「クローズアップ現代」の最終回

昨夜のNHKの「クローズアップ現代」の特集では、「未来への風~“痛み”を越える若者たち~」として、“失われた20年”を生きてきた20代や30代の若者たちが、なかなか改善されない社会問題への解決に向けて、新しい形のグループを作ったりコミュニティを作ったり作品を発表したりと、横並びの「同調圧力」のプレッシャーの多い世の中で積極的に声を上げ始め、社会の中に存在感を示し始めた、ということが伝えられていました。

スタジオのゲストは、作家の柳田邦男さんでした。キャスターの国谷裕子さんと柳田邦男さんの背景には、経済が低迷し、教育や雇用や福祉のシステムに歪が生まれて行き詰るようになったこの約20年の間の社会問題のいくつか、自殺やいじめ、グローバル経済、非正規雇用、リストラ、リーマンショック、マイナンバー、米軍基地、原発事故、安倍政権が進める集団的自衛権や安全保障関連法の問題などが樹形図のように示されていました。

柳田さんは、自分の頭で考えること、情報を読み解く力を身につけること、多様な考えを理解すること、表現力を身につけること、というような4つのことを、今の時代や未来の時代を生きる若者たちに持っておいてほしい大切なこととして挙げていました。そして、柳田さんは、“痛み”を乗り越えようとする若い人たちの新しい芽を大人たちが摘まずに支えて大事に伸ばしていくことに、期待をしていました。

70年を過ぎた「戦後」だけではなく、東日本大震災後という点でも、選挙権を持つ年齢が18歳からになるという点でも、現代は時代の転換点であるようでした。若い人たちが社会の流れに違和感を感じて声を上げるのは本当に良いことですし、それができる人たち、そのために団体を作るような人たちは、本当にすごいなと思います。私にはなかなかできそうにないけれど、少しずつ、いつかはそうすることができるような人間になりたいなと思いました。

そして、「クローズアップ現代」の番組は、いつものように終わったと思えたのですが、少し無音の間があり、1993年4月に始まり時代と共に歩んできた「クローズアップ現代」、国谷裕子キャスターの出演は今夜が最後となります、というような字幕が出たので、それとは知らずに何気なく見ていた私はとても驚きました。

国谷キャスターが降板になるらしいことは知っていたのですが、それが17日だとは知らなかったのです。

国谷キャスターは、「23年間担当してきましたこの番組も、今夜が最後となりました。この間、視聴者の皆さまからお叱りや戒めも含め、大変多くの励ましをいただきました。『クローズアップ現代』が始まった平成5年からの月日を振り返ってみますと、国内・海外の変化の底に流れるものや、静かに吹き始めている風を捉えようと、日々もがき、複雑化し見えにくくなっている現代に、少しでも迫ることができれば、との思いで番組に携わってきました。23年が終わった今、そのことをどこまで視聴者の皆さま方に伝えることができたのか、気がかりですけれども、そうした中でも長い間番組を続けることができましたのは、番組にご協力いただきました多くのゲストの方々、そして何より番組を見てくださった視聴者の皆さま方のおかげだと、感謝しています。長い間本当にありがとうございました。」と挨拶をして、番組を終えていました。

全ての回を見ることができたというわけではなく、テーマによって放送時間に見たり録画をして見たりしていたのですが、「ニュース7」の後の夜7時半からのこの約30分の「クローズアップ現代」は、「ジャーナリズム」のある番組として、とても良い番組でした。この番組を見て初めて知った世の中の出来事も、たくさんあるのだと思います。

元都知事の石原慎太郎さんや現官房長官の菅義偉さんのことは、この番組での対応を見て、器の小さな方なのかなと思うようになりました。

番組で紹介されていた事実が本当のこととは違っていたとか、「やらせ」があったとか、その回を見ていない私にはその部分について判断をすることはできないのですが、ある日の放送内容が実は間違っていたということは、とても残念なことだけれど、他の報道番組や情報番組にも時々あることですし、紹介されたある事件やある問題や、それに対する考え方に接して、伝えられていることが正しそうか間違っていそうか、良い意見かあまり良くない意見か、そのことを考えるのは視聴者自身なのではないかなと思います。

「同調圧力」に屈することなく?未来を変えるために新しい生き方を始めた若者たちへの期待や応援で最終回(第3784回)が終わっていたのも、良かったと思います。

政府関係の(有言か無言かの)圧力や“言論統制”の流れがあって「クローズアップ現代」が終わることになったのかどうかというようなことは私には分からないことなのですが、昨年の春にはNHKの「ニュースウォッチ9」のキャスターの大越健介さんが降板になったり、今年の春にはTBSの「NEWS23」のキャスターの岸井さんやテレビ朝日の「報道ステーション」のキャスターの古舘さんが降板になることが決まっていたり、以前(安倍政権ではない頃?)であったならそれほど気にしていなかったような、このような番組の改編のことも、もしかしたら何か重要な意味があるのかなと、少し気になるようになってしまいました。

少なくとも、嵐の櫻井翔さんが月曜日のキャスターを務める日本テレビの「NEWS ZERO」では、キャスターの村尾さんの交代はないようです。

先日の報道によると、今、ポーランドでも政府が“言論統制”を行おうとしていて、市民が反発をしているそうです。でも、日本では、政権寄りの意見が主流というか、報道機関が「自主規制」をしているとかの理由で、そのことが世論としてはあまり表立っては出てきていないような気がします。(昨日には、ジャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束されているらしいということが動画の映像と共に伝えられていましたが、具体的な良策が見つからないのだとしても、一般の人たちの「自己責任」論的な意見に接すると、私は何か少し寒いような気持ちにもなります。)

4月から「新番組」として名称が少し変わるという、21年続いた「ためしてガッテン」の最終回(山瀬まみさんが降板となっていました)や、23年続いたという「歌謡コンサート」の最終回は、番組表にもちゃんと「終」と書かれていたのですが、事実上の最終回だった昨夜の「クローズアップ現代」のところには(私が見た番組表には)なぜか「終」とは書かれていませんでした。

「クローズアップ現代」は、4月からは「クローズアップ現代+(プラス)」という名称に変わり、7人の女性アナウンサーが交代で“キャスター”を務める、夜の10時台の放送の番組になるそうです。今回の番組の最後に、そのことが字幕で伝えられていました。

最終回の中で伝えられていた「不透明な未来」への不安感は、このようなところにも現れているような気がしました。でも、ともかく、毎回ではなかったとしても、私も「クローズアップ現代」の放送を見ることができて、いろいろ考えることができて、良かったと思います。社会問題の回だけではなく、文化人の方との対談の回も良かったです。“風の画家”の中島潔さんとの回も、大学生となった萩本欽一さんとの回も、とても良かったです。長い間、ありがとうございました。
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