映画「STAND BY ME ドラえもん」

テレビ朝日の「日曜洋画劇場」で地上波初放送されていたアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」を見ました。

ドラえもんの声が大山のぶ代さんから、水田わさびさんに代わった新しい「ドラえもん」の3DCG作品の映画です。

「STAND BY ME ドラえもん」は、藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品として2014年の8月に公開された映画ということなのですが、私は未見でした。CMの予告編の映像などでこの映画の一場面を何度も見ていたためかもしれないのですが、もっと以前の映画であるように勝手に思えていたので、約1年前の作品ということに、何だか不思議な感じもしました。

原作は藤子・F・不二雄さんの漫画『ドラえもん』で、脚本は山崎貴さん、監督は八木竜一さんと山崎貴さん、音楽は佐藤直紀さんという作品です。主題歌は、秦基博さんの「ひまわりの約束」でした。

主な登場人物は、ドラえもん(声・水田わさびさん)、のび太(大原めぐみさん、青年時代は妻夫木聡さん)、しずか(かかずゆみさん)、ジャイアン(木村昴さん)、スネ夫(関智一さん)、セワシ(松本さちさん)、出木杉(萩野志保子さん)、ジャイ子(山崎バニラさん)、のび太君のママ(三石琴乃さん)、のび太くんのパパ(松本保典さん)、しずかちゃんのパパ(田原アルノさん)、ジャイアンのママ(竹内都子さん)、のび太くんたちの先生(高木渉さん)でした。

この映画の放送の始まる直前には「ドラえもん」の「有名な7つのエピソード」を再構築したものだという説明がなされていたのですが、実際に見始めると、確かに知っている物語の連続でした。

特に知らないように思えたのは、22世紀の未来から自身の子守ロボットのネコ型ロボット・ドラえもんを連れてきたのび太くんの孫の孫のセワシくんが、未来の世界へ帰りたがるドラえもんの赤い鼻を回して、のび太くんを幸せにするまで未来へ帰ることができないという「成し遂げプログラム」を設定したことでした。(原作にもそのような場面がどこかにあるのでしょうか。あるいは、この映画オリジナルの設定なのでしょうか。)

この設定によって、この映画の中のドラえもんは、のび太くんを幸せにするための存在、のび太くんを人間的に成長させてしずかちゃんと結婚させるための存在になったということが明確にされていたように思います。

途切れている場面があるようにも思えたので、昨夜の放送は「ノーカット放送」というわけではなかったのだと思うのですが、有名なエピソードを再構築して詰め込んだ約2時間の物語は、ドラえもんに出会ってから数日か数ヶ月間の?のび太くんの「成長物語」としてシンプルに特化していたように思えました。

15年後の未来ののび太くんが「しずかちゃん」を「しずかさん」と呼ぶようになっていた理由が私にはよく分からなかったのですが、何かのきっかけがあって途中から呼び方を変えたのでしょうか。

CGのアニメーションだったこともあって、映画を見ながら、何だかディズニー関連の会社の制作したアニメーション映画を見ているような気持ちにもなりました。私はCGのアニメーションの動きをあまり好きではないのですが、今回の「ドラえもん」のCGアニメーションも、30分くらい見ていると少しずつ慣れてきました。アニメとは別の作品として、普段の新作の「ドラえもん」のアニメの絵の動きよりも馴染みやすいかもしれないとも思えました。

ただ、何というか、CMを見ていた時に思っていたように、「懐かしい未来」の物語だったように思います。現代から見るなら、というか、今の私の周囲を見渡すなら、近所に自由に遊ぶことのできる空き地があったり、遅刻をすると先生に廊下に立たされる小学校が普通にあったり、野良犬が町内を歩いていたりしていた頃からわずか15年後や19年後の未来の日本の街があのような近未来的には決して様変わりしていないことを知っているからです。

「ALWAYS 三丁目の夕日」の監督による作品ということもあって、「STAND BY ME ドラえもん」は、「ALWAYS ドラえもん」という感じでもありました。今テレビで放送されている「美少女戦士セーラームーンCrystal」のアニメのように、昔の「ドラえもん」を知っている人向けの作品だったのではないかと思います。既視感が強い作りに思えたのも、もしかしたらあえてそのように作った部分があるのかもしれないなと思いました。

「ドラ泣き」というキャッチフレーズも私には少し謎に思えるのですが、今回の映画を見ながら、「ドラえもん」はこのような感じだったのだろうかと、自分の記憶の中の「ドラえもん」を再確認したくなりました。昔に見ていた「ドラえもん」の作品と現代の「ドラえもん」の作品とを比べるのはあまり意味のないことなのかもしれないのですが、藤子・F・不二雄さんのいた頃のとても好きで見ていた昔の「ドラえもん」のアニメには、あえて「泣ける作品」として作っているという部分はなかったのではないかなと思います。

「ドラえもんは僕の子供の頃の友達だから」と未来の大人ののび太くんが言っていたことにも少し驚いたのですが、2011年の“未来”が舞台だった「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」の映画の時にもドラえもんはのび太くんのそばにはいなかったですし、私が知らないだけなのだと思うのですが、ドラえもんはいつ頃のび太くんと別れたのだろうと気になりました。それとも、子守ロボットだから成長した大人の人とはもう暮らさないということなのでしょうか。もしそうだとするのなら、少し寂しく思います。

この映画を好きな方もたくさんいると思いますし、この映画が悪いというのでは決してないのですが、私は「昔は良かった」的な「懐かしさ」が表立って描かれている、いわゆる「泣ける作品」があまり得意ではありません。例えば、近年CMなどでも人気らしい、生まれたばかりの子供が成長し「青春期」を経て「恋」をして大人になって社会人になって、結婚をして子供を生んで親になって、子供を育ててその子供が結婚して孫が生まれて祖父母になって、というような作品類も、私にはあまり良いとは思えないのです。

昔繰り返し見ていた頃のアニメの「ドラえもん」や原作の漫画の「ドラえもん」は好きなのですが、「未来」を「懐かしさ」で描いてはいけないような気がしてしまうのです。のび太くんの未来が変わったらセワシくんの存在も変わってしまうのではないかという単純な疑問はともかくとしても、未来は、少なくとも「ドラえもん」の中の未来は、まだ来ていない、まだ誰も知らない、夢のような自由な未来であってほしいように思うのです。

特に良かったというか、この映画を見始めてはっとしたのは、のび太くんたちの暮らしている町の風景がリアルだったところです。のび太くんの家なども、本当はあのような家だったのかなと思えましたし、実際に日本のどこかの町にありそうな感じがしました。私にとっては面白かったというのとは少し違うのですが、でも、優しい雰囲気のアニメーション映画でしたし、これはこれで良かったのだと思います。
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