「ランチのアッコちゃん」最終回

NHKのBSプレミアムの「プレミアムよるドラマ」の「ランチのアッコちゃん」の最終回(第8回)を見ました。

高潮物産の宣伝部の契約社員としてシャンパン「ジョエル」の宣伝プランを考えなければいけなくなった澤田三智子(蓮佛美沙子さん)を助けるため、5日間限定の会議前の午後3時の出張ティーサービスを始めた元上司の黒川敦子(戸田菜穂さん)は、水曜日、ラズベリーのジャムを挟んだビクトリアケーキを会議室に用意していました。

宣伝部の社員の独身の二階堂さん(西尾まりさん)や木村さん(吉田ウーロン太さん)や青島さん(高橋努さん)、夫と子供のいる庄野さん(八木のぞみさん)は、そのケーキを食べながら、クリスマスの日と一人で過ごすことについて話していて、4人の話を聞いていた三智子さんは、「お一人様」のクリスマスを推奨しませんかと提案していました。みんなもその提案に賛同し、さらに、居酒屋さんに焼き鳥とセットで置いてもらおうとか、いろいろなアイデアを楽しそうに次々と出し合っていたので、三智子さんは、会議は楽しいものなのかもしれない、と思い始めていました。

会議の後、片付けを終えたアッコさんは、山川部長の顔を潰さずに会議の流れも守り、あなたのプランも言えるようにしておかなければいけない、議事録を見返せば分かるはずだと、三智子さんに伝えていました。

山川部長とアッコさんの関係が気になった三智子さんは、第2営業部の主任の清水公子(堀内敬子さん)に相談し、清水主任は、山川部長について、人当たりが良さそうだけれど強情で、いくつものプランを潰して社内で煙たがられ、エリートコースを外れて少人数の宣伝部に移動になった人だということを話していました。

そして、清水主任は、詳しく知りたければここへ行くようにと「純喫茶『ソレイユ』」の名刺を三智子さんに手渡していました。その喫茶店を訪ねた三智子さんは、ぶたまろ君の人形を置いているカウンターにいたマスターがケータリングのおじさん(田山涼成さん)であることに驚き、おじさんが前社長の井川さんであることを知ってさらに驚いていました。

井川さんは、アッコさんと山川部長のことを、周囲が羨むほどの名コンビだったと答えていました。井川さんの話によると、アッコさんの7期先輩だった山川部長は新任のアッコさんに仕事を教え、それから二人の出した企画は次々と大成功し、売場に人の山ができることから「黒山コンビ」と呼ばれるほどだったが、ある日、アッコさんは海外に料理の修行に行くから会社を辞めると言い出して山川さんとケンカになっていたということでした。

木曜日、アッコさんは焼きたてのスコーンを会議室に用意していました。三智子さんは、全国展開しているレンタルビデオ店でシャンパンの試飲をしてもらおうと提案し、他の社員たちも、シャンパンが登場する映画の棚を作ってもらおうとかいろいろ提案していて、スコーンのある会議室はしばらく盛り上がっていたのですが、会社に戻ってきた山川部長が席に着くと、社員たちは急に黙ってうつむいてしまったので、三智子さんが話を切り出すことにしていました。

DVDレンタル店に置いてもらい、お客さんにおつまみといっしょに買ってもらってはどうかという提案は、山川部長には、意表を突き過ぎているとか、うちのシャンパンにはふさわしくないなどと言われてすぐに否定されてしまったのですが、すると、そばで訊いていたアッコさんが、スコーンに付けて食べてみてほしいと、柚胡椒をみんなに配り始めました。

スコーンはシンプルで伝統的なお菓子だけれど、これでいいと思ってしまえばもう成長は出来ませんと、アッコさんは柚胡椒のスコーンを山川部長にも勧めていました。18年前、発注ミスをして返品された商品の山の前で途方に暮れていたアッコさんは、先輩の山川さんに、その前向きさを誉められ、これでいいと思ってしまえば成長は出来ないと言われて、返品された商品を売る方法を一緒に考えてもらったことがあったようでした。

会議の後、山川部長に勝たなくてはと言う三智子さんに、アッコさんは、会議は議論であってケンカではないと諭し、クリスマスは恋人同士で華やかに過ごすものだと本気で思っている山川部長を否定しても始まらない、どうすれば話を聞いてもらえるか考えなさいと伝えていました。

それから、山川部長とケンカをしてまで食べ物にこだわるのはどうしてなのかと三智子さんに訊かれたアッコさんは、15年前、山川部長とコンビで仕事をしていた頃、病気だった母親が亡くなったのだという話をしていました。食べ物に無頓着だったアッコさんの母親は、それが原因で体を壊していたようでした。

食べることは生きることだと思った、と言うアッコさんは、最初に三智子さんの茶色のお弁当を見た時に母親のことを思い出し、自分の食べたいものを分かっていない三智子さんのことを放っておけなくなったのだと話していました。

それを聞いた三智子さんは、アッコさんのランチを食べるようになって、アッコさんの言葉が少しずつ体に入り、前に進んでいる気がするとアッコさんに感謝していました。アッコさんは、あなたの体はあなたの食べたもので出来ている、生き方を変えたいなら、まずは食べ物を変えなさい、と改めて伝えていました。

その夜、古書店「ハティフナット」に来ていた三智子さんは、笹山隆一郎(成田凌さん)に、クリスマスをどう過ごしたいか訊いていました。笹山さんは、イベントで外に出かけるのが嫌いだ、自分の幸せを見せびらかしているような気がする、と答えていました。宝物は人に見せびらかさないほうがいいでしょ?と、本棚の整理をしながら、笹山さんは三智子さんを気にしていました。宝物と言われた三智子さんは、幸せそうに、人に見せびらかさない幸せということを考えていました。

そうして最終日の金曜日、アッコさんは、クリスマスプディングとシャンパンのジョエルを会議室に用意していました。幸運の指貫入りのケーキということで、みんなはケーキの中に指貫を探していました。

三智子さんは、黙るみんなに代わって山川部長に話を切り出し、日本ではクリスマスを華やかに過ごすというのが80年代からの定番になっているが、それは新しいクリスマスの概念を誰も提案してこなかったからではないか、無理して幸せぶらない、あくせくしない、喜びを自分だけの宝物として大切にする「人に見せびらかさない幸せ」というライフスタイルの提案をしてみてはどうか、と山川部長に伝えていました。そして、この企画を成功させるためには、時代をリードしてきた山川部長の力が必要だ、山川部長の力があれば新しいクリスマスのスタイルを打ち出すことができるはずだと訴えていました。

山川部長は、コンセプトは悪くないと三智子さんの考えを認め、二階堂さんや青島さんや木村さんや庄野さんの居酒屋や映画の棚のアイデアも認めていました。幸運の指貫は、少し気を良くしていた山川部長のケーキに入っていたようでした。山川部長は、ごちそうさま、とアッコさんに言って、企画会議を始めていました。

会議が終わると、アッコさんの姿はなくなっていました。アッコさんが帰ってしまったことに気付いた三智子さんは、急いで電話をかけていました。「東京ポトフ」のワゴン車を道路の脇に停めて電話に出たアッコさんは、さよならじゃないですよねと念を押す三智子さんに、さよなら、と告げて電話を切っていたのですが、その時ふとお弁当が置かれていることに気付いていました。三智子さんが用意していたお弁当で、銀色のアルミの蓋を開けると、カラフルになっていたお弁当のご飯の上に「またね」と海苔で書かれていました。

脚本は泉澤陽子さん、演出は青島太郎さんでした。

私はこのドラマの原作の、柚木麻子さんの小説『ランチのアッコちゃん』と『3時のアッコちゃん』を未読なので、小説の雰囲気とどのくらい合っているかということなどは全く分からないのですが、それでも、戸田菜穂さんのアッコさんと、蓮佛美沙子さんの三智子さんの感じは、とても良かったように思います。

アッコさんが移動ポトフ屋さんを続けている限りは、三智子さんがアッコさんと二度と会えないということはないような気もするのですが、「アッコさんがいなくなっても彼女のくれたものはなくならない、これからもずっと私の宝物だ」という最後の三智子さんの言葉が、三智子さんに「生き方」を教えたアッコさんをさらに「救世主」のような存在にしていたような気がします。

生き方を変えたいのならまずは食べるものを変えなさい、というアッコさんの考え方を聞いていて、意外と難しいような気もしたのですが、簡単に少しずつ、自由に挑戦することができることでもあるような気がしました。

今の自分は自分が食べたものでできている、という考え方は、私は数年前に何かのCMで聞いて(もしかしたらそれは「自分の選んだものでできている」という言い方だったのかもしれないのですが)、確かにそうだなと、はっとしました。今回のドラマを見てからもそうなのかもしれないのですが、自分が食べるものに関して、それまでよりももう少し気になるようになりました。

三智子さんがアッコさんに出会ってランチを交換するようになってから、地味だった三智子さんの世界が少しずつ広がっていき、食べることにも仕事にも恋愛にも、いろいろ積極的に生きていくことができるように変わっていく様子が、穏やかな雰囲気で描かれていたドラマだったように思います。音楽も良かったと思いますし、企画会議の場面が中心の最終回は私には少し長く思えてしまうところもあったのですが、最後まで楽しい気持ちで見ることができて、良かったです。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム