完璧と言ってもいいほどの、完成度の高い最終回だったように思います。物語の構成も、展開も、見事でした。最終回の物語に向かって、第1話から物語は進んでいくのですが、依子さんと巧さんの二人の思い出が、小夜子さんの言っていた「運命」につながっていく過程も、回想の場面も、良かったです。

ともかく、とてもすてきな「恋」のドラマだったのだと思います。「恋とはどんなものかしら」ということは、ドラマの中の依子さんや巧さんのように、私にもまだはっきりとは分からないことでもあるのですが、依子さんと巧さんの「恋」が、上手く続いていくといいなと思いました。見ていて少し辛い気持ちになってしまうところもあったのですが、依子さんと巧さんを見守る感じが優しいドラマで、二人が桜を見上げる最後まで、とても楽しかったです。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム