「わたしをみつけて」第1話

NHKの「ドラマ10」の新ドラマ「わたしをみつけて」の第1話を見ました。録画をしておいたものです。

原作は、私は未読なのですが、中脇初枝さんの小説『わたしをみつけて』です。

内容をよく知らないまま、何となく見てみることにしたドラマだったのですが、良かったです。静かで誠実な雰囲気のドラマであるように思えました。

主人公の山本弥生(瀧本美織さん)は、26年前の3月1日に産婦人科の病院の前に置き去りにされていた子供でした。星美ケ丘病院の准看護師として真面目に働いているのですが、温かい家庭環境で育つという経験をしていないということから、亡くなった患者さんの遺族の気持ちに共感をすることができないという孤独感も感じているようでした。弥生さんはアパートの小さな部屋で、前の住人が置いていった(前の住人に捨てられた)観葉植物を育てていました。

同僚の看護師たちともほどよく距離を置いて仕事をしていた弥生さんには、担当している十数人の患者のバイタルサインを高い記憶力で暗記しているという特技があったのですが、新しく赴任してきた看護師長の藤堂優子(鈴木保奈美さん)にメモを取るようにと注意され、人の心の中を見抜くような率直な藤堂さんのことを少し苦手だと感じていました。

そのようなある日、弥生さんは、病院長で外科医の後藤啓一郎(本田博太郎さん)が執刀する虫垂炎の患者の手術に参加をするのですが、その患者さんの術後の様態が悪く、痛みを訴えていました。そしてある夜激しく苦しみ出し、受賞パーティーに出席していた後藤院長になかなか連絡がつかない間に、患者さんは亡くなってしまうのでした。

死亡した患者さんのレントゲン写真を確認していた藤堂さんは、後藤院長の手術の補助をしていた弥生さんを呼び、患者さんが痛がっていたのが虫垂を切除した箇所ではなく、胃のほうだったのではないかと指摘していました。苦しんでいた患者さんが抑えていた腹部を思い出し、はっとしていた弥生さんは、何を見ていたの、と藤堂さんに言われ、自分がよく見ていたらあの患者さんは死ななかったのだろうかとショックを受けていました。

しかし、弥生さんは、弥生さんのことを「いい子」だから「この病院でずっと働いてもらいたい」と言う病院長から、遺族に「丁寧に説明をしたい」から藤堂さんが院長室に来ないようにしてほしいということを頼まれ、従うほうを選んでしまいました。

弥生さんは、小さい頃、「いい子」だからという理由で弥生さんを引き取った家族の愛情を疑い、「いい子」でなくても自分を愛してくれるだろうかと養父母を試した結果、「いい子じゃない」と言われて児童養護施設に戻されたという体験をしていたため、「“いい子”でいなければ捨てられる」という思いに囚われていました。

カルテがないと嘘をついて藤堂さんを引き止める時間稼ぎをした弥生さんは、そのことに気付いた藤堂さんから唖然とされていました。そして、病院長の医療ミス隠しに協力したことについて、この病院にいたいからだと答えた弥生さんは、呆れる藤堂さんから、かわいそうな人ね、と言われて、また改めて孤独を感じていました。

脚本は森脇京子さん、演出は野田雄介さんでした。音楽は澁江夏奈さん、エンドロールで流れていた主題歌はandropの「Kokoro」という曲でした。

鈴木保奈美さんの演じている看護師長の藤堂さんは、何かの事情で数年間看護師の仕事から離れていたけれど今回頼まれて職場復帰をしたという優秀な看護師長のようで、病院を患者さんにとって良い場所にしたいという思いで看護師の仕事をしている活動的な人でした。

その他には、病院長の息子で跡取りにならない道を選んだらしい事務長の後藤雅之(溝端淳平さん)、弥生さんの暮らしている町の公園で犬の散歩をしている老人(古谷一行さん)などの登場人物がいました。

ドラマは、山本弥生とは誰なのだろう、と自分自身の存在に不安を感じながら准看護師の仕事をしている弥生さんが、弥生さんに向き合ってくれる人たちとの出会いを通して、自分の本当の居場所を見つけていく、という物語のようでした。

「自分探し」には「自分」よりも「他者」が必要なのだと聞いたことがあります。ドラマの弥生さんも、看護師長の藤堂さんとの出会いによって、良い方向へ変わっていくのかもしれないなと思います。

このドラマの「いい子」は、教育評論家の方が使うようないわゆる「いい子」で、つまり、大人に気に入られるために「良い子」を演じている子供、大人にとって都合のいい子供ということなのだと思います。弥生さんは、そこから抜け出すことができないということなのだと思うのですが、子供の頃に傷付いた思いというのは本当になかなか払拭できないというか、時間が経っても治り難いものだと思うので、弥生さんがどのように明るいほうへ変わっていくのか気になります。

全4回のドラマだそうですし、次回も見てみようと思います。
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