「日本のヴァイオリン王 鈴木政吉物語」

フジテレビで放送された東海テレビ制作のスペシャルドラマ「日本のヴァイオリン王 ~名古屋が生んだ世界のマエストロ 鈴木政吉物語~」を見ました。何だろうと気になって、録画をしておいたものです。

幕末の名古屋に生まれた鈴木政吉さんは、もともとは三味線の職人さんで、ヴァイオリンの大量生産に成功し、明治・大正時代の日本にヴァイオリンブームを巻き起こした、実業家なのだそうです。

政吉さんは、三味線作りの家業を辞めて小学校の音楽の先生になろうと勉強をしている時に日本製のヴァイオリンと出会い、三味線作りの技術を生かしてヴァイオリンを作り、後にヴァイオリンの製作会社を創業していました。

ヴァイオリン(バイオリン)にも詳しくない私は、鈴木政吉さんのことを知らなかったのですが、政吉さんが創業した「鈴木ヴァイオリン製造株式会社」は、今でも名古屋にあるのだそうです。

政吉さんの偉業を伝えるドキュメンタリードラマで、ドラマ部分は、何となく“再現ドラマ”風でもあったように思うのですが、主な登場人物は、ヴァイオリン作りに職人生命を懸けて挑んでいた鈴木政吉(武田真治さん)、三味線作りを辞めてヴァイオリン作りに打ち込む政吉さんを貧しい暮らしの中でも懸命に支えていた妻の乃婦(のぶ、笛木優子さん)、貧しい生活を送る乃婦を心配する母親の近藤八重(茅島成美さん)、東京銀座の共益商社の社長の白井練一(大杉漣さん)、政吉さんのヴァイオリンを白井さんに紹介した「ヤマハ」の創業者の山葉寅楠(羽場裕一さん)、ヴァイオリンの製作会社を興した政吉さんのもう一人の妻で元人気芸者の良(中村ゆりさん)、ヴァイオリン会社を継いだ長男の鈴木梅雄(迫田孝也さん)、鈴木家の三男でヴァイオリニストになった鈴木鎮一(阿部力さん)、幸田露伴の妹でヴァイオリニストでもあり音楽家でもある幸田延(遊井亮子さん)、延さんの妹でヴァイオリニストの安藤幸(幸田幸、大塚千弘さん)でした。

構成と脚本はいずみ玲さん、演出は西本淳一さんでした。ナレーションは水谷豊さんでした。

ヴァイオリニストの古澤巌さんが2015年の夏のホールで幻の鈴木政吉さんのヴァイオリンを演奏をするという場面から始まっていたのですが、その音色は確かにとてもきれいな、何というか、鮮烈な音色に聞こえました。

ドラマによると、政吉さんは、アインシュタイン博士と親しくなるほどのヴァイオリニストとなった三男の鎮一さんが自宅で演奏した、イタリアのクレモナ出身のガルネリのバイオリンを見せてもらい、そこで初めて、これまでに自分が作ってきた大量生産のヴァイオリンと、クレモナの芸術的なヴァイオリンとが異なることを認めざるを得なくなったようでした。ショックを受けた政吉さんが、最初からあの芸術的なヴァイオリンを見ていたなら、そのように作ることができたはずだと号泣していた場面が、とても良かったです。

それから政吉さんは、会社の経営を長男に任せて、再び一つ一つ手作りのヴァイオリン制作に打ち込み、ガルネリに匹敵するほどの音色を奏でるヴァイオリンを生み出すことに成功したのだそうです。それは、政吉さんがガルネリを見てから半年ほどの出来事だったようなので、鈴木政吉さんのものづくりの力というか、幕末生まれの方の職人魂は本当にすごいなと思いました。

番組によると、政吉さんは9男4女の父親ということだったのですが、ヴァイオリンブームが下火になり、銀行の倒産などの影響で会社の経営が悪化していた昭和時代の部分は、ドラマではあまり描かれていませんでした。音楽教育家として「鈴木メソッド」を生み出した鎮一さんは、母親の良さんが亡くなる少し前に、ドイツの女性と結婚したようでした。政吉さんは、太平洋戦争が終わる前年、1944年の1月に84歳で亡くなったのだそうです。

良さんのほうが政吉さんよりも先に亡くなったようだったのですが、30年以上同じ家で一緒に暮らしていたという妻の乃婦さんともう一人の妻の良さんは、実際にもドラマのように、お互いを尊重し合うような感じで、仲良く暮らしていたのでしょうか。仲良く暮らすことができていたのだといいなと思いました。

現存する政吉さん作のヴァイオリンには、今の皇太子さまが故・高松宮宣仁親王から贈られたものや、安藤幸さんの家に受け継がれているものなどがあるそうです。

例えば、今NHKで放送されている連続テレビ小説「あさが来た」も、広岡浅子さんという幕末や明治の実業家の方をモデルにした話で人気を博しているようですし(私はこのドラマの物語を特に楽しく見ることができているというほどではないのですが、一応何となくの流れで見ています)、今回の鈴木政吉さんの物語も、最近の連続テレビ小説のようなドラマ(連続テレビ小説の場合は妻の乃婦さんか良さんが主人公になるのかもしれませんが)になりそうだなと思いました。また、それと同時に、幕末や明治、大正、昭和初期の時代に活躍した実業家の方をモデルにする物語は、これからも作られていくのかもしれないなと思いました。

何気なく見ることにしたドラマだったのですが、私も少しでも鈴木政吉さんのヴァイオリンのことを知ることができて良かったです。
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