「相棒season14」第1話

テレビ朝日の新ドラマ「相棒season14」の初回2時間スペシャルの第1話「フランケンシュタインの告白」を見ました。

今作の「相棒14」から、杉下右京(水谷豊さん)の4代目の“相棒”となったのは、法務省のキャリア官僚の冠城亘(かぶらぎわたる、反町隆史さん)です。どのような理由で警視庁に出向しているのかはよく分からなかったのですが、半年前から元「特命係」の部屋を使っていて、組織犯罪対策部五課の課長の角田六郎(山西惇さん)とコーヒーをどこで淹れるか話し合っていました。

そのようなある日、西多摩刑務所で、作業時間中に受刑者の美倉(小柳心さん)が刑務官の田代(栩原楽人さん)の頚動脈を切って殺害するという事件が発生し、法務省の事務次官の日下部彌彦(榎木孝明さん)の指示で捜査に加わることになった元部下の冠城さんは、捜査一課の伊丹憲一(川原和久さん)と芹沢慶二(山中崇史さん)と3人で、刑務官たちに現行犯逮捕された美倉さんの取調べを行うことになったのですが、美倉さんが言うには、深夜金縛りに遭い、3か月前に病死した受刑者の梅津源平(井之上隆志さん)の声が聞こえ、田代に殺されたと告げられたのだということでした。

無期限停職処分中の右京さんは、ロンドンのスコットランドヤードで捜査協力をしていたのですが、しばらくして帰国し、元「特命係」の部屋にいる冠城さんと対面することになりました。そして、「花の里」で二代目女将の月本幸子(鈴木杏樹さん)の料理を待っていた右京さんは、一緒にいた鑑識課の米沢守(六角精児さん)から西多摩刑務所の幽霊事件のことを聞いて興味を持ち、冠城さんからも事情を聞いて、勝手に捜査を始めることにしていました。

右京さんと冠城さんは、増渕刑務官(阿部丈二さん)立会いのもと、刑務所内を歩き、関係者を聴取していました。梅津さんの死亡を確認した医師は、梅津さんには心臓病の持病があったこと、田代さんは受刑者たちに親しまれていたことなどを話していました。刑務官の点数になるという、「動静小票」という受刑者を注意したことを記す書類の発行数を調べた右京さんと冠城さんは、田代さんの発行数が他の刑務官に比べて極端に低いことを知り、一番多い伊達刑務官(花戸祐介さん)に、田代さんを鵜苫悪しく思っていなかったか訊ねていました。

伊達さんは少し返答に困っていたのですが、冠城さんが増渕刑務官を廊下へ連れ出すと、増渕さんが田代さんを刑務所内の空気を乱すとして嫌っていたということを話し始めました。

梅津さんについて、増渕刑務官は、入所当初は獣のようだったが、ここ数年は大人しくなっていた、本を読み始めて変わったということを話していました。梅津さんは、小さい頃から義理の父親に虐待されていて、大人になってその義父を殺害した罪で服役していたのですが、左胸の十字の痕も、その義父に傷つけられていたものでした。梅津さんには刑務所内に少なくとも42人の信者がいるということで、その受刑者たちは自分の左胸に梅津さんのものと同じような傷をつけていたのですが、刑務官たちのいう「信者」は、梅津さんが自ら作ったものではありませんでした。

梅津さんは、信頼する教戒師の慈光(大和田獏さん)の教えを受け、本を読むことができるようになると、『六法全書』を読破したある日の食事の時間、刑務官から理不尽な暴力を振るわれるままになっている受刑者たちに、おかしいということに早く気付くべきだと訴え、激怒する増渕刑務官を論理的に追い詰めていました。その日から、受刑者たちの一部は、梅津さんを尊敬するようになり、「信者」のようになっていったということのようでした。

梅津さんは獣のようだったところからちゃんとした人間になっただけのようだったのですが、増渕刑務官たちは、賢くなって周囲の受刑者たちに影響を与えるようになった梅津さんを「怪物」と呼び、懲戒として独居房に閉じ込めるようになりました。

独居房で服役をすることになった梅津さんは、部屋で勉強をしながら、大人しく過ごしていたようなのですが、ある日、心臓発作に苦しみだし、亡くなってしまったということでした。苦しんでいる梅津さんを発見したのは田代刑務官だったのですが、すぐに呼ばれた医師が駆けつけた時には、梅津さんは息を引き取っていたようでした。

梅津さんは心臓発作で亡くなったとされていたのですが、約3か月後、田代に殺されたというお告げを聞いた美倉さんが、梅津さんの敵討ちとして、田代刑務官を殺したのでした。美倉さんは、梅津さんの「隠れ信者」でした。

しかし、刑務官による亡くなった梅津さんの私物を用いた踏み絵式の抜き打ち検査の結果表には、美倉さんが隠れ信者だということは記載されていませんでした。ただ、美倉さんたちの雑居房を調べたのは、増渕刑務官でした。

右京さんと冠城さんがはっきりと増渕さんを疑い始めていたある深夜、受刑者たちが一斉に大きな音を立て始め、混乱した刑務官は一つの部屋を開けてしまい、そこから独居房の42人の受刑者たちが抜け出すという騒ぎが起きたのですが、若手の刑務官を人質に取った受刑者たちの要求は、増渕先生を呼べ(受刑者たちは刑務官のことを「先生」と呼んでいました)、というものでした。

右京さんと冠城さんは、伊丹さんと芹沢さんに協力を頼み、風邪のふりをして宿舎の部屋に隠れていた増渕刑務官を現場に連れ出し、受刑者のリーダーに増渕さんを引き渡すふりをして芹沢さんを出すと、その混乱に乗じて受刑者たちを捕らえていました。

受刑者のリーダーの人は、増渕刑務官が美倉さんを騙して田代刑務官を殺したということを別の受刑者から聞き、良い刑務官だった田代刑務官の復讐をしようとしていたのですが、増渕刑務官が美倉さんを騙していたということを別の受刑者に話していたのは、動静小票の発行数においては田代刑務官と真逆だった伊達刑務官でした。

伊達刑務官は、田代刑務官と同じように受刑者を更生させたいと考えていたのですが、威圧的な増渕刑務官にも毅然とした態度で接して自身の信念を貫く田代さんのようにはなれなかったようでした。右京さんと冠城さんの聴取に、増渕刑務官のことを上司に報告しても聞いてくれなかったと話していた伊達刑務官は、事実を知った受刑者たちが増渕刑務官を叩きのめしてくれることを期待していたのだということを答えていました。

右京さんと冠城さんは、受刑者たちがどのような方法で連絡を取っていたのかということを考え、図書室の本にたどり着いていました。棚に置かれていた詩の本の文章の一部には、つなげて読むとメッセージになる印が付けられていました。田代さんのロッカーにあったという梅津さんが解読していた『源氏物語』の本にも、印がついていたのですが、それを読んだ右京さんは、梅津さんは、教戒師の慈光にたどり着きました。

右京さんは、梅津さんの死は一種の自殺であり、それは慈光さんの指示に従ったものなのではないかと推理していました。訪ねて来た右京さんと冠城さんから『源氏物語』の本を受け取った慈光さんは、梅津さんに結果的には自殺を指示したことになったということを認めていました。

慈光さんは、慈光さんのことをいわば「創造主」だと言って感謝をする梅津さんに、3か月ほど前のある日、それなら梅津さんは私の「失敗作」だ、梅津さんの存在が私を苦しめるのだと言ったようでした。

慈光さんがなぜそのように思ったのかがドラマを見ていた私にはよく分からなかったのですが、梅津さんが賢く人間らしくなったこと、それによって理不尽なことをする刑務官たちと対決するようになったこと、受刑者たちに影響を与えるようになったことを、慈光さんは良くないことだと考えていたのでしょうか。

田代刑務官は、心臓発作の治療を断る梅津さんが死に際に「失敗作」だったとつぶやいていたことと、『源氏物語』の暗号から、梅津さんの死が慈光さんの指示を受けていたものであることに気付き、そのことを慈光さんに話して、あなたは教戒師に向いていないと伝えていたようでした。

右京さんと冠城さんは、慈光さんに、真相を知っている田代さんが殺されたと知って安堵したのではないかと訊いていました。見つからなければこのまま教戒師を続けていたかもしれない慈光さんは、反省をしたように、本堂の仏壇に向かって手を合わせていました。

脚本は輿水泰弘さん、監督は和泉聖治さんでした。

新相棒の冠城さんが登場する「相棒14」は一体どのような「相棒」になるのだろうと、少し心配しつつ、見るのを楽しみにしていました。

法務省から出向している冠城さんが法務省寄りの人なのかどうかはまだよく分からないのですが、冷静で論理的で、人の心理を操る部分に関しては少しヤクザ風?の緩急の付け方をするところもあるようだったのですが、右京さんに匹敵するくらいの推理力と好奇心を持つ人物のようでした。

冠城さんから鋭い推理力で何かを指摘された時の右京さんが、冠城さんを睨むようにじっと見る感じが、何だか面白かったです。

これまでとはまた異なる雰囲気のアレンジの曲に変わっていたドラマのオープニングでは、右京さんと冠城さんがチェスで対戦していたのですが、右京さんと冠城さんは、対決し合っているようでもあり、協力し合っているようでもありました。

冠城さんは、他人の運転する車に乗るのが苦手ということだったのですが、享さんの時も当初の個性は少しずつ変化していたので、このような特徴が最後まで続くかどうかは分かりません。お互いの呼び方について、右京さんは、「冠城君」と呼ぶことにして、冠城さんは、「右京さん」と呼ぶことにしていました。

右京さんは、及川光博さんが演じていた2代目相棒の神戸尊さんの時よりも、成宮寛貴さんが演じていた3代目相棒の甲斐享さん(「相棒13」の最終回でまさかの犯罪者になるという結末には、今でもいまいち納得できませんが)になってから、それまで以上に活動的になっているので、窓際部署だったはずの「特命係」が警視庁内で特別扱いされるという不自然さが残るとしても、今回の「相棒14」もそのようになるのかもしれないなと思います。

享さんの父親で警察庁次長だった甲斐峯秋(石坂浩二さん)は、警察庁長官官房付という肩書きに変わっていました。

「特命係」は、警視庁警務部首席監察官の大河内春樹(神保悟志さん)の力によって復活したようでした。 大河内監察官は、右京さんに、警察手帳とは別の警察職員証?を渡していました。冠城さんも、似たようなものを持っていました。

初回なので、右京さんと冠城さんの関係性を描く回だったのだと思うのですが、社会派だった今回の事件の物語も、とても面白かったです。刑務所の話だったので、「もがり笛」のことを少し思い出しました。

人間の尊厳というテーマが、狭い場所での「いじめの空気」や「殺人教唆」という問題と共に、刑事ドラマ、あるいは推理ドラマの「相棒」らしいエンターテインメント性の中で、丁寧に描かれていたように思います。

サブタイトルの「フランケンシュタイン」は、刑務官が梅津さんのことを勝手にそう呼んでいた「怪物」という意味だったのかもしれないのですが、ドラマの印象では、梅津さんは怪物ではありませんでした。普通の人間でした。

梅津さんは、職権乱用をする刑務官たちを「虎の衣を借る狐」だと怒っていたのですが、全員ではないとしても一部には、そのような刑務官は実際にいるのかもしれないなと思いました。それに、「いじめの空気」に関しては、今回のドラマにはありませんでしたが、実際の受刑者同士の中には、もしかしたらあるのかもしれないなとも思いました。

少なくとも、「相棒14」の初回は、見る前に思っていたよりも、良い話でしたし、面白かったです。これから何か起こるかもしれない、“暴走”するかもしれないという内村刑事部長(片桐竜次さん)の煽り(心配?)はともかくとしても、右京さんと冠城さんの関係も、何となく良い感じに見えました。毎回の感想を書くことができるかどうかは分からないのですが、これからの「相棒」も見ていこうと思います。
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