「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝-」展

東京の上野の東京国立博物館で開催されている、特別展「鳥獣戯画-京都 高山寺の至宝-」という展覧会を見に行きました。

4月の末から開催されていた展覧会なのですが、私は先日ようやく見に行くことができました。

教科書にも載っている有名な国宝の「鳥獣戯画」は、本当は「鳥獣人物戯画」という名前です。京都の高山寺に伝わる紙本墨画の絵巻物です。「甲・乙・丙・丁」の全四巻の修復が終わったということで、今回の展覧会で一堂に公開されることになったそうです。

今回の展覧会は、この「鳥獣人物戯画」の絵巻物や断簡の展示をメインとしながら、鎌倉時代の明恵上人が再興した高山寺の宝物がたくさん展示されていました。その高山寺ゆかりの宝物は、主に掛け軸でした。

会場の展示は、第1章「高山寺伝来の至宝」の「高山寺伝来の白描図像」、「高山寺石水院の栂尾開帳」、第2章「高山寺中興の祖 明恵上人」の「明恵上人の横顔」、「天竺を目指して―釈迦追慕と天竺憧憬」、「明恵上人と仏法―密教と華厳の融合」、「祖師の面影―国宝・華厳宗祖師絵伝」、第3章「国宝・鳥獣戯画」の「鳥獣戯画が生まれた背景」、「鳥獣戯画のすべて」となっていました。

高山寺に伝来した「鳥獣人物戯画」は、現在は、「甲巻」と「丙巻」は東京国立博物館が保管し、「乙巻」と「丁巻」は京都国立博物館が保管しているそうです。以前は鳥羽僧正覚猷の作とされていましたが、今は誰の作なのかははっきりとは分からないということになっているようでした。

私が見に行ったのは「後期」なので、「鳥獣人物戯画」の絵巻物は、例えば平安時代の12世紀の頃に描かれたという「甲巻」では、猫も登場するその後半部分の絵を見ることができたのですが、それを目の前で見るまでが大変でした。お客さんの大行列ができていたからです。

チケット売り場の付近も、平成館の2階の展覧会場そのものも、混雑しているというわけではありませんでしたし、第1会場を入った後も、比較的自由に展示されている高山寺の宝物を見ることができました。

しかし、「鳥獣人物戯画」の展示は全体の後半で、「甲巻」の展示は最後だったので、「甲巻」を見たい人は、他の展示を見終わってから(という博物館の係の方の指示で)その大行列の最後尾に並ばなくてはいけなかったのでした。

150分待ちです、と会場の方は言っていたのですが、せっかく見に来たのだから、という思いから、私も大行列に並びました。そして、会場の中をテープで仕切られた列に沿ってゆっくりとぐるぐると歩き、2時間ほど経って、ようやく「甲巻」にたどり着きました。これほど並んだのは、以前本館に展示された「台北 國立故宮博物院」の展覧会の「翠玉白菜」を見る時以来だったように思います。

行列にはとても疲れてしまったのですが、さすがに展示作品の前に来ると嬉しい気持ちになりました。私も後ろにもまだまだお客さんは並んでいましたし、ガラスケースの前で「甲巻」の擬人化された兎や蛙や猿や猫や狐や鼠、鹿や梟などの絵をじっくりと見ることはできなかったのですが、絵の勢いや動きを感じることができて、やはり楽しかったです。

私がこの展覧会で特に見たいと思っていたのは、鎌倉時代に作られたという一対の「神鹿」だったのですが、その神鹿は、やはりとてもかわいらしかったです。高山寺では、春日明神と住吉明神が祀られているそうなのですが、鹿は、奈良の春日明神の使いなのだそうです。

会場の右側に展示されていた「あ」の鹿は雌鹿(女鹿)で、左側の「うん」の鹿は雄鹿(男鹿)ということでした。雄鹿の角は取れているようでした。耳の折れた丸い感じの「子犬」を作ったのと同じ、仏師の湛慶という方が作ったのだそうです。湛慶は、運慶の嫡男なのだそうですが、作品の雰囲気は、運慶の豪快な感じの作風とは異なっているように思えました。繊細で、優しい印象でした。雌鹿も良かったのですが、特に男鹿は、目も生き生きと輝いていて、閉じられている口元が賢そうで、本当にとてもかわいかったです。

「白光神立像」という菩薩様のような像も、湛慶の作品のようでした。50cmほどの大きさだったように思うのですが、全身がというか、肌が白くて、会場の解説によると、ヒマラヤを神格化したものなのだそうです。緑色や黒色や透明なビーズの飾りを身につけていて、上品な雰囲気の像でした。足元の蓮の花(葉?)には、一つ一つに黒色の雫の形の飾りがついていたのですが、あの飾りはやはり雫を表しているのでしょうか。今でも美しい像であるように思えましたが、鎌倉時代にはもっと美しかったのだろうなと思いました。

行列に並ぶのは大変でしたが、私も今回の展覧会を最後まで無事に見ることができて良かったです。

ところで、「甲巻」を見るのに2時間以上並びそうだと聞いて、私は今回は先に本館の常設展を見ることにしました。時間がなかったので、とりあえず、仏像の部屋のほうから、漆細工の部屋を通って、金工の「自在置物」の隣の刀剣(日本刀)の展示室へ向かうことにしたのですが、そこはなぜかたくさんの人で溢れていました。これまでは、少なくとも私が行った時には、だいたい3人くらいしかいなかったように思うのですが、今回には、男性の人たちもたくさんいたのですが、女性の人たちがたくさんいて、しかも写真を撮っていました。展示室には少し不釣合いな(撮影禁止の場所ではないので、そのように言ってはいけないのかもしれないのですが)シャッター音がいくつも響いていました。でも、お客さんたちの隙間から見ることができた、ガラスケースの中に落ち着いている刀そのものは(平安時代の「名物三日月宗近」の展示もありました)、とても美しかったです。どの展覧会でもそうなのだとは思うのですが、私も今度はもう少し時間にゆとりを持って見に行こうと思いました。
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