「天皇の料理番」第8話

TBSテレビ60周年特別企画の日曜劇場「天皇の料理番」の第8話を見ました。

第8話では、前回から3年の時が経っていました。明治45年(1912年)、料理人の秋山篤蔵(佐藤健さん)は、料理人としての地位もお給料も上がっていたようで、「オテル・リッツ」という一流ホテルの厨房で仕事をしていました。そして、現地の新聞で天皇陛下(明治天皇)の崩御を知り、売れない画家の友人の松井新太郎(桐谷健太さん)と大泣きしていました。

大正2年(1913年)、日本大使館の粟野慎一郎大使(郷ひろみさん)に呼ばれた篤蔵さんは、「天皇の料理番」にならないかと、「厨司長」の仕事の話を持ち込まれて驚いていました。粟野さんによると、宮内庁に篤蔵さんを推薦したのは、師匠の宇佐美鎌市(小林薫さん)でした。

断ることもできると粟野大使に言われた篤蔵さんは、このままパリのレストランに残って「世界一」を目指すか、「天皇の料理番」の仕事を引き受けて日本に帰って「日本一」になるかで、迷っていました。迷っていたのには、恐れ多いという気持ちだけではなく、3年間暮らすパリの街に馴染んでいたことや、フランソワーズ(サフィラ・ヴァン・ドーンさん)と離れたくないという気持ちがあったからのようでした。

そのようなある日、仕事中に熱を出して倒れ、兄の秋山周太郎(鈴木亮平さん)がいなくなる夢を見て飛び起きた篤蔵さんは、日本大使館に駆け込み、粟野大使に兄が無事かどうかを確認してほしいと頼んでいました。その場で再び倒れた篤蔵さんは、しばらくして目を覚まし、24時間眠っていたと笑う粟野大使から、兄は無事であるという電報を見せてもらって、ほっとしていました。粟野大使は、そのような夢を見るということは、日本に帰らないことに対する罪悪感があるからではないかと篤蔵さんに話していました。

日本に帰ろうと決めた篤蔵さんは、フランソワーズさんに、マリアージュしませんか、と申し込んでいて、フランソワーズさんが嬉しそうに、はい、と結婚を承諾してくれたことで、安心して、粟野大使に「天皇の料理番」の話を引き受けると挨拶に行き、粟野大使は、大日本帝国が一等国であることをあなたの料理で証明してくださいと、篤蔵さんを応援していました。

「オテル・リッツ」の厨房では、突然歌い出していた天才的な料理長が、「鮭のクリビヤック篤蔵風」という以前篤蔵さんが考えたお醤油を使った鮭のパイの包み焼きをアレンジした魚料理を、肉料理の多いコース料理の全体の中の“ピアニッシモ”として出すことを提案し、料理は音楽だと、篤蔵さんたちに話していました。

オーディションに合格したフランソワーズさんは、レストランでソロで歌うことが決まり、篤蔵さんと新太郎さんも花束を持ってフランソワーズさんの歌を聴きに行っていました。篤蔵さんに結婚を申し込まれてから、フランソワーズさんは時々母親の形見のペンダントを握って一人で思い悩んでいて、それでも篤蔵さんには言うことができずにいたのですが、ソロで歌った翌朝、フランソワーズの変化を感じと取り、日本に行かないつもりなのかと聞く篤蔵さんに、自分に歌うことの楽しさを教えてくれた母親にいつかオリンピア劇場に立つと約束したのだということを話して、夢を追いかけたいと打ち明けていました。

フランソワーズさんの思いを聞いた篤蔵さんは、自分には分かったとしか言えない、と婚約の解消を受け入れ、ごめんなさいと泣くフランソワーズさんと別れていました。フランソワーズさんと同じように、荷物を持って部屋を出ていました。

セーヌ川のほとりを一人で歩いていた篤蔵さんに、新太郎さんは、思い出のアルバムのようなスケッチの画集をプレゼントしていたのですが、そのフランソワーズの絵を見て泣く篤蔵さんを見て、篤蔵さんがフランソワーズと別れたことに気付いていました。

パリに残りたいと言い出した篤蔵さんの荷物を持って走り出し、篤蔵さんがいなくなって一番寂しいのは自分だと画集を抱えて追いかけてきた篤蔵さんに向かって叫んでいた新太郎さんは、自分は日本人だから最高のコックは天皇陛下にお渡ししなくてはいけない、フランソワーズはその絵の中にいるからいいじゃないか、頑張れよ、料理番!と、篤蔵さんを明るく日本へ送り出していました。

パリの街に別れを告げた篤蔵さんは、帰国後すぐに福井の武生の実家の離れ座敷で労咳の療養をしている兄に会いに行っていました。兄の周太郎さんは、突然の帰国した弟の篤蔵さんから、「天皇の料理番」になりますと聞かされて驚き、弟が兄と一緒に喜びを分かち合おうと部屋に飛び込んでこようとしていたのを知ると、大切な身体の篤蔵さんに何かあってはいけないと布団から飛び起きて急いで部屋の襖を閉めて、襖の向こうで涙を流していました。兄の喜びが伝わる、とても良い場面でした。

父親の周蔵(杉本哲太さん)は、篤蔵さんが「天皇の料理番」に抜擢されたという事態に驚いて固まっていました。自分をパリに留学させて良かっただろうと笑っていた篤蔵さんは、それから、周蔵さんと母親のふき(美保純さん)や弟の蔵三郎(森岡龍さん)たちの前で改めて正座をして、お父さん、お母さん、皆さんのおかげです、とお礼を言っていました。

最後、鯖江の俊子(黒木華さん)の実家にもお礼を言いたいと相談する篤蔵さんに、母親のふきさんは、俊子さんがいなくなったらしいということを話していたのですが、ドラマの冒頭で、庭で子守をしていたところを誰かに引っ張られていた俊子さんは、その頃、なぜか荷物を持って一人で東京の吉原の門の内側へ足を踏み入れていました。

脚本は森下佳子さん、演出は中前勇児さんでした。

第8話も、面白かったです。

天才的な料理長のいるオテル・リッツの厨房の場面も良かったですし、今回は特に、料理人の篤蔵さんと歌手を目指すフランソワーズさんとの間で全く売れない画家を続けていた新太郎さんの存在が活きていたところも、面白くて良かったです。

パリで成長し、そこでの生活に馴染んでいた篤蔵さんが、フランソワーズさんのいるパリに残りたいという思いと、日本一の料理人になるという兄との約束を果たすためにも宇佐美さんが推薦してくれた「天皇の料理番」を務めるために日本へ戻るべきだという思いの中で揺れていたところも、夢を選んだフランソワーズさんに分かったとしか言えないと告げて別れを受け入れるところも、新太郎さんに手渡された画集を抱えてパリを離れるところも、帰国してすぐに兄に会いに行ったところも、いろいろ、通常の約1時間の放送のドラマの中で丁寧に描かれていて、とても良かったです。

最後に描かれていた俊子さんの謎も気になるのですが、篤蔵さんがついに「天皇の料理番」となる次回の物語も楽しみです。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム