「わたしをみつけて」最終回

NHKの「ドラマ10」の「わたしをみつけて」の最終回(第4話)を見ました。

子供の泣き声が聞こえたアパートの部屋のドアを開けた星美ケ丘病院の准看護師の山本弥生(瀧本美織さん)は、DVの被害に遭っていた同僚の看護師の神田恵美子(初音映莉子さん)に、親に捨てられて児童養護施設で育ったことを打ち明け、神田さんは子供を捨てていないだけ良い母親だと話し、子供を守るためにも暴力を振るう男性とは別れたほうがいいと説得していました。

アパートの部屋のことを心配していた菊地勇(古谷一行さん)は、弥生さんから話を聞き、女性がDVの男性と別れる決意をしてくれたと伝えられてほっとしていました。そして、弥生さんが一歩踏み込むことができたことを褒めて、感謝していました。

菊池さんに感謝されたことを嬉しく思っていた弥生さんに、看護師長の藤堂優子(鈴木保奈美さん)との別れの日が近づいてきました。ナースステーションに集まった看護師さんたちに、藤堂さんは、患者さんのことを第一に考えてほしいと話し、あなたたちがいる場所は患者さんのそばだと伝えて、星美ケ丘病院を去って行きました。

それから、弥生さんは、大腸癌の手術を院長の後藤啓一郎(本田博太郎さん)に執刀してもらうことはできないかと菊池さんに頼まれ、看護師から頼むことはできないと困惑していました。菊池さんの言葉を聞いていた、院長の長男で事務長の後藤雅之(溝端淳平さん)が、どうして院長に執刀してほしいのかと菊池さんに訊くと、菊池さんは、高度経済成長期の「金のたまご」のことを話し始め、かつて青森の津軽から出てきた自分も「金のたまご」の一人だった、院長もがむしゃらに働いてきた自分と同じ世代なのだと二人に話していました。

雅之さんが父親である後藤院長に菊池さんが手術の執刀をしてほしいと思っていることを伝えると、後藤院長は、雅之さんの意見を聞きたいと言い、雅之さんは、今すぐ医者を辞めるべきだと思う、でも患者さんの意向には沿うべきだと思うと話していました。後藤院長は、菊池さんの手術を行う決断をし、雅之さんは、弥生さんに、院長を助けてほしいと頼んでいました。

お見舞いに来ていた菊池さんの家族は、あなたがいたから手術を受ける気になったのだと弥生さんに感謝していました。そして手術当日、弥生さんは、自分を見つけてくれた菊池さんを失うわけにはいかないと、院長の手術をしっかりと見ることにしていました。手術が始まり、途中まで順調に進めていた院長は、出血しないと思っていた箇所からの突然の原因不明の大量出血に慌てると、何度も弥生さんにハサミを要求していたのですが、震える手で手術を続ける院長の様子を見ていた弥生さんは、ハサミをわざと床に落として、その音にはっとなった院長に、落ち着いてください、と冷静に声をかけ、血小板輸血をしてはどうですかと提案しました。

後藤院長は、その弥生さんの言葉に聞く耳を持ってくれました。そうして血小板輸血がなされた菊池さんの出血箇所を約2時間押さえていた院長がゆっくりと手を離すと、菊池さんの出血は止まっていました。その後、菊池さんの腫瘍の摘出手術は無事に成功し、院長室に戻った院長に、待っていた息子の雅之さんがお疲れ様ですと声をかけていました。後藤院長は、菊池さんの手術を自分が執刀する最後の手術としていたようでした。引退を決めた後藤院長は、お前の自由にしていいと、病院の経営を雅之さんに譲ることにしていました。

病院から帰るところだった弥生さんに声をかけた事務長の雅之さんは、院長を助けた弥生さんにお礼を言いい、病院を立て直そうと思うと伝えていました。弥生さんは、がんばってください、と明るく言って、自転車で坂道を下って行きました。

それから、退院することになった菊池さんは、病院の玄関先に見送りに来た弥生さんに、あなたに会えて良かった、と言い、弥生さんも、菊池さんに見つけてもらえて良かったと感謝していました。家族の車に乗った菊池さんが窓から「九九(9×9)」と訊くと、弥生さんは「81!」と素早く答えて、菊池さんに教えてもらった、津軽弁で「またね」の意味の「へば」の言葉で、いつか遊びに来ると言っていた菊池さんに手を振っていました。

明るい服装に変わっていた弥生さんは、大切な人と会う約束をしていると看護師仲間に言ってあるレストランへ出かけていたのですが、そこに待っていたのは藤堂さんでした。藤堂さんは、明るい雰囲気になった弥生さんを見て何かを言おうとしたのですが、言うのをやめていました。そして、弥生さんから、師長の病院へは行けなくなったと断られると、そう言われる気がしたと笑っていました。

弥生さんは、星美ケ丘病院に自分の居場所を見つけていました。これまで一人で歩いてきたあなたならきっと大丈夫だと藤堂さんに言われた弥生さんは、私は一人で生きてきたのではなかった、たくさんの人に育てられてきたのだと、児童養護施設でのささやかな思い出を話していました。

そこで名付けられた「山本弥生」という名前について訊かれた弥生さんは、山本は当時の施設長の苗字で、弥生は3月に捨てられたから、と答えていたのですが、名前には祈りが込められていると切り出した藤堂師長は、3月に捨てられたのではなく、あなたは3月に拾われたのだと話していました。

レストランからの帰り道、弥生さんと藤堂さんは、星がきれいに見えていた町に「星美ケ丘」と名付けられて再開発されたことによって星が見えなくなってしまったという話をしながら歩いていました。弥生さんは、藤堂さんと別れて一人で反対の道へ歩き始めたのですが、山本さん、と再び声をかけてきた藤堂さんから、星よ!と言われて、はっと空を見上げていました。星が見えないと思っていた夜空に、弥生さんは星を見つけることができたのでした。手を振る藤堂さんと別れた弥生さんは、この町で生きていくと心に決めて、再び一人で道を歩き出していました。

脚本は坂口理子さん、演出は野田雄介さんでした。

最終回も、とても良かったです。

誰にも見つけてもらえないと思っていた弥生さんが、藤堂師長や菊池さんや事務長の雅之さんや後藤院長たちとの出会いを通して、今までたくさんの人に見守られて生きてきたということに気付き、これからは自分が見つける側になって生きていこうと決心する最終回でした。

同僚の神田さんを助け、菊池さんの命を救った看護師の弥生さんは、「良い子」でも「悪い子」でもなく「私は私なのだ」と、自分の存在に自信を持つことができるようになっていました。弥生さんの中で「捨てられた子」の証のようになっていた自分の名前にも、藤堂さんの一言によって、「3月に拾われた子」という救いを見出すことができるようになり、弥生さんは、養護施設で育ち看護師となった自分の人生を肯定して、前向きに積極的に生きていくことができるようになったようでした。

「あなたは3月に拾われたのよ!」という藤堂さんの言葉は、本当に弥生さんの気持ちを救ったのだろうなと、ドラマを見ていて思いました。

瀧本美織さんの弥生さんの心理も丁寧に描かれていたのですが、鈴木保奈美さんの藤堂さんも、古谷一行さんの菊池さんも、本田博太郎さんの後藤院長も、溝端淳平さんの事務長の雅之さんも、その個性が丁寧に描かれているように思えて良かったです。

弥生さんは出会った人たちによって救われていましたが、弥生さんと出会った人たちも、弥生さんによって救われていたのだと思いました。

主題歌のandropの「Kokoro」という曲が流れるエンドロールの場面も良かったですし、弥生さんが夜空に星を見つけて歩き出すという終わり方も、とてもきれいに思えました。

特に最終回は、見終わった後に穏やかな幸福感の余韻の残る最終回でした。弥生さんが幸せになったのを見て、ドラマを見ていた私も何だか幸せな気持ちになりました。全4話というのも、ちょうど良かったように思います。最後まで無事に見ることができて良かったです。とても良いドラマでした。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム