「妻と飛んだ特攻兵」

昨夜、NHKスペシャルや日本テレビのドラマ「デスノート」は録画をしておくことにして、私はテレビ朝日のドラマスペシャル「妻と飛んだ特攻兵」を見ることにしました。

原作は、私は未読なのですが、豊田正義さんの著書『妻と飛んだ特攻兵 8・19満州、最後の特攻』です。脚本は岡本貴也さん、監督は田﨑竜太さんでした。

ドラマは、日ソ中立条約を破ったソ連軍が侵攻してきた満州で、玉音放送が流れてから4日後の8月19日、関東軍第五練習飛行隊の教官で少尉の山内節夫(成宮寛貴さん)とその妻の房子(堀北真希さん)が、二人で九七式戦闘機に乗り込み、仲間たちと共にソ連軍への特攻を遂行するという話でした。

実話を基に作られている作品だとしても、ソ連軍侵攻後の満州の地での節夫さんと房子さんの“夫婦愛”が、私には少しロマンチック風に描かれすぎていたようにも思えてしまったのですが、私がもしも節夫さんだったなら、あるいは房子さんだったなら、追い詰められた状況下で好きな人と心中をするようなあの選択は、二人にとっては幸福なものだったのかもしれないなと思いました。

戦死した夫のために、もう一人の教官の小熊勇(荒川良々さん)と戦闘機に乗り込んだ旅館の重永キミ子(小西真奈美さん)の思いのほうが、「特攻」の物語らしい感じもしたのですが、キミ子さんの部分も、実話なのでしょうか。あの関東軍の飛行隊の「最後の特攻」の中に、女性と飛んだ特攻兵は、二人いたということなのでしょうか。

満州の商店街で節夫さんが買ったらしい白いワンピース(ウェディングドレスの意味のようでした)を着て白い日傘を差して現れた房子さんは、何となくなのですが、スタジオジブリの宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」のヒロインの里見菜穂子さんのような雰囲気でした。

飛行機の並んでいる緑色の草原を白いワンピースで悠々と歩いてくる姿なども、すごく悪いというのでは決してないのですが、満州で関東軍に見捨てられソ連軍に撃ち殺された開拓団団長の藤田秀雄(國村隼さん)たちや、自決した井上文子(高島礼子さん)とハナ(竹富聖花さん)の母娘たちの悲劇、日本人への恨みが爆発した地元の人たちの悲劇などと比べるとどうしても、一連の戦争の悲劇の描写とは少しかけ離れているというか、私には、ドラマ的な演出が過剰であるようにも思えてしまいました。

でも、もしかしたら、制作者の方はあえてそのような、何か「夢」のような演出にしていたのかもしれません。

隊員たちの思いを汲んで「最後の特攻」を許可した隊長の道場一男(杉本哲太さん)の夫妻は満州から無事に帰国することができたようでしたし、「妻と飛んだ特攻兵」を実際にその場で目撃した方はたくさんいたのかもしれないと思います。

大虎山の関東軍の飛行場が4日の間にソ連軍に襲撃されずに無事だった理由などは、歴史を知らない私にはよく分からなかったのですが、地元の人に横柄な態度を取ったり暴力を振るったり日本人を見捨てて先に帰ったり、というような、いまいち悪い印象しかない関東軍の兵士の中にも、(当然のことなのかもしれないのですが)性格の良い人はいたのかもしれないなと思いました。

それに、そうだとするなら、侵攻してきたソ連軍の兵士の中にも、日本人を傷つけたり殺したりしなかった優しい人はもしかしたらいたのかもしれません。

あと、これは素朴な疑問として、満州でのソ連軍の描写を見る時にいつも何となく少し気になることなのですが、日本人に対して暴力的だったソ連軍の兵士たちは、日本人と地元の中国の人(満州の人)との区別(見分け)がついていたのでしょうか。中国の人の中にも、ソ連兵に殺されたり酷い目に遭わされたりした方がいるのではないかなと思うのですが、どうなのでしょうか。

私にとっては、すごく良いドラマだったというのとは少し違うのですが、でも、見て良かったと思います。録画をしたままのいろいろな他の戦争関連の番組なども、少しずつになるかもしれないのですが、ちゃんと見ていこうと思います。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム