「相棒season14」最終回

テレビ朝日のドラマ「相棒season14」の最終回2時間スペシャル、第20話「ラストケース」を見ました。

最終回は二代目女将の月本幸子(鈴木杏樹さん)の「花の里」の場面から始まっていたのですが、その日の少し前の出来事が描かれていたらしい冒頭では、第15話「警察嫌い」に登場した警察嫌いの目撃者の青木さん(浅利陽介さん)の件で、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊さん)と法務省から出向中の冠城亘(反町隆史さん)は、謹慎処分となっていました。

そのようなある日、警視庁の警察学校の射撃場で、実弾射撃訓練を受けていた訓練生の伴野甚一(瀬川亮さん)が教官や他の訓練生たちを射殺し、実弾を集めて射撃場に鍵をかけてその場を離れました。そして、隣の警察大学校で教官養成の研修を受け、帰りのバスを待っていた鑑識の米沢守(六角精児さん)が、バス停のそばを通り過ぎた訓練生らしき人物から漂う臭いを察知してすぐに射撃場に向かい、殺人事件に気づいたのでした。

唯一生きていた金井塚(小柳友さん)は、自分はメッセンジャーとして生かされたのだと言い、伴野が「テロには屈しない」と繰り返す大臣たち自らが標的にされたならどのように振舞うのかということを試すためにテロを起こすと言っていたということを、捜査一課の刑事の伊丹憲一(川原和久さん)や芹沢慶二(山中崇史さん)たちに話していました。

テロは拡散し続ける、ということを政治家に思い知らせるためにテロの計画を立てていた伴野は、文部科学省の大臣の私邸の警備員に成り済まして「SP」の警察官共々射殺し、目撃者となる運転手は生かして逃走しました。

冠城さんは、公安調査庁時代の友人の調査官の鴨志田慎子(高岡早紀さん)と会い、鴨志田さんが2年前にワシントンで出会った伴野さんと親しい間柄であることをしりました。捜査協力を申し出た鴨志田さんは伴野さんに電話をかけ、警察は伴野さんが5年前に新宿の爆発事件に巻き込まれて死亡した姉のお墓参りをしていることを知りました。

鴨志田さんと会う約束をした伴野さんは、ネットジャーナリストに連絡して、夜のショッピングセンターの跡地へ向かい、鴨志田さんの身代わりとして待っていた警官の女性を人質に取ると、周辺から出てきた警察官たちに、テロは永遠に続くのだと訴え、ベルトのように身体に巻いていた液体の袋を切って火を点けて、焼身自殺を遂げました。ヘリコプターを借りてその様子を撮影したジャーナリストはその動画をネットに流し、伴野さんの最期のメッセージを公表しました。

その後の捜査で伴野さんが盗んだ実弾から11発分がなくなっていることを知った右京さんは、唯一の生き残りの金井塚さんも殺人事件に加担していたのではないかと疑い、金井塚さんを追い詰めていきました。一方、冠城さんは、農林水産大臣の菊本(石橋蓮司さん)が理事を務めるテロ被害者遺族の会のボランティアをしているという鴨志田さんが伴野さんのテロ事件ことで嘘をついていることに気づき、鴨志田さんを見張るのですが、テロ対策の講演会の場で鴨志田さんは副総理の玉手(小野寺昭さん)への暗殺未遂の現行犯で逮捕されてしまうのでした。

脚本は輿水泰弘さん、監督は和泉聖治さんでした。

「テロとの戦い」とか「テロには屈しない」などの常套句を繰り返すことで一般市民たちを危険に晒し続ける閣僚たちに憤りを感じ、大臣たちへの「テロ」を計画していた警察学校の訓練生の伴野さんが、射撃訓練中に教官や他の訓練生たちを射殺し、私邸の警備の警官に成り済まして大臣を射殺する、という今回のドラマの導入部分は、「相棒」のドラマらしい展開でもあり、良かったように思えました。

でも、「テロ」を行うことにした伴野さんや金井塚さんや鴨志田さんや菊本さんに、信念のようなものが感じられなかったところが、私には少し残念に思えました。テロリストの信念のようなものを描くことは難しいのかもしれませんが、それでも、ドラマを見終わった後も視聴者に考えさせるような問題提起をするのがかつての「相棒」の社会派の回の物語であったような気がします。

結局、総理大臣の玄間(国広富之さん)の暗殺は計画倒れに終わっていましたし、「テロは永遠に続く」のかもしれないというテーマを「相棒」のドラマなりに描き切ることができていなかったというか、生かすことができていなかったように思えました。「テロ」の要素も中途半端であるように思えましたし、捜査手法も雑であったような気がします。金井塚さんがテロの計画を詳細に書いたメモ?をざっくりと千切って警察が見張っているであろうマンションのごみ捨て場に捨てるとか、そのような方も実際にいるかもしれませんが、ドラマで描くのには安易過ぎるように思えました。

鴨志田さんが冠城さんの元交際相手であったとか、法務省から出向中の冠城さんが法務省を退官させられて警視庁に「天下り」をすることになるとか、そのような冠城さんの部分を描くためのテロ事件だったのかなという風にも思えてしまいました。

それにしても、今は「テロ」という言葉をいろいろなところで使い過ぎているような気もします。「テロ」という言葉を世の中に溢れさせて人々の頭の中に残すことで「テロとの戦い」という言葉を強調させているようにも思えます。それまでの国の在り方を暴力的な行為で変えようとする人物のことを、「テロリスト」と呼ぶか「革命家」と呼ぶかは、立場によって異なるというくらいのことなのではないかと思います。ただ、今回の「相棒」のドラマの中の「テロリスト」には、政治的な信念のようなものは薄かったような気がします。ごく普通に(普通と言ってはいけないのかもしれませんが)殺人犯や殺人未遂犯などの名称で呼ばれるべきであるような犯人であったようにも思います。

ともかく、今回は冠城さんの「ラストケース」にはならず、冠城さんは特命係に正式に加入することになったようでした。冒頭から活躍していた米沢さんは、4月から2、3年間?警察学校の先生になり、冠城さんはそこで訓練を受けることになるということでした。「season15」が作られるとしたら、その時には、鑑識に戻りたいと話していた米沢さんはちゃんと鑑識課に戻っているのでしょうか。

2時間9分ほどの放送時間だったので、後半の途中では少し眠いような気持ちにもなってしまったのですが、一応今回は右京さんと冠城さんの二人が事件解決に向けて動いていたというところが良かったように思えました。

「相棒」のドラマシリーズを見ている私には、かつてのようには右京さんのことを見ることができなくなっているというか、前の右京さん(「10」まで)と、今の右京さん(「11」から)という風に、右京さんを分けて考えるようになってしまっている部分もあるのですが、今の右京さんと冠城さんの“相棒”はまだ続くようですし、次作が放送されることがあったなら、また楽しみにして見てみようと思います。
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