「怪異TV」第3話

NHKのBSプレミアムのドキュメンタリードラマ「禁断のホラーミステリー 怪異TV」の第3話を見ました。

第3話の「怪談少年A」は、「怪異TV」を見てからうちの息子がおかしくなった、普通じゃなくなったとクレームの電話をかけてきた女性の家を訪ねた「怪異TV」のリポーターで俳優の山中崇さんとスタッフの國武綾さんと村上賢司さんが、怪談好きで同級生たちから師匠と呼ばれて親しまれている小学3年生の水上明君への取材を通して、人が怪談を好む理由を探っていくという話でした。

脚本は三宅隆太さんでした。

リポーターの山中さんは、民俗学者の常光さんや、怪談評論家の東雅夫さん、東京の「深川怪談」の代表の方、東日本大震災の頃の不思議体験をまとめた本を出版した方、宮城の荒浜地区の被災者の方に話を聞きに行っていました。

民俗学者の常光さんによると、長い時間を学校で過ごす小学生が「学校の怪談」に興味を持つことは、心のバランスを取るために必要なことなのだそうです。

番組で紹介されていた「白い花弁」の話は、以前NHKの特集で伝えられていたのを私も聞いたことがあり、とても印象に残っている不思議な話でした。

東日本大震災の時の、大津波の被害に遭った荒浜地区で暮らしていたという被災者の方は、今でも夢なのではないかと思うことがあると話していました。その頃の東北地方の不思議な現象をまとめた本を出版した土方さんによると、自分が何を体験したのか、何が悲しかったのかなどのことを一つの「お話」として考え直すことで、悲しみを乗り越えることができるようになるのだそうです。

明君が学校のトイレの鏡の奥に見たお化けの絵を、山中さんが明君の母親に見せると、怪訝そうにしていた母親は、昨年死んだハムスターのふーたかもしれないと驚いていました。明君は、母親の考えとは反対に、ハムスターを忘れることができずにいたために、心の奥で葛藤を続けていたようでした。忘れなくてもいいのではないか、と山中さんに説得された母親は、1か月後、「怪異TV」にお礼の手紙とDVDを送ってきました。そこには、クラスの発表会で怪談を披露する明君の姿が映っていました。演目は、ハムスターのふーたの幽霊が自分に会いに来てくれた話でした。怪談を作って披露することで、明君は、自らの悲しい体験を乗り越えることができたということのようでした。

私も特に小学校や中学校の頃には「学校の怪談」や「七不思議」などの不思議な話を好きな一人でした。ただ、本を読んだり話を聞いたりするのは好きなのですが、自分で話をするのは苦手なので、みんなの前で上手く怪談を話すことのできる人はすごいなと思います。

怪談には人間の様々な強い感情が詰まっているから惹きつけられるのではないかというような意見もあったのですが、確かにそうなのだろうと思います。はっきりとしているわけではないのですが、おそらく怪談には、生きているにしても死んでいるにしても、必ず「人」が出てくるのではないかと思います。

大切な人を亡くした人の心霊体験が、幻でも、勘違いでも、その人の気持ちが落ち着くのならそれで良いのだという意見も、正しいような気がしました。

一説には、社会情勢が不安定な時の人々の無意識の不安感が怪談ブームを生むのだそうです。怪談というものが人の心のバランスを取るものなのだとするのなら、確かにその通りなのだろうと思います。番組では、怪談は「心の鏡」だという風にも言われていましたが、そのように鏡に映して心の中で再構築をする作業が、悲しみや苦しみや不安感を乗り越えて生きるためには必要なことなのかもしれないなと思いました。

第3話も面白かったです。今回が最終回の、全3回のドキュメンタリードラマだったようです。

NHKらしい作品といえばそうなのかもしれないのですが、日本に古くからある土着的な不思議なもの(怪異)を、科学的に検証をするとかではなく、民俗学や文化人類学で扱われるように、そのまま「怪異」として扱う姿勢が誠実であるように思えました。楽しかったです。
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