「コウノドリ」第1話

TBSの新金曜ドラマ「コウノドリ」の第1話を見ました。初回は15分拡大版で放送されていました。

第1話は、登場人物の紹介も兼ねていたのだろうと思うのですが、密かに天才的ピアニストのBABYとして音楽活動をしているペルソナ総合医療センターの産婦人科医の鴻鳥サクラ(綾野剛さん)が、ネットカフェか漫画喫茶のような場所で倒れているところを発見された未受診妊婦の矢野夏希(清水富美加さん)の受け入れを決定し、その帝王切開の手術を成功させた後、不幸な家庭環境で育ち、生まれたばかりの子供の父親の男性にも捨てられたことで、自分は母親にはなれないという罪悪感と不安な気持ちに苛まれている夏希さんの話を聞き、夏希さんの新生児を病院でしばらく預かるという方向で、夏希さんの生活を改善するための支援を行うということを提案する、というような話でした。

退院することになった夏希さんは、病院のメディカルソーシャルワーカーの向井祥子(江口のりこさん)や女性の自立を支援する団体?の協力のもと、いつか「こころ」と名付けた新生児を引き取るため、新しい仕事を探すことになったようでした。

第1話の最後では、永井浩之(小栗旬さん)の妻で妊婦の晴美(川村ゆきえさん)が交通事故に巻き込まれていました。予告によると、夫は、瀕死の妻か胎児のどちらの命を助けたいかの選択を迫られることになるようでした。

脚本は山本むつみさん、演出は土井裕泰さんでした。

原作は、私は未読なのですが、鈴ノ木ユウさんの漫画『コウノドリ』です。ドラマの予告編を見た時、私は主演の綾野剛さんの髪型を奇妙に思えていたのですが、事前の宣伝番組か何かを見て、漫画の絵と同じ髪型にしているのだと分かりました。サクラさんは、両親の亡き後、ピアノのある児童養護施設の小野田景子(綾戸智恵さん)に育てられたという人だったのですが、ピアニストになっている時の長い白髪のかつらの髪型も、漫画と同じということなのかもしれません。

総合病院の名前に「ペルソナ」という心理学の用語が使われているということにも、少し意外な感じがしました。

全ての子供が望まれて生まれてくるというわけではないし、不幸な環境の中を苦労して生きなければいけないこともあるけれど、それでも、生まれてきた全ての子供に「おめでとう」と言いたい、というようなサクラさんの医師としての、あるいは人としての誠実な感じがよく伝わるような第1話だったように思います。

サクラさんと同期らしい産婦人科医の四宮春樹(星野源さん)の娘さんが昏睡状態で入院中であるとか、そのような話も盛り込まれていました。

すごく面白かったというのとは少し異なるのですが、母親(母体)と子供の両方の命について考えさせられるドラマであるように思えました。

ドラマの中の夏希さんは、病院内では、「未受診妊婦」であり、子供の「母親」や「母体」と呼ばれていました。私は「未受診妊婦」という言葉を知らなかったのですが、「未受診妊婦」は、特に何かの感染症にかかっているかもしれないという理由で、病院側からは受け入れるリスクが高いとして迷惑がられるようでした。ドラマの中では、新生児科の医師の白川領(坂口健太郎さん)が「未受診妊婦」が感染症だった場合について、「バイオテロ」だとさえ言っていました。

つまり現代では、一般的には、どのような事情があったとしても妊娠をした女性は全て病院へ行かなければいけない、ということになっているようでした。

病院に通っているほうが確かに妊婦さんの健康にとってもお腹の子供の健康にとっても良いのかもしれないのですが、実の母親からも子供の父親からも冷たい扱いを受けてきたらしい夏希さんが「未受診妊婦」と呼ばれている感じが、私には少し寂しく思えました。

無事に生まれてくることができただけで「奇跡」だ、という風に言われているのをよく聞きますが、無事に育つことも「奇跡」であると思いますし、私には、さらに、そうして成長した子供が無事に、いわゆる“普通の大人”になるということも一種の「奇跡」であるように思えます。

今のところの私には、サクラさんのように、生まれてきた子供に向かって手放しで喜んで「おめでとう」と言うことは、まだできないような気がします。今のこの世界では、生まれてきた子供は、社会性のある大人に育たなければ、結局は、自分の居場所を見つける(作る)ことができず、世間の枠からはみ出すことになってしまい、一般社会からは迷惑な存在として疎まれることになってしまうのではないかと思うのです。

生まれてきただけで幸せ、という風に考えることのできる人は、おそらく、様々なことに適応する力のある本当にしっかりとした人なのだろうと思いますし、すごい人だと思います。

このTBSの「コウノドリ」の一話完結の物語に登場する女性は、第1話を見た印象では、もうすぐ子供を生む予定の妊婦さんや新生児を生んで母親になった女性なのだろうと思います。ただ、NHKで放送されている「デザイナーベイビー」も、原作のある、産婦人科の病院を舞台にしたドラマなのですが、そのドラマでは、不妊治療の末にようやく授かった子供を流産してしまうという女性も描かれていました。上手く伝えることができないのですが、子供を生むということに関して女性たちが様々な事情で苦しむということにおいて、例えば政府が女性側の問題として「少子化」の話をすることは、本当に無神経なことであるように思いました。

といっても、きっとこのドラマは、「希望」を描くドラマ、「希望」を願うドラマなのだろうと思います。

私は昨夜のこのドラマを見ていて、少し辛いような気持ちにもなってしまいました。でも、原作の漫画は人気作だそうですし、この世に生まれてきたことも今生きていることも「奇跡」なのだから日々の様々な出来事に感謝をして明るく積極的に生きよう、というような道徳的なことを伝えるドラマなのかもしれないなという風にも思えたのですが、命についてを考えさせるような、人情派の良い作品なのだと思います。
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