「世にも奇妙な物語 25周年記念~映画監督編~」

フジテレビの「土曜プレミアム」の枠で放送されていたスペシャルドラマ「世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP~映画監督編~」を見ました。

先週の「傑作復活編」は過去作のリメイク作品ということだったので、私としてはどちらかというと、新作となる「映画監督編」のほうを特に楽しみにしていました。

最初の「箱」は、研究室で実験中に突然頭を殴られて気を失った吉野朔子(竹内結子さん)が、目を覚ますと棺桶のような薄暗い箱の中にいることに気付いてパニックに陥る、という話でした。脚本と演出は佐藤嗣麻子さんでした。

「幸せを運ぶメガネ」は、結婚相談所のサイトに登録し、ある日自宅に送られてきた「ウェアラブルライフサポーター」という“電脳メガネ”に幸せになる道を選んでもらうことになった独身の村上涼太(妻夫木聡さん)が、サイトで知り合った三浦あゆみ(山本美月さん)と幸せになるためにそのメガネの指示に頼りきるようになるという話でした。脚本は宇山佳佑さん、演出は本広克行さんでした。

「事故物件」は、小学生の娘の朱理(新井美羽さん)と引っ越してきたマンションの部屋で怪奇現象に遭遇するようになった元看護師の早瀬由希子(中谷美紀さん)が、元夫の真一(高橋和也さん)と再会し、娘が亡くなった事実を受け入れていくという話でした。脚本は加藤淳也さんと三宅隆太さん、演出は中田秀夫さんでした。

「×バツ」は、ある朝、額に自分以外の人間には見えないらしい×印がついていることに気付き、×印はもうすぐ死ぬというサインなのではないかと思い込むようになった銀行員の初野元秀(阿部サダヲさん)が、街中の人間の額にも家族の額にも×印が付いているのを見て日本の危機に唖然とする、という話でした。原作は原田宗典さんの『どこにもない短編集』所収の「×バツ」という小説だそうです。脚本は長谷川徹さん、演出は山崎貴さんでした。

最後の「嘘が生まれた日」は、本音だけを言い合う正直な世界を舞台にした物語でした。ある日、路上に落ちていたお財布を拾い上げ、警察官に窃盗の現行犯で逮捕されそうになって、僕のです、と咄嗟に言ってしまった宇佐美正太郎(満島真之介さん)が、事実ではないことを言うことができる、ということに気付き、友人の増谷理(白州迅さん)と内田和也(矢本悠馬さん)に教え、頭文字を取ってその技を「USO(うそ)」と名付け、3人で詐欺のビジネスを始める、という話でした。「うそ」が人を傷つけるということを知った宇佐美さんは反省して警察に自首し、そのことから「うそ」の技術は世界中に広まり、「うそ」がなければ成立しない世の中が作られていくのですが、一方出所した宇佐美さんは、人を幸せにする「うそ」もあるのかもしれないということに気付き始めていました。原作は、渡辺優平さんの漫画『ウソキヅキ』だそうです。脚本は宇山佳佑さん、演出は清水崇さんでした。

楽しみにしていた「映画監督編」だったのですが、何というか、私としては、あまり「世にも奇妙な物語」という感じのしない作品が集められていたように思えてしまいました。

「幸せを運ぶメガネ」はトヨタ自動車のCMの“のび太くん”が未来の道具に頼っているようにも見えてしまいました。第500話となった「事故物件」(結局、最後のDVDの場面にも何もありませんでした)、「×バツ」、「嘘が生まれた日」は、“良い話”でもあり、このように言ってはいけないのかもしれないのですが、“普通の話”にも思えました。最後の「嘘が生まれた日」のドラマを見ながら途中で少し眠いような気持ちになってしまいました。

最初の「箱」は、予告の映像を見た時、もしかしたらエドガー・アラン・ポーの『早すぎた埋葬』なのかなと思っていたのですが、その後にストーリーテラーのタモリさんがその小説のことを言っていたので、本当に『早すぎた埋葬』のアレンジ作品だったようでした。

主人公の女性が「箱」の中でパニックになって叫んだりしている場面を私はあまり面白く思うことはできなかったのですが、脳卒中で倒れていたという事実が明らかになって、病院での病の説明と「箱」での主人公の言動とが一致するようになった辺りからは、良かったように思います。

そのため、もしもなのですが、昏睡状態に陥っている主人公が「脳死」と判定されることになったなら、物語はもっと怖くなったのではないかなと思いました。脳死の判定をするまでには、耳の中に水を入れるとか、爪の間に針を刺すとか、脳の反応を見るためにそのような実験が行われると以前聞いたことがあるのですが、ドラマの中でそのような実験が実行されていたなら、あるいはさらに脳死臓器移植が行われることになったなら、意思表示をすることができない「箱」の中の主人公の精神(魂?)はどうなるのだろうと思いました。

「箱」の中に落ちていた誰かのスマートフォンで話の通じない警察官と話すとかの場面よりも、喉が苦しくなるとか、腕をムカデが這うとか、箱が移動しているようだとか、ドラマの中の主人公のそのような身体感覚の描写がもっと多くあったほうが、よりリアルに、外部と遮断され身動きの取れない主人公の行き場のない怖さを、「早すぎた埋葬」の恐怖を感じることができたのではないかなと思いました。

最近の「世にも奇妙な物語」は、オムニバスドラマの各話の主人公を演じる俳優さんは誰なのか、スタッフの方は誰なのかということが中心で、「奇妙な物語」なのかどうかはそれほど優先されていないのかもしれないなとも思います。

毎回のことなのですが、ストーリーテラーのタモリさんの部分が一番「奇妙」な雰囲気が上手く出ている場面であるような気がします。もしもタモリさんの場面がなかったなら、きっと普通のオムニバスドラマ企画になってしまうのだろうなと、昨夜の「世にも奇妙な物語」を見て改めて思いました。


ところで、このドラマの後に見たNHKの「SONGS」は、デビュー20周年を迎えた「My Little Lover(マイリトルラバー)」の特集でした。「Man & Woman」、「白いカイト」、「Hello, Again ~昔からある場所~」、新アルバムからの「ターミナル」が披露されていたのですが、小林武史さんと出演し、本当にいろいろなことがあったと話していたakkoさんの歌声は、相変わらず独特なかわいらしさがあって、私は特に「白いカイト」を好きなので、聴くことができて嬉しく思いました。
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