「江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」第2回と第3回

NHKのBSプレミアムで放送された「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」の第2回「心理試験」と第3回「屋根裏の散歩者」を見ました。録画をしておいたものです。

2週間ほど前に放送された第1回の「D坂の殺人事件」がとても良かったので、それに続く第2回と第3回を見るのをとても楽しみにしていました。

名探偵・明智小五郎を演じるのは満島ひかりさんというところは共通していて、その他の第2回「心理試験」の主な登場人物は、蕗谷清一郎(菅田将暉さん)、友人の斎藤勇(大水洋介さん)、松の植木鉢の底に隠したお金のために強盗殺人の被害者となる官吏の未亡人の老婆(嶋田久作さん)、刑事(佐藤佐吉さん)、笠森判事(田中要次さん)です。

第3回「屋根裏の散歩者」の主な登場人物は、明智小五郎と話すうちに犯罪に興味を持つようになる郷田三郎(篠原信一さん)、下宿の東栄館に暮らしている一人で後に毒殺される歯科助手の遠藤(村杉蝉之介さん)、同じ下宿の北村(白仁裕介さん)です。

どのように映像化されているのだろうと、約30分の作品をとても楽しみにして見始めたのですが、でも、土曜日の夜と日曜日の夜に連続で放送された第2回と第3回の「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」は、第1回の作風とは全く異なっていました。

第1回の演出は宇野丈良さん、第2回の演出は佐藤佐吉さん、第3回の演出は渋江修平さんと、3作とも演出家の方が異なるので、それは仕方のないことなのかもしれないとは思うのですが、私としては、第1回と比べて特に異なっているように思えたのは、「1925年(大正14年)」の雰囲気があまり出ていないように思えたこと、明智小五郎の服装や動作が奇妙だったことです。第2回は、どちらかというと1970年代風に思えましたし、第3回は、1925年を目指しているようにはあまり見えませんでした。

また、第1回にはなかったと思うのですが、第2回と第3回の冒頭には、「ほぼ原作通り映像化」との字幕が出ていました。そして、その後の物語の展開には、朗読と文章の字幕が多用されていました(第2回の朗読は角田誠二さん、第3回の朗読は國村隼さんでした)。第2回と第3回のドラマというか、映像化された場面は、確かに「ほぼ原作通り映像化」だったのかもしれないのですが、それは物語の筋が原作通りということで、変な動きをしたり叫んだりというような登場人物の過剰な演出の動作は、原作の通りではないと思います。

第1回で満島ひかりさんが演じていた明智さんは、明智さんのイメージを崩さないというように丁寧に作られた明智さんだったように思うのですが、第2回や第3回の明智さんは、演出家の方が異なるにも関わらず、なぜかどちらも女性らしさを出していました。「男装」ではあったのかもしれないのですが、女優さんが演じているのに、女性の要素をあえて見せているという感じでした。

第2回の「心理試験」での菅田将暉さんの演じる蕗谷清一郎は良かったように思えたのですが、第3回の「屋根裏の散歩者」では、郷田三郎と遠藤という事件関係の登場人物を、少し気持ち悪く描き過ぎているようにも思えてしまいました。

あえてそのように描いたのだろうと思うのですが、気持ち悪いというか、悪趣味というか、そのような演出は、何というか、江戸川乱歩の作品の雰囲気を台無しにしてしまうのではないかと思うのです。

「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」を見た方によっては、私とは反対に、第1回の作風よりも、第2回や第3回の作風のほうが好きであるという方も、もしかしたらたくさんいるかもしれないと思いますし、一視聴者の私があまりいろいろ言うのは良くないかもしれないとは思うのですが、私も江戸川乱歩の作品を好きなので、乱歩の小説の物語があえて映像化されるのなら、小説の世界観が大切にされているように思える作品を見たいと思ってしまうのだと思います。

それでも、没後50年などで企画された、今回の乱歩の短編小説の映像化作品を見ることができて(私としてはやはり全3作品の中では第1回の「D坂の殺人事件」の作風がとても良かったと思うのですが)、楽しかったです。
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